長安から北京へ中央公論社このアイテムの詳細を見る |
先の九州の古本屋でやはり100円で手に入れた本である。
北海道への機中で読んだ。
手に取ったきっかけは、中国における首都の移転に関わる歴史と思ったがそうではなかった。1976年、文化大革命のまっただ中、4人組の時代に中国を訪れた旅行記と感想であった。中国で接待を受けたせいなのか、必要以上に褒め過ぎではあるが、革命中国が1つとなることは秦漢帝国2000年来の歴史になかったことであり、貧しく文化大革命の嵐の中にあってもこの国の統一は間違いなく世界史的事件であったことは確かだ。
この本の書かれた時点(1970年代半ば)で中国の人口は8億、それから30年たった今、5割増の12億である。そして今、圧倒的な経済の発展を遂げ、大幅な黒字国家というのが今朝の新聞である。このような大中華は歴史の中で瞬間的には異民族のモンゴル(元)しかなかった。しかし、それは中国人ではなかった。今の中国の君臨はまさに1万年という時間スケールで位置づけられる人類史的事件なのであることを改めて思う一冊であった。
私は1986年と1987年に、旧満州の北朝鮮の国境近くまで行ったことがある。今の映像を見ると当時とあまり変わらないようにも思うが、北京や西安などは全く違う世界のようである。
ハンチンソンの「文明の衝突」が激烈に進行しているね。私の人生と寿命を超えて、我が日本、如何に生きん、と思う。