公益財団法人 国家基本問題研究所
歴史問題国際広報研究会
政策提言
- 首相官邸の副長官補室で展開してきた「事実関係に踏み込んだ体系的歴史認識の国際広報」を継続強化せよ。
- 歴史広報における官民協力体制を一層強化発展させよ。
- 中国にも反論せよ。「戦前の日本はジェノサイドや人道に対する罪は犯していない」という事実を歴史広報の柱にせよ。
- 韓国の労働者、慰安婦賠償要求は国際法違反だ。一切譲歩せず、歴史的事実に踏み込んだ国際広報を強化せよ。
事実無根の反日キャンペーンがいまだに国際社会に広がっている。
韓国では戦時労働者と慰安婦への賠償を命じる国際法違反判決が相次いだ上、
文在寅政権が司法の独立などという詭弁を弄して国内での解決をせず、日韓関係は最悪になった。
中国も反日キャンペーンを続け、
平成27年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「世界の記憶(記憶遺産)」に中国政府が申請した「南京大虐殺文書」を登録してしまった。
国基研は平成28年1月に「歴史認識に関する国際広報体制を構築せよ」という提言を行った。
それは不十分だが一定程度実現した。
日韓中などの反日勢力が企図したユネスコ世界の記憶への慰安婦問題登録を有志グループのカウンター申請と外交努力などによって現時点まで阻止できた。
令和元年になり外務省は、強制連行、性奴隷、20万人という日本の名誉を傷つけてきたウソに対して事実関係に踏み込んだ反論を外交青書とHPで本格化した。
朝鮮人戦時労働については、政府が「徴用工」でなく「旧朝鮮半島出身労働者」という用語を使うようになり、「強制連行」「強制労働」という用語は適切でないと閣議決定はしたが、韓国の官民と我が国の反日勢力が協力して展開している奴隷労働だという虚偽キャンペーンに対して、政府は事実に踏み込んだ反論をしていない。
その上、中国に関する歴史認識に関してはいまだに全く反論がなされていない。南京事件についても外務省はHPで「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」とだけ書いて、中国が主張するジェノサイドはなかったという反論をしていない。
自民党は2021年の総選挙公約で「中国による軍事力増強や一方的な現状変更の試み、人権、香港、経済を巡る諸問題、韓国による国際法違反の状態や歴史認識等を巡るいわれなき非難など、わが国の主権や名誉、国民の生命・安全・財産に関わる課題に冷静かつ毅然と対応します」(政策バンク)と書いた。
岸田文雄政権と自民党はこの公約を着実に実行する責任がある。その観点から、上記提言を行う。