2023年夏、まだ作っていないガルパン車輌を連続して製作していた時期、プラウダ高校チームの車輌としては21輌目にあたるBTR-70を作りました。最終章第1話にてカチューシャ以下が試合観戦時に使用していた、ソ連の八輪装甲兵員輸送車です。
劇中では上掲のワンシーンのみで、車体の前部上半分および銃塔しか見えませんが、それでも車体側面部の形状やガンポートの並びなどからBTR-70であることが分かっていました。ガルパンでは数少ない戦後の軍用車両で、実車は1976年から1980年にかけて生産され、アフガニスタン紛争やチェチェン紛争などに投入、いまもロシアや旧共産圏の諸国にて現役で運用されています。
このBTR-70は、乗員3名と歩兵7名の計10名を定員としますが、ガルパンのプラウダ高校チームではそれ以上の人数を乗せたりしているようで、上図の劇中シーンにも11名がうつっています。実際の歩兵7名は銃や弾薬や諸装備を擁していますが、ガルパンでは歩兵は無くて軽装の女子高生たちですから、そのぶん多く人数を乗せられるのでしょう。
BTR-70の適応キットは上図のトランペッター製品のほか、レベルやズベズダから出ています。前期型と後期型とがありますが、外見上はほぼ変わりませんので、どのキットを使っても劇中車を再現出来ると思います。
今回使用した上図のトランペッター製品は前期型で、京都伏見のBOOKOFF SUPER BAZAAR1号店にて2500円で購入しました。
中身です。トランペッター製品の常で、パーツ割もわりと細かいです。
左が組み立てガイド、右が塗装見本図です。今回の製作は、劇中車が車体の一部しか出ていないことをふまえて、細部の作りこみや多数のエッチングパーツの使用を避け、作業量もなるべく減らした簡易工程で進めることにしました。第4話の上映開始までにとにかく出来るだけ作る、と意気込んで同時期に各チームの車輌を色々と併行の形で作っていたため、このBTR-70だけに作業カロリーを集中的に費やすわけにはいかなかったからでした。
それで、基本的にはプラパーツのみで組み立てと決め、インテリア部分は全部省き、塗装もプラウダグリーンの1色にまとめることにしました。
ステップ1は、車体の組み立てから始まりました。組み立てといっても各所に小部品を取り付けるだけでした。戦後の装甲兵員輸送車というのは、いまでもそうですが、各国の車輌がいずれも似たようなシンプルなデザインになっています。装甲車の一種ですから、戦車のようにあちこち出っ張ってはおらず、車体も上下の2パーツを貼り合わせれば仕上がってしまいます。
個人的には初めて作る戦後の装甲兵員輸送車のキットでしたが、これは簡単そうだな、と最初は思ったのでした。
上下の車体パーツです。
最初に上図の削り取り指示がある二ヶ所の十字形のモールドを削りました。他にも削り取り指示や穴あけ指示がありましたが殆どは後期型の仕様なのでスルーし、取り付け指示のパーツは全てエッチングパーツであるため、これも全て不要としました。
削った後の状態です。
ステップ2です。プラパーツでの組み立てはここからスタートします。足回りが中心となります。
最初の段階で取り付けるパーツ類です。側面のハッチやフレームなどでした。
組み上がりました。
次の段階で取り付けるパーツ類です。足回りの軸部でしょうか。
組み上がりました。この時点で、どうやら足回りの構造が複雑そうだな、と気付きました。この種の足回りはたいていアームやロッドを複雑に組み合わせたトラス構造になることが多いからです。
組み立て前に「これは簡単そうだな」と思っていたのですが、次第に「もしかしてこれは難しいほうのキットなのか?」という不安に変わり始めたのでした。 (続く)