年々、夏の気候の乱暴さは極まってきているようです。
熱海の大量の雨による土石流は、ネット時代と相まって市民が撮影した動画が、あっという間にお茶の間に広まりました。
まさか目の前で、映画かCGみたいな光景が繰り広げられて、本当に驚いた。
動画にも「嘘でしょ・・」と絶句する声が入っていましたが、全く同感でした。
自然が牙をむいたときの凶暴さ、とても人間の手に負えるものではない、と、土石流のすさまじさを目視で共有することで今後の災害への心構えも違ってくるかもしれません。
一つ気になったのは、上流地域の開発で盛り土されていた所から崖崩れが起こったということです。
上記記事一部抜粋
盛り土がされる前は一帯の地形は谷型で、水の通り道になっていた。1日からの断続的な雨が染み込み、盛り土が崩れやすくなっていた可能性が高いという。
盛り土がされる前は一帯の地形は谷型で、水の通り道になっていた。1日からの断続的な雨が染み込み、盛り土が崩れやすくなっていた可能性が高いという。
また、以前コメ欄でローズクォーツさんに教えていただいた「土中環境」という本でも、学ぶことはたくさんありました。
本によれば、水脈の流れを近代の土木工事によって止めたとしても、
「自然は、水脈環境を自律的に再生しようと働く」
ということ。162ページには
「これを私たちは土砂災害といいますが、それは土中環境変化に応じた自然の反作用に過ぎません」
と書かれています。
災害は理由もなく起こるのではなく、ちゃんと起こるべくして起こる理由があるのですね。
折しも、朝ドラ「おかえりモネ」で、気候変動により近年頻繁に起こる豪雨と土砂崩れの対策として、森林や木の保水力について語っている場面がありました。
私たちは、自然を無理に押さえつけるのではなく、互いの利点を利用して共生を目指さなければならない。
でなければ、自然から手痛いしっぺ返しの来ることを学んでいる最中なのかもしれませんね。
今回の災害で亡くなられた方のご冥福を祈るともに、被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
安否不明の方々が一刻も早く見つかりますように。
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