科学は不確かだ!R.P.ファインマン,大貫 昌子岩波書店このアイテムの詳細を見る |
先週のワークショップの行き帰りの新幹線の中で読んだ本。
最近、文庫本として出版されたファインマンの講演録。44歳のときのものである。
40歳を過ぎたら、人間まっとうなメッセージを語れなければね、ということでもある。
今時の40代はいかが?それを前にした30代は?そして、大人になろうとする20代は?
などというように読み替えることもできる。
私などは、随分前の40代前半ってどうだったかな?
なんて懐古にも使える。
<自分のこの年頃の頃はやば!?>
さて、前のブログに記した本に引きずられて買った。ファインマン本人の講義録。
書かれた時が、まさにキューバ危機の直後で、アメリカはソ連に遅れをとった。核戦争の危機が迫り、世界が恐怖の中にあった時代である。そのことを背景としているので、米ソ冷戦のような政治あるいは倫理問題と科学との関係はどうあるものなのか、を鋭く語っている。また、宗教との関係も鋭く切り込んでいる。
科学の限界と道徳などの人間問題と宗教。
米ソ冷戦は随分前に終わった。
しかし、世界の矛盾はあたかも宗教問題に様相を呈してはいるが、実は人間が命をつなぐための資源エネルギー食料をめぐる経済問題。そしてそれをどう処理するのかの政治と倫理問題。
それらを狭い意味での科学が答えるためには、あまりにも「科学」は未成熟であり、未知が多い。
そのことを素直に認めよう。というのが現代へつながるファインマンメッセージの一つ。
まさに「無知の知」である。