接岨峡大吊橋を渡って、八橋小道ラブロマンスロードの入口に着きました。上図の標識は左へ行くように促してきますが、実際には八橋の最初の橋「欅橋」だけは右に行かないと渡れません。そして私は、志摩リン&土岐綾乃が行かなかった「欅橋」にも行く積りでした。
しかし、右に行く道は通行止めとなっていました。つまり、「欅橋」へは行けなかったのでした。上図のように、奥に「欅橋」の一部が見えるのを認めただけで終わりました。
その「欅橋」は八橋において二番目に長い37メートル、高さ19メートルの吊橋で、吊床版橋(つりしょうばんきょう)と呼ばれるタイプです。吊床版橋とは、橋台間に張り渡した多数のPC鋼材を薄いコンクリート部材で巻き立てて床版とした形式の吊橋です。
後で千頭駅前に戻った際に奥大井観光案内所で問い合わせたところ、昨年から「欅橋」の向こうの遊歩道が通行止めとなっており、その範囲を「欅橋」の前にも広げている、との事でした。「欅橋」にも支障が生じたのですか、と問い返したところ、橋そのものは問題ないのですが・・・、と申し訳なさそうに頭を下げてくるのでした。
要するに遊歩道に何らかの危険が生じたのでしょう。昨年からそのままにしているのは、修繕整備の予算もなかなか出ないからでしょうか。昨今のコロナ禍下においては仕方のない成り行きでしょう。
かくして、右折ルートが幻と消えましたので、標識が示す左折のルートに入りました。
歩き始めて2分ぐらいで、最初の橋が見えてきました。原作コミック第10巻120ページ5コマ目のアングルです。土岐綾乃が「ミニ吊り橋だね」と言っていますが、長さ22メートルは八橋のなかでは6番目で、確かに「ミニ」ではあります。これも吊床版橋のタイプです。高さは約10メートルです。
入口の欄柱に貼られた「栃の木橋」の銘板です。原作コミック第10巻120ページ4コマ目のアングルです。作中ではこれを「一の橋」としていますが、要するに作者のあfろ氏も現地に来た時に「欅橋」へは通行止めによって行けなかったのでしょう。
なので、原作コミックにおいては「欅橋」の存在をうかがわせる描写が一切ありません。土岐綾乃が橋を七つしか渡っていないことに気付いているものの、それ以上の追求には踏み込んでいません。
それで、「一の橋」は上図の「栃の木橋」となっているわけでしょう。
「栃の木橋」を渡っている途中で後ろを振り返ると、接岨峡大吊橋が見えました。
「栃の木橋」を渡った後はしばらく下り坂となりました。
かなり長い山道です。八つの橋はこの山裾の道の途中にポツンポツンと架かっているわけです。夏場はハチやマムシが出る確率も高いそうで、私も少し緊張しつつ、周囲に視線を配りながら、時には慎重に進みました。
登り坂になってしばらく進むと、「二の橋」の「桜橋」が見えてきました。
原作コミック第10巻121ページ1コマ目のアングルです。
「桜橋」は長さ23メートル、高さ10メートル、一見するとアーチ橋の一種のようですが、橋の下を覗きこんでみるとアーチ下にワイヤーが張られていました。こんな構造は初めて見ましたが、ワイヤーを張って橋を支えている構造である以上、これも吊橋であるのかもしれません。
原作コミック第10巻121ページ2コマ目のアングルです。志摩リンと土岐綾乃が渡った時は足場が濡れて滑りやすかったようですが、私の時は晴れ時々曇りで、しばらく雨も降っていなかったようなので、足場はまったく濡れていませんでした。
渡ってから振り返ったところです。橋の下に張られたワイヤーに気付かない限り、普通の歩道橋とあまり変わらないタイプの橋に見えてしまいます。 (続く)