横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

大エルミタージュ美術館展とサンクトペテルブルクの思い出

2012-07-04 19:18:33 | 絵画・音楽・文学

今朝は、超音波検査装置のデモ。椎骨動脈の血流をカラードップラーで観察できるタイプ。めまいに椎骨動脈の血流が関係することもあるので、興味深いのですが、その検査を必要とする患者さんの数と、器械の価格を考えると、なかなか手が出ません。優れた装置なのですが、車よりずっと高価です。

そのあと、大エルミタージュ美術館展を見に国立新美術館へ。美術館内のレストランでランチ。昨夜に続いて、カロリーオーバーですが、夜を軽くすれば、大丈夫でしょう。体重はこの10週間で、順調に10kg減っています。

大エルミタージュ美術館展は、超有名な画こそ来なかったですが、16世紀から20世紀初頭まで、イタリアルネッサンス、フランドール/オランダ、フランスの新古典主義、印象派ーポスト印象派と分かりやすく整理された展示で、けっこう粒ぞろいで、見応えがありました。

     

実はエルミタージュには一度、1991年12月にソ連が崩壊して間もなくの頃に行っています。スウェーデン留学中で、数日の休暇を利用して、スウェーデンの旅行社のツアーに申し込んで、家族で出かけたのです。

レニングラード(現サンクトペテルブルク)の空港に着くと、国内では物資が手に入らないのでしょう、外国から日用品を山のように買い込んで帰って来た大勢の人たちでごったがえしていて、外に出るまで3時間近くかかりました。空港の外で、ロシアのガイドさん(ソ連の国営旅行社インツーリストがまだそのまま残っていました)が待っている予定でしたが、連絡を取るすべも無く、帰ってしまっていたらどうしようと心配しましたが、ちゃんと待っていました。聞くと、3時間待たされるなどは、ここでは当たり前とのことでした。

私たち家族4人と、スウェーデン人の家族がもう一組、それとそれぞれのガイドさん、合わせて10人程度だけが乗った、ガラガラの大型観光バスで、観光に出発。街にはレーニン像がまだ立っていましたが、あれは来週倒すんだと、ガイドさんが教えてくれました。

冬ということもあって街は灰色一色で、商店を覗いても、商品が少なく棚はがらがらの状態でしたが、外国人向けのホテルやレストランでは、食べるものはちゃんとありました。食事の時間には、ガイドさんの同僚が、用もないのに、いつもひとりかふたり同席しました。役得ということなのでしょう。彼らの食事代も、我々の払った旅行代金に含まれているわけですが、当時ルーブルの価値は、想像がつかないぐらいどんどん下落しており、ホテルのコーヒー1杯の代金が日本円の1円ぐらいでしたので、大した金額ではなかったはずです。

ここでもうひとつ印象に残ったことがあります。メニューに鶏のドラムスティック(骨付きもも肉を中央の関節で切り離した下の足の部分)の料理があり、これはアメリカからの食料援助だということでしたが、ロシア人はアメリカに感謝するどころか、もも肉全部でなく小さなドラムスティックだけ送ってきたアメリカはケチだと、これをブッシュの足と呼んで笑いの種にしていました。援助する側にも目的があるのだから、別に感謝する必要はないということなのか、経済危機の中にも新しい時代に期待を膨らませる、ロシア式のユーモアだったのかは、分かりませんでした。

あるレストランでは、TBSだったと思いますが、日本のテレビ局から取材に来た人たちに声をかけられました。この混乱期に、小さな子連れの日本人がいたので、何かいわれがあると思われたのでしょう。ただの観光客だと分かると、この大変なときにこんな小さな子を連れて来て観光とは非常識なやつだ、という顔をして、すぐ行ってしまいましたが。でもこのときのレニングラードは、物資はなかったですが、治安はしっかりしていました。官僚機構と軍が、ソ連からそのまま引き継がれたからだと思います。

子供たちのために、サーカスにも行きましたが、その完璧なパフォーマンス、芸の見事さ、才能がある者が子供のころから必死に訓練して初めて到達できるレベルは、ヴァイオリニストやバレリーナと同様、ロシアならではというものでした。合間に売店で子供にコカコーラを買ったのですが、周りの地元の子供たちが皆じっとこちらを見るので、何事かと思ったら、コーラなどは外国人しか買うことが許されておらず、彼らには絶対に手に入れることができないのだということでした。

エルミタージュに着いたら入り口には長蛇の列、これでは入るまで1−2時間待ちかと思ったら、ガイドさんはその列をサッサと追い抜いて私たちを入り口まで連れて行き、受付の人に上から目線で一言何か言って、私たちを中に入れました。ガイドさんのその態度には、インツーリストは役人であり、ソ連では役人がいかに威張っていたかを、垣間みたような気がしました。

そして、肝心のエルミタージュで何を見たかと言うと・・・実はよく憶えていないのです。ガイドさんの英語を聞き取るのと、子供たちの世話に気を取られ、展示品に集中できなかったのでしょう。せっかく行ったのに、全く憶えていないので、日本のこういう展覧会はすごく混むので敬遠することが多いのですが、エルミタージュ展だけは見たかったのです。

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久しぶりに映画の日

2012-06-17 22:26:01 | 絵画・音楽・文学

朝テニスの後、駐車場に行くと、愛車レガシーの隣に偶然とめてあったのが赤のプジョー308。やっぱり好いな。

午後、"ジェーンエア"。監督は父が日系三世で母がスウェーデン系の、フクナガ監督。主演のオーストラリア出身、22歳のミア・ワシコウスカは、最も期待される若手女優さんのひとりです。彼女の力だけで最後まで見せますが、やはりあまり人気のない映画のようで、まだ公開されて間もないのに、もう1日1回だけの上映になっていました。

夜、だいぶ前に借りて、忙しくて見ていなかったDVD"マネーボール"。野球に本格的に統計(セイバーメトリクス)を取り入れた、アスレチックスのビリー・ビーンGMの実話を描いた映画。映画より実話の方が面白い事はしばしばありますが、この映画もその例外ではないのかも知れません。

アスレチックスは、予算が少なく、活躍した選手は皆FAで強豪チームに行ってしまうという、日本のベイスターズのようなチームですが、そのようなチームが勝つためにはどうするか。統計を駆使して、他のチームが評価していない長所を持つ選手を集めてチームを作る、とうのがビリービーンの考えです。

ビーンGMの成功により、その後強豪チームも資金力に物を言わせて、DATA分析に力を入れるようになったため、今のアスレチックスはまた苦境にあります。結局は金を持っている方が勝ちなのでしょうか。それがプロスポーツというものかも知れませんが、やる前から結果が分かってしまうなんて、つまらないですよね。ピンチをいかにチャンスに変えるか、そのために工夫と努力を重ねるのが、人生です(少しおおげさですが)。ビーンGMには、諦めることなく、次のチャレンジを期待します。

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母校とかぐや姫

2012-05-14 22:43:46 | 絵画・音楽・文学

facebookで、先週の土曜に、母校大分上野丘高校の同窓親睦会が開かれたことを知りました。旧制大分中学時代の卒業生93歳の方から29歳の方まで、200人以上が参加されたそうです。

その中に、初代かぐや姫のメンバーだった森進一郎さんと大嶋三平さんもいらっしゃいました。おふたりは、私より6、7年先輩なので、同時に在校したわけではありませんが、酔いどれかぐや姫のヒットで、少なくとも大分では有名人でした。中学の昼休みの校内放送で、とても学校にふさわしい曲とは思えない”酔いどれかぐや姫”が、毎日流されていたのが、懐かしいです。

初代かぐや姫は、1年ほど活動して解散し、南高節さんは、伊勢正三さん、山田パンダさんと、第二期かぐや姫を結成して、神田川や赤ちょうちんなど、大ヒット曲を生み出しました。ちなみに、南高節さんと伊勢正三さんは、私の母校のライバル校大分舞鶴高校のご出身だそうです。

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DAIKANYAMA T-SITE

2012-01-02 15:14:30 | 絵画・音楽・文学

先月オープンした代官山の蔦屋に行ってきました。ジャズやクラシックが充実した音楽フロア、名作やDVD化されていない映像作品まで揃う映画フロアなど、という宣伝に惹かれたのです。

確かに、音楽、映画、書籍の販売の新しい方法を模索するツタヤの意図は理解できるのですが、私が欲しいなと思っているサービスの方向とは、違うという印象でした。店舗もスタッフもとてもお洒落でかっこいいのですが、本当は音楽や映画を手にいれるサービスそのものがかっこいいもの、便利で楽しいものであって欲しいのです。それでも、現在近所の店やインターネットでは手に入りにくいジャズとクラシックのCDを数枚借りられたので、感謝しなければならないのですが、もう一度行くことはないでしょう。

あざみ野から大井町行きの急行に乗れることを、今日初めて知りました。自由が丘まで乗り換えずに行けるのは便利です。いろいろなことが便利になっていきます。あとは手に入れた便利さで得られたものを、どう生かすか、どう自分の中に吸収して、世の中に還元するかが、本当の課題です。

なお、超訳ブッダの言葉によれば、”映画やコンサートなどの、自分の内面から目をそらすような娯楽に行くときばかり同行するような人は真の友ではない”そうです。なるほどとも思いますが、私は映画や音楽には、娯楽以上のものがあると思っています。

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大掃除

2011-12-30 13:21:37 | 絵画・音楽・文学

大掃除。古新聞を片付けていたら、作家で僧侶でもある玄侑宗久さんの方丈記に学ぶという記事が目に入って読み返してしまいました。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。自然は常に変化していくものであり、人もその一部である。何か事が起こったときには、執着を捨て、揺らげばよい。それを禅では、風流と言う。

掃除の途中にいろいろなことに引っかかって、はかどりませんが、なんとか昼前には、だいたい片付きました。昼は、床掃除をRoombaにまかせて、今年最後のこかげランチ。

年末年始はいつも天気がよくて、空気が澄んでいる気がします。休日の昼にぴったりのGetz/Gilbertoを聴きながら、きれいになった部屋で食後の休憩。

午後から夜にかけては、1月の北部病院の耳鼻科の先生方との勉強会で話をさせていただく、好酸球性副鼻腔炎についてのスライドづくり。このことは、あらゆる機会にいろいろな方にお話をしておきたいので、ありがたい機会をいただきました。

 

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