西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

冬の闇を歩く

2015-02-01 23:39:46 | Weblog

冬の空を見上げる
薄い雲に隠れて月がぼんやりと光っている

灰色の雲が流れる
薄い紙が千切れるように流れゆく雲は形を変えている

雲の隙間から銀色の光が瞬いている
名前も知らない星が一つ、二つ

僕は白い息を吐く
地上にも冷たい風が舞っている
夜の闇に飲み込まれないように歩く
底冷えのする空気に触れて頬が痛い
マフラーを口の上まで上げて
毛糸の帽子で耳を隠す

行き交う自動車がまばらな国道を横切り
広い公園に出る
黒い空は覆いかぶさるように広がっていて
それが僕を少し悲しくさせる

僕は自分の卑小さを感じないように
急ぎ足になる
気がつけば手袋を外して
毛糸の帽子も脱いでいる


僕たちが昏い夜を恐れて
僅かばかりの灯をともす


何も見ることのできない場所で
僕はずっと一人で彷徨っている


消え入りそうな光が
その部屋の入口を教えてくれる


僕を待っている人はいるのだろうか・・・・・・
コメント
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