北海道帯広市にあった大正駅は、根室本線の帯広駅と広尾駅とを結んでいた全線単線非電化のローカル線だった旧国鉄広尾線(84.0km)の一般駅である幸震駅として、1929(昭和4)年9月2日に開業しました。
しかし、広尾線が1987(昭和62)年2月2日に廃止されたことに伴い、大正駅も廃駅となりました。
廃止時点で単式ホームと片面使用の島式ホームの複合型2面2線を有していて列車交換可能な有人駅でした。
開業時に建てられた木造駅舎は、最後まで残っていました。
大正駅が属していた国鉄広尾線は、改正鉄道敷設法第133号の規定により建設され、まず1929(昭和4)年11月2日に帯広~中札内間が開通し、それ以降、順次延伸していき、1932(昭和7)年11月15日に全通しました。
全通後は、沿線住民の足となり、またジャガイモなどの農産物の輸送にその役割を果たして南十勝発展の原動力となりましたが、やがてモータリゼーション化と沿線の過疎化によりしだいに旅客・貨物共に輸送量が減少し、1980(昭和55)年12月の国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)の施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定され、ついに国鉄分割民営化直前の1987(昭和62)年2月2日に国鉄広尾線は廃止されました。
廃止後も大正駅の駅舎やホームはしばらく保存されていましたが、1997(平成9)年に解体されました。 そして現在は「大正ふれあい広場」として公園に整備され、新しく造られたホームや駅名標が設置されています。
<大正駅の年表>
・1929(昭和4)年9月2日:国鉄広尾線の一般駅である幸震駅として開業
・1944(昭和19)年4月1日:駅名が大正駅に改称される
・1974(昭和49)年12月15日:貨物取扱いが専用線発着車扱貨物に限定される
・1982(昭和57)年9月10日:貨物取扱い廃止
・1984(昭和59)年2月1日:荷物取扱い廃止
・1987(昭和62)年2月2日:広尾線の廃止に伴い、廃駅となる
(かつての駅名標)
(大正駅跡)
撮影年月日:2003(平成15)年6月19日