都城発、オリジナルの「雷々麺」
東京メトロ千代田線・根津駅から歩いて3分ほど。言問通り沿い、天眼寺そばで2021年7月から営業する「あたりや食堂 谷中店」へ。元々は昭和23年、宮崎県都城市で屋台からスタートした。三代目となり2011年には東京・秋葉原に移転。10年間営業するも入居するビルの取り壊しの話が出たため、谷中に移転したという。
店内はカウンター席とテーブル席が混在。ピリ辛餃子、塩麹ホルモン、オムレツ、さつま揚げ、炙りチャーシューといったツマミ類が充実している上、ビール、ハイボール、サワー類に加え霧島酒造の芋焼酎や高千穂酒造の梅酒といった九州の酒も用意している。そのため、夜は特に居酒屋的に使っている客も多い。
まずは「本場薩摩さつま揚げ(380円)」を生ビール(550円)で流し込もう。さつま揚げは粗過ぎず滑らか過ぎず。ほんのり温かく、甘味があって美味である。練り辛子と醤油をつけて頂いていく。しまった、この味なら芋焼酎の方がマッチしたかもしれない。さて、ツマミもそこそこに、シメの麺をオーダーしよう。
コチラの看板メニューは、熱々のピリ辛餡がかかったオリジナルの汁無し麺「雷々麺」である。原点は創業時に提供していた野菜の餡をかけたうどんで、二代目が餡に豚肉やさつま揚げを加え、麺もチャンポン麺に変えて現在の形を作ったそう。また雷々麺に加えて、鶏白湯の「宮崎らーめん」も用意している。
一方の飯モノには、こちらもピリ辛餡かけの「雷々飯」や、ふわとろオムレツが乗った「オム雷飯」を用意している。今回は「雷々麺」を注文。すり鉢にチャンポン麺とピリ辛餡。餡にはニラ、玉ネギ、豚ミンチ、さつま揚げ、唐辛子が入っている。これを、麺と餡が絡むよう、よくかき混ぜてから啜っていく。
うどんが原点だからか、麺は唇で切れるほど柔らかめの茹で上がりでコシもあまりない。ただ、表面が少しザラ付いていて餡との絡みは抜群だ。その餡は辛み一辺倒ではなく甘味もあり、ニラや玉ネギの風味も加わり旨い。案外サッパリとしていて呑んだシメでもスルっと完食した。唯一無二の「雷々麺」、ぜひ一度。
<店舗データ>
【店名】 あたりや食堂 谷中店
【住所】 東京都台東区谷中1-2-14
【最寄】 東京メトロ千代田線「根津駅」徒歩3分