おやじ似

親父は、５６歳で連れ添いの母に先立たれている、５０歳頃から母は病院に入退院を繰り返していた、子宮がんで北大病院に通っていた、亡くなる２．３年前くらいからしきりと私の嫁さんの心配をし、嫁さん探しをやっていた、死期を悟っての行動だったことが後でわかったが、女房をもらって初孫の顔を見て旅立っていった。
間もなく、親父は連れ添いを貰い札幌に出て行った、後から考えても若すぎる年齢で独り身を貫くには酷な年頃と思っている。
私は、その頃はまだ２０歳後半で衣料品店を継続していた。
父は其れから札幌で一旗揚げたと思っている、大通り７丁目に釣具店を開店し、その後狸小路７丁目近くにボロヤだったが店舗を買い取り、立派に営業をしていた、とにかく出発は大工だったが実業家の素質の方があったと思っている、それから２０年立派に営業を続けていた、そのオヤジから私も円山地域に釣具店開業の援助を受け店を出すことが出来た。
子育て時代の始まりだった、８０歳近くになり体力が一段と衰えた頃に、親父の店に立ち寄り一緒に近くのお風呂に付いて行っていた。
釣具店は、冬期間は滅多に人が来なくなり他人とのコミニケーション途絶えがちになる、脳の回転も途絶えがちに、晩酌だけは変わらなかった、最後はその酒が原因で酔った勢いで階段から落ち、それが致命傷になり入院する羽目になる、病院ではアルコールを止められ、とうとう恍惚の人となる。
怪我さえしなかったら、８０歳は優に超えて長生きしてたのではないかと思っている。
近頃、銭湯で丸裸になると３０年前の親父と銭湯での出来事が蘇えって来て、骨と皮ばかりになった自分の体形と親父の姿が重なり、つくづく親とのつながりは切れないものだと感じるこの頃です。

昨日と今日は、私の行くきのこ山は貸切だった、いつもなら誰か彼か遇うと思うが、今年に限りこの二日間は山で一人ぽっちだった、今朝は６時には山に入っていた、午後１時には山を下っていた。
少し疲れたが記録的な、落葉きのこの収穫があった。

親父の余市防波堤でのカレー釣りか、後ろ姿も似てくる。

落葉きのこアラカルト