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ゆるキャン△の聖地を行く19 その4  吊橋とトンネル

2021年06月15日 | ゆるキャン△

 アプトいちしろ駅は、大井川鉄道井川線の多くの駅がそうであるように、無人駅です。ホームから外へ出るには、上図の通路から踏切を経て奥の駅舎の通用口を通ります。原作コミック第11巻15ページ3コマ目のアングルで撮りました。

 

 駅舎を出た地点も、原作コミック第11巻15ページ4コマ目のアングルで撮りました。各務原なでしこはここから「いちしろキャンプ場」に向かいますが、私もそのコースを歩いてみました。

 

 駅を出てすぐ右手に、線路越しに吊橋が見えました。あれが各務原なでしこが最初に行った吊橋か、と気付きました。

 

 その吊橋へは、駅の手前の踏切を渡ってゆきます。駅の方向を見ると本線から右に分かれる駐機線が見えますが、そこにさっきまでアプト式電気機関車が待機していたのでした。駐機線は上図の踏切の後ろ側にもあって、そこにアプト式電気機関車が待機している場合もあるようです。

 

 なかなか頑丈そうな、金属製の吊橋です。車も通れるようです。

 

 原作コミック第11巻16ページ1コマ目のアングルで撮りましたが、作中シーンは広域ワイドの魚眼レンズで撮ったような描写なので、普通のデジカメですと上図のように吊橋部分を撮るのがやっとでした。左側の踏切部分は完全に撮れませんでした。各務原なでしこが「おぉ おっきな吊り橋」と呟いているシーンです。

 

 そして「リンちゃん達ここにも来たのかな」と呟いている場面がこのアングルです。

 

 吊橋を見た後、各務原なでしこはキャンプ場へ急ぎますが、そのルートは踏切を戻って線路に沿って南へ入る上図の場所になります。原作コミック第11巻16ページ5コマ目のアングルです。

 その前の4コマ目にはアプトいちしろ駅からキャンプ場を経て長島ダム、そして長島ダム駅までのナビマップふうの図が描かれていますが、実際に各務原なでしこが歩いたコースではなくて主要路のみが大まかに描かれるだけです。なので、各務原なでしこが作中で訪れている場所を回る場合は、別のルートをたどらないと距離的にも時間的にも大きくオーバーしてしまいます。

 事前に国土交通省の長島ダムの案内サイトで調べたところ、長島ダム駅で次の列車に乗るまでに1時間18分のタイムがあります。原作コミック第11巻16ページ5コマ目で各務原なでしこも「次の便まで一時間ちょっと」と思っていますが、それは正しいです。そして「急ぐぞー」と元気に走ってゆきます。

 その通り、実際に歩く場合は本当に急がないと間に合わないコースです。アプトいちしろ駅からキャンプ場を経て長島ダム、そして長島ダム駅までを最短の散策路を歩くだけでも約1時間かかります。平坦な道を歩くのではなく、地形的にはダムの下の川ぞいからダムの上までの高低差約110メートルを登らないといけないのです。山登りに慣れて足も速いほうの私にも、ちょっとキツイです。
 そのうえキャンプ場に寄ったり、聖地スポットの見学や撮影などをこなしていったりすると、とても1時間18分のタイムにおさまらないのです。今回の聖地巡礼でとても心配だった案件が3つあったのですが、その一つ目がこれからたどる長島ダム散策ルートをちゃんと「次の便まで一時間ちょっと」の間に回れるのか、ということでした。

 結果的には、長島ダム駅に着くまでに要したタイムは1時間16分でした。列車の時刻には間に合いましたが、早足で歩いてこのギリギリの結果でした。作中では、各務原なでしこがまだ長島ダム上で見物している時に次の便が駅に近づいてきて、25ページ3コマ目で「って電車もう来てるし!」と大慌てで走ってゆきますが、普通に見物して歩いていたら間違いなくそうなるな、と実感出来ました。

 以後、時間を明記しながらたどったコースの状況を紹介します。皆様の巡礼の参考になれば幸いです。

 

 9時56分にアプトいちしろ駅を出て、吊橋を見て、再びコースに戻り、上図の案内板を見ました。原作コミック第11巻15ページ6コマ目にて描かれるのとは少し違うようですが、ちょっと前に古い案内板が整理されてしまったとかで、コース上で見られたのはこの真新しい案内板でした。

 

 真新しい案内板の所で道は折り返して北に向かい、トンネルへと続きます。

 

 原作コミック第11巻17ページ1コマ目で「ドォォォォォォ」の不気味な効果音付きで描かれるトンネルがこれです。各務原なでしこが「えっ・・・?」と絶句していますが、私も同様でした。実はこういう暗い場所が苦手なのです。

 このトンネルは、かつての井川線の廃線跡のそれです。長島ダムが建設される前は、線路はここからトンネルを経て現在よりも低い位置を通っていました。それが平成14年のダム建設とダム湖の成立によって水没するため、線路を新たに高い位置に敷き直したのが、現在のアプトいちしろ駅から長島ダム駅までの急こう配の区間であるわけです。
 それで、もとの線路の跡は長島ダムの下にトンネルや軌道跡の形でいまも残され、現在は子供たち向けのミステリーハイキングなどのコースとして活用されています。

 そして、各務原なでしこが作中で歩いたルートも、そのミステリーハイキングなどのコースを途中まで利用していることが実際に歩いてみて判明しました。

 

 トンネルの中ほどに三ヶ所ほど、こういう手作りのお化けの人形みたいなのが置かれてありました。人が近づくとセンサーが作動していきなりライトやネオンが付き、パッと明るくなって上図のように人形たちが人を驚かせるわけです。これ、個人的にはマジで心臓に悪かったですね・・・。

 

 なにしろ、トンネル内はライトが全く無いので、300メートルぐらいは真っ暗闇の中を歩かないといけないわけです。各務原なでしこは愛用のランタンに点火して灯りにしていますが、私はタブレットのライトを点灯し、足元と左右を照らして安全を確かめつつ慎重に歩きました。

 地面には線路もところどころ残って露出しています。つまずいたら危ない。側壁は荒削りの岩肌のまま。そして右にカーブするトンネルですから、まっすぐ歩いていたら左壁にぶつかってしまうので、左手を外に伸ばして壁に当たれば右寄りに進みました。
 そのうえ、個人的にはこういう暗闇がものすごく怖い!もう本当に恐怖でしかなかった、各務原なでしこが怖がっていたのと同じでした。そのうえでの各所のお化けの人形出現でしたから、たぶん私も、原作コミック第11巻19ページ4コマの各務原なでしこと同じ表情になっていたと思います。

 

 やっと出口に近づきました。もうこれマジで怖かった。全然ゆるくない・・・。時間が限られてるのに、安全優先で必要以上にゆっくり歩いていましたから、普通は3分ぐらいで通れるところを5分以上かかりました。
 これでちゃんと次の便の時刻までに長島ダム駅に着けるのか、という不安が大きくなってきたのは言うまでもありませんでした。  (続く)

 


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