貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

アンダルサイト

2021-10-27 20:53:54 | 単品

アンダルサイトとかアンダルーサイトとかアンダリュサイトとかアンダリューサイトとか。(めんどいね)
いやこれ困るんですよ。検索する時4回やらなきゃいけない。誰か統一してくれ。(誰だよ)
どうも英語読みだとルにアクセントがあるみたいだけど(基本は -ite の2つ前にアクセントがあるらしいのでこれは変則的かな)、まあ英語読みは英語読みでそれに従わなきゃいけないわけでもなく、英語綴りを日本語的に読めばいいと思うけれど。
和名の紅柱石のほうがわかりやすいかとも思うけど、今度は緑柱石や柱石とまぎらわしい。ああほんとにうざい。(ってお前がうざい)

カイヤナイト、アンダルサイト、シリマナイトは、「同質異形」、つまり成分が同じ。
Al2SiO5。単純ですね。ちなみに O が1つ落ちてフッ素ないし水酸基が入るとトパーズになる。三姉妹とその従妹みたい……ではないか。どれもみな与党単独派(ネソケイ酸塩鉱物)。
カイヤナイトは低温高圧で、アンダルサイトは中温低圧で、シリマナイトは高温でできるとのこと。カイヤナイトは三斜晶系、アンルサイトとシリマナイトは直方晶系だが結晶形が少し違う。アルミニウム原子の電荷が違ってカイヤナイトは6価が2つ、アンダルサイトは6価と5価、シリマナイトは6価と4価ということらしい。詳しくはこちら
また面倒な話になってしまった。(自分でしてるだけだろ)

アンダルサイトはアイオライトばりの「多色性」(方向変色)を見せることで有名。ってあんまり有名じゃないか。
紅柱石というけれど、紅の鮮やかさはない。赤と茶の中間のような地味な色。そのせいか、もう一つ人気は薄い感じ。
方向変色する石は好きだし、カイヤナイトの姉妹ということもあって、ずっと欲しかった。いろいろ探したけど、売っているところは少ない。売っていても高い。縁なしかなと諦めていた。
で、ミネラルマルシェで嘘のようにカット石が見つかった話は前に書いた。

しばらくして、ついでがあったので、五反田TOCのクリスタルワールドさんに寄った。何か掘り出し物(200円の何とかというのがよくある)がないかと見ていたら、隅っこの方に、ビニール袋に入って、アンダルサイトの原石があった。
2個入って、何と450円。思わず声が出た。店長さんに聞こえたかどうかはわからない。
一袋しかなかったので在庫処分かもしれない。それにしても2個で450円はないだろう。いや、嬉しい。
宝石質ではないけれど、透明度も少しある。独特の赤~茶の色が美しいし、表面にはキラキラとした輝きもある。

拍子抜けするほどあっさりと、しかも途方もなく安く、ルースと原石を手に入れられた。
縁があったのか。石の神様が貧乏石好きを憐れんで差配してくださったのか。

アンダルサイトの名前は、言うまでもなくスペイン・アンダルシア州の名前から来ている。最初の発見地だとか。原音だとアンダルシーアみたい。(またうざくする)
アルハンブラ宮殿のあるグラナダ、イスラム王朝の旧都コルドバ、床屋さんの街セビージャ(何だよそれ)を擁し、シェリー酒とフラメンコと闘牛の本家(ウィキの受け売り)。
ジジイとしては若い頃に見たダリとブニュエルの「アンダルシアの犬」――悪夢そのもののような短編映画――を思い出しますが。
ウィキさんによると、アンダルシアの名前はゲルマン民族のヴァンダルに由来すると考えられてきたが、近年は「アトランティス(アトランティダ」が語源だという説も有力視されているとのこと。ううむ、本当かねえ。まあそれならアンダルサイトは「レムリアン何たら」に対抗しうる「アトランティスの石」ということになりますかな。(なるかねえ?)
 追記:どうも「アトランティサイト」という名前の石があるらしい。サーペンティンとスティッチタイト(スティッヒサイト)の混合石に、誰かがこういう名前を付けたみたい。まあ……(黙っておけ)

うっとりする美しさの石ではない。
名前のせいもあって、衰退した少し古い文明をイメージさせる。年ふりた建築群に夕日が差しているような、静けさとそこはかとないもの悲しさ。シェリー酒も似たような趣がある。あちきは好きですねえ。
いい名前をもらった石かもしれない。
ティオペペが飲みたい。


カイヤナイト

2021-10-26 20:39:17 | 単品

カイヤナイトは、青い美しい石。
そしてちょっと不思議。
深い青の結晶を見せたり、薄いブルーグリーンで雲母のような薄片を見せたり。
かと思えばオレンジのもある。
割合よく産出されるようで、全般的にお安い、貧石向けの石です。

Al2SiO5。アルミの単塩基で、与党単独派(ネソケイ酸塩)。
つまりとっても簡素な構造をしているということ。
それにしては、とても繊細で複雑そうな味わいを持っている。
縦方向には強く、横方向にはえらく弱いとか。だから宝石にはなりにくい。それがまたいい。
青の色は、不純物として含まれる鉄とチタンとがイオンを交換し合うことによって生まれる(電荷移動錯体)。これはサファイヤと同じ。オレンジのものはチタンが多いらしい。どういうことかはわからない。
姉妹、つまり「同質異形」にアンダルサイト(紅柱石)とシリマナイト(珪線石)がある。これはまた別に。

少し緑がかった薄青のカイヤナイトは、繊細で清らかで、なんとなく、けがれのない美しい少女を思わせます(いや、少年でもいいけど)。
あまり強い青だったり、均一でしっかりした結晶だったりすると、そんなカイヤナイトの繊細さがなくなってしまうように、あちきには感じられます。そんならほかの石でいいじゃん、と。

このバングルは、青みが薄く、まあB級品なのでしょうけれども(安かった)、それがカイヤナイトの繊細な清らかさを返って際立たせているようで、あちきはとても気に入っています。

こちらはちょっと大きめの原石。例の五反田のお店でけっこう安く買えた。雲母のように白っぽく剥離しかかっていたり、深い青の部分もあったりと、様々な表情があって味わいがあります。

繊細で清らかな美少女なんてまわりにいないから、カイヤナイトを眺める。
いや、どんな人間よりも、石のほうが美しいように思える今日この頃です。(そりゃジジイだからだよ)


ルース禁制の崩壊

2021-10-25 20:33:14 | 漫筆

おおむね個人的なお話です。(だいたいどれもそうだろ)

石は好きで集めたいけどお金はあまりない。
そこでいくつかの禁制というか自戒を課した。
・一万円以上のものはとりあえず諦める。
・水晶とオパールにはとりあえず手を出さない。
・隕石・化石はとりあえず見ない。
・宝石・ルースの類にはとりあえず手を出さない。
などなど。(とりあえずばっかだね)

ルースというのは厖大な海です。まあたーくさんある。
ヤフオクやメルカリにも溢れている。
宝石もあれば「カラーストーン」もある。
何でもそうだけどいいものは高い。
いいかどうかの識別が素人には難しい。
入り込んだら溺れ死ぬ。(おおげさな)

でもルース好きの人は多いですねえ。ミネラルマルシェとかでもルース屋さんのまわりには人が群がっている。特に女性が多い。
ルース買ってそれをどうするんでしょうか。ただケースに入れて眺めるのか、アクセサリに加工するのか。わかりません。

そういう禁制なので、鉱物フェスティバルでも、ルース屋さんには、若干目を奪われつつ、素通りするようにしていました。
ところがある日のミネラルフェア。あまり買えるものもなく、うろうろと歩き回っていると、ある店の横に小さなワゴンがあって、ごちゃごちゃと500円均一の叩き売りバーゲンセールをしていた。ふうんと思って覗くと、アメジストのルースが目にとまった。
「別にアメジストなんかルースで買ってもしょうがないだろ」と思ったけど、その色がちょっと変。で、安くて変なものを買う趣味が発動して、つい買ってしまった。

家に帰って乏しい戦利品を吟味して、そのアメジストはあまり意識もせずコレクションケースの片隅に置いておいた。
ところが、どうも目にとまる。妙に赤っぽい輝きが揺れる。
それからしばらくして、ネットを見ていたら、「カシャライ・アメジスト」という割合新種のアメジストの記事があった。
いわく、赤みがあって、色のむらがあって、しかもカラーチェンジする、とある。
あらためて観察すると、赤みがあって、色むらがあって、方向変色する感じもある。そして白熱電球で照らしてみると、おお、赤が輝くではないか。


写真じゃあんまりわかりませんね。右はほんとはもっと赤い。

これ、ひょっとしてカシャライ・アメジストじゃなかろうか、と。
原産地は書いていないので、カシャライかどうかはわかりません。けれど面白いアメジストで、ほおん、と感心したのです。500円でこれは嬉しい。

で、その後のミネラルマルシェで、中を見終わって外に出たら、そこにあのアメジスト・ルースを買ったお店がある。HUNZAという不思議な名前は覚えていた。
たくさんのルースが積んであって、「半額セール」になっていた。
ルースを買うつもりはなかったのだけれど、しばらく前からアンダルサイトを探していた。方向変色する石で、カイヤナイトの姉妹(同質異形)に当たる。欲しくていろいろ探したのだけれども、原石もルースもなかなかない。あってもものすごく高い。
で、ダメ元で聞いてみたら、「はいよ」とあっさり出てきた。しかも4000円の半額で2000円。
この時の感想はいわく言い難い。嬉しいのもあったけれど、気が抜けたような感じ。なんでこんなにあっさりと。あまりメジャーではない石をわずか2秒で出してくるなんて、こいつ(失礼)はいったい何者?
で、ルース禁制の掟を破って買った。ついでに「これ今人気よ」と見せられた「カラーチェンジ・ガーネット」なるものも2000円だったので買った。あーあ。破戒者だ。

アンダルサイトの8ミリくらいのルース。写真ではうまく捉えられないけど、確かに方向変色する。カットも相まって、茶色から黄色・赤まで、いろいろな色が遊ぶ。至極満足。方向変色を味わうのに、カット石というのは案外いいのかもしれない。
「まあ、ほかにないんだから仕方ないよ」と自己弁解したのでありました。

で、もう一つついでに買った「カラーチェンジ・ガーネット」。
アレキサンドライトのように「青→赤」とダイナミックに変わるわけではないけれど、蛍光灯では沈んだ紫、白熱灯では赤茶に変わる。風呂場の白熱電球と台所の蛍光灯で撮ったので、ひどい写真だけれども、色の変化くらいはわかるかな。

むむむ。これもいい。ルースあなどることなかれ。

このHUNZAさん、いったい何者か。ホームページで見ると、店長さんはパキスタンのフンザ地方の出身で、地元の宝石研磨学校を出て、日本で加工・研磨をしている人らしい。新米なのでフンザ地方が天然石の宝庫だということは知らなかった。反省。
パキスタンで仕入れ、こっちで自ら加工するから安いらしい。

で、今度は「1000円マルシェ」なるものがあった。貧老にはぴったりだけど、さすがに1000円では面白い原石は出ないだろう、と思ったけれど、HUNZAさんが出ているので、気になって行ってみた。
大失敗でしたねえ。
8ミリ角のきれいなペリドットが1000円、ダイオプテーズと大きいブルートパーズ(たぶん放射線加工)がセットで1000円。厚みのあるアクアマリン、淡い色が美しいタンザナイトがやはり1000円。
完全に禁制崩壊。いかんよこれは。

カット石にはまったく素人なので確かなことは言えないけれど、このお店のカット、けっこうすごいんじゃないかと思う。ちょっとの光でキラキラと輝いている。石自体は、拡大するとクラックや傷があったりするけれども、こちらは完璧な宝石を求めているのではなくて、石の色や輝きが見られればいいという大雑把なタイプなので、別に構わないわけで、その分お手頃値段なら嬉しい。。

さて、今度マルシェがあったらどうするか。本当は素通りしなければいけない。しかし、あの美しさと安さはやはり気になる。「ちょっと見るだけ」――それが命取りになる。(おおげさなw)
実に困ったものなのです。(千円単位のことでピーピー言うんじゃないよ)

(あ、言っときますけど、HUNZAさんからお金はもらってませんw)


変幻する光

2021-10-24 18:45:38 | おべんきょノート

石の色の問題もとても複雑ですけど、これに「本来の色とは異なる色の光」が加わって、しかもその名前がまたごちゃごちゃしていて、初心者は混乱の極みになりますねえ。
ちょっと整理してみようかなと。

・遊色(遊色効果、play of color)
広義に使われる場合もあるけれど、だいたいはオパールの変幻する色の光のこと。
オパールは結晶ではないシリカ(SiO2、二酸化珪素)でできているけれども、それが水を含みながらみっちりと詰まると(よくわからん)、そこに一定の規則構造ができて(よくわからん)、それが特定の色の光を反射する(よくわからん)、ということらしい。なぜ様々な色になるのかは、あちきにはよくわからない。
石によって、赤が強く出たり青が強く出たりする。赤が強く出るのをファイヤー・オパールと呼ぶことがあるけれど、これは誤用らしい。この件は別に。

・イリデッセンス
「iris=虹」から来た言葉で、広く虹色の輝きを指す。「遊色」や後述「シラー」、真珠や貝殻の虹色まで含むらしい。結晶内の亀裂に虹が出ることはよくあるけど、これもイリデッセンかな。クラック水晶なんかは、わざと亀裂を生じさせて虹色を楽しむけど、あれはレインボークラック水晶と呼ばれていて、イリデッセンス水晶とは言わないみたい。あんまりポピュラーな言葉ではないせいか。

・レインボー
正式な言葉かどうか不明。使われ方に二種類ある。
一つは、表面が特殊な状態になっていて、そこで虹色が輝くこと。レインボーガーネットはアンドラダイト(灰鉄柘榴石)の一種で、表面が七色に輝く。レインボー水晶は、表面にヘマタイトなどの微細結晶が付着することで七色に輝く。これをイリデッセンスと言うかどうかはわからない。
もう一つは、前述の、石の中にクラックが入っていて、そこで七色の光が輝くこと。レインボー入りとか表現される。まあ俗称でしょう。

・シラー
この言葉、ちょっと曖昧に使われるみたい。
本来は、石の中の層が作り出す色の輝き。
代表的なのはラブラドライトで、この石は、微妙に成分が異なる二種の長石が、層状構造を作っている。その界面の微細構造が特定の光を反射する。石によって(石の部分によっても)異なり、青、赤、紫、黄金などに輝く。で、これを「ラブラドレッセンス」と呼ぶ。
ムーンストーンは、ラブラドライトと同様の原理なのだろうけど、青い光しか発しない。なぜなのかは知らない。それをうまくカボッション(カットのないやつ)に磨くと、青がゆらゆらと揺れて実に神秘的。
で、最近はホワイトラブラドライトをムーンストーンとして売っているとのこと。この場合、青だけでなく色々な色が出る。
ムーンストーンの変幻色は「アデュラレッセンス」とも呼ばれるらしい。長石の一種アデュラリア(氷長石)から来たものだけれどアデュラリアにはそういう現象はない。何だそれ?
ただ、石の内部に光を反射する面的構造があって、それが生み出す光をシラーと呼ぶことも多いみたい。アイオライトやスキャポライトなど、内部にこういう光沢面を持っている石はけっこう多い。
さらには、サンストーンのような細かい鱗片状内包物の輝きもシラーと呼ぶこともあって、混乱の極み。これはむしろ後述の「アベンチュレッセンス」が正しいのではないかと思う。

・キャッツアイ
シャトヤンシー(Chatoyancy、変彩効果)と同義。
石の内部に微細な内包物が平行に並んでいることによって、光が特殊な反射をし、光る筋が浮いて動くように見える現象。
女性の(女性でなくてもいいのだけど)艶やかなストレートヘアに、光の輪が見えることがある。天使の輪と呼ぶらしい。て……(やめとけ)。髪が縦に流れていれば横の筋として見える。キャッツアイも同じで、内包物の並ぶ方向に対して直角に出る。
有名なのがタイガーアイ・ホークアイですけど、ほかにクリソベリル、シリマナイト、トルマリン、オプシディアン(黒曜石・天然ガラス)などたくさんの石で見られる。光の筋が浮遊するので、とても不思議。

・スター(アステリズム Asterism)
石の表面に六条(ないし四条)の光の「星」が現われる現象。
内包物のルチル(金紅石、酸化チタン)が関与しているらしい。その非常に微細な針状結晶が規則的に並ぶことで、星の形になるとのこと。何でそうなるのかあちきにはわからない。
ルビー、サファイアが有名。ほかにローズクォーツ、オプシディアンなどでも見られる。
あちきは持っていないのでよくわからない。

・アベンチュレッセンス
イタリア語の「偶然に」を意味する言葉に由来。イタリアのガラス職人が間違ってガラスの中に銅の破片を落としたところ、きらめいて美しかったので、それを技術として確立した。以来、金属の小片が輝いているものをこう呼ぶようになったとのこと。
つまり、サンストーンのあのキラキラがアベンチュレッセンス。
で、アベンチュリンという石(インド翡翠と呼ばれることもあるが翡翠ではなくアゲート)は、こういうキラキラを含んでいたので、その名前がついたらしい。ちなみにアベンチュリンは緑だけでなく、オレンジ色もある。

サンストーンというのも、固有の石の名前ではなく、長石(もっぱらオリゴクレース)の中で、金属的小鱗片を含んでアベンチュレッセンスを見せるものを言うとのこと。これもまた改めて。
ついでに言えばアベンチュレッセンスを見せるアイオライトが「アイオライト・サンストーン」として売られている。これ、鉱物的にアイオライトとサンストーンの混合石なのか、アベンチュレッセンス=サンストーン的であるアイオライトのことなのか、よくわからない。

やれやれ。ごちゃごちゃ。
まあ虹色だったらレインボー。動く光の筋だったらキャッツアイ、星ならスター、層界面の輝きだったらシラー、金属小鱗片の輝きだったらアベンチュレッセンス、くらいでいいんじゃないでしょうかね。ただアベンチュレッセンスは長すぎですわな。もっと素敵な名前があるといいのに。

名前のごちゃごちゃはともかくとして、石は色だけでなく、こういう変幻する輝きがあるから、美しいのですね。
ゆらぐ色、変幻する輝き。石の見せる美は深いですねえ。


ユナカイトの卵

2021-10-23 20:45:06 | 単品

まあお茶でも一服。(どうした?)

ユナカイトのエッグどす。(京都か?)高さ50ミリほど。

ユナカイトは鉱物名ではなく、米国ノースカロライナ州ユナカ山地で産出される花崗岩の一種で、薄緑のエピドート(緑簾石)、赤の長石(鉄分を含むと赤くなるらしい)、深緑のクローライト(緑泥石)などが混ざり合ったもの。比較的安価。

純粋鉱物でない、鉱物の集合体である「岩石」が「愛玩収集用天然石」の商品になるというのは、改めて見てみるとそれほど多くない。
K2ストーン、ティファニーストーン、タイガーアイ、ピーターサイト、サーペンティン、ブラッドストーン、シャーレンブレンド……あれ? レアもの除くとそれくらいか?
その中でユナカイトは、一つの場所だけで産出するという点でも珍しいかもしれない。
どうもちょっと特別な石に見えてきた。安いんだけど。

加工した人がうまくて、層状になった赤が斜めに流れて、美しい。購入先の名取貴石さんは、研磨加工もやっているところなので、ひょっとしたらそこで加工されたのかも。
そして鈍くて暖かい緑と赤の色。
卵という形が、絶妙にフィットしている。どことなく妖艶。
ちょっと和風の感じもする。洛中洛外図みたいな。

卵型というのはちょくちょくある。丸玉(球形)より存在感があって、混合鉱物やアゲートといった模様系の石にはふさわしいかもと思う。
うちの「ご本尊」のアズライトも「正室」のロードクロサイトも、卵型(これより全然小さいけど)。

卵型というのは、なかなかいいものですね。