源氏物語と共に

源氏物語関連

最古級の写本

2008-10-30 09:14:10 | その他
昨日もNHKTV関西で流れましたが、
甲南女子大学の蔵書「梅枝」が勝海舟の蔵書印もある上に、
鎌倉中期(13世紀半頃?)の写本である事がわかりました。

現存する東京国立博物館所蔵の「保坂本」と呼ばれる写本と並び最古級。
青表紙本にはない独自の文もあり、研究の上で貴重な資料。

S48年に同大学が購入したものだそうですが、
この度源氏千年紀に米田明美教授が再読した結果表現の違いに気づき、
関西大学に鑑定を依頼した結果の発見だそうです。
勝海舟が明治維新以後に名乗った「勝安芳」という蔵書印があるそうです。
幕末にも人気があったのですね。

それにしても青表紙本と文が違うとは今後が楽しみですね。

米田明美教授がTVに出ておられましたが、この先生も素敵です☆

一般講座で一度学びましたが、とてもわかりやすい内容でした。


11/4~7、10日に図書館で無料一般公開。
産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/081029/acd0810292116008-n1.htm

源氏物語関連のTV番組

2008-10-28 23:35:41 | その他
急ですが、明日10/29(水)夜のNHKTV「その時歴史が動いた」で
源氏物語がとりあげられます。
http://www.ontvjapan.com/genre/detail.php3?tikicd=0203&hsid=200810290031034


また、11/3(祝)はBSで、源氏物語関連。
瀬戸内さんの知るを楽しむ8回講座の再放送や落語など。
http://www.nhk.or.jp/bs/bs2.html



11/5(水)は源氏物語千年の旅。BSハイビジョン夜8時~
http://www.nhk.or.jp/bs/bshi.html




まだ11月のTVガイド誌を購入していないのですが、
千年紀で特集があるかもしれません。



早蕨・つくし(土筆)

2008-10-27 11:24:39 | 

イメージ 1



(中君)この春はたれかに見せむ亡き人の   かたみに摘める峰の早蕨 (早蕨)

訳:今年の春は姉君も亡くなり誰にお見せしましょう。
亡き父宮の形見としてお摘みくださった峰の早蕨を


巻名にもなった早蕨。
わらびの事。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%B5%A4%EF%A4%E9%A4%D3&kind=jn&mode=0
毎年、春に阿闍梨が山で取れた早蕨を八の宮邸に送ってくれていた事から
八の宮が亡くなり大君も亡くなったこの春も、
例年通り中君を案じて送ってくれた:*和歌の返歌による。


たれは大君。亡き人は八の宮。
かたみは形見と竹で編んだ籠「筐(かたみ)」を掛けている



蕨・つくづくし、をかしき籠に入れて、
これは童べの供養じてはべる初穂なりとたてまつれり・・ 略・・
*(阿闍梨)君にとてあまたの春を摘みしかば   常をわすれぬ初蕨なり(早蕨)


仮名文字に慣れない阿闍梨が、下手な字で書いてくれた心に中君は感激。
言葉を尽くした匂宮の御文よりも、格段に目にとまって涙もこぼれた。
心優しい阿闍梨である。


「つくづくし」はつくし(土筆)の古名。
スギナの胞子体(花)がつくし。
花のアルバム
http://www.ne.jp/asahi/tochigi/sakamoto/tsukushi.html


万葉集に志貴皇子の早蕨の歌があると、注釈にあった。
「石ばしる垂水の上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも」



大君  (総角)

2008-10-21 12:57:42 | 登場人物
若い頃に口語訳を読んだ時、大君があまり好きではありませんでした。
どうしてここまで薫を拒否するのか。


何となく暗い人だなと感じていたのですが、
この度、講座の予習に総角(あげまき)を読んですっかり考えが変わりました。
今回はその感情に大変共感しました。


たぶんこれは私自身が年齢を重ねた事もあるかもしれませんし、
又、2年半の源氏講座で色々な事を学ばせてもらった事もあると思います。


まず皇女としての立場。
これは柏木の未亡人落葉宮も同様でした。
夕霧の妻になるとはと、母=御息所も悲嘆しました。
皇女は立場的に独身で過ごしても、普通のようです。


また、八の宮の遺言に、結婚を考えてはいけないとありました。
結局、はからずしも妹=中の君を匂宮と結婚させる事になってしまうのですが、
その後その事を後悔して何も食べられなくなって大君は亡くなります。


薫に間近まで近づかれる事になっても、
あくまで大君は薫を拒否し、
薫も相手を思ってぐずぐずと何もないまま朝まで過ごします。
また空蝉のように中の君の隣からさっと逃げて、
入ってきた薫を驚かす場面もありました。
薫も中の君に手は出しませんでした。←光源氏とずいぶん違います


一方、匂宮は中の君と契ります。
薫の思う通り、中の君の美しさにすっかり心をうばわれます。
しかし、立場上ひんぱんに宇治に通う事は難しく、
しかも母=明石中宮(ここでは大宮と呼ばれています)が
夕霧の娘六の君との縁談に乗り気です。
邪魔をして宇治に行かせないようにします。
たぶん次の皇太子として政治的にしっかりした縁戚の妻を持たされるのですね~


匂宮の訪れがなく、六の君との縁談話も聞き、
宇治ではたわむれの契りかと姫達は憂います。
八の宮の亡き後、2人のおぼつかない立場も考えられて、
世間の笑いものになるのはみっともないと大君が後悔するのも無理は無いと感じました。
しかも中の君にはそういう憂いを表面では見せませんでした。


自分は薫とは絶対に結婚しないという大君は
少し強情のようにも見えますが
彼女は美しい盛りの中の君と違って、
自分の容貌が盛りを過ぎて美しくない事も知っているし、
結婚して薫がその自分を嫌になって捨てられたらみっともない、
これ以上憂いたくないという心から薫を拒否するのも
わかるように思います。


それでも薫の良さに惹かれ、
最後に薫に会えずに死ぬのは残念だったと
かけつけた薫に愛の言葉を伝えて亡くなります。


大人のプラトニックな愛。
この2人のやりとりと別れがとても哀れでした。


大君が亡くなった後、
(薫)「おくれじと空ゆく月をしたふかな
         つひにすむべきこの世ならねば」(総角)


この和歌が何故か心に残りました。
先生の注釈にこれが薫の宇治でのテーマとありましたので、
今後も楽しみにしたいと思います。


全体に宇治になってからの和歌がとてもその場面の心情にぴったりで
感動します。いつから紫式部は和歌が上手になったのでしょう。


秋や冬、木枯らしや雪にうずもれた寂しい宇治=憂しの風景に
和歌の心が尚更響くように思いました。


中の君に対する先生の注釈のお考えにもまた驚き、
また、薫ではなく匂宮が宇治十帖の主役とも言われたので、
今後も楽しみにしたいと思います。


さて、巻名の総角(あげまき)について調べてみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E8%A7%92



催馬楽
「あげまきや とうとう ひろ(尋)ばかりや とうとう さかりて寝たれどもとうとう まろびあひけり とうとう か寄りあひけり とうとう」

(現代語意訳)
「あげまき髪の女とさ とうとう(※) 一尋(※)ばかりさ とうとう 離れて寝たけどさ とうとう 転がり合ってしまってさ とうとう しっかり絡んで寝たとさ とうとう」
(夢講座)よりhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~GENJI/index.html#oboegaki47






八の宮の一周忌のために、
名香の上につけた紐飾りでしょうか。



ティータイム

2008-10-15 23:11:11 | その他
ちょっとティータイム^^

源氏千年紀ロゴのサイトを発見。
大倉のカップが発売された当時、話題でした。
京都高島屋
http://shop.takashimaya.co.jp/product/00005594.html

この時期に紹介するのもどうかと思うが(三笠フーズの件で)
パッケージが源氏物語絵で好きな京都宇治式部郷。
源氏香などのネーミングが面白い♪
先日デパートに行ったら、千年紀記念のおかきもあってびっくりしました。
http://www.shikibunosato.com/syouhin/genjiutaawase.htm


こちらは定家の月のネーミングが面白いおかき。
長岡京 小倉山荘
http://www.ogurasansou.co.jp/category/9.html

おかきながら、六角せんべいの九条ねぎが珍しい。
京都蕪村庵
http://www.buson-an.co.jp/

どちらのおかきも美味しいです♪

京都の友人が教えてくれたお土産やさんに売っている九条ねぎの飴。
美味しい?美味しくない?で話題でした。