副鼻腔炎の診断は、問診(症状)と鼻腔所見で行います。しかし、とくに小児の場合など、自分で症状を訴えることができないし、鼻腔所見も鼻汁をお母さんに吸い取ってもらった前と後で全く違います。第一もともと鼻の後ろの方や中鼻道(副鼻腔の自然孔が開いている部分)の深部は、前方から見ても見えません。そこで、必要なときは、内視鏡で奥の方を見ます。内視鏡で見てはじめて粘性の鼻汁を見つけられる場合もあります。
しかし内視鏡でも、副鼻腔の中まで見えるわけではありまません。副鼻腔炎があっても、細い内視鏡で奥まで見ても、鼻腔には異常が見られない場合もあります。逆に鼻腔には炎症があって鼻汁が見られても、副鼻腔にはたいして炎症がない場合もあります。副鼻腔に炎症があるかないかで、治り方は違ってきます。そこで、画像診断が必要になります。
一般にはレントゲン検査が行われますが、レントゲン検査は被曝の問題があって、頻回に行うことはできません。超音波は内部に空気があるとその境界で反射されてしまうため、正常の副鼻腔は観察されません。しかし、内腔に貯留液や粘膜肥厚があると反射されてしまうことなく副鼻腔の後壁のエコーが観察できます。これによって副鼻腔炎を診断します。
急性副鼻腔炎では、稀ですが眼窩内や頭蓋内に膿瘍などの重い合併症を起こすことがあります。このような合併症が疑われる場合や、手術を行う場合は、CTが必要になります。