伊香保温泉石段街のゆるキャンスポットのひとつアヒル神社を撮影した後、上段の上図の外湯施設「石段の湯」に入りました。作中にて各務原なでしこ達が伊香保温泉街にて立ち寄った唯一の場所で、ここで入浴し休憩しています。
伊香保温泉には外湯が二ヶ所あり、そのうちの一ヶ所はさきに入ってきた源泉近くの露天風呂です。なのでこちらの「石段の湯」に入れば、二ヶ所とも回ったことになります。湯は同じ源泉からの「黄金の湯」ですが、湯桶で長い距離を流してくる湯なので、源泉近くの露天風呂の湯よりも滑らかな感じになっています。
かくして、各務原なでしこ達と同じように、まったりと湯煙のなかに沈んであたたまりました。
「石段の湯」には12時57分に入り、14時ジャストに出ましたので、1時間ほど滞在していたことになります。上図は「石段の湯」の休憩室からの景色です。真下に見える屋根は、一昨日に見学した「伊香保口留番所」のそれです。
作中で各務原なでしこがゆったりと座っていたのと同じリクライニングチェアに身をあずけてしばらくボーッとし、ウトウトしかけましたが、ポケットの携帯電話が鳴りました。Mからでした。
「いまどこ?」
「石段の湯」
「そうか、ならチェックインは15時かね」
「うん、それに間に合うように行くよ」
「妻にはもう連絡してあるんだ、俺も後から行くよ」
「お前、仕事は?」
「ああ、半日であがらせてもらったんで、いま移動中」
「前橋の県庁からか?」
「ああ、15時過ぎには着くと思う」
「急がなくてええで、安全運転で来てくれ、こっちもしばらく散歩で食べ歩きするから・・・」
「そうか、なら上州肉巻きってのを食べてみてくれ」
「上州肉巻き?どんな食べ物なん?」
「見れば分かるよ」
ということで、「石段の湯」を出て再び街中の路地歩きを再開しました。とりあえずは、Mがすすめてくれた上州肉巻きなるものを探そう、と考えました。どんな形、外見なのかを知らないので、Mにも聞いたのですが、彼はいつも「見れば分かる」「行けば分かる」とだけで全然説明してくれません。そういうところは、昔から変わっていません。
それで、石段街のメインルート上を進み、左右の上図のような細い路地にも入って探しましたが、上州肉巻きの案内板は全然見当たりませんでした。
路地の奥には古民家が割と多く並んでいて、一部はリノベーションされて店舗や食事処になっています。外観は古民家の良さを活かしているので、古い街並みの景観は保たれていて雰囲気も良いです。
上州肉巻き、どこで食べられるんだろう・・・。水沢うどんは石段街の各所に看板を見かけますが・・・。そんなにポピュラーな食べ物ではなさそうだな・・・。ちょっと上へ戻って探してみるか・・・。
引き返して再び登っていき、左手の「いさご屋物産店」に立ち寄りました。
この看板につられたからでした。上州肉巻きではありませんでしたが、この「まる天」も美味しそうでしたので、「たこ棒」を1本買いました。その場で食べつつ、上州肉巻きのことを訊ねてみました。
「ああ、肉巻きお握りのことね、ここから下へいって、石段の湯の角を右に行って奥に「和テラス」ってお店があるんですよ、そこで出してますね」
「そこのお店だけなのですか?」
「うーん、そうだわねえ・・・、他でやってるって聞いたことありませんねえ」
「どうもありがとうございました」
再び引き返して石段を降り、辻で右を何気なく見て、上図の「和雑貨レトロ館」の店舗が目に入りました。どんなものかなと思って近寄ってみたら、休業日でした。
それで「石段の湯」の下の辻を右に入り、奥まで進んで上図の「和テラス」に着きました。
店先のメニュー看板です。
あった、上州肉巻き。正式商品名は「上州肉巻きおにぎり」なんですね。だから「いさご屋物産店」のおばさんも「肉巻きお握り」と話していたわけですか・・・。
1本買いました。600円なり。フランクフルトみたいだな、と思って食べてみると、肉は外側だけで、中身は米でした。確かに肉巻きおにぎりだ、と納得しました。大井川鐡道千頭駅前の豚串とは全然違いましたね・・・。
「和テラス」の前庭は広場になっていて、温泉街の北側を一望できる展望所もありました。上州肉巻きおにぎりを食べつつ、しばらく景色を眺めました。 (続く)