横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

アラビアのロレンス

2011-01-15 19:49:42 | 映画・テレビ

アラビアのロレンス 1962年(イギリス)日本公開1963年2月14日 横浜第36週の上映

227分。大作です。実は、あまりの大作であるため、自宅でDVDで見ると、いつも途中で挫折してしまっていました。今回、映画館の大きなスクリーンで見ると、雄大な砂漠の風景を背景に、最後まで飽きさせる場面がひとつもなく、時間も長く感じませんでした。このような大作は映画館で見なければならないと、改めて思いました。

アラブ独立闘争で活躍したイギリス人ロレンスを演じるのはピーター・オトゥール。演技というよりもそのキャラクターでロレンスを体現しました。彼の青すぎる目が、ロレンスの魅力と狂気のどちらの場面でも印象的です。この青い目は、オードリー・ヘップバーンと共演した、おしゃれ泥棒の冒頭でも強調されていました。彼はこの映画でスターになり、「ラ・マンチャの男」、伊丹一三(後の伊丹十三)と共演した「ロード・ジム」など、多くの映画で主役を演じました。

もうひとり、この映画で魅力を発揮し世界的スターになったのは、エジプト人のオマー・シャリフ。最初の登場シーンから、とにかくかっこよかった。デヴィッド・リーン監督の次作「ドクトル・ジバゴ」では、タイトル・ロールのロシア人を演じ、最近では「イブラヒムおじさんとコーランの花たちという佳作で、健在ぶりを見せてくれました。

アレック・ギネス=オビワンは、デヴィッド・リーン監督と縁が深く、多くの映画に出ています。この映画ではアラブ人、「ドクトル・ジバゴではロシア人を演じました。「戦場にかける橋ではイギリス人を演じましたが、実は早川雪舟がやった日本人大佐の役の方をやりたかったという伝説があります。「インドへの道ではインド人、「A Majority of Oneという映画では、実際日本人をやったギネスですから、あり得ないことではない?

監督のデヴィッド・リーンには、他にも、「ドクトル・ジバゴ、「戦場にかける橋」など大作が多く、いずれも一度は見ておきたい作品です。大作を撮るようになる以前にも、有名な映画が何本もあります。私は、「ホブソンの婿選び」(チャールズ・ロートンとジョン・ミルズの共演)、「オリヴァ・ツイスト」、「旅情」(キャサリーン・ヘップバーンのヴェニスの恋)を見ていますが、それぞれ魅力はあるものの、やはり後年の大作の凄さの前には、かすみがちです。 

ディケンズのオリバー・ツイストは、何度も映画化されています。デヴィッド・リーンと並ぶイギリス映画の巨匠キャロル・リード(フォロー・ミー 第三の男)もミュージカル版「オリバー」を撮り、アカデミー監督賞をとっています。それでも、私はデヴィッド・リーン版がベストと思っていましたが、2005年のロマン・ポランスキー版は、それを越えたと思います。重要なフェイギン役は、リーン版はアレック・ギネス、ポランスキー版はベン・キングスレーが演じています。

 

このブログも大作になってしまいました。お付き合いありがとうございました。

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3 コメント

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Unknown (亜沙郎)
2011-01-17 07:16:40
ピーター・オトゥールというと、「チップス先生」が印象的です。ロレンスは冒頭のバイク事故シーンから一転して、広大な砂漠の映像が好きでした。
リーン監督作品は、大作が多く自然とテレビなとで見ることが多く、ハリウット全盛の一翼をになったことが実感できます。
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Unknown (himawaritomte)
2011-01-17 23:18:42
 チップス先生は、オトゥール版より先に、何かでもっと古い映画(今にして思うと、おそらくロバート・ドーナットがアカデミー主演賞をとった1939年版)を見ており、原作(もちろん和訳)も読んでいて、オトゥール版は、良さを出し切れていないように感じました。
 リーンの映画は、戦場にかける橋(英米合作)、ドクトル・ジバゴ(亡命ロシア人作家の原作を買ったカルロ・ポンティがハリウッドに持ちかけて作った伊米合作)の2作を除けば、ロレンスをはじめ、すべてイギリス映画です(資本や配給はアメリカの会社が関わっていますが)。リーンは、あくまでイギリス映画の巨匠ではないでしょうか。細かいことを言ってすみません。でも、ハリウッドに行ってしまわなかったのが、リーンのリーンたるところだとも思いますので。
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Unknown (himawari)
2011-01-17 23:37:54
旅情も英米合作ですね。すみません。訂正します。
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