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水田の中にホウネンエビの群れを見つけました
メスが既にお腹に卵を抱えています
(白いツブツブが卵で、メスが卵を持っているのです。)
横浜市内の水田で今年もホウネンエビを見つけました。
この水田でホウネンエビを確認したのは去年のこと。
あるプールでヤゴ救出を行なった際、参加者の方が、
「近くの水田にいたのですが、何でしょう。」と捕獲
したものを見せてくれたのです。
それが、それまで私は図鑑でしか見たことのなかった
このホウネンエビでした。
この時は、まさか横浜にいるとはと驚きました。
というのもエビ類は農薬に弱いため、農薬をまいてい
る水田にはまず現れないからです。
お米の豊作の年に現れるという言い伝えがあり、この
名がありますが、英語名もフェアリーシュリンプという、
縁起の良いエビの仲間です。
ホウネンエビは毎年、5月下旬から6月の約1ヶ月間
しか見られません。
6月に産卵を済ませると死んでしまうのです。
稲刈り直前になると水田に入れられていた水は止められ、
秋冬になると水田の土は完全に干からびています。
それでもホウネンエビの卵は休眠したまま生き続けます。
そして翌年になり、稲の植え付けのころに再び水田に水
が入って、その水温が温かくなると、卵が目覚めて孵化し、
再び姿を現すのです。
日本の稲作文化に適応して世代をつないできた、不思議な
エビです。
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水槽の中で泳ぐホウネンエビ
足が上に付いているのは、仰向けになって泳いでいるからです。
上にいるのがメスで、卵を持っているのがわかります。
下にいるのがオスで、頭部に太い突起物があるのがわかります。
(調べてみるとこれは触覚とのことでした。)
卵を産んだら水槽の底に敷いた赤玉土を乾燥させて保存し、
来年になったら孵化させるようにチャレンジします。