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本年(2016年度)、合格者が増える理由とは?

2016年12月04日 08時43分08秒 | ●通訳案内士業界の諸問題

本年(2016年度)、合格者が増える理由とは?

【1】通訳案内士試験事業は、JTBグループが実施

通訳案内士試験の試験事業は、元々は、JNTO自身が実施していたのですが、2009年度から、JTBグループの株式会社JTBコミュニケーションデザインが受託して実施しています。
2009年度~2014年度は、基本的に、単年度ごとの契約だったのですが、2015年度~2017年度は急に3年間契約(2億3千万円)となり、現在、年間7,667万円で受託実施しています。
2009年度~2017年度の9年間の受託金額の総額は5億4,816万5000円で、1年あたり、6,091万円となります。
2015年度から急に高額の3年間契約となった理由は、2014年12月の総選挙で、JTBグループが太田昭宏元国交相の公明党を応援したことに対する「見返りの大きな飴玉」という意味合いがありました。
JTBグループが公明党を応援するのは、公明党の支持団体である創価学会が、JTBグループの国内最大の顧客であるという理由によります。

・JTBコミュニケーションデザインの年度別受託金額
 2009年度、2010年度通訳案内士試験事業(93,450,000円)
 2011年度通訳案内士試験事業(56,700,000円)
 2012年度通訳案内士試験事業(55,650,000円)
 2013年度通訳案内士試験事業(55,125,000円)
 2014年度通訳案内士試験事業(57,240,000円)
 2015年度~2017年度通訳案内士試験事業(230,000,000円)

※受託金額(2014年度~2017年度)など、詳しくは、下記をご覧ください。
 http://www.jnto.go.jp/jpn/about_us/contracts_bids/bid_result/bid_results_2014.html

【2】第2次口述試験の合格者数の変遷

年度<合格者数>
2005 < 789>
2006 <1,137>
2007 <1,905>
2008 <1,559>
2009 <1,225>
2010 < 932>
2011 < 894>
2012 < 713>
2013 <1,201>
2014 <1,658>
20152,119

【3】合格率80%指示事件

2014年12月9日に実施された2014年度通訳案内士試験第2次口述試験の東京会場(昭和女子大)で、日本政府観光局(JNTO)の担当者が、観光庁の指示を受けて、試験開始前の試験官に対するブリーフィング(9:00~9:30)で、約80名の日本人、外国人試験官を前にして、「今年の第2次口述試験の合格率は、80%になるよう採点してください」などと指示しました。
国家試験実施当局者が、試験直前に、試験官に対して、「合格率は、80%になるよう採点してください」などと指示することは、国家試験史上前代未聞の不祥事でした。

・JNTO担当者が指示をした具体的内容
(1)合格率を80%になるように採点して欲しい。
(2)特に、合格不合格ギリギリの受験者には、受験者の将来を考慮して(←意味不明)、合格判定を与えて欲しい。
(3)2020年の東京オリンピックを控えて、これ(合格率を80%にして合格者を多数出すこと=JTBグループを大儲けさせること)は、国策です。
(4)私たち(JNTO)は、上(観光庁)からの指示に従わなければなりませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
(5)このことについては、一切、外部に口外無用にてお願いします。

・JNTO担当者が説明した時の状況
JNTOの担当者は、日本語で上記の説明をしましたが、この部分は口頭での説明のみで、試験官のマニュアル文書には一切の記載はありませんでした。これは、この事実が、後日、外部に露見することを恐れて、オフレコ状態での説明を当初から予定していたからと思われます。
外国人試験官に対しても日本語のみでの説明でしたが、外国人試験官には、日本語が分かる人も分からない人もいるのに、この点については、不徹底でした。
もっとも、fair(公正)精神が強いまともな外国人にとっては、このような理不尽なことは、到底受け入れられるものではないので、あえて、不徹底にしたとも考えられます。もし、このことを各国語でマニュアル文書に記載されていたら、当日、試験官を拒否する外国人試験官が何人も出ていたと考えられます。

・JNTO担当者の発言を聞いた試験委員の証言
JNTO担当者の発言を聞いた試験委員は、「JNTO(=観光庁)は合格者を増やしたいのだろうと思った。正直に言って、採点に影響した」とか、「おかしいと思った。合否のボーダーライン上の受験者への採点が甘くなったかもしれない」などと感想を述べており、合格基準に達しない受験者を無理やり合格させた可能性を明らかにした。

・本件についての読売新聞の記事
読売新聞朝刊(2015年5月6日付)の33面のかなり大きなスペースをさいて、2015年度通訳案内士試験<国策として80%の合格率を目指す!>と題して、「通訳案内士採点甘く?」「担当職員『国策で合格率増』」「試験委員、発言影響した」との記事が掲載されました。

下記にて、読売新聞の現物紙面の記事をご覧になれます。
http://hello.ac/yomiuri.pdf

・観光庁の見苦しいウソの言い訳
本件は、元はと言えば、観光庁がJNTOに指示したことですが、読売新聞の記者の質問に対して、「JNTOが、試験委員に具体的に合格率を示したのであれば遺憾である」などと見苦しいウソの言い訳をしていました。

【4】2014年度から、TOEIC840点が英語第1次筆記試験免除になった理由

JTBグループは、日本のインバウンド旅行の約50%を独占する大企業ですが、通訳ガイドを安く使う目的のために、長年に渡り、ヤミガイド(無資格ガイド)を違法に使ってきたので、業界では「ヤミの御三家」と呼ばれています。

JTB九州が、ヤミガイドを募集した例
http://www.hello.ac/exam/pdf/china.pdf#zoom=100.pdf

JTBグループは、通訳ガイドを安く使うために、一方でヤミガイドを使い、他方で通訳案内士制度を崩壊させるために「地域限定通訳案内士」「地域活性化総合特区通訳案内士」「特例ガイド(沖縄、福島)」「中心市街地特例ガイド」「構造改革特区通訳案内士」などの「通訳ガイドもどき」を、観光庁と協力して粗製乱造してきました。
現在(2016年11月現在)、観光庁において、<通訳案内士制度のあり方に関する検討会>が開催されていますが、ここでも、JTBグループ主導のもとで、通訳案内士の業務独占廃止が画策されています。

このような通訳ガイドの仕事の魅力を破壊する行為は、当然のことながら、通訳案内士試験受験者数の大幅な減少を招き、近年ピークだった2007年の9,245名から、2013年の4,706名まで半減させるまでになりました。

2020年の東京オリンピック開催時には、数千人から数万人単位の「英語を中心とする外国語を話せる(若くて安く使える)人材」を必要とするJTBグループは、自らが招いたこととは言え、通訳案内士試験受験者の大幅な減少に大きな危機感を抱きました。
通訳案内士試験に大量の若年層を取り込み(合格させ)、インバウンド業界に囲い込み、東京オリンピック開催時に安く使いたいJTBグループが目をつけたものが、若年層の割合が圧倒的に大きいTOEICテストでした。

そこで、気になるのは、TOEICテスト受験者の年齢別構成比と得点分布比率でした。

・年齢別構成比
 20歳以下:18%
 20歳~25歳:40%
 26歳~30歳:19%
 31歳以上:23%

20歳~25歳が、全受験者の40%と一番多く、30歳以下で全体の77%を占めており、若年層を取り込む対象としては、理想的な年齢別構成比といえる!

・得点分布比率(2014年10月実施分)
 845点以上は、全体の上位8.8%
 895点以上は、全体の上位4.3%

通訳案内士試験第1次試験合格レベルとしては、895点以上が望ましいが、845点以上にすれば、約2倍の受験者を対象とできる。資料に出ている845点という端数はやめて、840点でいこう!
以上のような分析、判断のもとで、英語第1次筆記試験の免除規定をTOEIC840点以上に決定されたと思われます。

・受験者数は増加したが。。。
これにより、英語受験者数は、2,885名(2013年)→5,352名(2014年)と対前年比、何と、186%にほぼ倍増しました。
英語第1次筆記試験免除で増加した英語受験者にとって、難問、奇問、珍問満載の第1次邦文試験(日本地理、日本歴史、一般常識)は難しかったらしく、第1次試験合格率は33.9%にとどまりましたが、受験者の母数が多いので、合格者数は1,978名となりました。
TOEIC840点以上免除の効果は、2015年度にも大いに発揮し、2015年度の英語受験者は、8,491名まで増加し、2015年度の合格者は、過去最高の2,119名を達成しました。
この結果を見るかぎりにおいては、TOEIC840点以上免除規定は、受験者、合格者を増加することに成功したと思われます。

・2016年度も大量の合格者が出るはず。
観光庁は、JTBグループの要請を受けて、2016年も大量の合格者を出すはずなので、受験者は、最後の1分1秒まで全力を尽くして合格を勝ち取っていただきたいと思います。

以上



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