心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

約束の行方・・・vol.2

2013-01-10 10:26:36 | 約束の行方


そんなかわいらしいことを言ってくれたのは

当時付き合っていた彼

彼はまだその時高校生だったけれど

少し大人びた・・・・というのか、

落ち着いた雰囲気を持ったひとだった







啓太という名の彼に初めて会ったのは、

私が大学生になってまもなくのころ








バリトンボイスが素敵なマスターがいる

学校近くで見つけた私のお気に入りのcafeだった




何度か通ううち 彼が、常連なんだと気がついた

まさか高校生だとは思ってもみなかったが

よくよく考えてみると制服のままだったこともあった







夏が近くなったころ啓太から声をかけられた








「お話してもいいですか?」


「ええ・・今日はおひとり?」


「あ、うん 友達は後から来るけどね・・・

 それにしても、いつも本ばかり読んでいるね

 店の外、ゆっくり見たことありますか?」


そう言われて、“外って見えたっけ?・・・・”と思った。




私がいつも座る席からは見えなかったが

cafeの奥の席からは、私が大好きな海が

建物の間から見えたのだった。

遠くに行き交う貨物船も見える



なんだか誰かの歌に出てくるようなcafeだと思うと

そんな素敵なことを教えてくれた彼のことを

急に意識するようになった。