理化学研究所のチームが発見した新元素の名称案が「ニホニウム」と発表されたのを受け、チームの代表者である森田浩介九州大教授は9日朝、埼玉県和光市の理研本部で会見を開き、「税金で続けられている研究。感謝をこめて日本にちなんだ名前を考えた。広く受け入れられるように、と思っている」と喜びをあらわにした。

 森田さんとともに会見した共同研究者で理研仁科加速器研究センターの森本幸司チームリーダーによると名称案は3月、チームのメンバーの会合で提案され、全会一致で決まったという。

 約3カ月間、新元素発見を認定する国際純正・応用化学連合(IUPAC)との取り決めで名称案を口外できずにいた森田さんは取材に対し「胸の内にためていた名前を語り合えるようになってうれしい」と語った。今後は、119番目以降の新元素など「まったく未知であるフロンティアを見つけたい」という。

 ログイン前の続き一方、原子核物理学者として福島の原発事故への思いも語った。「プルトニウムなど、(合成された)元素が原爆開発研究のなかで生まれたことは、忘れてはいけないと思っている」

 会見前には、馳浩文部科学相が新元素が合成された理研の設備を視察した。森田さんが「次の目標である119番目の新元素発見に向けて、設備増強には40億円かかる。ぜひご支援を」と話しかけると、馳氏も「最大限応援したい。持ち帰って十分検討したい」と答えた