源氏物語と共に

源氏物語関連

枕草子の牡丹

2023-06-04 07:56:15 | 

 

先日に、平安神宮の庭に行った折に、

牡丹がありました。

花も葉っぱもありませんでしたが、

枕草子の牡丹の記事紹介に目がとまりました。

「台の前に植えられたる牡丹などの

をかしきに 云々」

 

少なくとも、同じ時代に、清少納言は牡丹に目をとめて

います。

源氏物語ではどうして記述が無いのでしょう。

本当に不思議。ふかみ草とも呼ばれていました。

牡丹は中国🇨🇳から来ています。

則天武后が好んだとか。

(牡丹画像は季節の花より

https://www.hana300.com/botan0.html )

こちらは、同じ日の平安神宮枝垂れ桜

ちょうど今、NHKらんまんドラマで牧野植物園が

有名になっていますが、

私が以前に行った時に、桜の種類も沢山ありました。

探してみるのも良いですね⭕️

 

 


藤袴

2010-11-06 16:28:01 | 
イメージ 1

鉢から地植えした藤袴の花が、今年はじめて咲いた
高さは1mもないと思う。
秋の七草の一つ。
 
地味な花だから個人的にはあまり好きではなかったけれど、
じっくり見ていたら、可愛く感じるようになった
 
乾燥させると葉や茎が良い香りになるそうだ。
 
古くは「ラニ」の花として、「蘭」という漢字を当てるとか。
漢方的な所から入ってきた植物と思う
 
 
しかし、
「平安時代には、かさね色にはあっても、色目は無い(以下長崎盛輝「重ねの色」)」
というのが不思議。
かさね色は表紫、裏紫だそうだ。
和訓栞に、「花の色をもて藤と称し、その弁をなせるをもて袴とす」
秋、茎の先端に淡い紅紫色の筒状の花を群り咲かせる。
平安文学では、大和物語や古今和歌集にも見え、源氏物語に藤袴の1篇がある。
 
玉蔓に夕霧が御簾から藤袴を差し入れ、
『同じ野の露にやつるる藤袴
 あはれはかけよかごとばかりも』という和歌が有名である。
 
私の個人的な思いでは、
復元された国宝源氏物語の御法の紫の上の最後ともいえる場面に
庭の花として描かれていたのが印象的で、ずっとこの花を探していただけにちょっと感激。
 
実際の花は、うす藤色といった印象で、
紐のよう物が出てきて満開なのだろうか?と不可解な花。
蕾の時は、意外にもピンク色っぽくて可愛い。
筒状の花というよりも、丸く感じるのは、
本来は河原にはえていたものが、
近年では雑種化されて園芸種でもなくなっていったせいかもしれない。
 
絵として、他にも前述絵巻の宿木の匂宮が琵琶を弾く場面の庭の花として登場しているが、
それだけ秋の草として有名なのに、
同じような植物の紫苑の紫苑色のように、
色目として伝わらなかったのは不思議な気がする。
 
もしかしたら、国宝絵巻は紫式部の時代より100年ぐらい違うという事情かもしれない。
 
万葉集の山上憶良が秋の七草として詠んだ藤袴、
きっと河原に沢山ススキなどとはえていたのだろうと想像。
 
荻の花もススキも何となく荒涼感があるけれど、
黄色いオミナエシや藤袴、桔梗などは色的に目にとまって
愛されたのかもしれない。
 
乾燥させると桜餅の葉のような匂いというのも面白い。
 
今後もしばらく花の様子を観察しようと思う(笑)
イメージ 2
イメージ 3


 

橘(たちばな)

2010-07-12 14:33:25 | 
イメージ 2


橘の香をなつかしみほととぎす
     花ちる里をたづねてぞ訪ふ   (花散里)
 
花橘と古歌でも読まれる橘とはどんな花なのだろう。
柑橘系の木だと思うのだが、ミカンに近い木なのだろうか。
 
おりしも、A新聞 [高橋睦郎 花をひろう ]に
橘の記事が載っていたので、調べてみた。


橘は万葉の昔から愛でられた。
左近の桜、右近の橘 雛人形の飾りでも有名である。
花は6月ごろに咲き、実は黄色で秋~冬になる。
古歌では花たちばなとも読まれる。
 
ホトトギスと一緒に歌われるのは、
鳥が柑橘系を好むからであろうか?
オレンジの実を半分に切って木に下げると、鳥がよくつつく。
 
昔の人を思い出す事で、有名な和歌
 
五月待つ花橘の香をかげば、昔の人の袖の香ぞする (伊勢物語)
 
まさしく香は昔の人への追憶。
 
しかし、古事記と日本書紀には橘に関する記事がある。
 
多遅摩毛理(たじまもり=田道間守)は、
垂任天皇の命をうけて常世へ行った。
ときじくのかく木の実(時を定めずに輝く果実)を探しに。
しかし、実を手に入れて帰ってくるも、すでに天皇は亡くなっていた。
悲しみのあまり死んでしまうたじまもり。この実が今の橘であるという記事。
 
それゆえ、橘は異次元の神仙境の実を表す。
古代人は冬に黄色に輝く実に生命力を見、不死を感じた。
そして葉は常緑でもある。
 
橘は亡くなった人を追想し、失われた時を夢みる。
まさしく花散里も源氏にとって亡き桐壺院を思い出すよすが。
 
同じく「古典植物誌 知っ得」には、枕草子の事例も載っていた。
 
花の中より黄金の玉かと見えて、いみじう鮮やかに見えたるなど
朝露に濡れたるあさぼらけの桜に劣らず  (枕草子)
 
橘はミカン(柑子)よりも実が小さいイメージがする。
今でいうと、ジャスミン系の白い花のイメージ?
源氏物語には柑子も見えるから別物と思う。
 
レモンの木の花もそんな感じだった。
イメージ 3



 
ちなみに和服の模様の橘はお目出度い柄。
後に武将が桐のように家紋にしていたりする。
やはり永遠の生命を感じさせるからだろうか。
 
画像は橘のwikiより拝借。
イメージ 4


イメージ 1

 

薔薇(追加画像あり)

2010-05-27 16:45:31 | 
連日の雨で、薔薇も盛りが過ぎてしまいました。

源氏物語の「さうび」は
結局まだ白色なのか赤色なのかわかりませんが、
手に入れた「万葉」という薔薇が、今年も咲きました。
イメージ 4


オレンジ色ですが花びらが可愛いです。


次に、何故か庭に勝手に生えて来たノイバラの種類。
万葉集では「うまら」と言われています。
あまりに大きく伸びるので、
そのままにするとたぶん秋には結実して赤い実がなるのだろうけれど、あきらめて、切ってしまいました、
イメージ 1

そしてツツジ。
源氏物語の時代は
今のように大きなツツジの花ではなく、
歌などからも、岩の根本に咲く岩ツツジだろうという事です。
ツツジもそろそろ終わりの季節です。
たぶんオレンジ色だということなので、画像は後で追加します。
イメージ 5


そしてGWに見かけた福岡の藤。
この木は巨木でした。
光源氏が招かれた右大臣宅の藤の宴で、
一人あざれたる大君姿で
「桜の唐の綺の御直衣、葡萄染の下襲」
を着ていた事を思い出します。
どんな藤の花だったのでしょうか。

何故か八重桜もまだ少しだけ残っていました。
故蝶と一緒で、嬉しかったです
イメージ 2

そして珍しい緑色の桜を(たぶん、八重桜の種類?)
イメージ 6


イメージ 3






故蝶

2010-04-23 16:58:37 | 
今年は天候が不順で
咲いた桜を長い間楽しむことが出来ました。
八重桜もそろそろ散っていくのでしょうか。

近くのお宅で、山吹を見かけ、
寒い中藤の花も咲いているのも見ました。
新緑の若葉もあざやかに伸びてきています。
『三月はつかあまりの頃あひ』
まさしく「故蝶」の世界と同じです。

『お前の方(紫の上)は、はるばると見やられて、
色をましたる柳、枝を垂れたる、花も、
えも言われぬ匂ひを散らしたり。
色をましたる柳ほかには盛りすぎたる櫻も、
今さかりにほほゑみ、廊をめぐれる藤の色も、
こまやかに開けゆきにけり。
まして、池の水に影をうつしたる山吹、
岸よりこぼれて、いみじき盛りなり・・・』

何故かここを読むとGWに訪れた宇治の平等院の景色を
思い出します。
まさに、紫の上の住む春の御殿に近い印象でした。

紫の上はその登場から北山の桜がイメージされています。
その容姿に例えられた樺(かば)桜も八重桜だったのでしょうか。

いっぱんに樺桜といわれるものは、
花房の長いうわみず桜ともいわれるのですが、
やはりその印象は違います。
http://www.cc9.ne.jp/~ssuto/uwamizu.htm

実はこの苗を買ってみたのですが、今年はまだ咲きませんでした。

夕霧が紫の上に例えた樺桜、
その頃でも有名だった遅咲きの桜なのでしょうか。
それとも下界よりも遅く咲く山桜の1種だったのでしょうか。

今まさに季節はそんな頃合いですが、
この場面のような、この世の極楽かとも思うような晴天がなかったように思います。
季節的にも、故蝶の巻を味わうのも楽しいかと思います。
イメージ 3



イメージ 2



イメージ 1