ゆる男は仕事でロンドンに行っていた。
涼しいというよりも、ちょっと寒いくらいの季節で、彼は公園で散歩を楽しんでいた。
芝生のところで寝転んでる人もいる。
「あぁ、のんびりしていいなぁ」と思った途端、どういうわけだか尿意を催した。
普通ならば、尿意というのは催しても多少、時間の猶予はあるものだ。
ところが、彼の場合は催したら最後、「今すぐ出さないと、あー、大変」という状態に陥るのであった。
「こりゃ、まずい」と彼は広い公園のトイレにかけこもうとした。
ところが運悪く、清掃中であった。
おばさんが親切に別のトイレを教えてくれたが、あまりに離れたところにあって、そこにいくまで持ち堪えられそうにない。
日本だったら、ひと目につかない茂みに入っていって、こっそり用を足したり、通行人の避難の視線に耐えれば、電信柱の陰での用足しも可能だ。
ところがその公園はあまりにだだっ広く、用を足せそうな場所など皆無だった。
そのうち我慢出来なくなってきて脂汗が流れてきた。
どうしようかときょろきょろと辺りを見渡すと少し傾斜した芝生の植えた場所があった。
幸い、そこには誰もいない。
彼は惹きつけられるようにそこに行き、両手で必死に穴を掘った。
ところが芝生の根があって、なかなか掘れない。
それでも切羽詰まっている彼は
必死で穴を掘った。そしてその芝生にうつ伏せになった。
他人の目には、まるで芝生の上で気持ち良さそうに寝ているとしか見えないのだが、実は彼は自分のモノを出し、穴の中に用を足していたのだった。
あまり深く穴を掘らなくてもよかったと自分で言っていた。
「あんな、ほっとしたことはなかったですね。用を足しながら「あーこれで助かった」って思いました」
ところがスッキリしたのはいいが、立ち上がると、おりからの肌寒さもあって穴からは湯気が立ち上がっていた。
散歩をしている人が湯気を発見してしまい、不思議そうに眺め、こちらに向かって歩いてきた。
つづく
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