達人の心境

🍀🍀達人の心境🍀🍀


「来る者は迎え、去る者は送る。
対する者と和す。

五 五 十。一 九 十。二 八 十。

大は方処（ほうしょ）を絶し、細は微塵に入る。

活殺自在」
（鬼一法眼）


伝説の陰陽師・鬼一法眼は文武の達人。

牛若丸は、法眼の説くこの和合の極意によって弁慶を制したともいわれています。


来る者は快く迎え、去るものは丁寧に送り、

目の前にいる者とは和合する。

一方に心の乱れがあっても、自分を捨て切って無私となり、

相手が五の時は、五で、

相手が、一の時は、九で補い、
二の時は、八で助け、十の満数にする。

"方処（ほうしょ）" とは方角や場所のこと。

大はそれを飛び越えて宇宙いっぱいに広がり、

また、小はどんな塵埃（じんあい）にも入っていき、何事も思いのままに対処できる。

それで、生かすも殺すも自在になる。


まさに達人の心境といえましょう。

日々の営みを通じて心を練り、こうした境地に少しでも近づきたいものです。


（「2017年版 人生心得帖」より）