生い茂る夏の樹葉に隠れてよく見えない標識です。原作コミック第10巻117ページ3コマ目に出ている「八橋小道ラブロマンスロード」の標識そのままですが、作中では下段の「接岨峡大吊橋方面(徒歩5分)」が省かれています。おかげで実際の散策コースが分かりにくくなってしまっています。
標識付近からは、上図のように県道388号線の高堤ごしに接岨峡大吊橋の主塔の上半分ほどが見えます。原作コミック第10巻117ページ2コマ目のアングルです。
とりあえず標識にしたがって県道388号線の下をくぐると、左手に上図のような広い区画が見えました。原作コミック第10巻118ページ1コマ目のアングルです。大井川の段丘川原の上段部分にあたるようですが、志摩リンが「すごいキャンプしやすそうな芝生だ」と言っています。
確かにキャンプ場としても使えそうな広い芝生ですね・・・。多目的グランドにも使えそうな広さですが、芝生であるという以外、さしたる用途もないまま、川原域に含まれているようです。マップで見ると「親水公園」または「清流公園」となっていました。
下の川原の道に行きました。原作コミック第10巻118ページ2コマ目で二人が歩いていた道です。ほぼ同じアングルで接岨峡大吊橋の全容が見えます。
土岐綾乃「これはだいぶでっかいねー」
志摩リン「でけー」
浜松弁と甲州弁での会話がそのまんまですね。
確かに大きくて立派な橋です。これが車道用ではなくて歩行者専用であるというのが驚きです。しかも付近住民の生活インフラとしての吊橋でなく、八橋小道ウォーキングコースという遊歩道用の観光吊橋である、というのには驚かされました。こんな吊橋に莫大な費用をかけてるのか、と少し呆れる思いがしました。
接岨峡大吊橋の入口横に立つ案内板です。八橋小道ウォーキングマップとなっており、コース全長が約2キロの散策路のうち、大井川の東岸に沿う山道に合計8つの橋が架かっています。これらの総称が八橋小道であり、約一時間の自然散策路として観光の名所になっているようです。ラブロマンスロードと名付けるぐらいですから、メインターゲットは恋人や若いカップルや夫婦であるのでしょう。
志摩リンと土岐綾乃はこのコースを歩いたのであり、それを同じようにたどるのが、今回の聖地巡礼の目的の一つでした。
マップを見ていて、八橋の一番目の橋が「欅橋」であるのを知った時、妙な違和感を覚えました。すぐに原作コミック第10巻を取り出して開きました。その120ページ4コマ目では「一の橋」として「栃の木橋」が描かれています。しかし、マップ上では「栃の木橋」は二番目の橋となっています。
なるほど、そういうことか、と悟りました。126ページ1コマ目で志摩リンが「八つも渡ると・・・」と言ったのに対して土岐綾乃が「七つしか渡ってなくない?」と返しています。これは綾乃が正しくて、二人は八橋のうちの七橋しか渡っていなかったのでした。
つまり、本当の「一の橋」である「欅橋」へは二人は行っていなかったのです。なぜそうなったのかは、実際に行ってみてすぐに判明しました。
さて、接岨峡大吊橋を渡り始めました。銘板の正式名称はかくのごとくです。
吊橋というより歩道橋といった感じで全然揺れもありませんでした。私でも普通に気楽に渡れました。
橋の真ん中あたりで、一度後ろを振り返りました。全長240メートル、高さは大井川の水位によりますが、ほとんど水が無い状態で約30メートルぐらいになるそうです。
下のダンプカーが小さく見えるので、高さが約30メートルぐらいというのは納得出来ましたが、不思議なことにこの吊橋では恐怖心をあまり感じませんでした。歩道橋の感覚で渡っていたからでしょうか。
接岨峡大吊橋を渡りきると、上図の標識がありました。原作コミック第10巻119ページ5コマ目のアングルです。標識の字も全て同じです。
問題は、八橋小道へ左折するような表示である点です。さきに案内マップで見た通り、八橋の「一の橋」である「欅橋」だけは、右折しないと行けないのです。が、作中ではそのまま左折したようで、志摩リンと土岐綾乃が最初に渡った橋は二番目の「栃の木橋」でした。だから二人が渡った橋は全部で七つになるわけです。 (続く)