久し振りに3本の映画を借りてきました。「エージェント:ライアン」と「リベンジ・マッチ」「ラッシュ プライド/友情」です。
「エージェント:ライアン」は予備知識がなかったので、全く展開が予想できず、冒頭からワクワクしながら引き込まれました。ジャック・ライアンシリーズの映画化の第1作は「レッドオクトーバーを追え」、そして、ハリソン・フォードの「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」と続き、今や若手名監督の一人となったベン・アフレックの「トータル・フィアーズ」が最後でした。この作品は若きライアンがCIAにリクルートされ、現ロシアに潜入するという原作の時代を超越した展開です。従来のシリーズとは全く別ものです。「トータル・フィアーズ」(原題「恐怖の総和」)は、アメリカ本土で大統領を狙ったテロで核がスーパーボール開催中の競技場で爆発するという凄い内容でした。ソ連が仕掛けたものなのか、分析官のライアンは「NO!」と報告書を提出しますが、誰一人認めてくれず旧ソ連に潜入することになります。この展開は新作と似ています。そうそうたる製作者の中に「トータル・フィアーズ」を始め全作品を製作したメイス・ニューフェルドが名を連ねていました。巧みな脚本だと思います。
現在のロシアを私のようなだたの映画好きが表現するのは非常に困難ですが、こんな台詞が新たなイメージを膨らませてくれます。
「今やあの国はインサイダー取引でも、なんでもありだ。
新たなイデオロギーは金だ。ソ連はもはや国家ではなく企業だ」
プーチンの政敵だったロマン・アルカディエヴィッチ・アブラモヴィッチ(プレミアリーグのチェルシーFCのオーナーでロシアの石油王)は、脱税、マネーロンダリング等の罪で投獄され、ロマンの会社は国有化されました。脱税、マネーロンダリングしたためにトヨタが国有化される、こんなことがロシアでは現実に起こったのです。最新作の「スーパーマン」では映画館でも、自宅でも寝入ってしまった私ですが、このような背景を捉えながら「エージェント:ライアン」を観たら、日本公開版を<池上彰>が字幕監修を担当しただけにとても楽しく観賞できました。久し振りのお勧め作品です。