さて、「四面楚歌」で最期のときと覚悟を決めた項羽が歌う歌が
力拔山兮氣蓋世 力は山を抜き 気は世を蓋(おお)う
時不利兮騅不逝 時、利あらず 騅(すい)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何 騅(すい)の逝(ゆ)かざるを奈何(いかん)すべき
虞兮虞兮若何 虞(ぐ)や虞や若(なんじ)を若何(いかん)せん
我が力は山をも動かし、我が気力はこの世を覆った
しかし、時運が無く 愛馬は進もうと . . . 本文を読む
前回の「辟易」のときに「四面楚歌」に触れましたが、あの「辟易」の場面はもしかしたら「四面楚歌」の後かもと気になっていました。どこかに本があったはずなのですが、見当たらず、わざわざ図書館に行く気力もなく、結局調べていません。
物語としては項羽が「四面楚歌」で自陣の負けを自覚し、最後の気力を見せたのが「辟易」の場面だったような気がするのですが・・・。
いずれにしても項羽の最期のときであるのは . . . 本文を読む
先日「企業の不正」について書きましたが、企業のトップのいいかげんさに「辟易」してしまいます。
さて、その「辟易」ですが、
1. ひどく迷惑して、うんざりすること。嫌気がさすこと。閉口すること。
2. 相手の勢いに圧倒されてしりごみすること。たじろぐこと。
ということでここでは「1」の意味。でも、故事としては「2」の意味になります。
「史記 項羽本記」の
「項王瞋目而叱之、赤泉 . . . 本文を読む
テレビで「鍋特集」をやっていてその中で奈良県の「飛鳥鍋」というのを紹介していました。文字通り飛鳥時代から伝わる鍋だそうですが、なんと「牛乳鍋」です。そのとき出演者の一人が
「まさに『醍醐味』だね。醍醐というのは『牛乳』のことなんだよ。」
◆醍醐味-物事の本当のおもしろさ、深い味わい。また、仏教で最上の教え。
という程度にしか知らなかったので、早速調べてみました。
「醍醐味(だい . . . 本文を読む
中1の息子の国語の期末試験の範囲に「矛盾」とあったので・・・。
「矛盾」・・・物事のつじつまが合わないこと
楚の国の人に盾(たて)と矛(ほこ)を売っている者がいた。
その盾を自慢して言うには
「この盾はとても堅く、突き通すことができる物はない。」
さらに、矛を自慢して言うには
「この矛はとても鋭く、どんな物でも突き通してしまう。」
ある人が尋ねた。
「では、あなたのその矛で . . . 本文を読む
授業中に意味を聞かれて「尊くてえらいこと」などと答えて怒られた記憶があります。その語句は「尊大」。意味はもちろん「尊くてえらい」ではなく、「いばって、他人を見下げるような態度をとること。また、そのさま。高慢。横柄。」
だって「尊」に「大」だよ。いい意味だと思うよね。(えっ、そんなことはない?)
ところで、もう一つ意味を勘違いしていたのが「助長」。これも「長じるを助く」と読めるのだから「成 . . . 本文を読む
高校の頃、小論文の練習をよくやらされました。「やらされた」と書く時点で得意ではないことがバレバレですね。
先生によく言われたのが「書き終わったら、じっくり推敲しなさい。」
「推敲」・・・・詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。
ちなみに「推」は「押すの意味」、「敲」は「叩くの意味」
唐の中頃、 賈島 ( かとう ) という詩人が一人詩作にふけっていた。
「僧は推す月下の . . . 本文を読む
皆さんは何と読みますか?「ごじゅっぽひゃっぽ」?
私はある先生に「ごじっぽひゃっぽ」と教わりました。「10」は「じゅう」だけど「10歳」は「じっさい」なんだそうです。
とても厳しい先生で漢字の書き順はもちろん、かなの書き順を指摘されたこともあります。できの悪い生徒なのですべてを覚えてはいませんが、意外だったことなどはこんな風に今でも覚えています。
「五十歩百歩」・・・大差のないこと、 . . . 本文を読む
ワープロを使い始めてから誤変換に気づかず間違えた字を使ってしまうことはあっても書き間違いはなくなりました。(当然ですが)
手書きをしていた中学・高校の頃、「璧」などという字があることは知りませんでしたから「かんぺき」は当然「完壁」。高校の漢文で「璧」なるものがあることを教わり、初めて「完璧」がいかにパーフェクトな漢字か知ったわけです。
「完璧」・・・〔きずのない玉の意から〕欠点や不足がな . . . 本文を読む