マグマが冷えて固まった岩石を「火成岩」と呼ぶ。まあ地殻の構成要素とほぼ同じ。なのかな。
それには2種類あって、地中深くで固まったものと割合浅いところで固まったもの。「深成岩」と「火山岩」ですな。まあこのくらいはよく知られている。かな。
浅いほうの「火山岩」には、よく名前が出てくる安山岩・玄武岩・流紋岩などがある。
深いほうの「深成岩」には、蛇紋岩・花崗岩を始めたくさんの岩石がある。ちなみに美しい鉱物結晶がたくさん出る「ペグマタイト」は「巨晶花崗岩」「鬼御影」とも言われ、「半深成岩」扱い。中間ということ。らしい。
火成岩それ自体が観賞用鉱物になるというのはそれほど多くない。いろいろな鉱物がまじゃっちゃっていて、大きな結晶が少ないということでしょう。K2ストーン(アズライト入り花崗岩)とか蛇紋岩(サーペンティン)の一部とか、くらいかな。両方とも深成岩ですね。この前書いたヌーマイトは角閃石岩で深成岩だけど、変成したもの(片麻岩)。
で、これはラルビカイト(Larvikite 月長石閃長岩)。「深成岩」に属する。五反田産。
閃長岩(サイアナイト)は、アルカリ長石(オーソクレス、サニディン、アノーソクレース)を主体とし、石英をほとんど含まないもの。これに黒雲母(Biotite バイオタイト)や灰曹長石(オリゴクレース)なども含む。複雑。
ノルウェーのラルビック地方で見つかったのが名前の由来。
灰色と黒からなるしぶーい石。黒は雲母。ところどころに「ラブラドレッセンス」(シラー)が出る。オリゴクレースによるもの。一般的なラブラドライトのように一定の面が一色に輝くのではなく、細かく虹色に光る。地味ですけど、味わいのある石です。
深成岩には以下のようなものがある。
・花崗岩(granite) K2ストーン。美装石材。
・閃長岩(syenite) ラルビカイト。
・閃緑岩(diorite)
・斑れい岩(gabbro)
・斜長岩(anorthosite)
・かんらん岩(peridotite) かんらん石(ペリドット)の美結晶は鑑賞石・宝石。
・輝石岩(輝岩、pyroxenite) 輝石(パイロキシン)は翡翠、スポデューメン、エンスタタイト、ダイオプサイド、エジリンなど、観賞石がたくさん。
・角閃石岩(hornblendite) 主に普通角閃石からなる。変成するとアルベゾン閃石、アクチノライト、タイガーアイなどが生まれる。
・蛇紋岩(serpentinite) 蛇紋石(サーペンティン、混合岩石)は蛇模様で鑑賞石になる。変種のボーウェナイトは翡翠に似た透明石で宝石扱いされることもある。
深成岩は、地殻を造っている鉱物だけに、がっしりとして、地味で、力強い感じがありますね。透明な結晶なんかは少ないけれど。――ただしペリドットは別。あれ、ちょっと変。
ラルビカイトはそのがっしり鉱物の典型のような感じがします。
握っていると重くてじんわりする感じもあっていいです。
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