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争わない弁護士

2017-04-22 11:38:31 | お話
🌸争わない弁護士🌸


元気だけが取り得の弁護士、西中務でございます。

以前は自称「悪徳弁護士」と言っていたのですが、

1年ほど前に

『ベテラン弁護士の「争わない生き方」が道を拓く』

という本を出す時、

出版社の社長が

「悪徳というのはやめてくれ。

そんなんインターネットで出たら、えらいことや」

と言われて、それ以降、「悪徳」という言葉はやめました。(笑)

その本にも書いたのですが、

弁護士生活47年の経験を通して私がいつも言っていることは、

「争って良いことは、ひとつもない」

ということです。

みんな、争いをしたくて争っているのではないのです。

ただ、争いの原因があるんです。

そのおかげで、私ども弁護士は食べさせていただいているわけですね。

ある時、気づきました。

「争わない方法があるんじゃないか」

と。

それから私は弁護士として
「争わない方法」を考え、

法律の相談に来られた方に、そういう生き方を勧めています。

だから、よく

「不思議な弁護士さんですね」

と言われています。


そういう生き方の根源にあるのは何かと言いますと、

実は私、過去に、人を3人も殺しておるのです。

もちろん鉄砲で撃ったり、包丁で刺したりしたわけではありません。

しかし、遺族にしてみれば鉄砲や包丁で殺したのと同じことなのです。

どういうことかと言いますと、

私が弁護士になって間もない頃のことです。

ある人から

「お金を貸したんだけど相手が返さんから取り立ててくれ」

と頼まれました。

私は内容証明を書き、取り立ての電話をしたりして、執拗に請求し続けました。

そうするとその人は

「西中弁護士に返済の猶予をお願いしとったが、認めてもらえなかった」

という遺書を残して自殺したんです。

それで1人殺してます。

それから、ある裁判で嘘ばかりつく証人がいました。

私は嘘だと分かっているからどんどん追及していきました。

そうしたら裁判の途中で倒れてしまい、救急車で運ばれて、数日後に亡くなりました。

これで2人です。

3人目も忘れられないですね。

地区の人が結婚を反対されて、私に「何とかならんか」と相談してきたのです。

お母さんとお嬢さんからいろいろ話を聞いていました。

ちょうど夕方6時頃になったので、お母さんが天ぷらを出してくれたんです。

私はその時、お腹が空いてなかったから断ったんです。

そしたら、お母さんが数日後、自殺したんです。

遺書には、

「私は弁護士さんからも差別された」

と書いてありました。

私は差別など一切してないし、本当にお腹が空いていなかったんです。

しかし、ずっとひどい差別を受けてきた人はそういう受け止め方をしてしまうんですね。

だから自分が気づいていないだけで、
私の言葉で被害を受けた人は非常に多いと思います。

これらの経験が、その後の私の生き方の根源になっているのです。


それからは

「弱い人の立場に立って弁護士活動する」

という信念で、47年間やってきました。


だから、先ほども申し上げましたけど、

「争って良いことは、ひとつもない」

ということです。


たとえ裁判に勝訴しても、負けた相手から恨まれます。

その人は死んでも、あの世から恨んでいるんですよ。

隙あらば引きずり落とそうとするんです。

だから会社が倒産したり、病気をしたり、事故に遭ったりするのでしょう。

私の経験上、恨みがどこかにあると、そういうことが起こるんじゃないかと思うんですね。

ただ私は「裁判をやめとけ」と言ってるわけじゃありません。

「裁判になったら話し合いで和解しなさい」

と言ってるんです。

その仲介に立つのが弁護士じゃないかと。


ユネスコ憲章の前文に

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、

人の心の中に平和の砦を築かなければならない」

とあります。

これは私の解釈なのですが、
平和のための最善の守りが「愛」ではないかと思うのです。

人は誰でも心の傷と悩みがあります。

私にもあります。

それを癒すのは心の温かさ、人のぬくもり、「愛」です。

これから「愛」について、
私の実践していることをお話しいたします。


私は毎朝、駅まで自転車で行きます。

自転車置き場には自転車を整理しているおじさんがおる。

「おじさん、ご苦労さんやね」

と声を掛けるんです。

すると、そのおじさんから手紙が来たんです。

「再就職先として自転車置き場にお世話になっております。

声を掛けていただいたのは西中さんが初めてです。

こんな嬉しいことはありません」

そういう手紙でした。

それから出張した時、ホテルに泊まります。

部屋に入ると、

「私はこの部屋の掃除係です。
心をこめて掃除をさせていただきました。林恵美子」

と書かれたメモが置いてありますね。

そういう時、私はその紙に

「林恵美子様、ありがとうございます。
おかげで快適な夜を過ごすことができました。西中務」

と書くんです。

私は毎朝7時前に出社します。

ある日、廃品回収のトラックがビルの前に止まっていて、作業員が3、4人いたので、

「ご苦労さん」と声をかけたら、
その後、向こうから声を掛けてくれるようになりました。

それから街頭でチラシを配っている人がいたら「ありがとう」と言って受け取ります。

その人も仕事をしているんです。

チラシを受け取らなかったら仕事になりません。

にっこり笑って「ありがとう」と言って受け取ってあげてください。

お金もかかりません。


大きなビルに入ると警備員が
おります。

その人にも「ご苦労さん」と声を掛けてあいさつをする。

世の中は、弁護士や会社の社長さんだけで回っているわけではありません。

自転車置き場のおじさんとか、お客さんと直接顔を合わせることのないベッドメイクの人とか、

いろんな人がいるから私たちは快適な生活が送れるんですね。

役割分担です。

そういう方に

「ありがとうございます」

「お疲れ様」

と言うくらい、たやすじゃありませんか。

それが "愛" ですよ。

これ、今日からでもできます。

私と一緒にやりませんか?(^_^)


(「みやざき中央新聞」H29.4.17 西中務さんより)