Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その325

2013年08月28日 | 制作裏話


5.発売後の反応(1)



おかげさまで完売しましが…
 この「キングギドラ ライトゴールド」は完売しております。

 Gメモリーズのソフビは各バージョンによって生産数は違うのですが、基本的に人気があるだろうと推測するものは多めに作っています。イベントでも通販でも、できる限り希望される方に慌てないでお求めいただけるようにという事で、「これぐらい売れるだろう」よりはいずれも少し多めに作っています。例外としてどうしてもの場合は別ですが、なるべく短期間で売れきれる事のないようにしたいというのは当初からの羽沢組のやり方です。
 このGメモリーズプログの「通販情報」やチラシなどで「あとわずか」表示をこまめにしているのもその一つです。
 そのせいなのかはわかりませんが、「あとわずか」表示のときはなかなか数が減らなくて、完売してからあわてて複数の方々が通販希望される場合がたまにあります。「キングギドラ」はその代表例でしょう。不思議です。
 この「ライトゴールド」も完売後にいくつか先日のワンフェスや通販の電話でご希望される方々がいらっしゃいました。「そのうち買おうと思っていたのに…」と。
 こればかりは弊社としてもどうしようもありません。ごめんなさいとしか言いようがないのです。
 と言う事で人気のキャラクターの場合は、「あとわずか」の時はちょっとだけご検討を急がれて下さい(笑)。

 完売後の現在も再販、追加販売のご希望を今もいくつか言われています。ごめんなさい、予定はありません。ご了承下さい。

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ソフビ制作裏話 その324

2013年08月27日 | 制作裏話


4.ギリギリのスケジュール

 何とか発売に間に合った「キングギドラ ライトゴールド」でしたがハードスケジュール過ぎたのでした。



結局自社で塗装するしかなかった
 業者さんではできないという事で、弊社で塗装を行ったのですが、とにかくスケジュールが大変でした。ゴジラより時間がかかるという事でワンフェスでの先行発売分がどれぐらいできるか…。本当にギリギリの作業でした。
 全身に塗装する明るめのゴールドが終わっても、グラデーションになるようにさらに微妙な金色も作って重ねてスプレーですから、今までのGメモリーズセレクションの中で最も時間をかけた商品かも知れません。
 なんとかワンフェスでは足りなくて困るぐらいにはならなかったので安心でしたが、その分一部の通販の方々には若干お待たせする事となりました(ごめんなさい)。
 ワンフェスが終わってもしばらく塗装、組み立て、包装作業は続けていました。今だから言えますが、2~3個塗装ができ次第すぐに組み立て、通販の方に発送、そしてその繰り返しを行っていました。
 コンプレッサー2台可動していた訳ですが、1台はオーバーヒートしてしまったぐらいでした。

 手間のかかる子供程かわいいと言いますが、久しぶりにGメモリーズのソフビで実感しました(笑)。
 自分で言うのもなんですが、あらためて見ると本当に難しい色だと思うばかりです。その分、完成した商品は納得できるものですが、もう一度作れと言われたら返答に困ってしまいます(笑)。
 そしてわがままな色はやはり自社でやるしかないのだと覚悟したわけです(泣)。

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ソフビ制作裏話 その324

2013年08月26日 | 制作裏話


3.明るいゴールドを作るという事(2)

 昨日の続きで今日も「キングギドラ ライトゴールド」の全身に塗装した明るい金色の塗装について。



結局自社で塗装するしかなかった
 基本的にソフビのプロの塗装業者の方々が使う塗料の色数というのはそう多くはありません。その中から調合して色を作りサンプルの色を再現して塗装していただくわけですが、多くのソフビの塗装業者さんが抱えるお仕事のほとんどは塗料の原色をそのまま使うケースが多いのです。子供向けのシンプルなものやレトロソフビがほとんどだからです。特に金や銀などで微妙に違う色を調合するというのはほとんどないそうです。
 ですからGメモリーズセレクションのように、他にはない色ばかり使うケースは稀なのです。Gメモリーズのソフビのほとんどは微妙な色ばかり使って商品化していますので、過去にもいつくかの専門の業者さんに発注しても希望の色を再現していただく事ができなかったケースは多々あり、そのせいもあってできる限り自社で塗装も行ってきました。
 ちなみにマスク塗装後の修正や筆塗りが必要な部分も弊社の望むレベルの所はなかなか見つからないのが現状です。

 とにかくこの「ライトゴールド」はワンフェスに間に合わせなければならないというスケジュール。
 この時は時間的にやむを得ず、希望の色を作っていただけるか心配はあったのですが外注にした訳です。多数大手の商品も扱っている業者さんと言う事でしたので可能性にかけたわけです。
 そして金色での他にないこの明るめの色の再現ではいくつか試して作っていただきました。
 最終的に2度程、先方からサンプルを提示していただき、打ち合わせや解決策の相談を工場に出向いたり電話やメールで何度もしましたが、弊社が思う色にはならず、結局断念。Gメモリーズのわがままな色(苦笑)は難しいとの事でした。
 早い話、急遽、弊社でするしかなかった訳です。

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ソフビ制作裏話 その323

2013年08月25日 | 制作裏話


2.明るいゴールドを作るという事(1)

 今日は「キングギドラ ライトゴールド」の全身に塗装した明るい金色の塗装について。



微妙に調合比の難しいゴールドでした

 この「キングギドラ ライトゴールド」の配色の理由や意図などは以前書きました「こだわり」をご覧下さい。

 全身は最初の「キングギドラ」のバージョンである「スタンダードカラー」とは異なり、明るめのゴールド塗装を行った商品です(「スタンダードカラー」は劇中シーンで見られたやや汚れた感じのゴールドを目指しました)。メタリック専門の塗料を使わずに他社商品でもなかった明るめの輝くようなゴールドを目指して企画した色なのですが、これが意外と手間のかかった色でした。
 ゴジラに比べて塗装時間もかかるという事や、この頃の弊社の各業務が時間的に厳しいスケジュールでしたので、この時は最初にソフビ専門の塗装業者さんにお願いしたのです。細部はともかく全身のゴールドだけでもというつもりで最初はオファーしたのです。

 一般的にソフビの塗料はプラモデルやガレージキットに使用するものとは違います。
 プラモデルやガレージキットに使用している塗料をソフビに塗ると、数年でひびが入ります。ソフビというのは人の目ではわからないレベルで時間とともに縮小しています。形状や個体差にもよりますが、保管状況によってもそのパーセンテージは異なります。ですから固まった塗料は時間が経てば経つ程ひびが入り、はげてしまいます。
 ソフビの塗料はこれらに比べて収縮性があるのではげにくく、表面に定着しやすいのです。
 ですから外注で塗装をしてもらう場合は、ソフビに対応している専門の業者さんに委託する訳です。ソフビを扱っていない所に頼むと後々とんでもないことになる訳です。
 委託の際は、サンプルを持参して打ち合わせするのですが、この「ライトゴールド」の場合、ネックになったのはこの全身の明るめのゴールドでした。

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ソフビ制作裏話 その322

2013年08月24日 | 制作裏話




 今日から昨年7月に発売した「キングギドラ ライトゴールド」の製作裏話を書きます。
 こちらの商品はすでに完売しております。ご了承下さい。

●詳細
●こだわりその1 ●こだわりその2 ●こだわりその3 
●こだわりその4 ●こだわりその5

1.久しぶりの新規カラー

お待たせしてしまった理由
 皆さんが大好きなようにキングギドラは昔から多くのファンの心をつかんでいる人気怪獣です。ソフビ化した際も多くの方にお求めいただきました。そのため1つのバージョンが完売すると再販や追加販売のリクエストをいただく事が多い方の怪獣です。ゴールド系の塗装の場合は特にそれが見られます。
 この「ライトゴールド」はそういった方々にリクエストにお応えしなきゃ…という気持ちが一番の理由で企画した商品です。

 ゴールド系の「キングギドラ」をお待たせしたしてしまった理由は2つ。
 他に企画したいゴジラのバリエーションが多かった事。もうひとつはコストの面です。
 正直な所、ゴジラに比べれば時間も手間も予算もかかってしまう商品なのです。
 サイズがゴジラより大きい事で、塗装面積が多い事や首が3つなので、塗装の時間はゴジラのほぼ倍近いのです。サイズや塗装面積を考えると必然的にゴジラより生産の予算がかかってしまいます。かといって価格をできる限り上げたくはないので、売り上げ的にもゴジラより“おいしい”わけではないのが本音なのです。
 弊社では各ゴジラもそうですが、顔の塗装については目やキバなどはマスク塗装した上に1つ1つ手塗りで細部の修正を筆で行っています。ですから顔だけでも単純にゴジラの3倍は時間も手間もかかる訳です。
 大手であればこれらは技術の高い専門の業者に委託するのでしょうが、生産数や規模を考えるとなかなかそれはできません。価格を上げれば可能になりますが(技術レベルを妥協すれば安価に塗装してくれる業者さんはいるのです)、それもできませんので、結局自社で行っているためです。

 これらの理由でなかなか「キングギドラ」の新規カラーへのGOサインは出せない事情があった訳です。

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ソフビ制作裏話 その321

2013年07月20日 | 制作裏話




3.細部の色のこだわり

たくさん頂いた「快感」
 ボディ全体で「他にない青」を目指して配色した「74ゴジラ」なのですが、細部でもそれに合うようには毎回こだわりはあります。
 この「74ゴジラ ダークブルー」のツメなどもそうです。
 かわいい系のゴジラなのだから、ツメなどもゴジラらしくノーマルのクリーム系だったり、アイボリー系だったりと、いろいろ調合しないシンプルな色の方が似合うケースは多いはず。
 それでも劇中で見られる汚れの状態が多い色の方を選んでしまうケースが多いのもこだわりの一つで、この「ダークブルー」でもそれを意識した色でツメの色は決めています。
 そんな中で、全体の色のトータルバランスというのも必要ですから、ひとつひとつにこだわって色を決めていくという作業は楽しくも難しい作業です。
 そして商品を手にされた方々が、それらに気がついて喜んでいただけるのはある意味「快感」でもあります。Gメモリーズのシリーズは、自分が欲しいから作っているというのは何年も前から言い続けてはいるのですが(すいません…笑)、続けられるモチベーションとしてその「快感」があるから辞められないのかもしれません。

 この「74ゴジラ ダークブルー」は発売後、その「快感」をたくさんいただきました(笑)。ありがとうございました。
 弊社が告知で「ぜひ並べて対戦を!」とプッシュしたせいもあるかもしれませんが(笑)、メカゴジラ好きの方々にの多くにもお求めいただきました。中には特典ポスター(終了済み)と合わせて欲しいという理由でお求めいただいた方も何人かいらっしゃって恐縮してしまいました。

「74ゴジラ ダークブルー」現在発売中です。(ラスト1個です!!)
 ご希望の方はお電話にてお申し込み下さい。


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ソフビ制作裏話 その320

2013年07月19日 | 制作裏話




2.こだわった青

 昨日の続きです。1つの色を決めるにしてもこだわりはあるのです。

他にはない色の配色で
 Gメモリーズセレクションのゴジラたちや、他のレトロタイプ中心のソフビメーカーさんのゴジラソフビもそうですが、ディフォルメのものはリアルな造型のものとは違い、劇中で見られるものや本物の着ぐるみスーツの色に徹底してこだわらなくても許されてしまう部分があります。カラーのバリエーションをいろいろと展開する事で、イメージを膨らませたり遊び心を入れたりして楽しむ事ができます。
 そのディフォルメ系の中で、1つのゴジラを複数のメーカーさんが商品化すると、似たようなカラーリングになってしまうケースはこれまでも多々ありました。
 Gメモリーズセレクションでは、これまで同様に「同じようなものは作りたくない」と、なるべくそれにならないようにというのは常に心がけています。他社さんのレトロタイプのゴジラは派手に明るく配色されているケースは昔も今も多いのですが、Gメモリーズセレクションのゴジラたちがそういう色がほとんどないのはそういう理由もあるわけです。

「メガロゴジラ」や「74ゴジラ」などは、ゴジラとしてはかわいい顔の部類に入りますし、正義の味方でもありますから、レトロタイプゴジラにありがちな明るい色でも違和感はないでしょう。
 それでも他にはない色で作りたい訳です。同じ青いゴジラでも羽沢組らしくオリジナルな配色にしたい訳です。
 調合の手間やコストもかかりますが、この点はこれからもこだわっていく部分です。
 そういう意味でこの「ダークブルー」は、「他にない青で仕上げるゴジラ」に、いつも以上にこだわった要素が強かった「74ゴジラ」なのでした。

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ソフビ制作裏話 その319

2013年07月18日 | 制作裏話


 今日から昨年7月に発売を開始した「74ゴジラ ダークブルー」の製作裏話を書きます。
 商品の詳細は2012年5月26日の記事、「こだわり」は2012年6月25~29日の記事をご覧下さい。
 こちらの商品は現在発売中ですが、あとわずかとなっております。ご希望の方は弊社までお電話下さい。


●詳細
●「こだわり」その1 ●「こだわり」その2 ●「こだわり」その3
●「こだわり」その4 ●「こだわり」その5



1.モンスターブルーという色

挑戦してみたかった事
 企画意図や配色のテーマについては「こだわり」で書きましたので省略致しますが、「メガロゴジラ」や「74ゴジラ」についてはどうしても「正義のゴジラ」というイメージがありますので、そこから外れる物にはしたくないというのがどの配色でも思う事です。
 その「正義の味方であるゴジラ」を青系の配色で作ってみようというのがこの時の基本テーマでもありました。

 また、個人的に挑戦してみたいという点もありました。基本の色となった、いわゆる「モンスターブルー」という色です。
 この色のネーミングは塗料メーカーが作った名称と思われますが、青の混じったダークグレーが基本で、「この色がモンスターブルーだ!」と言うような調合比は決まっておりません。メーカーや自ら調合して作っておられるモデラーさんによっても微妙に違いがあります。
 このモスンターブルーという色は、主に多くのリアル系のゴジラフィギュアやガレージキットの作例に使用されている事がわかります。ゴジラらしい印象の色でもありますし、他の怪獣でも見られる色です。
 ですからこの色は主にリアル系のものの仕上がりには重宝されている事がわかります。逆に言えば、かわいい系、ディフォルメには難しい色なのかも知れません。
 ですからこの色を使っての、リアルではないかわいさ重視のゴジラの配色に挑戦してみたいという気持ちは以前からあったのです。

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ソフビ制作裏話 その318

2013年06月17日 | 制作裏話


4.発売後



皆様のお声と今後
 前年の「ギドゴジ スタンダードカラー」発売後から楽しみに待っていただいた皆様にはお求めの際に「待ってました」と言っていただきました。抗核エネルギーバクテリアの効き目ぐらい遅かったので(笑)、本当にお待たせした商品です。
 初めてGメモリーズの「ビオゴジ」をお求めいただいた方々には、付属の「岩石ベースが新鮮で面白い」というお言葉を頂いたのも印象に残っています。「岩石ベース」はぜひお好きな角度でご利用下さい。
 発売後の個人的な感想としては、いろいろ悩んだ色での商品でしたので、できた安心感でいっぱいでした。
 他ではなかった色合いの「ビオゴジ」でしたから私的には新鮮でした。たまにはきれいじゃない印象の「ビオゴジ」もあっていいじゃん!と。

 あくまで推測ですが、劇中映像での汚れや暗い感じの配色ではなく、きれいな状態のスーツのイメージカラーとしての「スタンダードカラー」だったらまた評価も違っていたかもしれません。今ならそのパターンの色の「ビオゴジ」も作ってみたい気がします。
 しばらく「ビオゴジ」の新規カラーの予定はありませんし、この「スタンダードカラー」と若干色がかぶってしまいそうなので、暇を見て個人的に試しに塗装してみようかと思っています。商品化は…どうしましょう。ゆっくり考えるとします。
 ご意見などございましたらお気軽にご連絡下さい!!

「ビオゴジ スタンダードカラー」ただいま発売中です。
 ご希望の方は羽沢組までお電話にてお求め下さい!!


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ソフビ制作裏話 その316

2013年06月15日 | 制作裏話


2.劇中スーツの配色について

 今日も「ビオゴジ スタンダードカラー」の製作裏話の続きです。一番こだわったのは全体の配色。塗装についてです。



よくある「ビオゴジ商品」のカラーを避けた配色
 全体の配色についての詳細は「こだわり」に書きましたので省きますが、色については「ギドゴジ スタンダードカラー」同様に何度もDVDを見て考えました。
 この『ゴジラVSビオランテ』に登場したゴジラ、ビオゴジは、限りなく黒に近い色であった事は知られていますが、劇中ではとにかくどのシーンも微妙に見え方が違います。
 どれをチョイスして「スタンダードカラー」とするのか。その判断で悩みました。
 単純に“劇中スーツのイメージ”と称しても、スチールなどで見られる「きれいな状態のスーツ」なのか「激闘を繰り広げている撮影中の汚れや傷がある状態のスーツ」なのかで違いがあります。さらに後者を選べば、どのシーンでのものかでもまた違ってくる訳です。
 特に『ゴジラVSビオランテ』でのゴジラは、ほとんど夜か、濡れているシーンばかりに登場しています。その各シーンでもライティングや戦いの展開で、映像で見られる色は微妙に違うのです。

 どれを選ぶかとなった時に思ったのは他のメーカーさんの商品。他社さんのレトロタイプソフビは劇中スーツイメージのカラーで発売されている所は(私の知る限り)ないようですので、この場合参考にしたのはガレージキット(作例)をはじめとするリアルタイプのフィギュア達です。
 ほとんどが汚れなどの表現のない、言わばきれいな状態のスーツカラーと言える塗装をされています。黒ベースにモンスターブルー塗装といった各ゴジラでよく見られるカラーリングのものも少なくはありません。
 たまに見られる汚れの感じも、足回りの土埃のような表現がほとんど。夜をイメージしたものはなかなか見つかりません。
 逆に言えば、劇中映像で見られる汚れの表現をされているものや、暗いシチュエーションで見られるスーツの色のものとして発売されている商品がほとんどない事がわかります。
 だったらへそ曲がりな羽沢組(笑)としては後者を選ぼうということになったのです。
 黒木特佐風に言えば「誰もやらない方が我々の商品になるだけです」!

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ソフビ制作裏話 その315

2013年06月14日 | 制作裏話




 今日から昨年4月に発売を開始した「ビオゴジ スタンダードカラー」の製作裏話を書きます。
 商品の詳細は2012年2月17日の記事、「こだわり」は2012年3月24~30日、4月6・7日掲載記事をご覧下さい。
 こちらの商品は現在発売中ですので、ご希望の方は弊社までお電話でお申し込み下さい。


●詳細
●「こだわり」その1 ●「こだわり」その2 ●「こだわり」その3
●「こだわり」その4 ●「こだわり」その5 ●「こだわり」その6
●「こだわり」その7 ●「こだわり」その8 ●「こだわり」その9 

1.発売時期について

 今日は「ビオゴジ スタンダードカラー」の発売時期について。当初はもっと早く発売する予定でした。

発売日を決定するまでの裏話
 この「ビオゴジ スタンダードカラー」は思い入れも強かったし、色にもかなり悩んでこだわったので、発売時に「こだわり」にいろいろと書きました。だいたいの事はそこで書きましたので、特別裏話らしい裏話というのはないのです。ですから、当時書き漏れていた事を中心に書きたいと思います。

 前にも書きましたが、発売の意図はGメモリーズセレクションのパターンとしてという意味もありますが、人気のあるゴジラですから、劇中で見られるスーツの色をテーマにした「スタンダードカラー」はシリーズにはどうしても欲しいカラーです。
 前年に「ギドゴジ スタンダードカラー」(発売中)を発売していましたから、お求めいただいた皆様に「ビオゴジでもスタンダードカラーを」と言われていましたので、少しでも早く発売したかったのが本音です。
 当初は2011年末か2012年の1月か2月のワンフェスで発売したかったのです。その予定で最初は動いていたので、前年にはすでに成型は終わっていたものなのです。後は塗装して組み立てる作業なのですが、何しろ色にはかなりこだわりたいし、その分手間も時間もかかります(「ギドゴジ スタンダードカラー」の作業量が目安になりました)。昨年前半に発売を開始した「メガロゴジラ」「74ゴジラ」も同時進行していましたから、順序としてはその前に出したかったのです。
 なぜ4月まで延びてしまったのか…。
 今だからぶっちゃけると「ガンヘッドパーフェクション」のためでした。2011年暮れから2012年1月までこの本のデザイン作業にかかりっきりだったため、ソフビ関連の作業が一切できず、この辺の時期の発売商品の順序を大幅に変えて最も作業が間に合うようにとスケジュールを組み直したためなのでした。
(あ、「ガンヘッドパーフェクション」を責めている訳ではありません…笑)。

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ソフビ制作裏話 その314

2013年03月06日 | 制作裏話




▲左「メガロゴジラ」右「74ゴジラ」各粘土原型

8.発売後

まだまだ多い勘違いされているファンの方々
 このブログで「正義のゴジラ」をアピールした事もあってか、発売後にお求めいただいたチャンピオンまつり世代と思われる方々からは「実は(この頃のゴジラ)好きなんですよ」と何度か言われました。やはり「正義のゴジラ」が好きな人は少なくはないのです。
 特に「メガロゴジラはいくつか(他社さんでのレトロソフビで)あったけど、74はほとんどなかったですからね、待ってたんです」とゴジラソフビに詳しいお客樣方々から言われたのが印象的です。確かにそうですね、「74ゴジラ」は珍しいかもしれません。
 また、比較して見られるから両方同サイズ、同テイストで作った事に感謝して下さった方もいらっしゃいました。
 日頃メカゴジラしか集めていないという方も「つい並べたくなった」と「74ゴジラ」をお求め下さった方もいらっしゃいました。
 これらの感想は本当に嬉しいものです。

 若い世代の方々を中心に多かった「メガロゴジラと74ゴジラが同じ」と勘違いされていた方々が、弊社商品で違いを初めて知ったと言われた事も作って嬉しかった事です。そして今も出店イベント等では若いゴジラファンの方に「どこが違うんですか?」聞かれる事は少なくはありません。自社商品を例にしてその都度説明する私なのですが、まだまだ勘違いされている方々が多いというのを感じています。
 近年では具体的に違いのわかる写真等が掲載されている書籍やムック等は発売されていません。ですから古い本を探してコレクションされているコアな方を除けば、若いファンの方々は映像でしか確認しようがない事も事実で、どこかで聞いた「2つのゴジラは同じ」という誤った情報をそのまま鵜呑みにされてしまっているのかもしれません。
 弊社の2つのゴジラがそういう意味でもお役に立ってくれれば幸いです。

「74ゴジラ ブラックバージョン」は既に完売しておりますが、「メガロゴジラ ブラックバージョン」はあとわずかですが発売中です。ご希望の方はお電話でお申し込み下さい。

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ソフビ制作裏話 その313

2013年03月05日 | 制作裏話




▲左「メガロゴジラ ブラックバージョン」右「74ロゴジラ ブラックバージョン」

7.配色のテーマ

正義のゴジラで何が悪い!
 両商品「メガロゴジラ ブラックバージョン」「74ゴジラ ブラックバージョン」共に、配色のテーマは「正義のゴジラ」です。具体的な配色については「こだわり」をご覧下さい。

 実はまだ弊社がゴジラソフビを作って販売する前、いちゴジラファンとしての頃から気になっていた事がありました。
 正義の味方になったゴジラ(映画)を認められないという意見を多く感じていた事です。個人のブログや同人誌等で、個人の好みや主観だけで書くのでしたら構わないと思いますが、書籍や雑誌等でそれを書かれるのはあまりいい気持ちではありませんでした。特に酷評とも言える表現には残念でなりませんでした。
 弊社がゴジラソフビを作るようになって、イベントや電話でお話を聞く時にも、お客樣方から時にそういったゴジラ映画への感想を頂く事があります。
 私も確かにゴジラは「恐怖の存在」であってほしいという気持ちはありますし、その表現をしている作品が特に好きな傾向にあります。が、「正義のゴジラ」も好きですし、そういう作品も楽しんで見ているからです。
 ゴジラファンの多くは、最初に見たゴジラに思い入れを強く持っておられると思います。チャンピオンまつり後半世代の方々にとってのゴジラは「正義の味方」から始まっている訳で、中には正義のゴジラが大好きな方々もたくさんいらっしゃる訳です。
「嫌い」「認めない」「否定」もそれぞれですから、それにとやかく言うつもりはありませんが、意見を強要したり「正義のゴジラ」を好きな人への誹謗や否定はしないでほしいと思うのです。
 私もチャンピオンまつり世代です。「正義のゴジラ」を好きな人を応援したい気持ちもあって、この2つの商品の配色のテーマを「正義のゴジラ」にしたのです。嫌な気持ちを持った事がある方には「正義のゴジラで何が悪い!」と感じていただけるようなものになれば良いなぁという気持ちで決めたテーマなのでした。

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ソフビ制作裏話 その312

2013年03月04日 | 制作裏話




▲「74ゴジラ ブラックバージョン」

6.全体のバランス

2つのゴジラを同時制作してわかる事
 ボディを中心に全体のパランスを決めて作っていった訳ですが、高さにも制限を設けました。
 全高は、「74ゴジラ」が先に発売していた「メカゴジラ」と対峙した時にちょうど良く見えるようにするために決めたのです。必然的に「メガロゴジラ」もほぼ同じ全高になります。
 ディフォルメとはいえ、対戦怪獣同士のスケールはなるべく揃えたいですもの。
 粘土原型制作時は、ある程度出来上がるたびに「メカゴジラ」と並べてみて「うーん…」とうなっていました(いろんな意味で…笑)。
 とにかく久しぶりのゴジラソフビ造形だった事もあって楽しい事は楽しいのですが、「カッコかわいく顔の違いを強調」「首は長く見えるように=ボディの作り方を変える」「メカゴジラと並べられるように」などの「自分で作った制限や約束事」が多くあったので、全身のバランスを取るのが難しい2つのゴジラでした。

 以前発売した「ビオゴジ」「ギドゴジ」の時、「モスゴジ」「決戦ゴジラ」の時もそうでしたが、2つ同時制作という事はそれぞれの違いを確認しながらの作業です。理屈や大量にコピーした写真等は事前に用意するものの、作りながらの発見もあります。
 似ているゴジラの造形の差を事前に調べたりしてはいるものの、その後に実際に自分で粘土を盛りつけたり削る事で初めて見つける違いがあったり、その形にするための「理由」や「目的」を見つけたり…。例えばゴジラの顔だけで細かく言うと、頬の部分の肉付けの違いや表面のモールドの流れの差などです。こういうのは比べてみて実際に自分で粘土で形付けしてこそわかる部分、1体だけの制作とはまた違う、そういった面白さがあります。
 得手、不得手はあろうかと思いますが、興味のある方は実際に粘土で形を自分で作ってみれば意外な発見があるかもしれません。「写真や映像だけではわからない部分ってあるよなぁ」と、そんな事も思った造形作業でした。

 背びれの違い等、細かな部分についての造形の詳細は「こだわり」「見聞録」をご覧下さい。

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ソフビ制作裏話 その311

2013年03月02日 | 制作裏話




▲「メガロゴジラ ブラックバージョン」

5.ボディの造形

2つのゴジラの造形の肝はボディ!?
 顔の差についても時間と手間はかかりましたが、一番何度もやり直したのが実は共通パーツでもあるボディです。各ゴジラをお求めいただいている皆さんはお気づきかと思いますが、頭部パーツの付け根の位置をいつもより下げたのです。

 可愛さを強調したい顔にするためにほんの少しだけ頭部パーツをいつもより大きめに作っています。造形的にも顔がやや大きめに見えるゴジラたちですから、いつもより頭身が違うのです。
 Gメモリーズセレクションでは最初の「キンゴジ」から「GMKゴジラ」まではほぼ4頭身、その次の「大戦争ゴジラ」からほぼ5頭身になりました。その後、ずっと5頭身を続けてきましたが、「メガロゴジラ」「74ゴジラ」では違いの表現がしにくい事等もあって約4.5頭身にしています。
 そしてさらに劇中スーツを見ると、意外なほど首の長さがあるゴジラなのです。
 ですからある程度の首の長さはディフォルメでも必要と判断し、いつもより頭部パーツとボディの接合箇所の高さを下げる事で調整しました。

 と、理屈ではわかっているものの、これが簡単にはできませんでした。ボディパーツそのものの大きさも、それまで作ってきた他のゴジラソフビと違う訳です。他のゴジラソフビより数ミリ高さだけ小さく作る訳です。横幅は今までと同じくらいで。この数ミリが実は悩ませました。
 頭部パーツとつながりが悪ければやり直しです。当然手足の位置もずれるのでそこも調整です。ボディの高さが1ミリでも変われば、尻尾パーツの角度も変わります。
 つまりボディパーツは怪獣ソフビではかん着の基本ベースとなる部分ですから、これを一つ直すだけで、他の付随するバーツ(頭、手、足、尻尾)も調整しなければならないという事です。

 頭部にも時間はかかりましたが、ボディ一つにそれ以上かかったのは言う間でもありません。
 でも助かったのはずんぐりむっくり体型(笑)のゴジラたちであったことです。平成以降のゴジラたちのようにボディだけでも凹凸が多いボディだったらもっと大変だったでしょう。そういう部分では作りやすい方と言えたのかもしれません。「くびれがほとんどなくてありがとう!!」です(笑)。

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