空海の風景〈上〉中央公論社このアイテムの詳細を見る |
この間、忙しくも隙間時間で読んだ(今読んでいる)一冊。
私は、四国にしかも香川に12年も住んだのに、そしてせっかく今も頻繁に四国や九州に出張するのに、この弘法大師についてはほとんど知らない。
そこでこの本を読み始めている。
司馬流の独自の解釈と思いが散りばめられているが、彼の見る歴史上の人物観は一貫している。
歴史を揺るがしたスーパースターとはどのような人間であったか、その人物をとりまく人間模様と世界の中での位置を主観的に描き出すのである。
この空海観もそのような一冊。日本と中国の中央を巻き込み、かつそれまでの常識に挑戦する姿は本当におもしろい。
彼の一貫した興味は、下から這い上がる人物の熱さと、それを押し上げる時代と人の取り巻きの絡み合いである。
同じ時代、天台の最澄との激しいライバル模様、ついにつかみ取る真言密教の全貌と中国人を超えて得た、正当な密教の嫡の地位、遣唐使中国滞在20年の義務を犯し、たった2年で帰国する背景となった世界観、人生観。
全てが大きなドラマを見ているようだ。
天下を目指す諸君!おもしろいですぞ。
連休も終わり、さ!今日から日常だ。
2日続いた雨も上がった。今日は暑いらしい。