アンダルサイトとかアンダルーサイトとかアンダリュサイトとかアンダリューサイトとか。(めんどいね)
いやこれ困るんですよ。検索する時4回やらなきゃいけない。誰か統一してくれ。(誰だよ)
どうも英語読みだとルにアクセントがあるみたいだけど(基本は -ite の2つ前にアクセントがあるらしいのでこれは変則的かな)、まあ英語読みは英語読みでそれに従わなきゃいけないわけでもなく、英語綴りを日本語的に読めばいいと思うけれど。
和名の紅柱石のほうがわかりやすいかとも思うけど、今度は緑柱石や柱石とまぎらわしい。ああほんとにうざい。(ってお前がうざい)
カイヤナイト、アンダルサイト、シリマナイトは、「同質異形」、つまり成分が同じ。
Al2SiO5。単純ですね。ちなみに O が1つ落ちてフッ素ないし水酸基が入るとトパーズになる。三姉妹とその従妹みたい……ではないか。どれもみな与党単独派(ネソケイ酸塩鉱物)。
カイヤナイトは低温高圧で、アンダルサイトは中温低圧で、シリマナイトは高温でできるとのこと。カイヤナイトは三斜晶系、アンルサイトとシリマナイトは直方晶系だが結晶形が少し違う。アルミニウム原子の電荷が違ってカイヤナイトは6価が2つ、アンダルサイトは6価と5価、シリマナイトは6価と4価ということらしい。詳しくはこちら。
また面倒な話になってしまった。(自分でしてるだけだろ)
アンダルサイトはアイオライトばりの「多色性」(方向変色)を見せることで有名。ってあんまり有名じゃないか。
紅柱石というけれど、紅の鮮やかさはない。赤と茶の中間のような地味な色。そのせいか、もう一つ人気は薄い感じ。
方向変色する石は好きだし、カイヤナイトの姉妹ということもあって、ずっと欲しかった。いろいろ探したけど、売っているところは少ない。売っていても高い。縁なしかなと諦めていた。
で、ミネラルマルシェで嘘のようにカット石が見つかった話は前に書いた。
しばらくして、ついでがあったので、五反田TOCのクリスタルワールドさんに寄った。何か掘り出し物(200円の何とかというのがよくある)がないかと見ていたら、隅っこの方に、ビニール袋に入って、アンダルサイトの原石があった。
2個入って、何と450円。思わず声が出た。店長さんに聞こえたかどうかはわからない。
一袋しかなかったので在庫処分かもしれない。それにしても2個で450円はないだろう。いや、嬉しい。
宝石質ではないけれど、透明度も少しある。独特の赤~茶の色が美しいし、表面にはキラキラとした輝きもある。
拍子抜けするほどあっさりと、しかも途方もなく安く、ルースと原石を手に入れられた。
縁があったのか。石の神様が貧乏石好きを憐れんで差配してくださったのか。
アンダルサイトの名前は、言うまでもなくスペイン・アンダルシア州の名前から来ている。最初の発見地だとか。原音だとアンダルシーアみたい。(またうざくする)
アルハンブラ宮殿のあるグラナダ、イスラム王朝の旧都コルドバ、床屋さんの街セビージャ(何だよそれ)を擁し、シェリー酒とフラメンコと闘牛の本家(ウィキの受け売り)。
ジジイとしては若い頃に見たダリとブニュエルの「アンダルシアの犬」――悪夢そのもののような短編映画――を思い出しますが。
ウィキさんによると、アンダルシアの名前はゲルマン民族のヴァンダルに由来すると考えられてきたが、近年は「アトランティス(アトランティダ」が語源だという説も有力視されているとのこと。ううむ、本当かねえ。まあそれならアンダルサイトは「レムリアン何たら」に対抗しうる「アトランティスの石」ということになりますかな。(なるかねえ?)
追記:どうも「アトランティサイト」という名前の石があるらしい。サーペンティンとスティッチタイト(スティッヒサイト)の混合石に、誰かがこういう名前を付けたみたい。まあ……(黙っておけ)
うっとりする美しさの石ではない。
名前のせいもあって、衰退した少し古い文明をイメージさせる。年ふりた建築群に夕日が差しているような、静けさとそこはかとないもの悲しさ。シェリー酒も似たような趣がある。あちきは好きですねえ。
いい名前をもらった石かもしれない。
ティオペペが飲みたい。