マー油と太肉でおなじみ「桂花」が新橋に降臨
都営三田線「内幸町駅」A3出口から歩いて1分ほど。新橋駅や虎ノ門駅からも徒歩圏内。日比谷通り沿いに2024年7月23日にオープンした「桂花ラーメン 新橋虎ノ門店」へ。コチラは言わずとしれた熊本ラーメンの雄「桂花」の支店だ。東京では既に新宿、渋谷、池袋と山手線西側に店があるが、東側への出店は初となる。
桂花は1955年(昭和30年)に熊本市で久富サツキ氏が創業。当時、久留米の人気店「三九」が玉名にオープンし、その味に惚れ込んだ人が熊本で相次いでラーメン店を開業したそうだ。その一つが「桂花」だったという。なお、今では熊本ラーメンの代名詞ともなった「マー油」だが、この桂花で生まれたと言われている。
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調理担当で台湾出身の劉壇祥氏が故郷の調味料を元に開発したそうだ。なお劉氏はのちに重光孝治と名を改め「味千拉麺」を創業している。一方、軌道に乗った「桂花」は1972年(昭和43年)に東京・新宿に進出すると順調に支店を増やしたが、2000年代に入り売上が低迷。設備投資も裏目に出て2010年に民事再生法の適用を申請した。
その際に手を差し伸べたのが「味千拉麺」を運営する重光産業だったのは胸アツな展開である。その後は店舗を整理し、2024年現在で熊本に8店舗、そして都内に7店舗の計15店舗を展開している。さて今回訪れた最新の「新橋虎ノ門店」だが、この場所はかつて「舎鈴 新橋西口店」や「孫作」が入居していたテナントだ。
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店内はU字カウンターに18席と2人がけテーブル2卓の計22席。麺メニューは塩豚骨スープ+中太麺の「桂花ラーメン」をベースに、1972年の東京進出時に開発された太肉=豚角煮が乗る看板メニュー「太肉麺(ターローメン)」、高菜入りの「阿蘇ラーメン」、叉焼麺、太肉一本盛、桂花スペシャルをラインナップしている。
それぞれ赤マー油、太肉、叉焼、味付玉子、茎ワカメ、メンマ、ネギ、高菜、キャベツを追加トッピング可能だ。またライス、肉丼、高菜丼といった飯モノもあり、一杯飲ることも出来る。今回は一番人気の「太肉麺(1300円)」を注文。混雑していたからかオペレーションが不慣れなのか、17分ほどかかってやっと着丼した。
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スープは豚骨と鶏ガラを使った白湯に黒いマー油を合わせたもの。スープは豚骨と鶏ガラを使った白湯に塩ダレを重ね、黒いマー油を合わせたもの。コクはあるがアッサリした飲み口。マー油の香ばしさが加わり、こりゃクセになる。そこに泳ぐのは低灌水で歯切れ良い中太ストレート麺だ。歯切れがよくスープとの相性は抜群。
そして五香粉を使った「太肉」は2つ。トロトロでとにかく絶品だ。味玉は叉焼ダレで煮込んだ黄身固めの物が半玉。ほかマー油がかかったキャベツ、メンマ、茎ワカメ、ネギが乗る。卓上には唐辛子「辣香」と胡椒があるのでお好みで。最後は冷たい普洱茶でスッキリと口直し。桂花が新橋でも啜れるのは、やはり嬉しいなぁ。
<店舗データ>
【店名】 桂花ラーメン 新橋虎ノ門店
【住所】 東京都港区西新橋1-16-2
【最寄】 都営三田線「内幸町駅」A3出口徒歩1分