まさかこんな方向へ手を出すとはね。(他人事みたいに言うね)
盆石。山型石。
安倍川石とのこと。
横17.5㎝。ヤフオク信濃美術石博物館さんより。
なんかね、ネットショップやツイッターで華麗なる結晶標本ばかり見ていると、だんだん食傷気味になってきて。で、ヤフオクを眺めているうちに、どうもこういうしぶーい「日本的鑑賞石」に目が行くようになって。ちょっと一つ安いのを買ってみようかな、などと。でこれを2100円で落札。
安いものだけど、なかなか。ごつごつした肌もいいし、生意気に「溜まり」つまり池状の窪みもある。爪で弾くと金属的な音がする。ちょっと讃岐のカンカン石みたい。安山岩質の溶岩なのだろうか。
盆石とか水石とか言われる世界は、まあディープな世界です。蘊蓄が深い。産地がどうだの、姿がどうだの、肌がどうだの、といろいろ論がある。あちきにはわかりません。入門はこちら。あんまり深入りするつもりはない。(ほんとかね?w)
江戸時代の「弄石」ブームに淵源があるのだろうけど、どうも60年ほど前に「水石ブーム」があったらしい。でも今はレッドデータに載りかねない。まあ「日本水石協会」というのがあって展覧会をやったりしているけど、あまり話題にはならないですね。
しかし、盆石か水石か、どっちかにしたらどうかと思う。流派とか作法とかあるらしいけど、こういう「日本的観賞石」の総称がないというのは、ちょっとお粗末では。(なま言うな)
けれど、こういった色のない、曖昧な姿の石を眺めていると、何か心に動くものがある。日本人の血なんでしょうかねえ。
「景色」としては、水墨画のような山河を思わせる姿のものがわかりやすい。こういうなだらかな姿は「遠山型」と呼ばれるようで。確かに遥か向こうの連山を眺める風情です。初心者には受け入れやすいものだと言われるけど、どっこい「盆石・水石は遠山に始まり遠山で終わる」とも言われるそうで。あれ、どっかで同じ言い回し見たな。
でも遠山型というのはあんまり出ない。富士山型のおむすびみたいなのが多い。お安く入手できてラッキー。
そう言えば、昔々あちきがおぼっちゃまだった頃(またかよ)、庭の大きな石を眺めて、そこにミニチュアの山河をイメージしていたことがある。山があって、谷があって、川が流れ、人の住む里がある。それはイマジネールな理想の風景、「桃源郷」だったのかもしれない。けれど何にも知らないガキが(お、事実に戻ったね)どこでそんな想像力を育てたのか。集合的無意識か。前世からの持ち越しか。
盆石、盆栽、箱庭(州浜)なんていう芸術は、どれもそういった「想像の風景」を紡いで楽しむもののようですね。
ううむ、どことなく懐かしく、趣のある世界ですなあ。(迷い込むなよw)
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