書店に立ち寄った際に新刊コーナーに「書店員激推し」というポップがありました。
激推しされていたのは櫻田智也著「六色の蛹」。
内容紹介は
昆虫好きの心優しい青年・魞沢泉(えりさわせん)。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。
「昆虫」&ミステリのシリーズもののようだったので、先に出た本を探して2冊買ってきました:「サーチライトと誘蛾灯」と「蝉かえる」
主人公の青年が同じ、謎解きの短編集でした。
ひとつ読み終えるたびに、「なんでそれがわかった?」っていうくらい主人公がいろんなことを意識の端に留めて考えていて、最後にすべての伏線が回収される。
伏線がいろいろありすぎて、自分の中でゆっくり整理しないと追いつかない。
そしてタイトルを見ると「うおおお~、そうなのか」となる。
タイトルといろんな出来事の裏に隠された、人の心の哀しさが響きます。
「蝉かえる」の解説に「サーチライトと誘蛾灯」と「蝉かえる」に収録された短編は対応するものがあると書かれていて、「確かに」と思いました。
また、泡坂妻夫さんの亜愛一郎シリーズやG・K・チェスタトンのブラウン神父シリーズと相通ずるところがあるらしいです。
亜愛一郎は知らないのですが、昔、ブラウン神父シリーズをたくさん読んだ記憶があります。
心に残ったのは、
「サーチライトと誘蛾灯」の中では『火事と標本』『アドベントの繭』『ナナフシの夜』
「蝉かえる」の中では『蝉かえる』『彼方の甲虫』『サブサハラの蝿』
ツェツェバエが胎生って初めて知りました。
「うおおお~」とうなりすぎて、これは「書店員激推し」するわと思いました。
「六色の蛹」もぜひ読みたいと思っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます