今夜の夕食はピエール・ガニエール@青山、初陣。
青山通りプラダビルの隣、スタイリッシュなファションビル。エレベーターに乗った途端ヘアサロンのにおいが。4階、レストランに到着、ドアが開くとすぐに入口。レセプションを通りフロアへ。渦巻きモチーフのカーペットと壁。その壁は大きくアーチを描いている。坐って周囲を眺めていると平衡感覚が失われてクラッとする。グラマラスな空間。場所柄か客層が若い。20~30代のカップルが目立つ。空間の音の反響が不思議。我々は壁際の一番奥のテーブルだったのだが、入口付近に座っていた外人カップルのひそひそ声が響いてくる。
メニューは読み方が難しい。それぞれの項目の下に小さな字で数種の皿の名前が書かれている。あとで納得、全部出てくる。その皿数の多いこと。凄いのは「雷鳥」がメニューに印刷されていること。店の仕入れ力を見せつけられる。
私は前菜に野菜のコンポジション、メインに仔羊をオーダー。
まずアミューズ・ブーシュ。5皿プラスα登場。テーブル上はお皿でいっぱい。しかし・・・、食べ難い。器が高めで、しかも「このお皿から食べてください」といわれた皿が奥に並べられている。周囲には、器を持って食べている人が!ちなみに、私はキュウリが苦手と申告しておいたので、キュウリのムースに変わりワタリガニのジュレに、大正解だった。内容は忘れてしまったが、スープがおいしかった(メニュー名はいいかげんにしか覚えていない)。
野菜のコンポジション、最も目を見張ったのは野生のキノコとタマネギのグラタン、見た目はパイ包み焼き。大きな皿がパイで覆われ登場、すごい迫力と香り。味もすばらしい。中身とパイ生地の蓋部分と、別々に誂えられてサービスされるので二度おいしいのも魅力。
仔羊は3皿。しかしメインの前に食べることに疲労を感じ始める。ノワゼットのクスクス仕立てはおいしくいただいたが、まだ快復しきっていない私のお腹にはこの時点で隙間がなくなり、ロックフォール風味が強いソースでいただく背肉は一口で断念。
全体的に味は実験的で、最近のフレンチでは珍しくなくなったオリエント、エスニックの影響がそこかしこに感じられる。特筆すべきは料理のプレゼンテーションのあり方。最初から最後まで驚きに満ち溢れていてとても楽しい。サービスもフレンドリーで色々な疑問にいつも笑顔で応えてくれる。唯一の難点は食べにくいこと。ここの料理を美しく食べるのは至難の業。諦めて楽しむに限る。
ちなみに、鳥居のようなロゴマークはテーブルを横から見た形。
昼は自然光が入りとても明るい雰囲気になるとのこと。裏を返しに訪れたいレストラン。