新橋の新店は「出汁惜しみのない出汁」
JR新橋駅のSL広場から歩いて3分ほど。都営三田線・内幸町駅からも至近。新橋仲通り沿いに2024年11月2日にオープンした「拉麺 江戸壱」へ。運営するのは港区芝浦に本社を構える株式会社CS-Cだ。食べログ百名店やTRY大賞などを受賞し、ミシュランにも掲載された名店をプロデュースした人物が監修しているとのこと。
店内はコの字カウンターに10席ほど。「出汁惜しみのない出汁」をコンセプトにしたメニューは、煮干、節、貝と3種の「和出汁そば」を提供。それぞれ特製出汁玉子、自家製わんたん、特製チャーシュー、穂先メンマを追加出来るが、通常のラーメンにすべてトッピングされているので、特に追加せずともよいかもしれない。
ほか飯モノには卵かけご飯も用意。3種から悩み、今回は「和出汁そば 煮干(1380円)」をオーダーすることに。着丼までは7分ほど。スープは片口鰯、鯵、鯛、飛魚など数種類の煮干しと利尻昆布など乾物から取った出汁に、鶏と豚の清湯を合わせたもの。そこに白醤油と淡口醤油、乾物などで仕上げたカエシを重ねている。
スープ自体はまさに「出汁惜しみのない出汁」。煮干単独ではなく前述の通り数種の煮干や鶏・豚を使っているため、幾重もの旨味が重なっており良い味だ。なので、この一杯を「煮干」たらしめているのは表面浮かんだ煮干油だろう。香ばしくレンゲで掬う度に惹きこまれる。麺箱には屋号が書かれてはいるが中身は麺屋棣鄂製か。
プツっと歯切れよい中細ストレートで、スープとの相性は抜群だ。国産小麦を使っているそうで風味も良い。一方のチャーシューは豚バラ肉の煮豚、レアで薄切りの豚肩ロース肉、低温調理の鶏胸肉が1枚ずつ乗る。いずれも肉の旨味をしっかり楽しめる。出汁が染みた味玉はオレンジ色の黄身がネットリとして美味である。
ワンタンは肉餡に魚粉が練り込んだ個性的なものが2つ。ほか、丼頂に香ばしい煮干、さらに穂先メンマ、白髪ネギと青ネギがトッピングされる。卓上にはポルチーニ油、ぶどう山椒、ペッパーミルがあるのでお好みで味変を。スープ、麺、トッピングの3拍子揃った一杯、あっという間に完食した。いずれ節と貝も啜ってみたい。
<店舗データ>
【店名】 拉麺 江戸壱
【住所】 東京都港区新橋2-11-2
【最寄】 JR山手線「新橋駅」西口徒歩3分