
散歩の途中で 道路の縁石に腰をおろして休んでいる猫背のジジ様に出会う
いつも休んでいる 時々その日によって違うが場所を変えては休んでいる
雨の日も傘をさして休んでいる
ところが近頃は子犬をつれて散歩をしているようになった
そして休んではいないのだ 歩いている姿しか見かけない
自分が犬の主人になるということは自分の元気の源になるのかなぁと思っていた
ところが今日はいつもの場所で休んでいた そして犬はいなかった
いつも話はしないのだが
「犬はどうしたの?」と話しかけてみた
「息子の処へいった ワシの犬じゃないからさ 預かっていただけだ」
休んでいるジジ様は 顔が以前よりくたびれているようだった
ジジ様と別れてから帰り道に向こうからやってきた見知らぬ男に突然
「オオ!あの犬が死んだからよ!いまは一人だわ!」
よくいると甲斐犬の雑種を連れて散歩しているジッサマだった
「新しい犬を飼わないの?」
「もう十年生きれるかどうか分からぬのに 犬なんか飼えるか!」
といって田んぼに降りていって放尿をした