漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

おセレブ様には分からない?

2010年03月20日 15時35分56秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ♪ …この涙、やぶさかでない~ ♪
― って、とんねるずさんが昔歌ってたTVドラマの替え歌かよ?
…トリストラム・シャンディさんも、
1760年代でこそ、自称ボンビー色モノ作家なのですが、
元はといえば、一応おセレブ様だったんですけどね。

 「 戦後 」 とありますが、1763年に終結した7年戦争の事です。
フレディ君、1764年の春からこっちに来ていて、
帰国後は、副社長の側近となって、ロンドンで働くようです。

 絶対ウォルポールさんのコネだね!

 ホレイス・マン英国公使という人は、
フィレンツェに1738年から30年近くも赴任していて、
旅行で来る英国のおセレブな方々へと、
一流のおもてなしをしている評判の方なのでした。

 ウォルポールさんも若い頃、イタリアへと旅行した時に、
この人のお世話になって、以後も交流が続いているのでした。

 公使様、たとえいい人ではあっても、
所詮は従う人より、従える人の方が多かった高位の人、
外交官としての仕事をサクサクさばくための
言語&行動様式を身に付けて生きて来た人だったから、
トリストラム・シャンディさんが何を言いたいのかが
分からなかったのでしょうか?

 それに対してフレディ君、
変に怒っていない所からすると、
本当にトリシャンの事が大好きなんでしょうね。

 トリシャン自身がそれをどう思うのかは別として ― 。

 フレディ君、ウォルポールさんの華麗な人脈を天真爛漫に語っていますが、
貴族の位の継承権を持っている現職タレント国会議員と、
優良企業とはいえ、ただのサラリーマンとの格差が痛々しい
と、
作者は思ったりもしてしまうのです…。


 今日の続きは明日。


 

 


何がキミをそこまで熱くさせたのか?

2010年03月14日 10時31分36秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 昨日、クラヴァット ( 現代ではネクタイ・スカーフに相応 )
の結び方という話が出て来ましたが、
ハリソンさんの結び方は、「 トリプルテイル 」 という名です。
してみたいお姫様&お嬢様方は、
最寄りの図書館か書店でお調べ下さいませ。

 フレディ君、ウォルポールさんの別荘、
苺ヶ丘城へとお泊りで行った時に、
「 トリストラム・シャンディ 」 を紹介されたらしいのですが ― 。

 ウォルポールさんがある紳士に送った手紙によると、

Warburton, however, not content with this,
recommended the book to the bench of bishops and told them 
Mr. Shandy, the authour, was the English Rabelais
― they had never head of such a writer.

 ウォーバートン主教という人が、
「 作者のシャンディ氏は英国のラブレーだ。 」
― と、絶賛していたという事が書かれています。

 他にも、この人を始め、シャンディ氏に褒美をやりたいという人が
いるという話に至っては、
「 今までこんな事あり得なかったのに。 」
― と、ウォルポールさんが呆れ返っているという内容なのでした。

 By the way, これと同じ手紙には、
こんな事も書かれていて、これは前にも英文&訳文は出て来ましたが、

… but in recompense makes 
one yawn for two hours.

 …1回大あくびをしたら、顎が外れて2時間治らなかったと解釈してもOK?

 作者、基本的にはズボラなもんで、
…思うんですけど、ゴシック調の家の中なんて、
掃除が大変なだけじゃないのか?!
そんからロココ調の家具だって、作者には1個だけ家にあるけど、
引き出しがすぐにつっかかって、しょっ中蝋燭塗らなくちゃいけなくて、
ひっじょーに使いにくいぞ~。


 〈 次回の更新は、3月20 ( 土 ) ・ 21 ( 日 ) 日の予定。 〉


 



 

親子でミーハーしちょりますゥ

2010年03月13日 15時35分30秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 えー、作者の話の中には、 「 カストリ 」 、 「 独身貴族 」 etc.
昭和の香りが漂う言葉が時折出て来ますが、
若ェ衆の方々、 「 ミーハー 」 って何だか分かりますか~?
一応書いておきますと、 「 流行に影響されやすい人達の事 」
なのでした。

 この物語の元になっている、
「 トリストラム・シャンディ 」 には、
何かに異様にこだわる人達が何人も出て来ます。

 こちらの話でも、そういう人達が、
…というか、主要登場人物ではハリソンさんを除いてほぼ全員
何らかのこだわりを主張しているようなのでした。

 その中でも現段階では、
ウォルポールさんのゴシック・オタッキーぶりが一番細かく描かれている
ような気がするのですが、
よく考えてみたら、作者自身が絵の勉強していた時に、
自然と中世美術に沢山ふれていて、
比較的分かりやすく描き易い世界だからなんでしょうね。

 And,さすがはそのウォルポールさんと同じ血縁だけあって、
フレディ君、ウォルポールさんと双璧を成すような、
「 トリシャン 」 へのこだわりっぷりを、
これからたっぷりと見せてくれるかもしれませんな。

 フレディ君のセリフに出て来る、
カツラやらメガネやらアクセサリーやら、
クラヴァット ( スカーフ ) の結び方やら、
マスコミでのオッサン達の風刺やら、
そんなのどこ吹く風で情報交換する主婦達やら、
7・8年くらい前にどこかで聞いたお話みたいなんですが…。

 まあ…ユージン様がお姉さんの原案を元に書いた
「 めぐり逢う魂 」 は、 「 18世紀英国版 冬のソナタ 」
ですからね!

 作者の勤務先のあるパート主婦の方は、
「 冬ソナ 」 の関連本を買いに行くため、
上司に 「 用事がある 」 と、ウソこいて早退してしまいました。
( そりゃ、彼女にとっては大事な用事だったのかもしれんが…。


 今日の続きは明日。

 

 

美形なれど性格悪し…

2010年03月07日 19時51分49秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 王皇の宮中から、政財界から、芸術・芸能界から、学校から、
地方の中小企業に至るまで、

「 こいつ、確かにいい所もあるけど、悪い所も相当な物だよな! 」

― ってな人じゃないと、その世界で純粋に必要な才能がいくらあっても、
長くは生き残れない。
― と、いうのが現時点での作者の世の中に対しての
感想の一つなのでした。

 この物語の中で、文筆業に関わる3名、

 ハリソンさん ( ノヴェライズ作家&トリストラム・シャンディの創作にも何らかの形で関与している? )

 ウォルポールさん ( ゴシック作家・書簡によるトレンド情報発信者 )

 ソーホーさん ( 恋愛小説家 )

…性格の良い所と悪い所が極端な形で混在しています。

 特に、ユージン様ことソーホーさん、

① 英国文壇の征夷大将軍J ****** 氏に直江状送って怒らせている。

② J ****** 氏やウォルポールさんも属している有名な 「 青鞜会 」 を初めとする、
いかなる文学サークルからも孤立している。

③ 奇麗な顔して毒舌吐いて人気の一方、標的にされた人達からは憎まれている。

④ 第14話で、将来総理大臣に返り咲く人の姪子さんと結婚して、
お姉さんとはユニット解消で仲直りか?

― ってな所でまた話がペンディングしちゃってますが、
これらのエピだけでも、十分性格悪過ぎだってば…。

 フレディ君がまだ個人的には、ソーホーさんに不快感を持ってはいませんが、
ママのマライアさんがファンらしいのと、
ウォルポールさんには愛されたいというのとで、

フレディ君困っちゃ~う!

― って感じにもなって行きそうですな~。
今の所。


 〈 次回の更新は、3月13 ( 土 ) ・ 14 ( 日 ) の予定 〉


ウダツの上がらない僕

2010年03月06日 13時58分40秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ソーホーさんについては、
第14話の始めの方にあるのですが、
世間からはライバルと思われている、
トリストラム・シャンディ氏に会いたいとはっきり言っていて、
お姉さんのアラベラさんを怒らせています。

 同じく第14話の終わりの方では、
ハリソンさんが書店で、「 トリシャン ⑤ ⑥ 」
の販売状況が思わしくないという説明を受け、
契約打ち切りの可能性を宣告されています。

 ソーホーさんもいずれはハリソンさんと直接絡んで来る予定です。
早ければ本話から3話くらい後に。

 ハリソンさんがもし本当にトリシャンだったのなら、
ハリソンさん側に付いて、ホリー・ウォルポール兄貴&フレディ君との戦いに、
「 拙者、助太刀致す! 」 ― とか言って、
自分と境遇が似ているけれどもビミョーに違う、
ウォルポール兄貴の方に特にイラつき、
バチバチとやってくれるかもしれませんな。

 まあ、でも果たしてハリソンさんが本当にトリシャンなのか…?
―― 実は全然別の、誰も予測できないような、
トンデモ・ラスボス・キャラなのかもしれないですしね!


 今日の続きは明日。



読んでくれ~買ってくれ~と叫ぶ本

2010年02月28日 12時14分03秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 え~、フレディ君が探していた2冊の中で、
フランソワ・ダレルのノストラダムス研究書というのは、架空の書です。
「 ノストラダムスの大予言 」
で、一世を風靡した五嶋勉さんの創作だと、
SF作家の山本弘さんが、 「 トンデモノストラダムス本の世界 」 で書いていました。

 「 パンタグリュエル占い 」 は、実在する書物で、
ラブレーさんが、偽名を使って書いて、
自作の 「 ガルガンチュワとパンタグリュエル物語 」 の付録にしてたようですな~。
内容は、「 1冊あれば毎年使える、お得な占い暦 」 だったようです。

日本で毎年秋くらいから売り出す、
占い暦もよく見るとそうだよね~?!
毎年おんなじような事書いてあるって感じだしさ~っ!!

 ともかくも、 「 ノストラダムスの大予言 」 と 「 占い暦 」 には
散々騙されて来たわい!

 若くて人間的に未熟だったから、
占いとか権威とか… and 人の話全般に乗せられやすかったんだけど。
もう、そうはさせないぞっ!

 1998年の晩秋にフランスへと行った時、
ついでに書店へも行って調べてみたけど、
本場のはずなのに、日本みたいにコーナーを設けたりとかなんては…
ともかく全然盛り上がって無かったぞっ!

 ローレンス・スターン聖下作の 「 センティメンタル・ジャーニィ 」
フランス語版をいろんな本屋で探しても探しても見つからなかったのに、
一見ありそうもない雰囲気だった、地方の小っちゃな本屋さんの店先で、
「 ノストラダムスの予言書 」 と一緒に見付けたのでした。
しかも隣同士に置いてあったんです。

 …この場合は、ウォルポールさん的っていうか、セレンディピティなのかな?

 こういう不思議な方法での本とのめぐり合いもあるのですが、
フレディ君が言ってるように、
書店や図書館で、本自体が凄い売り込みをしている
という出会い方
もあるのでした。

 同じく、スターン聖下作の 「 トリストラム・シャンディ 」 の方が、
そのいい例だったのでした ― 。


 〈 次回の更新は、3月6 ( 土 ) ・ 7 ( 日 ) 日の予定。 〉

 
 

とびっきり身分の低い又従弟

2010年02月27日 13時41分39秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 え~、ウォルポールさんのモデルになった歴史上実在の
人物さんですが、若い頃はちっくら小栗旬さん似でした。
でも、イートン校版F4では、花沢類さんとは役割が違っていたようです。

 先々週、ウォルポールさんがある企業の
イメキャラやってると書きましたが、
又従弟のフレディ君が勤めているブラウン商会でなのでした。

 フレディ君ママのマライアさんは、
ウォルポールさんママのキャサリンさんと従姉妹同士だったのですが、
良縁を蹴って、ボンビー将校との駆け落ち事件を起こし、
結婚は渋々認められたものの、一族追放となり、
長い事行方不明となっていたのでした。

 でもある時、とある雑誌記者の計らいで、
フレディ君と共に従姉の息子、ウォルポールさんと出会え、
後ろ盾にさえもなってもらえたのでした。

 ただし、ウォルポールさんの一番上のお兄さんの子、
オーフォード伯爵ジョージさんは、
錚々 ( そうそう ) たる一族メンバーの中で、
とびっきり身分の低いハモンド一家が、
叔父と関わるのを苦々しく思っているのでした―。

 
 今日の続きは明日。

愛読者の切ない片想いの始まり…

2010年02月21日 20時06分54秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 そして舞台は、ブラウン商会リヨン支店に勤務している、
フレディ・ハモンド氏の応接室へと移ります。

 えーと、これって観光漫画ではないので、
リヨン市の名所案内は、ズッパリとカットさせていただきます。


 And,…ガッチガチの歴史漫画でもないので、

 ホリー・ウォルポールさんを筆頭に、
歴史上の実在の人物と同名の人物も何人か出て来ますが、
前にも書いたように、実在の人物の経歴や性格、
容姿、嗜好などをモデルに創作した人物と
して
お楽しみ下さい。

 歴史上で実際に起こった事件も出ていますが、
それも含めて、全体をフィクションとしてお楽しみ下さい。

どーしても正確な史実が気になるようでしたら、
こちらでも参考資料を提示する事もありますが、
基本的にはご自分で調べてみて下さい。

 今まで、 「 トリストラム・シャンディ 」 の読者達が何人か出て来ましたが、
それぞれの方々に人生のテーマがあって、
それが 「 トリシャン 」 と絡み、
最後はひとっ所にみんなが合流してグランド・フィナーレを迎えるという、
心理大河ロマンとなる予定なんですが―。

 他の方々のテーマは、
これから後に、それぞれがメインになる話が来た時に書くとして、
本ページから登場する新キャラ、フレディ君のテーマはというと、

 いろんな意味での切ない片想い

― と、いった所でしょうか…。


 次回の更新は、2月27 ( 土 )・28日 ( 日 ) の予定。


 

お好きなように…

2010年02月20日 16時14分09秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 前ページにある、パリッシー焼についてですが、
16世紀フランスの悲劇の陶工、
ベルナール・パリッシー ( 1510頃-90 ) さんが製作した、
田舎風器物と呼ばれる焼き物の事です。

 完全な物は、大皿に爬虫類や両生類や昆虫などが、
本物そっくりの立体で、ウジャウジャのてんこ盛りになってるんで、
作者が書かなかったがために、
自分で調べてしまい、すでにショックを受けてしまってる
お姫様&お嬢様方とかが
いたらごめんなさいよ~!!

 本ページ2コマ目にある、

「 望む所を成せ 」

というのは、やはり16世紀のフランスで活躍した、
フランソワ・ラブレー ( 1494-1553 ) さんが書いた、
「 ガルガンチュワ物語 」 第57章にあります。
でもって、この作品については、
アーカード卿という人が17世紀に訳した
英訳本があったんです。

 テレーム修道院という所の唯一の規則なのですが、
ここには生まれが良く、教養があって、
かつ心映えも優れた少年男女が集められていて、
そういった人達は、
悪を退け善い行いをしたいという本能と衝動を持っているので
集いの和が保たれているとの事でした。

 それをウォルポールさんは、
文面こそ同じだけれども別の意味を込めて、
元々の使われ方に対しては、
ドギツイ皮肉さえも込めて使っているようです。

 それからハリソンさんに対しては、

「 割れものだから気を付けてね。 」

― と、いう注意を促すために中味を見せたんだよ。
― と、見せかけて、
蓋の裏側の文字も絶対にわざと見せていますな!


 今日の続きは明日。

次ページからはまたモノクロページに戻ります。

 


 

紳士服を着た悪魔

2010年02月14日 21時41分22秒 | 第15話/トリシャン・コード

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 But , ウォルポールさんが着ているのは、
「 プラダ 」 ではありません。創始者がまだ全然生まれていませんから ― 。
9月にパリに来てから、市内のどっかの仕立屋でのオーダーメイドなんでしょうが…。

 実は、ウォルポールさん、「 出たがり文化人のハシリ 」 だけあって、
英国の某服飾メーカーのイメキャラやっちゃってます。
そして、そこでの企画&人事権にもかなりの影響力を持っていて、
いずれ、ハリソンさんをジレンマに陥らせる事となります。

 それから、ウォルポールさん、自分が軽い気持ちで始めた事が、
後でトンデモナイ大騒動を引き起こしてしまうというのを
繰り返してしまう人です。

 第3部の 「 英国編 」 では、第10話でもふれた、
ルソーさん VS. ヒュームさんの大ゲンカを引き起こす原因を作ってしまうし、
漫画の中では描かれないでしょうが、
もっと後には、ある天才少年を服毒自殺へと追い込んでしまうのでした。

 ウォルポールさんも魔紳士ですが、
ハリソンさんも、もしもウォルポールさんのカンが当たっているのなら、
相当の魔紳士ってな訳なので、
この対決、どう決着するのでしょうか ― ?!

 〈 次回の更新は、2月20日 ( 土 ) の予定。 〉




私は、癒されもほだされもしない…

2010年02月06日 18時30分18秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 And…今回は、
本物語に今まで無かったような、
陰惨な妄想の衝撃シーンになってしまいましたが、
本当は相当なセンチメンタリストのウォルポールさん、
もし、こういうシーンに本当に出くわしたら、
平気で、何もせずにいられるんでしょうか?

 もし、2コマ目で
「 私はそんなんじゃありません…私は本当はコレコレな男なんです。 」
― とか、泣きそうな顔しちゃって、
本当の心の中を、御方様に話してしまおうとした場合、
御方様の、 「 あら、どうして? 」
― とかいうセリフを導き出してしまい、
別方向のトンデモナイ方へと
話が行ってしまう所だったんですが ― 。

 まあ、ここはさすが、本物語のクール&ダンディ系の
筆頭人物らしく、よくぞ持ち堪えてくれましたな。

 芝居がかった馬鹿っ丁寧な物腰。
御方様に決して恥はかかせないように、
かつ縁がキッパリとは切れないように、
でも、心身の距離は取れるようにと、
まるで、日本の武士階級の子供が親に接する時のような言い回しで、
話をすっかりすり替えてしまい、
本心は決して見せないで済ませているのでした ― 。


 〈 次回の更新予定は、出来次第です。 〉


 


全然逸脱ではありませんから

2010年01月31日 22時29分19秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第15話 「 トリシャン・コード 」 の本題と、
この導入部分とに何の関係があるんだっ?!

 昔、美貌を褒めそやされたフランス貴族のバアさんと、
年の割には容姿端麗な、英国人独身貴族のオツサンの、
背後がモソモソ痒 ( かゆ ) くなって来るよーな、
恋愛エピによーっ!

 完全に逸脱なんじゃないか~っ?!
― と、おっしゃる方もあると思いますが…。

 ♪ 何をおっしゃる兎さん~ ♪ で、
専門医の力も借りて、
自らを実験台にして、
心理分析を学んだ作者には分かるのです。

 必ず、 「 トリシャン・コード 」 とも、
本物語の原作の一つである、 「 トリストラム・シャンディ 」 とも
どこかで繋がっていると確信しております。


 〈 次回の更新は、2月6日 ( 土 ) の予定。 〉

一番は、死ぬまであなた

2010年01月24日 16時24分04秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 いや~ここから何ページかは、
かなり難易度の高い描写力が求められるので、
ホント~に大変DEATH★ ( ← ってグレちゃんか? )

 本物語のウォルポールさんのモデルの一人となった、
史実上実在の人物、ホレイス・ウォルポールさんも、
1765年にパリへと行った時に、デュ・デファン侯爵夫人と知り合い、
彼女から片想いされ、それを知りつつも彼女の求愛活動は受け流し、
彼女が80年に亡くなるまで、訪問・文通の交際は続けたという事だそうです。

 ちなみに、ウォルポールさんとは従兄弟同士である、
前パリ大使の下で働いていて、
第10話に出て来たヒュームさんは、
ウォルポールさんとは真逆で、
ブフレル伯爵夫人に熱烈な片想いをした挙句、
何と彼女自身から他の貴族男性との再婚の取り持ちを頼まれ、
失恋してしまったのでした~。

 御方様は、上記のデファン夫人がモデルになっております。

 御方様は、貴族の家の出の美貌の才媛でしたが、
今はもう他界したダンナ侯爵は、いい人過ぎて退屈だったらしいですな。
で、他の男性の何人かと恋愛関係を持ったらしく、
恋愛以外でもサロンを開いて、
才能のある男性を集め、華やかな社交生活を送って
老齢に達したのですが ―。

 どうも、そんな歳月に虚無感が蓄積していたらしく、
そこへとウォルポールさんが現れて、
どこがいいと思ったんだか … 生涯で一番好きな男性になってしまった。
― という話なんです。

 〈 次回の更新は、1月31日(日)の予定 〉



 

 

あの男みたいな女が…

2010年01月17日 22時50分39秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第11話のラストの部分で、
ハリソンさんとランズバーグさんが、
新任大使のお披露目を兼ねた、
パリ在住英国人の親睦会会場で勝手にダンスを踊り出す場面。

 アルカンジェロ・コレルリの合奏協奏曲ニ長調Op.6-4
第3楽章で踊っていて、
最後近くになって曲の速度が上がったように聞こえる所で、
二人は、 「 タイタニック 」 のローズ&ジャックのように
高速回転をした後、離れて、
ハリソンさんは2回転-2回転のコンビネーション・ジャンプで
〆ました。

 ランズバーグさんは… このペチコート ― ( 当時はスカートの事を
こう呼んでいました。 ) ― の丈と広がり状態では、
「 トリストラム・シャンディ 」 7巻ラストでペタンコスカートはいてる
ナネットさんとは違って、貴婦人には見えても、
コンビネーション・ジャンプはとうてい無理そうだし、
たとえ単独でもトリプル・アクセルは絶対無理でしょう。
( つーか、アクセルさん生まれてないし~。 )

 1回転半ジャンプと両足を付いて1回転した後、
フィギュアスケート選手の鈴木明子さんが、
フリー・スケーティング時に、
ウェストサイド物語のラストでやってたポーズで〆ていました。


 〈 次回の更新予定は、1月24日 ( 日 ) の予定。 〉

私、嫉妬に燃えています

2010年01月11日 21時52分57秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ウォルポールさんとランズバーグさんは、
1765年のコスプレ世界選手権 ― ( 日本は鎖国のため出場辞退 )
― が開かれるパリへと、英国代表として来ていたのでした。

 ― ってのはウソです。
ウォルポールさんが泊ってる、ロイヤル・パーク・ホテルの部屋で、
多分仮装パーティに参加する時の衣装合わせをしてたんだと思います。
その時にハリソンさんへの対応も、
二人で話し合っていたのでしょう。

 最初のコマの、ジョージ・ブリングストン伯爵とハリソンさんの会話は、
第8話の中にあります。


 〈 次回の更新は、1月17日 ( 日 ) の予定 〉