出掛けたくはないけれど、銀行に入金しに行かなければならない。
外は凄く晴れている。
行きたくはないけれど日傘とサングラス手袋という重装備で
しぶしぶお出かけ。
歩いていたら少し向こうの方で、タクシーからおばちゃんが降りて来るのが見えた。
が、降りそうで降りない。
どうやら怪我をしてるようだ。
松葉杖をついていらっしゃる。
目の前は病院。
何とか、タクシーを降りたものの、
一段高い歩道には登れない様子。
近寄って声をかけてみる。
「お手伝いしましょうか?」
おばちゃんは、
「いやいや、大丈夫」と言いながら私を見る。
おばちゃん、なぜか満面の笑顔。
それから
「ありがとね、お嬢さん。」
私に向かってそう言うのです。
?
お嬢さん。
私のことか?
「ああ、ありがとうね。お嬢さん… 綺麗なお嬢さん…。」
確かに
お嬢さんと言った。
しかも綺麗だと。
いや、私おばさん…。
57歳。
でも。
ま、いいか。
そういうことにしておこう。
ふふふ、と笑いながら通りすぎていく私に向かって
おばちゃんはまだ何か言っている。
「本当に綺麗な…。」
「綺麗な。」
「ああ、服まできれい~。」
…
なんかすいません。
ニッセンで安売りだった服、これ。
1100円。
マスクとサングラス効果?
おばちゃんの目はキラキラと、恋をした少女のようになってました。
なんかねぇ。
ありがとうございます。