今回は、フクジュソウを紹介します。キンポウゲ科のフクジュソウ(福寿草)は「新年を寿ぎ祝福する」というところからつけられた名前です。早春に輝くばかりの黄金色の花を咲かせるので昔から吉祥木(吉祥の植物)とされてきました。ガンジツソウ(元日草)、チョウジュソウ(長寿草)、ガショウラン(賀正蘭)などの別名がありますが、これらはいずれもお目出度い名前ばかりです。庭の日だまりのなかで咲くフクジュソウ・・正月用の寄せ植えのフクジュソウ・・どちらも素敵ですね!フクジュソウを育ませんか
吉祥木(吉祥の植物)は古来からの言い伝えに由来した言葉です。樹木は、古来の人々の思いや考え方、さらには人々の心までも代弁してくれる環境要素でした。人々は、家庭から凶(鬼)を払い、吉(福)を呼ぶ願いを、厄除け、不老長寿、子孫繁栄、家運隆盛、五穀豊穣、などの年中行事や言葉とともに、樹木にも託しました。
フクジュソウのなかでは最も市場に出回っているポピュラーな品種に、八重咲きの「福寿海」という品種があります。花色では黄色のほかに紅や白があり、咲き方では一重咲き、八重咲きのほか、花弁の先端が細く裂けるナデシコ咲き、花の中から花が咲く三段咲きなどがあります
育て方は花芽は秋に分化し11月半ばには完成しますので、鉢植えにする場合は、このころから鉢に植えつけて、明るい室内に置いてガラス越しの日光に当て、徐々に保温、保湿を行い開花させます。
購入したばかりの開花株の場合は、花後に花の咲きがらを取り除き、できれば植え替えを行います。赤玉土6、腐葉土4くらいの用土に植え付け後は、地上部が枯れるまで10日に1回液肥をやります。通常は花後にお礼肥(緩効性有機肥料)を置肥し日当たりのよい戸外に出します。また、鉢から株を抜いて排水のよい落葉樹下などの半日陰の庭に植えて、晩秋までに株を充実させます。
鉢植えの植え替えは、毎年または隔年に1回、時期は11月中旬~12月上旬に行います。根は長いものでもなるべく切らず広げて土になじませるようにし、芽が半分ほど出る深さに植えます。
冬から晩春までは日が当たり、夏から秋は半日陰になる場所が栽培に適します。鉢植えの場合は、冬には明るい縁側などの暖かい場所に置きましょう。
水やりは鉢土の表面が乾いたら与えます。晩春に落葉し夏に休眠しますが、休眠中も地下の根は生きていますので、水やりを忘れないようにしましょう。
株分けは11月中~下旬に芽や根を傷めないように注意して株を起こし、鋭利な刃物で2~3芽に小分け、または7~10芽に大分けします。
お正月の元日に咲かせるべく開花促成を行う場合は、浴室に入れ湯気に合わせるなど温度10~15℃、湿度60%以上にします。また、芽先をわずかに鋏で切ると開花がより促進されます。