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横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

iPS細胞の臨床応用

2012-10-09 06:47:29 | 院長ブログ

昨日のアクセス数は、当ブログ開設以来の最高記録でした。と言っても、1,771,831ブログ中4,605位程度のことですが。アクセスされたキーワードは、いつもの連休と同様、休日に診療している耳鼻咽喉科を探すものが多かったですが、昨日はそれに加えて、ノーベル賞の受賞が決まった山中先生のお名前からヒットされた方が多かったです。

昨年、講演をお聞きしたときには、新しい薬を開発するために用いられるのが、iPS細胞の最初の応用になりそうだというお話でしたが、今朝のテレビでは、網膜黄斑変性への臨床応用が一番早そうだとお話されているのを見ました。網膜に応用できるのなら、内耳にも、難聴の治療ができるようになるのではないかと、夢は広がります。もっとも臨床研究が進んでいるのは、視細胞を支持したり栄養を送ったりする網膜の色素上皮細胞の移植なので、病気の進行を遅らせる目的であって、見えない人の眼が見えるようになるわけではありません。しかし、”まだ一人(の患者さん)も助けていない”、とおっしゃる山中先生にとって、この応用が実現すれば、大きな前進になるはずです。

テレビ各局でも、このニュースは大きく取り上げられていますが、今までの日本人受賞者のニュース以上に、身近の人が受賞したような嬉しさを感じます。

今の奥様と一緒に写られている十代の頃の写真が出れば、あざみ野棒屋先生の最近のブログを思い浮かべ、整形外科医としてリウマチの患者さんを診られていたと聞けば、亜沙郎先生を思い浮かべ、医学部の学生の頃真剣にラグビーをされていたと聞けば、アメリカンフットボール部だったドクターフリッカーを思い浮かべ、今もマラソンをされていると聞けば、トライアスロンをされている北部病院耳鼻咽喉科の門倉先生を思い浮かべと、遠い存在の研究者ではなく、身近にいる医師の誰かのような気がするのです。

また、昨年、ノーベル賞受賞を逃したとき、山中先生の受賞は臨床応用がされてからでも遅くはないと、分かったような事をブログに書きましたが、政治家が次々電話をかけてきて、文部科学大臣の研究費について財務省に交渉するなどいう発言を聞くと、ノーベル賞にはそういう力があるのだと、早く受賞できて良かったと思い、昨年のブログの記事は反省です。ノーベル医学生理学賞は、業績が確定した過去の研究者に与えられることが多く、今回のように若い現役の研究者が、最近の業績で受賞することは少ないのです。

なお、この賞は生理学医学賞というのが正確で、医師が受賞することは初期のころにはありましたが、最近はまずありません。しかし以前から、日本のニュースでは、医学生理学賞と呼ばれています。山中先生は臨床医出身なので、今回は私も医学生理学賞と呼びたいと思います。

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