Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ゴジラ映画の新作はいつ?

2009年03月31日 | 代表羽沢のG雑感
ゴジラの名前がいろんな所に出る事

 2ヶ月ほど前、家内が駅で一冊の配付本をもらってきました。
 「スポーツゴジラ」という本です。
 すでに8号。こんな本があったなんて知りませんでした。
 ゴジラファンとして不覚!!
 と、思って読んでみるとなかなか我々の知っているコジラの話題、記事がありません。
 日本の各スポーツに関する内容ばかりです。
 どうやら名前だけ東宝さんの許可をもらってネーミングしたようです。
 奥付には東宝さんからのコメントがあります。
「21世紀に入り、現在ゴジラは休眠中ですが、初の社会貢献にだけは目覚める所存です。どうぞゴジラの名をスポーツのためにお使い下さい」と。
 一冊の中で、我々の知っているゴジラについての記事(コメント)はこれだけです。
 発行しているのは、非営利法人スポーツネットワークジャパンという所です。日本のスポーツを応援すべく、無料配付で作っているようです。一部大学や駅等で配付しているようです。

 ゴジラの長編映画が休止してだいぶ経ちました。
 この本は非営利なので、制限も多いとは思うのですが、せっかくなので(ついででも良いので)ゴジラそのものも応援してほしいものです。とつい思ってしまいます。
 スポーツのイベント等にアトラクション用のゴジラが出演する等の企画があれば、我々ゴジラファンももっと食い付くと思うのですが……。
 いずれにしてもゴジラの名前が使用される事で、ゴジラの名前が少なからずともより世間に出る事なので良い事だとは思うのです。
 小さくともゴジラ映画復活への布石の一つになれるのであれば、応援もアリだと思います。

 ゴジラ映画といえば、すでに多くのゴジラファンはご存知かと思いますが、現在『ゴジラ対ヘドラ』の板野監督が全米公開作品として『ゴジラ3D』を企画・制作されています。一時中断されていたようですが、今年制作が再開され、中編から長編に変わるかもという噂まであるようです。正式発表を待ちたいですね。
 さらに『ゴジラ3D』の後には、もう一つの日本を代表するあのメジャー怪獣の『3D』作品を企画されているそうです。
 どちらもぜひ早く見たいし、応援したいものです。
 ゴジラ関連企画や怪獣映画がもっともっと盛り上がってくれれば、日本でもゴジラ復活への機運が高まるはず。

 そんな中、先月号のフィギュア王で「ゴジラ特集」。
 新作があるわけではないのに、特集されるのは嬉しいものです。
 私が一番気になったのは、富山社長(プロデューサー)のインタビュー。
 私的コメントとして、ゴジラ映画の復活の予定(まだ確定ではないようです)は2013年。

 あー………長いなー。
 少なくともそれまではウチもゴジラソフビを作り続けたいものです。
 それにしても………………

 …………………………長いなー。

ソフビ制作裏話 その108

2009年03月30日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.7

■ゴジラの敵怪獣を作るという事

 この「スタンダードカラー」は、いろいろと造型部分や色等にこだわりや裏話があって、ここでもたくさん書いてきたのですが、正直に言うと本当は不安だらけでした。
 ゴジラ以外を作るのは初めてで、ちゃんと形になるか原型の段階から商品完成まで不安な気持ちが強くありました。ワックス原型、金型、成型…。サンプルが上がった時は心の底からほっとしたぐらいです。
 しかし形になることへの安心ができてもまだ不安は消えません。その後は売れるのか…という不安です。

 私はゴジラファンですから、ある程度は「どのゴジラが人気があるのか」というのは、何となくではありますが私なりに感じてはいるつもりです。しかし、敵怪獣となると全くと言って良いほど予想がつきません。キングギドラは東宝怪獣の中でも人気の高い怪獣ですし、知名度もあります。しかし人気や知名度がそのまま商品の売り上げに比例するかと言えばそうではないらしいんです。

 以前弊社商品をお求めのお客様を聞いたり(どんな東宝怪獣を集めているか等)、東宝怪獣を販売された事のあるメーカーさんの商品のカラバリの種類数を大まかに数えて、私なりに推測してみると、どうやら怪獣によってそれらの傾向も微妙に違うようです。
 例えば今ではこれでもかといろんなメーカーさんが作られているヘドラ。最近ではヘドラばかりを集めている方も多いと聞きますし、弊社への他怪獣のリクエストも「ヘドラを」と言う方はかなり多いのですが、「ヘドラフィギュアファン」は多いものの、「劇中のヘドラファン」と同じかと言うと必ずしもイコールではないようです。
 知名度ではゴジラに次ぐと思われる「モスラ」も、これまで多くのメーカーさんが作ってこられましたが、一部を除けば大きな売り上げにはつながらないらしいんです。
 ガイガンやキングギドラ、メカゴジラ等はこれもまた傾向が違うようで、いずれも人気はあるのですが、これらはどうやらメーカーさんによって完全に売れるものと売れない物の差が出るようです。
 やはりカッコ良いもの、クオリティの高い物、レトロ具合が良い感じのもの等を発売されていた所は、そのソフビにも人気が出てたくさんのカラバリが発売されました。それだけ売り上げがあったと言う事なのでしょう。逆にカラバリが少なかった所は、造形的もしくは色的にお客さんの支持が得られなかったのではないかと推測しています。
 だからメーカーさんによって「ギドラ(もしくはガイガンやメカゴジラ)は作れば売れる怪獣」と思っている所もあれば、「作っても売れない怪獣」と思っている所もあるんじゃないかと思います。
 結論から言うと「良い物を作らなきゃ(作れなきゃ)ダメ」と言う事なのでしょう。

 そんな事を思っていたので、キングギドラの発売前は「羽沢組はゴジラ以外ダメじゃん、ヘタクソ!」と言われたらどうしようとビビっていたのは事実です。価格もいつものゴジラより高いし、売れ残ったら…と考えると胃が痛くなるので考えないようにしていました。こんな感覚は初めてのソフビの「キンゴジ(2種)」の時以来でした。
 それでもお陰さまで「スタンダードカラー」はすぐに完売し、追加販売できたぐらいです。たくさんのお誉めもいただき、安心と共にたくさんの感謝でいっぱいです。
 不安が大きかった時ほど安心感を得られると嬉しさも倍増です。
 ゴジラに比べて、作業もコストの面でも生産は大変な怪獣ではありますが、後に複数のカラバリも発売する事ができました。
 慢心する事なくこれからも喜んでいただけるゴジラや怪獣達を作っていきたいと思います。
 たくさんは無理かもしれませんが、いつかまた敵怪獣も作ってみたいと思います…………………たぶん(笑)。

▲元々弊社のゴジラと並べたいがために企画した「キングギドラ」。
後に共演ゴジラでもある「大戦争ゴジラ(「スタンダードカラー」は完売)」を
作る事ができたので、並べられる楽しみも生まれました。


ソフビ制作裏話 その107

2009年03月28日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.6



■目とキバの塗装

 「キングギドラ スタンダードカラー」を発売して何人かのお客様に聞かれたのが、目の色とキバの色です。
 劇中の「初代キングギドラ」の目は朱色がかった赤系の色ですし、キバの色は金色です。意外にも知らなかった方が多かったようです。
 頭が小さいので映像で見ても気がつかれないと言う理由もあるかもしれませんが、原因はそればかりではないような気がします。

 ムック本等に掲載されている写真は加工されている場合もあるし、カラーではなく白黒写真が多いせいもあるでしょう。後の作品でのキングギドラの目は赤くはないせいか、他社さんの多くのギドラソフビが目の白目部分をシルバーや白にしていたり、キバをシルバー等で塗っているのが多いのです。これらの先入観で初代ギドラの目やキバの色を知らなかった、もしくは勘違いされていた方が多いのでしょう。

 昨日書いた全身のゴールドの塗装のこだわりもそうですが、劇中で見られる初代ギドラとしての各所のこだわりをもう少し捨てて、全身のゴールドをきれいにムラなく、しかも明るい金で塗って、目の色も赤くはなく白等で塗るといった『ゴジラ対ガイガン』の時のような明るいキングギドラの色にしたら、弊社のキングギドラももっとカッコよくなったかもしれませんね。
 でもそれをやったら他社さんと同じような雰囲気になっちゃいますから……。

 ちなみに目やキバの塗装も外注でお願いしましたが、マスク塗装でしたからいつものように一体一体納品後に筆で細かく修正しております。
 でもゴジラに比べて頭が3つですから、作業量も3倍です。
 子供の頃は3つの頭なので斬新でカッコ良いと思いましたが、この時ばかりは3つの頭は「もうイヤ!!(担当者・談)」でした(笑)。

■「スタンダードカラー」を作ってみて

 この「キングギドラ」はとにかくたくさんのこだわりがありました。特にこの「スタンダードカラー」はそうですし、後の各カラーバリエーションもいろいろとこだわりがあります。

 ディフォルメソフビですから、何でもかんでもこだわるのもどうかと思いますし、マニアックになり過ぎるのも独りよがりだと思います。
 いつもの事ですが、そのバランスと言うのが難しく、臨機応変に対応して調整していく事が必要ですね。リアルにはリアルのこだわり、レトロにはレトロのこだわりがあって当然ですし、なければつまらないものです。Gメモリーズセレクションシリーズには、それ独自のこだわりやアレンジがあって然るべきだと考えますが、それぞれの商品やテーマに応じてそのレベルや程度は変えていくものだとも考えます。

 造形的にも配色的にもいろいろとこだわりすぎだと思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、弊社としてはほぼ思う通りのキングギドラになった「スタンダードカラー」です。
 制作過程では各作業で慣れない事が多く、勉強になる事も多々ありました。そういう意味でも愛着のある商品となりました。
 でも正直な所、作るならゴジラの方が心身共にストレスがたまらないのが本音です(笑)。

ソフビ制作裏話 その106

2009年03月27日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.5

■全身ゴールドのキングギドラ

 キングギドラと言えば全身金色です。商品第一弾カラーとして、最初に全身金色のバージョンを企画するのは皆さんが望むものでしょうし、弊社としてもある意味ギドラを作るなら真っ先に作るべきものだと考えました。

 これまで数多くのキングギドラソフビが各社から発売されてきました。しかし、金色イメージの物でもボディの部分部分だけにスプレーされているものは多くありますが、意外にも全身全てを金色に塗ったものは数えるほどしかないのです。
 その金色で塗られたソフビでもほとんどがオーソドックスなゴールド、きれいなゴールドです。もちろん玩具、フィギュアとしてその方がカッコ良いでしょう。きれいにムラなく塗るべく成型色の地色は金に近い色のイエロー系、黄土色系で作られています。
 
 弊社が目指したキングギドラは、劇中で見られた「初代キングギドラ」です。
 造形的にもそうですが、塗装でもきれいなカッコよさではなく、昭和の怪獣映画の雰囲気を持った、戦いの中で砂埃にまみれ、所々ゴジラ達に痛めつけられた感じのイメージを表現したかったのです。劇中でのキングギドラの全身は、きれいなゴールドにはどうしても見えません。
 そこで思い付いたのが、濃いめの成型色に全身ゴールドを塗る事でどうしても出てしまうムラによって古さや汚れた感じを出そうという事です。

 いつもの弊社のゴジラ達に比べて、キングギドラの全身を塗るのは時間がかかります。形状的な理由もありますし、ゴジラよりパーツが多いからでもあります。
 しかし2007年末から2008年2月の発売前までの弊社は、とにかくハードスケジュールでした。「新春ゴジラ福袋(08)」を正月に発売し、「ゴジラ福袋プラス」と「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」も「キングギドラ スタンダードカラー」と同じく2月のワンフェスに間に合わせなくてはなりません。ですからいつものゴジラより時間がかかるキングギドラを塗る時間はなく、塗装は外注にお願いしました。「キングギドラ」の発売日の確定が遅れたのはそのためです。

 塗装をお願いする際は、あえて「できる限りムラが少なくなるように」とお願いしております。
 「ムラなくするには金に近い色で成型した方がよかったのに……。どうしてもムラは出てしまいますよ」と言われてしまいましたが、「あえてどうしても出てしまうムラこそが狙いなんです」と。内心は悪事を企む悪代官のような私です。
 結局その辺の意図を理解していただいたのかはわかりませんが、結果的に弊社の希望した難しい塗装をしていただきました。感謝しております。

 ここでのこういった意図をご覧いただいた方々には、色に対してのこだわりもご理解いただいたと思うのですが、このサイトをご覧いただいていない方にとってはこのムラのある塗装に対して、もしかしたら「羽沢組は塗装は下手かも」と思われたかもしれません。その辺の対応は今後の課題かもしれませんね。
 買っていただく際に「塗装ムラはわざとですからね、わざとですよー!!」と一人一人に言うのも変だしカッコ悪いし……。
 どの商品のどのこだわりについても「わかる人だけにわかってもらえればいい」というようなドライな考えは弊社にはありません。同じようにお求めいただく皆さん全員にご理解いただきたいといつも思っているのです。

ソフビ制作裏話 その105

2009年03月26日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.4

■キングギドラの翼を作る事

 キングギドラの魅力の一つに大きな2つの翼があります。
 弊社にとって翼のあるものの造形は初めてでしたので、ちゃんとパーツが成型できるものになるのか、ボディにちゃんと合体できるのかが不安でした。
 ソフビですから、実際の劇中スーツのように翼の付け根は小さくできませんし、羽そのものもある程度小さくしなくてはなりません(羽を大きく作ると言う事はそれに比例して抜き口を大きくしなくてはならないためです)。
 ですから原型制作時には、いくつかの他社さんのキングギドラの翼の作りを参考にさせていただきました。

 他社商品では抜き口を円形にしているものもあるのですが、どうしても外見上不自然ですから、キングギドラらしく見せるためには平たくするのが基本でしょう。
 問題はその抜き口部分の大きさと厚みです。大きければ大きいほど厚ければ厚いほど問題なく抜けますが、キングギドラですからなるべく抜き口だけは大きくしたくないし、厚くもしたくありません。いつもの造形パターンでありながら、レトロタイプのような感じになってしまっては「カッコかわいく」ありません。
 作りたい大きさの翼にするため、どの程度の大きさと厚みの抜き口にしたらいいのか全く自信がないまま原型を作っていたのです。
 「たぶんこれぐらいが限界かな……」と言う感じで初めは作ったのです。

 「これじゃあ抜けないよ」
 金型屋さんに相談した所、2つの翼はあっさり却下でした。
 アドバイスをいただき、ワックス原型の方で修正したのです。翼の抜き口は当初の厚みより30~40%厚くしてワックスで作り直しました。さらに一部分は金型屋さんに手直ししていただいています。
 本当は粘土原型から自分で全て修正したかったのですが、スケジュールを逆算してみると発売予定のワンフェスに間に合うかどうか微妙な日数のなさの時期。2007年の暮れでしたから弊社も金型屋さんも一番忙しい時ですし、正月休みや雑誌告知の〆切りもあるのでとにかく急がなければなりません。
 ですから結局金型屋さんにたくさん甘えてしまいました。感謝感謝です。足を向けて寝られません。

 さらに数日後、できた金型を持って成型屋さんへ。
 最初のサンプル成型ではいくつか気泡ができてしまいます。翼の造形にもいろいろこだわってしまっていたせいか、抜き方向や角度がギリギリのせいで一部無理な部分があったようです。
 「商品ではどうにかこの気泡がなくなるようにできませんか?」とお願い。
 「約束はできませんが、やれるだけやってみます」との事でした。
 そして成型屋さんにがんばっていただき、できあがった商品は、お求めいただいた皆様にご覧いただいたように気泡がなくギドラの翼としてちゃんとできました。成型屋さんにも感謝感謝です。足を向けて寝られません。

 さらにその後、彩色屋さんにもがんばっていただき(この話は明日)、 感謝感謝でまたまた足を向けて寝られません。
 こうしてたくさん勉強になりましたし、たくさんの方々に支えられて最初のキングギドラは完成しております。いろんな所に感謝しっぱなしです。
 ですから私は寝る時にどちらに足を向けて良いのかよくわかりません。足を向けられない方向が多すぎて、このままでは立って寝るしかなくなりそうです。

ソフビ制作裏話 その104

2009年03月25日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.3

■シャレにならないギドラの原型

 劇中で見られた「初代キングギドラ」を目指すべく、原型を作り始めた時、最大のネックは全身のバランスでした。
 たくさんある造形的なこだわりやそれについての詳細は、以前にここで書いた「こだわり」をご覧いただきたいのですが、その中でも一番こだわった「姿勢」は作る上での大変さでもやはり一番でした。

 劇中のような「前傾姿勢」に見えるように首の長さや角度の調節、斜めからもしっかり形が見える翼の形状。これらでちゃんとフィギュアとして立つ事がまず大前提です。
 頭をちゃんと3つ付けた状態での首、2つの翼、尻尾、これらでちゃんと重心を取らなければなりません。ゴジラのように下半身がどっしり安定しているわけではないので、油断すると前のめりに倒れてしまうのです。そんな初歩的なミスはもちろんできません。
 そして当然ですが、成型状の抜きの方向や角度も考えながらです。
 さらにはいつもの「カッコかわいく」からはずれないように、リアルすぎず、かと言ってレトロっぽくならないようにしなくてはなりません。
 自分で決めた事とは言え、造型する上での条件があまりにも多すぎて、ストレスもたまります。
 何度も首や翼の付け根をやり直しました。粘土を盛ったり削ったり……。
 この時初めて「劇中のギドラはシャレにならんぞ!!」と実感しました。そして「あーやっぱりゴジラが作りたいー!!」度早くも50%です。

 全体のバランスは、各パーツを細かく作りながらまたさらに整えていく事になるのですが、各パーツの中で一番どうしようか困ったのは実は頭です。
 前にも書きましたが、角や突起が多く、その先の方向のほとんどが成型時の抜き方向と反対になってしまいます。ですから実際の劇中スーツの物とは方向、角度が違う突起や角もありますし、長さもかなりアレンジしています。頭の3本の角もあごの下の小さな突起もあれでギリギリでした。あれ以上劇中スーツに近付けるには別パーツにするしかありませんし、強引に作っても成型不良を起していたでしょう。そういう意味ではリアルではなくディフォルメで救われた部分は多々あるのです。
 もちろん可能ならもっと近付けたかったのが本音ですが、ディフォルメタイプのソフビですから、現状ではそのへんは仕方がないのです。
 各突起や角を作っている時もやはり「シャレにならんぞ!!」と心の中で叫んでばかりです。そしてさらに「あーやっぱりゴジラが作りたいー!!」度の数値は70%に上がりました。

 こうして原型時にはゴジラを作っていた時には感じなかった、多くのストレスを抱えていたわけですが、「あーやっぱりゴジラが作りたいー!!」度をさらにあげたのは全身のウロコです。もはや90%!! 私にはギドラのウロコより、ゴジラのボコボコの皮膚を作っている方が心身に良いようです。

ソフビ制作裏話 その103

2009年03月24日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.2

■作りたかったのは「初代キングギドラ」

 新作造形を作る際は、まず最初にいつも登場作品のDVDを見て、持っている関連書籍やムック本等を何度か読み直します。キングギドラの時も同様です。
 文章の中であったり、画像や写真を比較したりして初めて気がつく事が多々あるのはいつもの事ですが、私にとってキングギドラではそれがゴジラに比べて実に多かった事が印象的です。

 前にも書きましたが、キングギドラの最初と言えばあのブルーのものが世に出た最初のギドラだと思われます。マスコミへのPR用に登場したそれは、全身が金色ではなく、ボディは青で翼は青と白と濃いめの赤の3色です。直立した姿勢はより翼を大きく見せ、頭の形もそれぞれ小さく逆三角に近い形でした。この時撮られた写真は後に劇場ポスターに使われ、ボディの青い部分だけが金色(に見える色)に加工されています。
 しかし、実際の『三大怪獣 地球最大の決戦』劇中のキングギドラは全身金色です。そしてブルーの時のようなカッコ良い姿勢ではありません。ブルーの時ほど足も長くはありませんし、翼の形も違います。中に人が入るのではなく、操演での怪獣なので、飛んでいる時以外は、常に前傾姿勢です。良く見ると顔の形も違う事がわかります。
 色の違いは一目でわかりますが、形や姿勢の違いは何度も映像を見て確認し、本類はできる限り写真の掲載されているものを集めました。
 もちろん他の昭和のキングギドラ登場作品も同様に確認しています。

 他人のディフォルメの先入観が無意識に入ってしまうので、いつも原型を作る際は、他社さんの同じキャラクターのソフビはほとんど参考にしないようにしています。ただ、造形的に参考にする事はほとんどないのですが、上手で合理的な成型のための抜きの方向やパーツの組み合わせ等を知りたく、他社さんのもののパーツ部分だけを参考にする時があります。
 キングギドラはそれまで作ってきたゴジラと違い、パーツの数から形状までまるで違います。Gメモリーズセレクションでは、いつもゴジラは7~8パーツですが、キングギドラはどうしても最低12パーツは必要です。
 羽ものも初めてですし、3つの首や、たくさんある頭の角や突起等をどうやって作りたい形を維持したまま成型時に抜けるように作るか、いつもより考え込みました。
 他社さんのキングギドラもこの部分で参考にしようと思ったのですが、正直な所、直接的な参考にはならなかったのです(下手だとかカッコ悪いからと言うようなネガティブな理由ではありません……誤解のないように)。
 なぜかと言うと、弊社が作りたいのは、スチールのかっこいい姿勢の物ではなく、他の作品に登場したものでもなく、あくまで『三大怪獣 地球最大の決戦』で見られる前傾姿勢でゴジラ達と戦ったちょっとくたびれた感じの「初代キングギドラ」だからです。

ソフビ制作裏話 その102

2009年03月23日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.1

 今日から「キングギドラ スタンダードカラー」の制作裏話を書きます。

■キングギドラを作った理由

 この「キングギドラ スタンダードカラー」は、2008年2月のワンフェスから発売し、翌日の通販受付で即完売した商品です。
 その後にリクエストに応えて追加販売しましたが、現在はこれも完売しました。
 とにかくいろいろとエピソードのあった商品でした。

 まず造形に関してはかなりたくさんのこだわりを入れています。あまりにも多いので、詳しくは2008年2月14~19日のここでの「こだわり」をご覧下さい。
 初の敵怪獣、しかもいつものゴジラより大きいし、羽もあるし、ディフォルメタイプのソフビとしてはとにかく不向きな怪獣です。
 それでもやると決めたからには、ゴジラと比べてそう何度もあるわけではないので、とことんやれるだけやろうと決意しました。他社さんが今までやらなかった事も含めて、こだわれる所はとことんこだわって商品化しようと思ったのです。

 まず、なぜゴジラを作り続けてきたのに、この時キングギドラにしたのかと言えば、ぶっちゃけゴジラのためです。
 ゴジラを作り続けてくると並べられる敵怪獣も欲しくなってきます。つまりそれまで作ってきた、もしくはその後に作るゴジラソフビに並べるためという目的で作った敵怪獣と言う事です。ゴジラに興味がなく、キングギドラだけが好きな方には申し訳ないんですが、私の気持ちはまず第一にゴジラありきでの商品なのです。
 だからと言ってキングギドラも大好きですし、作っている最中は思い入れも愛情もゴジラに負けないぐらいたっぷりと入れてますし、ある意味ゴジラ以上にこだわった部分も多々あります。

 たくさんある敵怪獣の中で、キングギドラをチョイスした理由はいくつかありますが、一番はまず私がゴジラの次に大好きな怪獣だからです。弊社のゴジラソフビに並べたい一番の怪獣です。
 他の理由としてはゴジラのライバルと言えば最初に思い付くのがキングギドラ。たくさんある敵怪獣を今後もいくつか作るかもしれないと考えた時に、一番難しそうなのがキングギドラだと思うので、これを最初にやっておけば後は怖くはないだろうという変な理由もあったのです。
 しかし、トータルで大変さは覚悟していましたが、現実はそれ以上でした。ちょっとナメていたかもしれません。
 なんて手のかかる子でしょう。余計ゴジラがおりこうさんに思えます(笑)。

ビオゴジとビオランテ

2009年03月20日 | 代表羽沢のG雑感
ビオゴジと並べられるビオランテと花獣



 以前マーミットさんから発売されたソフビ・ビオランテが、弊社のゴジラと並べてみると、サイズ的にもボリューム的にもマッチしているという話を書きました。
 ようやく弊社でもビオゴジができたので、早速並べてみました。
 いい感じです。 頭かじられそうです。

 後から思い出したのですが、マーミットさんからは花獣版のビオランテも発売されていました。これもまたサイズ的に弊社のゴジラに合っているんですね。
 4月発売の「ビオゴジ 芦ノ湖戦バージョン」と並べたくなりました。
 向かい合ったシーンを思い出します。

 これらの組み合わせで、時間があればそれぞれ劇中シーンをモチーフとしたお遊び写真を作ってみたいと思います。

 個人的には弊社でもいつかビオランテを作ってみたいのですが、もし作ったとしても造形的にはマーミットさんのと似たような感じになりそうなので、今の所はマーミットさんのがあれば充分ですね。

(2009.11.4更新)
「ビオゴジ 芦ノ湖戦バージョン」は完売しました。ありがとうございました。

ミレゴジVS円盤

2009年03月19日 | Gフォトギャラリー


 久しぶりに「ミレゴジ」を使ってのお遊び写真。

 新宿での円盤との戦いのシーン。ミレゴジ独特のオレンジ発光の熱線放射直前のイメージです。
 使用しているのはもちろん「新宿決戦バージョン」です。

(2009.6.21更新)
「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。

ソフビ制作裏話 その101

2009年03月18日 | 制作裏話
制作裏話「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」編 Part.4

■おかげさまで追加販売

 予想以上の効果があったクリアグリーンと金モールの組み合わせによる配色でしたし、企画自体は楽しいかったし自分でもかなり気に入ったゴジラになった「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」。
 大変だったのはスケジュールでした。
 同時発売が「キングギドラ スタンダードカラー」で、ゴジラ以外は初めてでしたのでいつもより諸々時間がかかりましたし、さらには「ゴジラ福袋プラス」も発売イベントである昨年冬のワンフェスに間に合わせなくてはなりませんでした。
 個人的にも花粉症でしたので、ワンフェス前のほぼ一ヶ月は、スペースゴジラの攻撃にパニくるリトルゴジラのごとく、しっちゃかめっちゃか(もしかして死語?)でした。
 何だかワンフェスの時は毎回の事ですね。

 この「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」は、昨年の冬のワンフェスから発売を開始し、その後のイベントでの展示で何度かお客様に聞かれたのが、「これ、いつから発売したんでしたっけ?」と。
 最初の発売時が「キングギドラ スタンダードカラー」と同時でしたから、印象が薄かったようです。確かに「キングギドラ」は、弊社初の敵怪獣でしたし、好評をいただきすぐに追加販売したぐらいでしたので、インパクトでは負けたようです。
 弊社のソフビ商品は、発売開始から短期間(だいたい一週間から一ヶ月ぐらい)は一気に売れていき、残りは少しずつゆっくりとなくなっていくというのが主なパターンなのですが、この「新宿決戦バージョン」は比較的他の商品に比べて最初からずーっとゆっくり気味でした。
 それでも売れていくペースは順調で、結果的には先日告知したようにこれも追加販売できるほど好評をいただいております(一安心)。

 その追加販売分も残りわずかとなっております。
 とにかく実際に実物の色を見ていただきたい思いの強いゴジラです。
 これがラストとなりますので、購入を検討されている方はお早めに!

(2009.6.21更新)
「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。

ソフビ制作裏話 その100

2009年03月17日 | 制作裏話
制作裏話「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」編 Part.3

■幸せの背びれ!?

 背びれの塗装は、昨年「こだわり」にも書きましたが、ミレゴジの熱線放射を表現しています。
 詳しくは前に書きましたので割愛しますが、ミレゴジの熱線放射シーンは他のゴジラにはないパターンで表現されています。特に新宿界隈での円盤やオルガとの戦いの中で強い印象を残した、その炎のような熱さと力強さを背びれで表現したかったのです。

 今までいくつかのゴジラソフビを作り、たくさんのカラバリを展開してきましたが、背びれの配色を考える際、ぶっちゃけ一番楽しいのがミレゴジです。他にない背びれの形状や大きさも個性的ですし、ミレゴジそのものの大きな特徴にもなっているからでしょう。この「新宿決戦バージョン」の前の「ブルーバージョン」や「ファイアーバージョン」でもつい背びれの塗装には凝ってしまいました。自分で「もしかしてゴジラの背びれフェチかもしれない」と勘違いしてしまうほどです(笑)。
 この時も色の調合に気合いが入りました。劇中のようなオレンジ系の熱線放射の表現を考えるのはやっぱり楽しい。原型制作の時もそうですが、こういう時も作り手としての幸せを強く実感するのです。

 前にも書きましたが、同じオレンジ系の熱線放射表現という事では、前の「ファイアーバージョン」もそうでした。が、色そのものは調合比をまるで変えているので、違うものになっています。グラデーションにしているゴールド系の色もオレンジゴールド系の色も濃さや明るさは違っています。両方の商品をお持ちの方はぜひ比べてみて下さい。それぞれのイメージに合った配色にしているつもりです。
 こういった展開ができるのもミレゴジの楽しさですね。

 カラバリの案はいくつかあるので、時期は未定ですが、いずれまたミレゴジの新規カラーは作りたいと考えております。
 その時はまたきっと背びれに凝ってしまうかもしれません。凝れば凝るほどスケジュール的に厳しくなってしまうのですが、それでもまた「こだわり」の名の元にやっちゃうんだろうなぁ……と今からひと事のように思ってしまう私です。

(2009.6.21更新)
「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。

ソフビ制作裏話 その99

2009年03月16日 | 制作裏話
制作裏話「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」編 Part.2

■成型色とモールの組み合わせ

 成型のクリアカラーをグリーンにしたのは、ミレゴジの劇中スーツをヒントにしています。
 多くのゴジラは、劇中スーツの色は黒に近いダークグレーなのだそうですが、ミレゴジだけはドライブラシのようにダークグリーンが所々に塗られていたようです。劇中ではあまりそれを意識させる所はないようですが、ムック本等のアップ写真で見るとそのへんが良くわかります。
 ですからミレゴジ最初のクリア成型もグリーンをベースにする事にしたのです。

 結果的にその色はオーソドックスなグリーンに決まったのですが、決定の理由はモールとの色の相性です。
 劇中に近い濃いめのダークグリーンクリアにするとモールが見えづらいのと、すでに発売していた通常成型の「グリーンバージョン」とかぶってしまいます。薄めのグリーンやバンダイのミレゴジソフビでも使用していた黄緑っぽいライトグリーンでは、モールがはっきりと見え過ぎて企画イメージから外れてしまいます。あきらかにバレバレでモールが入っているのが見えると「オルガナイザーG1」のイメージから外れるし、第一ゴジラそのものとしてカッコよくありません。
 また、内蔵するモールの色によっても、入れた後に外側から見える全体のカラーは随分と違うのです。
 成型がグリーンなので、中に入れるモールの色は同じグリーン系やブルー等はすぐに思い浮かべますが、馴染み過ぎて面白みに欠けます。何となく中が光っているかな……ぐらいの色にしか見えません。シルバーだとなおさらです。赤等の色のモールだと逆にグリーンの上からだと暗く見えます。
 イメージに一番合ったのが、商品で使用したシンプルなグリーンと金モールの組み合わせでした。
 お求めいただいた方はお気付きかと思いますが、見える角度や(部屋の)光量で見え方が随分違うのです。モールの光加減や色まで。
 なかなか画像では表現できていないのが残念です。
 個人的には他にない雰囲気の色になってかなり気に入っている色のゴジラになりました。
 光っているようないないような、何かが入っているようではっきりとはわかりにくいという部分では「オルガナイザーG1」のイメージにも合っていると思っています。

 このサイトをご覧いただいて「新宿決戦バージョン」をお求めいただいた方は、クリアグリーンに金モール内蔵なのだとご理解いただいていたと思います。しかし、「インターネットをしない」「羽沢組を知らなかった」等の理由でこのサイトをご覧いただいていない方々は、イベントで展示したものを初めて見て「これは中に何か入っているんですか?」と聞いてこられる方が多くいらっしゃいます。中には二重成型と勘違いされたり、発光するものが入っていると勘違いされる方もいらっしゃいます。
 ソフビとしては独特な雰囲気の色でになっていますので、モールが入っている事に気がつかれないようなのです。
 ここだけの話、そういった方々に説明する時には「実はですね……」と、つい得意げになってしまう私です。心の中はファイナルウォーズでの勝ち誇るX星人のごとく……です(笑)。

(2009.6.21更新)
「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。

ソフビ制作裏話 その98

2009年03月14日 | 制作裏話
制作裏話「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」編 Part.1

 今日から昨年発売を開始した「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」の裏話を書きます。

▲「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」好評発売中!! のこりあとわずかです!!

■「オルガナイザーG1」の表現

 この「新宿決戦バージョン」は、昨年2月のワンフェス08冬から発売した商品です。
 いろいろと今だから言える事を書きたいとは思いますが、今回は特別大袈裟なエピソードはありません。
 とは言っても、かなりいろいろな部分でこだわった所は多々ありましたので、その辺は2008年2月8~12日に書いた「こだわり」をご覧いただければと思います。

 前にも書きましたが、この「新宿決戦バージョン」の企画テーマは、「オルガナイザーG1」の表現と「ミレゴジ」独特の熱線放射の表現です。それがそのまま商品としての大きな特徴にもなっています。

 シリーズとしては5つ目のカラバリでしたし、お客様からのリクエストもあったので「そろそろクリアのミレゴジもほしいなぁ」という事から企画は始まりました。
 そこでクリア成型のミレゴジに合うシーンやシチュエーションを探すべくDVDを見直し、「オルガナイザーG1」の表現がどうにかできないかと思いました。
 ちょうど少し前に「新春ゴジラ福袋(08)」を発売し、在中している「デスゴジ メルトダウンバージョン」が好評をいただいたばかりです。その「メルトダウンバージョン」はクリア成型にモール内蔵と言うパターンを最初に行なった商品です。
 同じくモール内蔵で「オルガナイザーG1」の表現ができないかと考えたわけです。
 ですからモール内蔵のソフビゴジラとして「デスゴジ メルトダウンバージョン」の成功があったからこそできた商品でもあります。

 実際に劇中では、外見上ゴジラの身体そのものには、「オルガナイザーG1」をダイレクトに表現してはいません。敵であるミレニアンや怪獣オルガが吸収しようとCG表現で描かれているシーンがあるだけです。
 ですから商品化する場合、露骨にはっきりとモールが見えてしまっては、イメージとしても「らしく」ありませんし、選択する色によっては意図が曖昧になってしまいます。
 クリアそのものの成型色と内蔵するモールの色の組み合わせが大きなポイントとなりました。

(2009.6.21更新)
「ミレゴジ 新宿決戦バージョン」(追加販売分)は完売致しました。ありがとうございました。