労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

多くの国で禁止・規制されているライドシェアを世界で唯一水際で阻止してきた日本に、拙速にライドシェアが解禁されていくことを危惧する…

2024-01-13 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える―は、1月16日(火)18時から、かながわ労働プラザ(エルブラザ 神奈川県横浜市中区寿町1丁目4)にて、シンポジウムを開催します❗
昨年12月20日、デジタル行財政改革会議が中間取りまとめで、2024年4月より、タクシーが不足する地域・時期・時間帯の特定を実施。これに基づき、タクシー事業者が運送主体となり地域の自家用車・ドライバーを活用し、アプリによる配車とタクシー運賃の収受が可能な運送サービスの提供を開始することとした。さらに、タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行う法制度について2024年6月に向け議論するとしている。12月26日の規制改革推進会議も同じ内容を答申している。そもそもライドシェアとは何か、ライドシェア解禁は公共交通、働き方、利用者の安全などにどのように影響をしていくかを考える。
ぜひ、参加ください❗


 一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」について、東京ハイヤー・タクシー協会は「断固反対」の方針を一転し、4月から導入すると発表した。
われわれ、タクシー産業で働く者の立場としては、今回の事業者が行う「日本型ライドシェア」については、諸手を挙げて賛成できるものではないが、これまで一貫して反対していた、いわゆるライドシェア解禁に向けたライドシェア新法に対抗するためにという点では、仕方がないのかと…。
忸怩たる思いではあるが…。

 ただし、中身について、遊休タクシー車両を前提とするようだが、白ナンバーの自家用車を使用する場合もあることで、その場合の自賠責保険・自動車賠償保険がどいうなるのか明確になっていないことに課題がある。
加えて、アプリ配車に限るとしても1種免許で有償運送が出来るとなると、2種免許の価値の低下につながり、プロドライバーの賃金労働条件などの下方圧力となるのではないかと危惧する。(利用者への安全の提供も低下するのは言うまでもない)
また、タクシーによる供給が回復するならば、こういった運用は廃止すべきだと考える。

 ちなみに連合の「ライドシェアにかかわる『デジタル行財政改革中間とりまとめ』に対する談話」を掲載しておく。

ライドシェアにかかわる「デジタル行財政改革中間とりまとめ」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行
1.公共交通で保障される利用者の安心・安全が十分に担保されるのか見極めが必要
 政府は12月20日、第3回デジタル行財政改革会議において、「デジタル行財政改革中間とりまとめ」を決定し、「タクシー事業で不足している移動の足を、地域の自家用車や一般ドライバーを活かしたライドシェアにより補う」とした。具体的には、タクシー事業者の運行管理のもとで新たな仕組みを創設し、タクシー車両が不足する地域・時間帯に限って、アプリ配車とタクシー運賃収受が可能な運送サービスを2024年4月から提供するとしている。
 なお、この新たな仕組みは、国土交通大臣の許可(道路運送法第78条第3号)にもとづいて創設するとしているが、タクシー事業と同様に公共交通で保障されている利用者の安心・安全、ドライバーの安全確保、車両の管理責任などが十分に担保されるのか、重大な関心を持って見極める必要がある。

2.健康確保などに懸念がある働き方を広げることは容認できない
 特に、ドライバーの働き方については、「安全の確保を前提に、雇用契約に限らずに検討を進める」としているが、労働者でなければ労働関係法令が適用されず、結果的にドライバーが劣悪な環境での就労を強いられる懸念が拭えない。加えて、運行管理者に対して道路運送法等による健康診断などの健康管理や、副業・兼業を含めた過重労働の防止などの取り組みが課されないとすれば、事故などによって利用者や歩行者などの安全を脅かすことにもなりかねない。そうした懸念が多い働き方を広げることは容認できない。

3.タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことは慎重であるべき
 また、「中間とりまとめ」では、2024年6月に向けてタクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置付ける法律制度の議論を進めるとしている。タクシー事業者以外が行うライドシェア事業は、先行する諸外国において様々な問題が指摘されていることに加え、タクシー産業の健全な発展を阻害しかねず、慎重な検討が必要である。

4.国民生活や経済活動を支える持続可能で強い交通・運輸体系の構築を求める
 連合は、わが国が直面する経済・社会の変化に的確に対応するとともに、国民生活や経済活動を支える社会基盤として、持続可能で強い交通・運輸体系の構築実現にむけて、構成組織・地方連合会とともに取り組んでいく。


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【ライドシェア?】デジタル行財政改革会議で示された「中間とりまとめ案」の問題点

2023-12-24 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 12月20日、デジタル行財政改革会議において「地域交通における『担い手不足』『移動の足不足への対応』」と題した方針が発表された。
これをもって「ライドシェア限定解禁 4月から一部地域で」等の報道が相次いでいる。
しかし、今回の政府方針には多くの問題があり、このことがライドシェア阻止運動の全面的敗北を意味するわけではない。
2023年12月20日のデジタル行財政改革会議で示された「中間とりまとめ案」における「地域の自家用車・ドライバーの活用」に関する記載を引用し、問題点を詳述し、安易な規制緩和を強く批判する。


【引用「デジタル行財政改革会議中間取りまとめ」】
 現状のタクシー事業では不足している移動の足を、地域の自家用車や一般ドライバーを活かしたライドシェアにより補うこととし、すみやかにタクシー事業者の運行管理の下での新たな仕組みを創設する。
 具体的には、都市部を含め、タクシーの配車アプリにより客観指標化されたデータに基づき、タクシーが不足する地域・時期・時間帯の特定を行う。そして、これに基づき、タクシー事業者が運送主体となり、
地域の自家用車・ドライバーを活用(#1)し、アプリによる配車とタクシー運賃の収受が可能な運送サービスを2024 年4月から提供する道路運送法第78 条第3号(#2)に基づく制度の創設)。また、この制度の創設に向け、ドライバーの働き方について、安全の確保を前提に、雇用契約に限らずに検討(#3)を進める。
 さらに、この新たな仕組みと合わせ、従来の自家用有償旅客運送制度(道路運送法第78 条第2号)について、移動の足の確保に係る地方自治体の責務に照らして様々な障害があるとの地域の声を踏まえ、2023 年内から使い易い制度へ大幅に改善していく。
 このため、同制度の適用対象となる
交通空白地に夜間など時間帯の概念(#4)を取り込み拡大するほか、対価の目安の引き上げ(タクシー運賃の約8割)やダイナミックプライシングの導入(#5)等を実施する。また、地域公共交通会議等における協議において地方自治体の長が判断(#6)できるよう制度の改善を図る。
 さらに、自家用有償旅客運送への多様な主体の参画を促すべく、運送の実施主体からの受託により
株式会社が参画(#7)できることを明確化する。
 加えて、道路運送法の許可又は登録の対象外の運送(無償運送)について、アプリを通じたドライバーへの謝礼の支払いが認められることを明確化することで、利便性を向上する。
 上記の方策について、できるものから早期に開始し、実施効果を検証するとともに、
タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置付ける法律制度について、2024 年6月に向けて議論(#8)を進めていく。

#1 地域の自家用車・ドライバーを活用 二種免許の無視
〇安全性確保の観点から二種免許が必要であるという大原則を全く無視している。
〇二種免許は免許取得時に、一種免許より、実技ではより高度な運転技術と、筆記試験では安全確保に関しての知識を問われる。
〇さらに、免許更新時には、視力に関して一種免許より厳しい検査(深視力)がある。
〇タクシーが不足する地域では、人命軽視の輸送手段を提供してもかまわないと言っているに等しい。

#2 道路運送法第78 条第3号 「公共の福祉」の濫用
〇「道路運送法78条3号」は「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき」に自家用車による有償輸送を例外的に認める条文である。
〇「公共の福祉を確保するため」とは、災害時等のやむを得ない場合の緊急的な対応を想定したものであるはず。
〇「タクシーが不足する」ということで、半恒久的な制度を「公共の福祉」という名目で実施することは、安全確保などについて厳しい参入要件を定め「タクシー事業免許」を規定した道路運送法の趣旨にそむく。

#3 雇用契約に限らずに検討 公共交通従事者のワーキングプア化
〇日本のハイヤー・タクシーは、乗務員との雇用関係を前提として、運行管理や安全・接客に関する教育を実施してきた。
〇乗務員は、雇用関係にあることで最低賃金や割増賃金の適用、雇用保険や健康保険・厚生年金への加入、労働時間の制限の適用といった労働関係法令の適用を受ける。
〇公共交通従事者に請負契約(偽装フリーランス、ギグワーカー)の働き方を、認めれば、安全に関する管理・教育が疎かになるのは明白。
〇労働者としての権利をはく奪されることで、ドライバーの収入が低下・不安定化し、長期的にはさらなる人材不足と質の低下をまねくこととなる。
〇さらに不安定な収入と待遇で、長期的な人生設計が困難なギグワーカーへ、正規雇用を置き換えていけば、将来的に社会全体への悪影響をもたらすこともすべきだ。
〇海外においてもライドシェアのドライバーは、経費を自腹負担した上で、プラットフォーマーに50%もの手数料を搾取されるなど、ワーキングプア化が深刻な問題となっている。

#4 交通空白地に夜間など時間帯の概念 深夜に移動できない地域が「交通空白地」なのか
〇「交通空白地に夜間など時間帯の概念」を取り込むことは、実質的に全国ほぼすべての地域を交通空白地とみなすに等しい。
〇深夜時間帯においては、そもそも鉄道・バスは元々運行しておらず、公共交通において唯一の選択肢がタクシーであるが、大都市部ですら移動需要の少ない深夜に完全な供給の安定を図ることは難しい。
〇時間帯の概念を導入すれば交通空白地という定義自体が意味を失う。
〇深夜時間帯の稼働維持には、割増賃金の支給、運行管理者やオペレーターの24時間体制等の経費が必要であり、交通空白地を生まないよう、公共交通としてのタクシーが深夜の供給力を提供できるよう公助を行うことが先決ではないか。

#5 ダイナミックプライシングの導入 ダイナミックプライシングは成立しない
〇ダイナミックプライシングは供給過剰の時に安く、供給不足の時に高く、価格を設定する制度である。
〇一方で、交通空白地有償運送はバス・タクシー等の交通機関が存在しないか、需要をカバーしきれない地域で行われる制度であり、供給過剰のケースでは交通空白地有償運送をそもそも実施する必要がない。
〇しかるに原理的に供給不足の状態で行われる制度であり、ダイナミックプライシングを導入すれば常に高い運賃を取ることになる。

#6 地域公共交通会議等における協議において地方自治体の長が判断 「地域の合意」の軽視は改正地域交通法と矛盾
〇2023年4月に成立し10月に施行されたばかりの「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」には、「地域の関係者の連携と協働の促進」が最大のテーマとして明記されており、地域の関係者による協議や合意形成を軽視することは、同法とまったく矛盾している。
〇地域全体で交通を持続可能とするためには、関係者の協議と合意形成を欠かすことはできないはず。
〇一部の首長の独断と暴走により地域交通の衰退が加速することが強く懸念される。

#7 株式会社が参画 営利を目的とするなら、タクシー事業を行うべきだ
〇そもそも交通空白地有償運送は営利を目的とした輸送形態ではない。
〇仮に営利を目的として輸送サービスを提供したいのであれば、タクシー事業、バス事業に参入し輸送サービスを提供すれば済む話である。

#8 タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置付ける法律制度について、2024 年6月に向けて議論 ライドシェアありきの議論は百害あって一利なし
〇これまでも諸外国の事例等を具体的に示しながらライドシェアの危険性や、消費者への不利益、既存の公共交通に与える悪影響等を証明されている。
〇その上で、今般来年6月に向けて、つまりわずか半年間で解禁の議論を行うという方針には、開いた口がふさがらない。
〇一部の政治家やライドシェアを行いたいプラットフォーム事業者などの方を向いていることはあっても、国民や公共交通に携わるエッセンシャルワーカーに向いていないことは断言できる。
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ウーバー社が政府会議に提出した資料の印象操作を指摘する声明 ー交通の安全と労働を考える市民会議ー

2023-11-12 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!
 規制改革推進会議第1回地域産業活性化ワーキンググループにおける、Uber Japan社提出資料について、交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える― は、「表記資料を精査したところ、重大な印象操作が行なわれているので、注意喚起させていただきます。」として声明を公表した。⇒https://www.forumtsl.org/_files/ugd/000bb8_9c2d09f336fa492f8babece8044c86bc.pdf
このブログでも、その内容を共有しておく。

「規制改革推進会議第1 回地域産業活性化ワーキンググループにおける、UberJapan社提出資料について」

2023年11月10日
交通の安全と労働を考える市民会議

 ウーバージャパン社が11 月6日に開かれた規制改革推進会議第1回地域産業活性化ワーキング・グループに提出した資料である「諸外国におけるライドシェア法制と安全確保への取り組み」(以下、提出資料)を精査したところ、p17の「タクシーとライドシェアの利用者によるサービス評価比較(豪州シドニー、2019年)」に、重大な印象操作が行なわれているので、注意喚起させていただきます。
ウーバージャパン社の提出資料を見る限りでは、「利便性」、「接客サービス」など5つの項目で、タクシーよりもライドシェアの方が利用者から高い評価を得ています。タクシーの方が高い評価を得たのは、「地理に関する知識」と「運転技術」の2項目でした。


 しかし、同社が出典元とするPoint to Point Transport Independent Review 2020(Transport for NSW の発行)のp27を見ると、次のような異なるグラフが出てきます。


 まず、このTransport for NSW のグラフには、3つ目の業種として、タクシー、ライドシェアに加えて、リムジン・ハイヤー(Limo/Other Hire Vehicle Vehicle)があり、とりわけサービスの質(Quality Dimensions Dimensions)で、一番高い評価をすべての項目で得ています。全項目数も、こちらでは12項目あります。

 驚くべきは、Transport for NSWのグラフには安全性(safetysafety)という項目があり、ここでは、タクシー=31%、ライドシェア=12%、リムジン=41%という結果となっていますが、この項目はウーバージャパン社の提出資料では削除されているのです。また、そのように一部の情報を出典元から割愛したという注釈もありません。

 安全問題は、ライドシェアについて議論する上で欠くことのできない重大案件です。それは、ウーバージャパン社も十分承知していることであり、提出資料でも「サービス提供国の多くでは『安全性』が普及要因の一つ(p7)」などと強調しています。

 自社に不利な印象を与える数値のみを、意図的に隠ぺいした資料には客観的信頼性が全くなく、いやしくも政府の公認会議の資料として提出することは、言語道断です。果たして、このような情報操作はこのグラフのみに留まるものなのでしょうか。提出資料の全域にわたって、その信ぴょう性が問われても、仕方ありません。

 提出資料にはこの他にも、印象操作と思われても仕方ない情報があります。たとえばp1では、「33カ国でタクシーの配車事業を展開している」と主張していますが、その具体的な内容を記載せず、マップの色塗りという手法を取っているのです。マスコミ情報では米国の場合、2022年にニューヨーク市でこうしたサービスの提携を発表し、最近カリフォルニア州へと広まった程度に過ぎないと報道されています。

 残念ながら、21世紀の民主国家・日本では、ウソにウソを重ねても真実にはなりません。こうした体質の企業に旅客運送の責任を負わせることには、これまでも多くの懸念がありましたが、ウーバージャパン社は改めてその信頼性を自ら失墜させているのです。

 以上の点を鑑み、ウーバージャパン社に提出資料の全面撤回を、地域産業活性化ワーキング・グループにはこの提出資料の不採用を求めます。

交通の安全と労働を考える市民会議 事務局
Tel: 03-3341-3133
Fax: 03-3355-0445
Email: info@forumtsl.org
HP https://www.forumtsl.org/https://www.forumtsl.org/
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「ライドシェアの危険性を議連で共有」~タクシー政策議員連盟~

2023-11-02 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 10月27日、超党派の国会議員で組織する「タクシー政策議員連盟」は役員会と緊急総会を開き、国会議員101人(秘書を含む)、ハイタクフォーラム(私鉄ハイタク協議会・全自交労連・交通労連)や全国ハイヤー・タクシー連合会(以下、全タク連)など関係者23人、報道関係者も参加した。  総会は、森屋隆事務局長(私鉄総連組織内国会議員)の司会で始まり、新役員と新加入議員の紹介と承認を行ったのち、辻󠄀元清美議連会長(私鉄総連準組織内国会議員)が挨拶。
 辻󠄀元議連会長は、「ライドシェアの問題が出てきた。議論に臨むためにも各立場の皆さんからヒアリングし、考えを聞かせてもらいたい。思い起こせば、小泉総理の行政改革で、タクシーの規制緩和で、街にタクシーがあふれドライバーが食べていけない状況に加えて、ダンピング競争があり、業界が大混乱し、働く者にしわ寄せがいった。またもや、タクシー業界を政治が翻弄している。この議連は超党派であることから、各党での議論も始まると思う。しっかりと臨んでいただきたい。」などとあいさつ。その後、「ライドシェアをめぐる対応について」についてヒアリングを行った。


 ヒアリングでは、専門家の立場から浦田誠国際運輸労連政策部長が、プラット・フォーム事業者が運営するライドシェアについて報道などが、海外でのライドシェアやアプリによるタクシー配車、法で認められた自家用有償旅客運送などと混同している点を指摘。「ライドシェアがないのは日本だけ、というのは、解禁を求める人の誤った主張だが、OECD諸国でライドシェアが認められているのは、全体の2割程度に過ぎない」との事実を指摘。「解禁を唱える人たちは、ポストコロナでタクシーが不足しているからライドシェアを導入すればよいと主張しているが、ライドシェアで解決した国はない」「ライドシェアを過疎地に入れれば良いという主張もあるが、一知半解(物事に対する理解度が中途半端)のまま、十分な検証をせず、世論をミスリードすることは許されない」と強調した。また、「ライドシェアには相互評価制度があるため、悪い運転者は淘汰されていくという主張がある。しかし事件が起きた後のことであり、被害者がいる。米国では、34件の連続レイプ事件で逮捕されたライドシェア運転者がいた。本当に相互評価制度は機能しているのか」「仮に、ライドシェアが全て優良な運転者になったとしても、それだけでは偽運転者の強盗やレイプなどの犯罪はなくならない。ライドシェアは一般車両を使うため、見分けがつかない。米国では事件が多発し、ロサンゼルスの日本領事館は、邦人に注意喚起をしている。危険と分かっていても使ってしまう人が事件や事故に巻き込まれた場合、自己責任なのか。これでは軽井沢スキーバス事故の教訓が活かされない」と、ライドシェアが許されている国での危険性も説明した。
 さらに「導入した米国の各都市では、交通渋滞の悪化、公共交通の利用者離れなど、社会生活に不便・不都合が起きている。ライドシェアは、呼べばすぐに来るという声もあるが、要するに不公平競争が前提のサービス。車椅子に乗った人を乗車拒否する事例が多く、裁判にもなっている」「運賃は安いも過去の話。これまで赤字覚悟でタクシーより低い運賃を設定し、事業を進めてきたが、ニューヨーク市では、ここ数年の間に5割も運賃が上がっており、タクシーとあまり変わらない」「労働の観点ではライドシェアの偽装請負をめぐる裁判でプラット・フォーム事業者が負け続けている。7つの最高裁判決では全て敗訴し、下級審では、100件以上の事件が欧州で審理中である。最低賃金に満たない人が、ニューヨークでは2016年に85%だった。米国の場合、ライドシェア運転者は平均で18カ月ぐらいしか続かないという統計も出ている。一部の人たちが便利と感じているライドシェアは、フードデリバリーにも共通するが、不安定な事業であり、持続可能性がない。日本では橋本徹氏が、『ライドシェア導入はリトマス試験』と言っているが言語道断。そうしたやり方では、日本はシステムエラーを起こす」などと述べた。

 続いて、舟本浩国土交通省物流・自動車局官房審議官が「公共交通の現場は、コロナ禍により運転者が不足している。都市部でも地域や時間帯によって、インバウンド需要の急回復により、タクシーの需要に対して供給が追い付かない状況」と現状を述べ、「まずはタクシー運転者の増加が急務。観光立国推進閣僚会議で、タクシー供給力の徹底的な回復に向けた施策を至急、進めていきたい。また、どうやって地方部の足を確保していくのかも検討していきたい。その際は、安全性の確保を大前提として進めていきたい」と言及。森哲也旅客課長が「ライドシェアをめぐる動向についての国交省の見解や方針」「自家用有償旅客運送制度の概要」について説明した。
 内閣官房からは、齋藤喬内閣官房デジタル行財政改革会議事務局参事官からデジタル行財政改革についての説明を受けた。事業者の立場からは川鍋一朗全タク連会長が「ライドシェアの議論よりも先に、タクシーの規制緩和を徹底的にやってもらいたい。そうすれば、タクシー不足の解決ができる」「二種免許取得期間の短縮と多言語対応、地理試験の見直しなどを求める」「利用者の安全・安心のため、タクシーには法的な義務が課せられている。毎日、出庫時、入庫時に、なりすまし防止のために顔写真、アルコール、健康状態のチェックに加え、車の状態を点検している。さらに3カ月ごとの定期点検、1年ごとに車検をし、これが全てコストになっている。タクシー事業者は法的規制があるのに、無法なライドシェアで良いという議論は辞めてもらいたい。タクシーに頑張らせてもらいたい。」などと訴えた。


 働く者の立場からは溝上泰央ハイタクフォーラム代表幹事が「私たちが働くハイタク産業の現場では、2002年の規制緩和以降、稼働台数が大幅に増え、1時間流しても利用者を載せることができない時期もあった。労働組合はこの間、タクシー特措法や改正法を議員の皆さんにお願いし、どうすれば利用してもらえるかを考え、身を切る思いもしながら20年間が経過した。そこへ追い打ちをかけるように現れたコロナの脅威とも戦ってきた。しかし地方では、倒産・廃業が止まらず、高齢化と人員不足によって、国民の移動の権利さえ奪いかねない現状もある。タクシーが足りないとの声は聞こえている。鉄道事故や異常気象など、タクシーだけで代替輸送問題を解決できないが、それをライドシェア導入で解決できるはずがなく、長年築き上げてきた安全・安心を崩壊させる引き金になると容易に想像できる。労働のあり方も問題。公共交通に従事する者として、国民の移動を担う使命と矜持を持ち、できることは何でもやる。法律を守る事業者とそこで働く労働者が報われる取り組み、ハイタク産業が持続可能な産業として、元気を取り戻せる政策をお願いしたい」などと訴えた。
 ヒアリングの後、辻󠄀元会長は政府に提出した質問主意書を説明し、参加者と意見交換を行った。
 意見交換では、道下大樹衆議院議員(北海道1区・議連事務局次長)が「タクシー事業者や働く者が元気になり、移動の足の不足を解消していくことが必要。国会で取り組む」、落合貴之衆議院議員(東京6区)からはライドシェアに関するロビー活動の状況について、渡辺周衆議院議員(比例東海)からは「EUの司法裁判所は、ウーバーが運輸サービス会社であり、タクシーと同様の規制を適用することを認めた。日本政府も当然その立場に立っているのか」と質問。これに対して、舟本審議官は「政府の立場としては、運行管理や車両整備に責任を負う主体をおかないままに自家用車のドライバーのみが責任を負う形態を前提としている限りは、安全確保優先の保護の観点から問題があるということは一貫している」と答えた。階猛衆議院議員(岩手1区)は「海外と、日本とはまったく実情が異なる。海外で進めているから良いという議論は、日本には当てはまらない」、辻󠄀元会長は「今の話と関連して、政府の答弁は変わっていないのか。そして、付帯決議の内容も堅持していくのか。4月に国土交通省自動車局長が特区という形でもライドシェアを認めることは考えていないという答弁もあるが、大阪をはじめ、一部地域などが特区の話を上げている。特区としても答弁を堅持していくのか。また、国交省の答弁の範囲で、内閣官房はこれから議論をしようとしているのか」と質問、舟本審議官は「国土交通省としては、スタンスは変わらない。特区も同様である。」、齋藤参事官も「国交省と同様のスタンスである。」と答えた。城井崇衆議院議員(福岡10区・議連幹事)は「実質の賃上げの確保が必要であるが、ライドシェアを入れた場合には、賃上げには繋がらず、むしろ賃下げ競争になる」、篠原孝衆議院議員(比例北陸信越)からは、「環境問題を考えれば、個人の車を走らせるのではなく、公共交通機関を大事にしていくべき。」との意見があった。
 住野敏彦交運労協議長は、「公共交通全体が崩壊するということと、そこで働いている人たちの生活を考えてほしい。その議論無くして、便利だから良いとか、規制緩和とかではない。私たちは怒りを持っている。私たちは本当にこの3年間苦しんで、仕事もできず、最低の生活をしてきた。ここにきて、便利だからライドシェアと言っている。日本の、安全・安心、そして信頼できる正確な交通というものを崩したらいけない。働いている人の立場、まじめに納税している人たちを大事にして、議論をしてもらいたい」などと強調した。


 閉会では、小宮山泰子議連幹事長(衆議院議員・比例北関東)が「イメージ先行で便利になると言っているが、日本で安心して乗れるという環境を崩しかねないということは、世界の事例を見れば分かる。イメージではなく、データに基づき、ライドシェアの現実を知っていただくために、私たちはこれからも声を上げていこう。」と締めくくった。


 総会ののちの記者会見では、辻元議連会長は「ライドシェアは労働という観点、バスや鉄道、総合的な日本の交通体系を考えてもいい点はなかなか見つからなかった。事実に基づき国民の安心安全を考えたい」と述べ、海外で発生しているドライバーによる犯罪にも懸念を示した。
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ライドシェア解禁論を撃つ! 「ライドシェア導入に待った! ~解禁論の問題を斬る~」交通の安全と労働を考える市民会議

2023-10-26 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!
 交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える―は、10月24日、衆議院第一議員会館で緊急院内集会「ライドシェア導入に待った!~解禁論の問題を斬る~」を開催し、100名以上が参加(オンライン参加者も多数)した。
集会は、市民会議事務局の山口広弁護士(東京共同法律事務所)の挨拶で開会し、「 ライドシェアの現状と問題」について浦田誠国際運輸労連政策部長、「ライドシェアの労働問題」について事務局の木下徹郎弁護士(日本労働弁護団常任幹事・東京共同法律事務所)、「ライドシェアは必須か?」について市民会議代表世話人である戸崎肇桜美林大学教授(交通政策・観光政策)がそれぞれ報告。
タクシー運転手の声、利用者の声としてスピーチをいただき、参加いただいた国会議員を紹介したのち、森屋隆参議院議員と辻元清美参議院議員からライドシェア問題について発言をいただいた。
質疑応答では会場からも意見を多数いただき、最後に代表世話人である内田聖子アジア太平洋資料センター事務局長が閉会挨拶をおこない終了した。
緊急院内集会の模様は「弁護士ドットコム ニュース」さんがわかりやすくまとめてくれていますのでご参照を⇒「ライドシェアは結局、儲かる都会に流れてくる」交通環境の悪化に懸念の声 都内で反対集会(2023年10月25日 14時47分配信)


 「ライドシェアの現状と問題」について報告した浦田誠さん(国際運輸労連政策部長)の当日配布資料を抜粋して、ここで共有しておく。

<1>ライドシェア解禁論を撃つ!
❌世界でライドシェアを導入していないのは日本だけだ

 ライドシェアは、欧州連合(EU)や韓国、台湾、トルコ、イスラエルなどですでに運行されておらず、OECD 諸国ではその約8 割となる。9 月23 日のNHK 報道も、「アメリカや中国など海外では、さまざまなスタイルで普及が進んでいる」と欧州には触れず。

❌タクシー不足だからライドシェアがあればいい
日本より先に「ポストコロナ」となった欧州などもタクシー不足を経験してきたが、その解決策としてライドシェアが(再)導入された国はあるのだろうか。米国ではコロナ禍で、ライドシェア運転手もタクシー運転手も激減した。

❌運賃はタクシーより安い
 赤字覚悟でタクシーより安い運賃を設定してきたため。略奪的価格設定(predatorypricing)と呼ばれる。同時に、需要と供給の変動で運賃は何倍にも跳ね上がる。要するに、運賃ダンピングと便乗値上げを繰り返すシステム。
 しかしまた、ここ数年はコロナ禍で激減した運転手を呼び戻すため、運賃を上げ続けている。タクシーより高い場合もあることは、フジTV のPRIME も報道。ニューヨーク市では2019 年2 月から2022 年4 月の間に5000 万回のライドシェア配車を調査したところ、運賃は平均で5 割も増していた。一方、運転手の収入は31%増に留まっていた。


❌呼べばすぐに来る
 それもそのはず。例えば、米ニューヨーク市ではタクシー台数が13500 台に規制されているが、ウーバー・リフト車両は8 万台。数の上でタクシーを圧倒する不公平なやり方はタクシー産業を崩壊の危機に追いやると同時に、交通渋滞を悪化させたり、公共交通の利用者離れを起こしている。ニューヨーク市では水揚げの激減を受け、ハイタク運転手8人がわずか1年の間に自殺した(2017~18 年)。
 また、ウーバー・リフトの登場により、同市のマンハッタン地区では60 丁目以南の走行速度が15%減。サンフランシスコでも、2010~2016 年の間に交通渋滞が60%悪化しており、その半分以上は、ライドシェア車両によるものとされる。ボストンでは約1000 人を調査した結果、42%が公共交通の代わりにウーバー・リフトを使うと回答(2018 年)。
 さらに、ライドシェアについて全米8都市で約4000 人を調査したところ、①4~6 割の乗車は、徒歩、自転車、公共交通でも出来た、②バス利用が6%・通勤電車利用が3%減った、③9%が自家用車を処分、④飲酒運転は減、⑤利用者はより裕福な層が主流 などの結果が出た(2017 年)。ケンタッキー大学の研究者が米22 都市で実施した調査によれば、ライドシェアが登場した都市では、鉄道・バスの利用者が年間それぞれ1.29%・1.7%減少する。数値は累積しており、サンフランシスコではこの8 年でバス利用者が12.7%減(2019 年)。
 ウーバー・リフトとも、ライドシェアの登場によって自動車による走行マイル数(VMT)が米国で増加していることを認めている。


❌評価制度で悪質な運転手は淘汰される
 それはあくまで問題が起きた後のこと。被害者を補償すれば済ませるものなのか。米サンディエゴでは、逮捕されるまでに34 件の婦女暴行事件を繰り返したウーバー運転手に懲役80 年の実刑判決が言い渡されている。性犯罪を名乗り出る被害者は2 割程度という統計にも留意すべき。また、仮に「悪い運転手」が淘汰されたとしても、新規の運転手が同じ性犯罪などを繰り返していることは、ウーバーの安全報告からも明らか。
 さらに、仮に悪質なライドシェア運転手がすべていなくなったとしても、ニセ運転手による、強盗、誘拐、性犯罪等の目的とした犯罪はやまないのではないか。一般車両を使うので、見分けがつきにくく、サウスカロライナ州などでは乗客が殺害される事件も起きている。在ロサンゼルス領事館や在ボストン領事館の「安全の手引き」では、ニセ運転手に注意するよう邦人に呼びかけている。

❌乗りたくない人は乗らなければいい
 ウーバーは「安全報告」を2回出しているが、2017/18 年版によれば、死亡者が出た事故が一年に50 回ほどあり、このうち歩行者や自転車運転者など第三者が犠牲となった事故が31%を占めた。2019/20 年版では、この集約にバイク運転者を加えて42%と発表している。
 死亡事故数は、2019 年=59 件、2020 年=42 件。以後の統計については、ウーバーが報告書を出していないので、不明。なお、ウーバーの統計は実車中の事故のみ。
 タクシーとの不公平競争を前提とした「便利」で「安い」ライドシェアが普及すれば、その危険性を分かっていても使う人は出てくるだろう。そうした人がライドシェア車で事故にあっても「自己責任」なのか?
 また、交通渋滞の悪化は、一般ドライバーなどにも不便・不都合をもたらす。

❌訪日観光客がタクシー不足で困っている
 この点については、詳細な報道はほとんどない。ネット上でも、訪日観光客の不満等は見受けられない。菅前首相らの発言を受けても、直後の英字報道はほとんど見られなかった。
 rideshare(またはridesharing)と Japan あるいは ridehail(またはridehailing)とJapanこうした英単語を使ってネット検索して、どのような結果が出てくるか?
 むしろ、海外からのタクシー利用者は、①ドアの開閉が自動、②運転手がチップをせびらない、③忘れ物が戻る ことなどにサービスの魅力を感じているのではないか。


❌ライドシェアは過疎地で導入すると良い
 ウーバーは自ら、「郊外や過疎地で事業を広めることが課題」だと認めている。成功例もほとんどない。郊外や過疎地の運転手は概ね、稼ぐために都市部へ遠征するのが実態。平日は、車中で寝泊まりし、週末に帰宅するような事例が後を絶たない。実際、人口密度の高いボストン、シカゴ、ロス、マイアミ、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDC での配車が全体の7割を占めている(2019 年)。また、右の表のような調査結果もある(2019 年)。


❌副業としてやればいい
 「よかったのは最初だけ」という声が世界中から聞かれる。ライドシェアと共にフードデリバリーでも実態は共通している。各社は事業を開始すると、最初は運転手(配達員)を確保するため、優遇する。しかし、一方的に労働者を増やし過当競争を生み出す一方で、手数料を引き上げる。また、個人事業主扱いなので、最低賃金や年次有給休暇の保障などはない。燃料費や保険料は自己負担。こうして85%が最低賃金以下の収入しか確保できない(ニューヨーク・2018 年)状況が各国で起きているが、会社は法的には問われない。米ウーバー運転手の勤続は平均で18 カ月。なお、シンガポールでは、本業の仕事を早朝から午後5 時まで働いた後、ライドシェアの運転を午前1 時まで半年続けていた男性が運転中に心臓発作で死亡している(2017 年)。
 「自由な働き方」をアピールする各社だが、アルゴリズムを使った労務管理で、特定の時間に設定された配車(配達)回数をこなすとボーナスが出るインセンチブなどを使い、運転手(配達員)がゲーム感覚で仕事をするように仕向ける。同時に、アルゴリズムによる労務管理は容赦なく、前述の評価制度も参考にしながら、一方的に運転手(配達員)のアカウントを停止(=解雇)する。理由を求めても会社は回答しないことが多く、車や自宅を手放すものも少なからずいる。このため、アルゴリズムの情報公開を求める裁判が欧州で起きたり、アカウント停止(解雇)に公平な基準を設ける法律をつくる動きが米国で始まっている。

❌無人自動車が普及するまでの「つなぎ」で導入すればいい
 カリフォルニア州で最近、完全無人自動車による配車サービス(ロボタクシー)が始まったが、前途は多難。「つなぎ」などと言ってライドシェアを導入したら、定着してしまう<参考資料C-⑥>。

❌タクシー産業は既得権益集団だ
 カミカゼタクシーの時代から、利用者の安全確保や事業の安定に取り組んできたハイタク労使の努力を「既得権」と称するのはいかがなものか。
 むしろ、ライドシェアが急成長した米国では、規制強化や労働者保護の動きが州や市で強まると、各社はロビイストを動員して反対し、首長に「このまちから撤退する」と脅す。これこそ立派な既得権益集団の姿ではないのか。

❌ライドシェアの市場規模は10 兆円
 結論から先に言えば、ライドシェアやフードデリバリー事業は今、曲がり角に差しかかっている。ほぼ全ての企業が株式上場を果たしたが、株価は低迷しており、各社とも赤字体質から脱却できておらず、投資家は以前ほど寛大ではない。リフトでは最高経営責任者が交代し、事業の立て直しをめざしている。ウーバーが最近初めて黒字を出したのは、「運転手から取る手数料を大幅に引き上げたから」と、同社の経営分析を長年してきたHubert Holan 氏は指摘。実際、この黒字報告を受けて、株価は下落。持続可能なやり方でないと市場は冷ややかな目を向けた。同社はまだ、配当を出していない。
 だからこそ、こうしたビジネスモデルをこの期に及んでなぜ日本で広めたいのか問うべきだ。同時に、こうした世界的な傾向があるからこそ、日本から新たな商機を感じ取るものもいるのだろう。いずれにせよ、推進論者は、ライドシェアの導入に成功したら、次は教育、医療、自治体業務、公共交通などだと言っている。「雇用によらない働き方」がライドシェアの解禁を通じて広まる危険性もある。
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緊急院内集会 ライドシェア導入に待った! ~解禁論の問題を斬る~

2023-10-16 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

緊急院内集会 ライドシェア導入に待った! ~解禁論の問題を斬る~

日時:2023年10月24日(火)17:00~18:30
場所:衆議院第一議員会館 多目的ホール(ハイブリッド)
主催:交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える―Forum for Traffic Safety and Labour
申し込み⇒こちらをクリック
なお、現地参加の皆さんには、衆議院第一議員会館1階正面玄関にて、16時30分より入館証をお渡しします。

 前総理大臣の発言を契機に、タクシー乗務員の不足を理由とするライドシェア解禁論が浮上している。解禁論では、ライドシェアの必要性と利便性が強調される一方で、ライドシェア企業の採用するビジネスモデル、労働法や公正競争、担い手・利用者の安全性確保との関係での問題点の検討がなされていない。ライドシェアではタクシー不足は解消せず、かえって新たな社会問題を生み出す。ライドシェアの問題と危険について訴え、ライドシェア導入に反対すべく、集会を開催する。

発言者
●浦田誠(国際運輸労連政策部長)
●戸崎肇(桜美林大学教授)
●木下徹郎(日本労働弁護団常任幹事) ほか
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OECD加盟国の「ライドシェア禁止」状況(2023.09.21現在) OECD38か国中、30か国(78.9%)でライドシェアは禁止

2023-09-21 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 いわゆる先進国38か国中、30か国(78.9%)でライドシェアは禁止されている。(交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える―
これらの国でウーバーなどのアプリで配車される車両は自家用車ライドシェアではなく、ハイヤー(あるいはタクシー)などの許認可を受けた車両。
各国は、旅客運送事業制度に関する法令を定め、それらの法令に基づき、旅客運送事業者に対し、運行管理、資格試験、ライセンス等に関する規制を設け、法令、車両、労務健康、安全、労災その他に関する教育の実施を義務付けている。
ウーバーなどのアプリで配車される運送サービスは、すべてこれらの規制に従ったハイヤー、タクシーであり、ライドシェアではない。
EUにおける旅客運送事業・運転免許・教育制度については右を参照 ⇒ https://www.mlit.go.jp/common/001132675.pdf

禁止されている国
①日本 福岡の実証実験に国交省が即時停止命令(2015 年5月)
②イスラエル テルアビブ地裁の違法判決(2017 年11 月)
③オーストリア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
④ベルギー 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑤デンマーク 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑥フランス 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑦ドイツ 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑧ギリシャ 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑨アイルランド 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑩イタリア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑪ルクセンブルク 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑫オランダ 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑬ポルトガル 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑭スペイン 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑮スウェーデン 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑯フィンランド 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑰チェコ 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑱ハンガリー 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑲ポーランド 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
⑳スロバキア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
㉑スロベニア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
㉒エストニア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
㉓ラトビア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
㉔リトアニア 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)
㉕英国 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)2020年2月よりEU未加盟
㉖アイスランド 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)EU未加盟
㉗ノルウェー 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)EU未加盟
㉘スイス 欧州司法裁判所の判決(2017 年12 月)EU未加盟
㉙韓国 旅客自動車運輸事業法の改正(2019 年8月)
㉚トルコ 最高裁の違法判決(2023 年6月)

 したがって、ライドシェアが認められてるOECD加盟国は、㉛カナダ、㉜米国、㉝オーストラリア、㉞ニュージーランド、㉟メキシコ、㊱チリ、㊲コロンビア、㊳コスタリカの8か国だけ。

〇イスラエルではテルアビブ地裁の違法判決以降、タクシー会社と協業してきたウーバーだが、今年に入り同国を撤退。地場の配車アプリに競り負けたため。

〇欧州連合(EUEU)の最高裁にあたる欧州司法裁判所は2017年12月20日、「ウーバーは運輸業」と判決。「配車アプリを介して運転手と乗客をつなぐデジタルサービス」というウーバーの主張を退けた。原告は、バルセロナのタクシー運転手協会 Elite Taxi 。ウーバーはその3年前、アプリを提供する情報通信会社として同市に進出。タクシー営業ライセンスを申請せずに、一般ドライバーが自家用車で客を運ぶウーバーポップを始めた。同協会はこれを不公平競争だとして、バルセロナの商事裁判所に営業の差し止めを求めたが、ウーバーはタクシー業よりも規制の緩い電子商取引に関するEU 法令の適用を要求。このため裁判所は、欧州司法裁判所に判断を委ねていた。欧州司法裁判所の判決は控訴できず、欧州全域に適用される。今回の司法判断を受けたウーバーは、欧州でウーバーポップを断念。他社も含めて現在、主としてハイヤーサービスに専念している。

〇韓国で当局から事業の違法性が問われたウーバーは、トラビス・カラニックCEO(当時)が起訴されたり、厳しい罰金制裁を受けたため、進出から1年も経ずして2015年3月に同国から撤退。しかしその後、地場のカカオトークなどがライドシェア事業への進出を表明したため、タクシー労使による激しい抗議行動が展開され、旅客自動車運輸事業法の改正に至った。

〇トルコに9年前進出したウーバーは、税務登録をせずにライドシェアを広めたため、タクシー業界が「不公平競争」と強く反発。運転手協会などがイスタンブールの商業裁判所に違法事業の停止を求めた。一審は2019年10月、原告の訴えを全面的に認め同社のアプリ使用やホームページのアクセス権を差し止めた。このためウーバーは「タクシー配車に専念する」としてロビー活動を展開。控訴審は翌年末、ライドシェアを違法とした一審判決を支持する一方、差し止めを解除し、タクシー配車を認めていた。今回の最高裁判決で、ライドシェアの違法性が確定した。

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ライドシェアを世界で唯一、水際で阻止しているのが日本ならば、入ってこられたけど完全に排除した台湾のビールグラスは143cc

2023-09-05 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 世界的に見て「今さら?バカじゃないの!」な、日本でのライドシェア解禁論が、管前総理の長野での発言以降、河野太郎や小泉進次郎、河野太郎や神奈川の黒岩知事など、神奈川連合でわーわー言い出して、橋下徹・堀江貴文・竹中平蔵など、規制緩和論者であり日本をぶっ潰してきたヤツらが乗っかり、最近、この問題が湧いてきた。
ライドシェアなんて、ヨーロッパや韓国・台湾では排除されてしまって、今、存在しているのはアメリカとか、アジアの南の方や南米など、タクシーはじめ公共交通がまともに機能していない国ぐらいで、まともな国ではオワコンやねんけど…。
解禁論者たちの脳味噌は完全に2016年頃で止まっているので、それをアップデートすべきでいろいろと運動を展開していこうと具体的に確認してきた今日。
まともな国で規制や禁止された直接的な原因ではないけれど、ライドシェアというライセンスを持たない車に乗って、レイプや性的被害、強盗や空き巣(送迎したことによって家に誰もいないことが運転者にばれる)が多発していることが、アメリカなどでは、社会問題になっているとことは、ぜひ、みんなに知っておいて欲しい。
日本のタクシーではあり得ない。

 ライドシェアを世界で唯一、水際で阻止しているのが日本ならば、入ってこられたけど完全に排除したのは台湾。
あのときの、ホテルの部屋以外まったく自由時間が無かった二泊三日の弾丸出張のなかでの、そのときの思い出を書いておこう…😊

 6月末に行った台湾は台北の飲食店で気になったのが、どこのお店もとても小ぶりな同じ形のビールグラスだったこと。
通訳の何さんに尋ねると、「昔、台湾は日本だったから」、何さんは昔の話しをするとき、よくこう言ってから話し出す。
台湾は、日清戦争の結果、下関条約によって清朝から日本に割譲された1895年(明治28年)4月17日から、第二次世界大戦が終結して日本の降伏後、中華民国政府の出先機関である台湾省行政長官公署によって台湾の管轄権行使が開始される1945年(昭和20年、民国34年)10月25日まで、日本が統治(占領)されていた。
彼の言い方に、日本を非難しているようにも感じるし、日本のままでよかったと思っている風に感じることもあったが、どちらなのか確かめることはあえてしなかった。
「日本統治されていた、第二次世界大戦中の頃、食料の供給が不足していたため、公的販売機関はわざとグラスのサイズを縮小し『143cc』で生産させた」とのこと。
おそらく、グラスが大きいとぐびぐび飲んでしまうが、小さいグラスだと飲み干すたんびにまたつぎ足さなくならなくなるので、ビールの消費を遅らすことが出来るということなんだろう。
(自分がジョッキや大きなビールグラスより、小さいビールグラスの方がビールを飲むペースが遅くなるから)

 そのほか、
〇143ccはビールの鮮度を保つのに最適なサイズと言われている。
〇小さいグラスで皆がビールを分けることによって、人と人の心の距離を縮めようというメッセージが込められている。
〇台湾の瓶ビールは600ccなので143ccならちょうど4杯分。
との説などをネット上で見つけたが、真偽は定かではない。


 台湾の記念にこの143ccビールグラスが欲しいなぁと思っていたが、食事の時は仕事関係の人がいつも一緒だったので、お店の人と交渉することが出来ず残念に思っていたのだが…。
一緒に行った全自交の津田書記次長が、帰りの空港で売っているのを見つけて、わざわざ俺のために買ってきてくれていた❗
たま~にこのグラスで🍺呑んで、台湾のことを思い出そうっと。
そして、絶対に日本にはライドシェアは入れないぞ❗

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ライドシェアってまともな国では禁止・規制されているのになんでいまさら?ライドシェア推進派の脳味噌って2016年頃で止まってるやんか😢

2023-09-01 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 「菅前首相、ライドシェア解禁に意欲」って発言があって、急に、今さらながら「ライドシェア解禁」が話題になっているが…。
すでに世界中のまともな国ではライドシェアって禁止・規制されていて、なんで今さらそんなものを日本に導入しろなんて言ってんのか意味が分からん。
「タクシーが足りない」、だからライドシェアってロジックって、例えば医者が足りないから医大生に手術や診察をさせろと、弁護士が足らんから自分のような社労士や、司法書士・行政処理など法律に関係する弁護士資格がない士業に、専門外の裁判や法律行為で弁護をさせろとかというのと同じだと思うが…。
責任が取れないのよ。
ウーバーイーツみたいなフードデリバリーでは運ぶものが食品とかなんだが、ライドシェアの場合は運ぶものが「人の命」なんだが…。
しかも、今、「ライドシェアだーっ❕」って言っている菅義偉前首相・河野太郎・橋下徹・ホリエモン、そして日本をぶっ潰した張本人の竹中平蔵の頭の中って、どうも2016年ごろで停止しているようで…。

 全自交労連が2023​年8月16~24日にツイッターで「ライドシェアのここが駄目①~⑦」ってのを投稿しているので、ここで紹介しておく。

①「危ない」
②「低所得化の負のスパイラル」
③「ブラックボックス」
④「安定しない供給」
⑤「安定しない価格」
⑥「運営会社に遵法意識がない」
⑦「得をするのは誰か」


①「危ない」
 【1】輸送回数 日本タク=約5.6億回 米ライドシェア企業=約6.5億回【2】交通事故死者数 日本タク16人 米ライドシェア企業42人【3】身体的暴行による死者数 日本タク0人、米ライドシェア11人【4】性的暴行件数 日本タク19件、米ライドシェア998件!
日本のタクシーとアメリカの主要ライドシェア企業との比較(2020年のデータ)。これは国会で政府が答弁したデータです。
ソース:第211回通常国会 衆議院国土交通委員会 2023年3月22日


 よく「ライドシェアは相互評価だからタクシーより安心」っていう人がいますが、事実ではありません。アメリカのテレビでは「ライドシェアに乗ってトラブルに会った人は是非、わが社に」という法律事務所のCMがたくさん流れているそうです。ドライバーの身元照会がずさんなためです。
公共交通を担うプロの職業ドライバーと、バイト感覚の素人ドライバーでは技術も心構えも背負う責任の重さも違います。今度触れますが、その相互評価のアルゴリズムもブラックボックスで全く透明性がないんです。
そして、日本のタクシーには世界のタクシーの中でも、トップレベルの安全性と品質がありますが、それは会社にドライバーの体調を含めた運行管理、車両管理、保険加入などが法律で厳格に義務付けられているから。ライドシェアに同じことはできません。
いま日本でコロナの影響が薄れ、インバウンドが急増し「タクシーがつかまりにくい」という利用者の声が高まっていることは、タクシー業界の労使として真摯に受け止めて対応しなければなりません。でもその解決策はライドシェア解禁じゃない。
タクシードライバーの低賃金を改善し、公共交通を支える労働の価値に相応しいだけの賃金を確保することこそ最優先。そしてタクシーを進化させていくことが必要です。浅い考えでライドシェアを導入すれば、どんな弊害が起きるのか、投稿していきたいと思います。
全自交ツイッター 2023.08.16


②「低所得化の負のスパイラル」
 ライドシェア運転者は、個人事業主で社会保険も最低賃金も関係なし▽ガソリン代も保険も運転者の自腹▽海外の実例で、10年前は手数料20%⇒最近では売り上げの50~60%が手数料として引かれる。
こんな条件で働かされるのもイヤだし、こんな条件で働いてる人に命を預けるのもイヤでしょ。プラットフォーマーが手数料を上げてきても、労使交渉もできないんですよ。「個人事業主で労働者じゃないから」って。
どの国も最初だけはライドシェアドライバーの収入は良いんです。でもすぐに搾取されるだけの存在になります。例えば、2014年ニューヨークでタクシーからウーバードライバーに転身した人はこう語りました。
最初の1年は週に1500~2000ドル稼げたが、2年目からウーバー側の運賃値下げや手数料値上げ、ドライバーの増加によって収入が激減。2年間で最終的に運賃は35%引き下げられた。またウーバーは売上税をドライバーに払う金から違法に控除していた。
インドでは2015年の収入が2018年には4分の1になりました。日本のUberEatsも同じでしたよね
アメリカには約90万人のウーバーのドライバーがいるそうですが、毎月5万人ほどが入れ替わるそうです。それだけ定着率が低い。ちなみに日本のタクシー乗務員の平均勤続年数は10.8年。全自交組合員に限れば12.8年になります。
そもそも既得権益なんて攻撃されるけど、日本のタクシー乗務員の収入は低すぎるんです。年収は全産業平均と比べて135万円低く、男性の全産業平均と比べれば191万円安い。これのどこが既得権益なのか。
この現状でライドシェアが解禁されたらどうなるか。タクシーの運転者の賃金もライドシェアの運転者の賃金もドンドン下がる。時間当たりの収入が下がれば、働く時間を長くするしかありません。低賃金・過労・睡眠不足で運転する人の車にあなたは命を預けることができますか。


 実際に、ライドシェアの導入により、生活苦となって自殺したタクシードライバーはニューヨークで8人、台湾で12人、オーストラリアで4人、世界中で相次いでいます。人の移動する権利を守るタクシードライバーの仕事の価値はそんなに安いものなのでしょうか。
世界中でタクシーの台数と運賃には国の規制がかかっています。無制限に台数を増やし、市場原理だけの価格競争を導入すれば、過当競争を招いて、運転者の健康や利用者の命、交通の安全が損なわれることがわかっているからです。ライドシェアで車を増やせばいいというのは短絡的すぎます。
全自交ツイッター 2023.08.17


③「ブラックボックス」
 ライドシェアの問題点の一つに透明性のなさがあります。UberやLyftなどのプラットフォーマーは運賃や報酬を決めるアルゴリズムをブラックボックスにしており、公平性・透明性が担保されません。
また、同じ時間に同じ出発地から同じ目的地まで利用しても、よく使う客と初めての客で運賃が違う(初めての客に安くする)ことも。天気や需要で運賃を変動させるだけでなく、個人情報まで紐づけて運賃を決めるダイナミックプライシングを行っているようですが、詳細は非公開。
乗客に示した運賃とドライバーに示した運賃が違うこともあるそうです。イギリスでは、運賃や報酬の不透明性・不正を検証するため、ドライバーがスマホを2台使って、利用者側に提示された運賃を調べると、それが「不正行為」としてアカウント停止になった事例があります。
ひげを剃っただけで顔認証ができず一方的にアカウント停止された事例が報告されています。抗議しても門前払いです。一方的なアカウント停止=解雇です。こんなに簡単に解雇することが許されていいのでしょうか。
今年カリフォルニア州のライドシェアドライバー810人に行われたアンケートでは、①8割が専業ドライバー②3分の2の人が、一時的または永久のアカウント停止を経験③アカ停されたケースの3割で「理由が示されなかった」④アカ停された人の内、18%が商売道具のマイカーを手放し、12%は自宅も失った。
「ライドシェアが解禁されたら俺も働く」という人もいますが、運営側がどれだけ理不尽なことをしてくるのか。そのことを知らないとしか思えません。
ドライバー管理もアルゴリズムで行われます。本来好きな時間に好きなだけ働けるはずなのに、インセンティブ(何時間以内に何件仕事したら報酬アップ等)を駆使して、ドライバーをあおります。
ゲーム感覚で仕事をするドライバーは安全よりもノルマ達成を優先に。これって、日本のUberEatsでも「クエスト」って言って問題になりましたよね。自転車でも一部の乱暴運転が問題になってるのに、それを車でされたらって想像するだけで怖くないですか。
ちなみに日本のタクシーの場合は売り上げが上げるほど歩合率が高まる「累進歩合」という賃金体系は厚生労働省から禁止されています。
全自交ツイッター 2023.08.18


④「安定しない供給」
 日本のライドシェア推進派は「過疎地でライドシェア」なんて言いますが、おとぎ話です。今回は供給と価格の面でライドシェアの駄目なところを見ていきましょう。
まずは供給の面。日本の人口減少と高齢化は本当に深刻です。地方のタクシー会社は需要がなく、利益を出せない構造になっています。そこにライドシェアを導入すれば問題は解決するのでしょうか。いいえもっと悪化します。
お客さんがいない場所では、ライドシェアも機能しません。「副業で空いた時間に」なんてことを言う人もいますが、儲からない場所で待機なんてしません。需要のある場所と時間を選んで仕事をします。仮にボランティア精神でがんばってくれる人がいても、それって長続きしますか?
一方でタクシー会社は需要の少ない地域や時間でも、なんとか供給を維持しようと努力しています。深夜でも例え 1 台でも車を動かして無線がつながるように。それが公共交通の使命です。でもライドシェアが解禁されて美味しい仕事だけをつまんでいったら、会社はもちません。
またタクシーは採算の取れない地域でも自治体と協力しながらデマンドや乗合のタクシーを運行するなど、工夫して地域の足を守る努力もしています。同じことがライドシェアにできますか?
タクシーがなければ、市役所はどこに交通空白地対策の話をもっていけばいいのですか?仮にプラットフォーマーが市役所の提案する話に乗ってきても、ドライバーに指示することはできません。個人事業主で、雇用関係がないわけですから。
また今のタクシードライバーの多くは障害者や高齢者の送迎について研修を受けていますが、ライドシェアドライバーに同じことを求められますか?雇用されてないのに。
過疎地の交通を維持するために、魔法のような手段はありません。移動手段の確保は「交通税」といった目的税の創設も含め、国や自治体で考えなくてはなりません。こんなこと言うと「増税反対!」って言われますね。
でも、地域から交通手段がなくなれば、住民が減って地価は下がり、自治体全体の税収が低下していくジリ貧状態になります。総合的に考える必要があります。
全自交ツイッター 2023.08.21


⑤「安定しない価格」
 価格の安定性の問題を指摘したいと思います。ライドシェアが導入されたら、最初の内は「安い!」となるでしょう。投資マネーなどで潤ってますから、最初は損を覚悟の低い料金でタクシーの需要を奪いにきます。でもその後は?
ライドシェアのダイナミックプライシングは、時と場所によってはメチャクチャ高い料金を請してきます。「こんなに高いなら、タクシーの方がよかった。朝でも夕方でも雨の日も同じ運賃で乗れたのに」と思っても、もう手遅れ。もうタクシー会社は潰れてしまって存在しません。
海外では、テロや災害が起きて、急いで逃げたい人が殺到した時に、むちゃくちゃ値段が上がった事例もあります。ドライバーが共謀し値段を吊り上げるためにあえてアプリを一斉に切って、アルゴリズムに車が足りないと判断させて値段を上げるなんて事例もあります。
また以前にも書きましたが、よく使う利用者と初めての利用者で値段が違うなんてこともあるようです。でも詳しい仕組みはブラックボックス。価格に関して安定性も透明性も望めません。
全自交ツイッター 2023.08.22


⑥「運営会社に遵法意識がない」
 Uber創業者のトラビス・カラニックの発言「法律は後からついてくる」。違法だとわかっていてもまずはサービスを始め、裁判で争っている間に、既成事実をつくるのが元々のUberのビジネスモデルでした。
カラニック時代のUberは警察の捜査をあざむくソフトや利用者の個人情報を盗むソフトを開発して使用したり、他社の情報を盗むためのチームを社内につくったり、セクハラがまん延したり、人種差別を放置するという悪質な企業風土を持っていました。
カラニックは2017年に経営から引いていますが、その後も別のルール違反が明らかになっています。
最近は個人事業主と言っても労働者に対する権利が適用されるという判例が世界各地で相次いでいますが、Uberは負けるとわかっていても、裁判を最後まで引っ張り、負けた後もルールを守らないのです。
イギリスではドライバーへの最低賃金の支払いを命じる最高裁判決が出ましたが、判決後も運転中しか最低賃金を払わず、待機中は未払いというルール違反を続けています。
ちなみにヨーロッパでは、厳密に言うともうライドシェアは認められていません。欧州司法裁判所が2017年12月「ウーバーはマッチングサービスではなく運輸業」という判決を出したからです。
判決は欧州全域に適用されるので、いまヨーロッパで営業中のUberは、ハイヤー配車サービスでライドシェアではないのです。台湾でも韓国でも一旦上陸した後に撤退しました。世界的にもライドシェアってけっこう「オワコン」なんですね。
世界的な税金逃れの問題もあります。2019年、Uberは世界で58億ドルの営業利益を上げたが、50社以上のトンネル会社を使って46億ドルの営業損失に転換する操作を行ったと報道されました。
バミューダ諸島などのタックスヘイブンも活用し、各国政府に対する税金の支払いをとことん回避する手法です。ライドシェアが仕事をする場所は道路ですが、道路を造り維持する原資は税金です。まともに税金も払わず利益だけをかすめ取る企業をのさばらせていいのでしょうか。
全自交ツイッター 2023.08.23


⑦「得をするのは誰か」
 ずっとシリーズで投稿してきましたが、これが最終回。ライドシェアで働く者も利用者も得なんてしないと伝えてきました。では誰が得をするのか。
ライドシェア導入で得をするのは、運営するプラットフォーマーと、そこに出資している会社です。いま日本でライドシェア推進を掲げている人。代表格の一人が橋下徹さんですね。その主張が掲載された新書のブランド「SB新書」って言います。ソフトバンク系列です。
そういえば、Zホールディングスの川邊健太郎会長。この人もすごいライドシェア言いまくってます。国の会議でも提案しました。で、Zホールディングスもソフトバンクのグループですね。みんな「国民のために」とか言いますね。本当ですかー?なんか気持ち悪く思いませんか。
2016年3月、楽天の三木谷さんは、アメリカのライドシェア「Lyft」に3億ドルを出資し、その翌月に、「新経済連盟」の会長として、政府にライドシェア解禁を要求しました。今起きているのは同じことでは。
ソフトバンクビジョンファンドが東南アジアのライドシェア「grab」やインドの「Ola」など、複数のライドシェアの企業に投資をしているのは周知の事実。詳しく知りたい方は「孫正義の無謀な投資がもたらすもの」で検索してみてください。詳細なレポートがあります。
私たち、ハイヤー・タクシー産業で働く労働者が、ライドシェア阻止を訴えるのは、生活を守り、乗客の命と安全を守り、地域の移動の足を守るためです。いまや菅前首相まで、解禁論を主張し、非常に危うい状況に突入しました。志ある皆さん一緒に闘っていきましょう。
全自交ツイッター 2023.08.24

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「ライドシェア解禁論を、いま、改めて考える集会~地域公共交通はこう担う~」をたましんRISURUホール(立川市市民会館)にて開催②

2023-08-07 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!
 交通の安全と労働を考える市民会議~ライドシェアを考える~は、2023年7月31日、「ライドシェア解禁論を、いま、改めて考える集会~地域公共交通はこう担う~」と題して、たましんRISURUホール(立川市市民会館)にて、多摩地区においては6年ぶりにシンポジウムを開催した。
①からの続き


管俊治(弁護士・日本労働弁護団常任幹事)「自由な働き方?~日本においてギグエコノミー・フリーランスで働く者の抱える課題」

ライドシェア解禁論がなぜ始まったのか、なぜ食い止めることが出来ているのか振り返りたい。
ライドシェアのビジネスモデルとは、公共交通を自由市場にし、ダンピングしてシェアを取りに行くというもの。
労働法を適用しないことでコストを抑制し利益を上げるビジネスモデルであるが、そのためにライドシェア事業者は業法(業種ごとの基本的な事業要件を定める法律。)を突破しないといけない。
しかしライドシェアは、日本ではその業法によって阻止できていることが特徴である。
2015年のウーバーの福岡での実証実験では国交省がいち早く業法違反として止め、業界や労働組合が反対運動を展開しロビー活動も功を奏し、行政や政府を巻き込んで、ライドシェアを阻止することが出来ている。
これは諸外国からしても優れたシステムで、私たちが誇ってもいい。
しかしこの成功に安穏としていてはいけない状況もある。
業法に頼っていると別の部分で弱点もある。
特に日本の場合、労働者性の問題に十分にチャレンジしていない、解決していない。
諸外国では、フードデリバリーなど、労働者性の問題について、この数年間に解決している。(労働者性を認めることについて判決を勝ち取っているし立法化も進んでいる)
また日本では、配車アプリ事業者がタクシー事業者の運賃収入を吸い取るシステムが広がっていることにも注意が必要。
そしてアルゴリズムの管理についての規制も、日本は遅れている。
指導や教育などもアプリに移管している、ウェアラブルカメラなどを使って収集した個人情報プロファイルをアルゴリズムと連携し人事考課や雇用管理する。
海外では、個人情報は目的外で使ってはいけない、アルゴリズムは労働条件に影響を与えるのだから情報を開示しろと、個人情報保護法と団体交渉権を使って闘いを始めている。
これはタクシーだけではなくすべての労働者の問題、日本だけでなく世界の問題、運動を広げていく必要がある。

「三多摩地域におけるラストワンマイルの課題」
大和田寛(東京交運労協三多摩ブロック協議会幹事)
神田康裕(東京ハイヤータクシー協会三多摩支部長)


住野敏彦(全国交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)議長)「ラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会について」

ライドシェアについてはもちろん反対ではあるが、ライドシェアがなくてもタクシーはじめ公共交通でいかに持続可能な交通を確保していくのかが重要である。
国交省の委員会や検討会で、わたしは働く者を代表する立場で参加し意見を言っている。
国鉄の民営化以降、すべての交通モードが規制緩和されてきたが、一番の問題は需給調整規制の撤廃から、運賃を上げていけない状況になり、少子高齢化での利用者減も相まって、成長できない産業になっていること。
JRの廃線や交通事業者の廃業もあり、また運転者不足によってバス・タクシーを動かせず、地方・観光地では移動の足が確保できない現状があって、またぞろライドシェアを解禁してはどうかという声が上がってきた。
どういった形で交通を復活していくか、どう持続可能なものとしていくのか、という問題意識で、検討会で議論してきた。

ラストワンマイル・モビリティを守るための検討の理念は5つ。
・地域住民が行きたいときに行きたい場所へ自由に移動できる環境を整備する必要。
・担い手不足が深刻化し、交通サービスが提供されておらず、供給力の回復・強化による地域ニーズに即した交通サービスの確保が急務。
・賃上げにつながる運賃改定や、快適な職場環境の整備により採用力を向上させ、制度の見直しや運用の弾力化により地域住民が交通サービスの選択肢を吟味・選択できる環境を整備。
・交通分野におけるDX/GXは交通サービスの生産性・効率性・利便性の向上を可能としており、これらを駆使して供給力の強化を図ることが重要。
・地域公共交通活性化再生法(地域交通法)に基づく関係者における連携・協働を通じて、持続的で利便性の高い交通サービスにリ・デザインしていく。

基本的な考え方として3つ
〇地域公共交通のあり方
・地域が主体性をもってデザインしていくことが重要。
・地域公共交通会議等において、サービスのあり方について議論を重ねていくことが重要(ラストワンマイル・モビリティについては特に実質的な議論や積極的な取組が必要)。
・交通事業者(緑ナンバー)による持続的で利便性の高い交通サービスを第一に検討・模索するとともに、交通事業者は旅客運送のプロとして、その実現に協力することが重要。不十分な場合には、自家用有償旅客運送も組み合わせることができる。
〇交通不便地域における公共交通サービスの維持・確保
・社会インフラであり、「地域の財産」として位置付け、最大限活用することが重要。
・担い手不足が深刻化するとともに、移動ニーズが小口化・多様化しており、これらに対応できる持続可能で利便性の高いサービス形態が求められる。
・タクシー及び乗合タクシーについて、「供給力の強化」や「地域実情に即した多様なサービスの提供」を実現するための制度の見直しや運用の弾力化により、地域公共交通会議等において様々な交通サービスの選択肢を吟味・選択できる環境を整備することが必要。
〇自家用有償旅客運送制度の活用
・自家用有償旅客運送は、バス・タクシーを補完する交通手段であり、交通事業者が深刻な担い手不足に陥る中、地方公共団体や住民が主体となって、交通サービスを供給する手段として活用されている。
・他方、非営利の取組であるため、持続可能性を向上させるための基盤の強化が必要。また、サービスの円滑な導入のための方策を講じることが必要。

そして12の改善策が出てきた。
(1)タクシー事業者の供給力の強化のための制度・運用の改善
【施策①】 営業所ごとのタクシー車両の最低車両台数の緩和
【施策②】 営業所等の施設設置要件の緩和
【施策③】 運行管理のDX の推進
【施策④】 地方部にU ターン等した個人タクシー事業の経験者の活用
(2)多様なサービスの提供の検討を可能とする制度・運用の改善
【施策⑤】 タクシー事業者による乗合タクシー展開にあたっての法令試験免除
【施策⑥】タクシーと乗合タクシーの事業用車両の併用の柔軟化
【施策⑦】 乗合タクシー事業における補完的な自家用車の活用
(3)自家用有償旅客運送の円滑な導入や持続可能性の向上のための制度・運用の改善
【施策⑧】 事業者協力型自家用有償旅客運送の活用促進
【施策⑨】 「交通空白地」に係る目安の設定及び「地域交通の把握に関するマニュアル」の活用促進
【施策⑩】「地域交通の検討プロセスガイドライン」の活用促進
【施策⑪】 自家用有償旅客運送に係る「運送の対価」の目安の適正化
【施策⑫】 自家用有償旅客運送に係る更新登録手続の簡素化

いくら制度改正してもそこで働く人がいなければどうしようもない。
ほとんど事業者が努力をして交通を維持してきたが、文教費や社会制度費も使って支え行く必要もあるのではないか。
税を使って地域の交通を支えていくというものにしていくのが本来の公共交通のあり方ではないかと思っている。

山口広弁護士
雇用社会は社会の安定の基盤であるはずながら雇用の基盤を壊すのは、社会基盤を壊す。
二種免許が安全の基盤でありながら、それを壊すと利用者や市民の安全の基盤を壊す。
私たちはこれらの二つの重要な基盤への、ライドシェアがもたらす弊害について、運動を展開していく。


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「ライドシェア解禁論を、いま、改めて考える集会~地域公共交通はこう担う~」をたましんRISURUホール(立川市市民会館)にて開催①

2023-08-01 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 交通の安全と労働を考える市民会議~ライドシェアを考える~は、2023年7月31日、「ライドシェア解禁論を、いま、改めて考える集会~地域公共交通はこう担う~」と題して、たましんRISURUホール(立川市市民会館)にて、多摩地区においては6年ぶりにシンポジウムを開催した。

 開会にあたり、事務局である木下徹郎弁護士は、
「市民会議は2016年8月に立ち上げて以来、ライドシェアに反対し、市民の交通の安全を脅かす問題について検討し、警鐘を鳴らす運動を展開してきた。
市民運動、国交省の立場、海外の情勢の変化などがあって、日本では未だ、ライドシェアの導入を阻止することが出来ている。
立川では、以前にもシンポを開催してきた。
ここしばらくは、ライドシェアの日本上陸の動きは衰えたとも思われてきたが、今更になって解禁論の主張が出てきている。
市民会議でも、ここ2年ほど、ウーバーの租税回避やロビイングの問題などの周辺問題にスポットを当ててきたが、今回は初心に立ち返り、ライドシェアはどういう問題をはらんでいるのか、どうやって地域の公共交通を守っていくのか、論議をしたい。
本日の集会を契機に、皆様の知識をアップデートしてもらいたい。」
と、述べたのち、①「ライドシェアをめぐる海外の事情と日本の課題」浦田誠(国際運輸労連政策部長)、②「自由な働き方?~日本においてギグエコノミー・フリーランスで働く者の抱える課題」菅俊治(弁護士・日本労働弁護団常任幹事)、③「三多摩地域におけるラストワンマイルの課題」大和田實(東京交運労協三多摩ブロック協議会幹事)、神田康裕(一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会三多摩支部支部長)、④「ラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会について」住野俊彦 全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)議長、について、それぞれから報告を受けた。


浦田誠(国際運輸労連政策部長)「ライドシェアをめぐる海外の事情と日本の課題」

今日のシンポジウムの趣旨に沿って、改めて、ライドシェアは公共交通を担うには適正でないということ、ライドシェアとはいったいなになのか、皆さんと考えていきたい。
配車アプリとライドシェアはどう違うのか、配車アプリもウーバーなどのライドシェアのアプリも、①スマートフォンの普及、②GPSの民間開放(2000年)、③ビッグデータから有益情報を抽出するデータマイニングの技術、この3つの技術を組合わせたという点では、変わりはない。
最近ではまた、アルゴリズムを活用しているという点でも共通している。

ディスラプター(破壊者)とは、「デジタルテクノロジーを駆使して既存事業を破壊し、乗っ取り、急成長するもの」のことだが、ライドシェアはまさにこのディスラプターとして登場した。
ベンチャー企業から巨額の投資を受け、タクシー事業をカルテルと敵対視し、「マッチングサービス」と事業を正当化し、公然と法律を無視して営業し、運賃ダンピングと便乗値上げを繰り返し、ロビー活動を通じて、政治家や役人を取り組みながら「法律は後から付いてくればよい。」などと公然と発言してきた。
宮里邦夫弁護士(故人・市民会議代表世話人の一人)は「究極の規制緩和」だと警鐘されていた。
このような「究極の規制緩和」は、最初であって最後にしなければならない。

ライドシェア事業者の2つ目の特徴は、「コスト削減の追求」だ。
運転手は個人事業主で、最低賃金、年次有給休暇、社会保険や労働保険はない。燃料費や障害保険も自己負担。
事業者はまた、一方的に手数料を引き上げる、報酬計算をごまかす、労使関係を極力避けるなどしてきた。
ウーバーの場合、50を超えるトンネル会社を使い営業利益を営業損益に変えて租税回避している。
鉄道・バス・タクシーの公共交通事業者は、真面目に税金を支払っているのであり、このような租税回避をする会社が登場すると不公平競争を強いられることになる。
こうしたコスト抑制を続けても経営は各社とも赤字、ウーバー、リフトともに、ここ数年で社員の3割を削減している。

3つ目の特徴は、ライドシェア事業者が徹底して規制に背くということ。
主な事例として、①旅客輸送サービスではないと強弁、違反命令を無視し、運転者への罰金刑を肩代わりする。②労働者性を巡る裁判では、各国で最高裁判決まで争い、負けても命令を全面遵守しない。③ギグ労働者を保護する法律には反対するし守らない  などが挙げられる。
しかし労働者側も負けていない、各国で勝っている。
★タクシー規制を強化したデンマークから撤退
★欧州では、「ウーバーは運輸業」という欧州司法裁判所の判決
★韓国や 台湾は、徹底した罰金制裁 など でウーバーを駆逐
★NY市 では、 台車規制や最低賃金の保障 を確立
★フランス、英国、スイスでは、「ウーバー運転手は労働者」という最高裁判決

特に、欧州司法裁判の判決の結果、欧州ではライドシェアとしてはやっていけずハイヤーの配車サービスのみとなっている。
デンマークでは、反対するだけでは既得権益を守りたい労働組合の主張と思われるという問題意識があり、ユーモアを交えたキャンペーンを展開し、世論を味方につけて行った。
例えば、フェスティバルでUBEER(Uber+beer)という架空のビールブランドをつくり、6000本無料配布したところ、他の業者が不公平競争と怒り、警察を呼んだので、逆らわずもライドシェアもタクシー運転手には不公平競争ですとやりとりし、これを動画に載せた。
また、有名コメディアンを起用して、ウーバーのような租税回避の会社が増えると福祉国家という国の礎が崩壊するとアピールした。
これで、反対が17-70%に伸び、こうなると国会議員も味方に付く。



4つ目の特徴は、アルゴリズムを使った労務管理。
ライドシェアやフードデリバリーは、好きな時間に自由に働けるのが魅力であるはずが、インセンチブで労働をゲーム化させ、仕事に縛りつけている。
このためインセンチブを達成するために先を急いだりして、事故多発。
オーストラリアではこの6年間に食事配達員が12人も交通事故死している。
アルゴリズムはまた、運賃や手数料を一方的に変更するために使われている(天候や繁閑だけでなく、利用者個別による運賃の導入)
そして、最も大きな問題は一方的なアカウント停止だ(解雇問題)
カリフォルニアのあるアンケート調査では、運転手の3人に2人が一時的ないし永久アカウント停止を経験していて、3割は理由を明示されなかった。
結果、18%が自家用車を失い、12%がマイホームを失った。
こうした事例は世界各国にあり、欧州では情報開示を請求する訴訟やアルゴリズム差別を罰する裁判が進行中。
米国では多くの州で、解雇のルールづくりを法制化する動きが出ているが、各社ともこれに反対している。

では、こうしたライドシェアが台頭し、どのような結果をもたらしたか。
アメリカのタクシー産業は崩壊寸前まで行った。運転手の収入は激減し、離職が相次ぎ、メダリオンの価格は暴落し、NYでは8人の運転者が自殺している。
台湾(12人)、オーストラリア(4人)という報告もある。
また、身元のはっきりしない素人運転手が乗客を運ぶため、乗客へのレイプや殺人事件が多発しており、ライドシェアに乗る場合は家族や友人に乗車位置やライドシェア利用を知らせた方が良いとキャンペーンしている都市もあるし、弁護士がライドシェアでの問題を受任しますよという広告がテレビで多数見られる。
ぼったくりや乗車拒否も多い。
ウーバーとリフトは、多数の中の少数だから良いではないかという態度、そもそもあってはいけない。
安全文化を築き上げるという意識が欠如している。
ライドシェア運転手自身の困窮と受難も世界各国から報告されている。
「良かったのは最初だけ」であり、かつては20%だった手数料が50~60%に跳ね上がった事例もある。
最近の傾向としては、運転手(や配達員)自身が仕事中に殺されるケースが急増しているということ。
2017年に4件だった被害件数は、昨年31件となった。
同じ時期には、350件のカージャック事件も起きている。
一方的なアカウント停止も含めて、こうした理由から運転手が定着しない仕事となっている。
今日、米国でウーバー運転手は90万人いるが、毎月5万人が入れ替わっている。
単純計算で、18か月で総入れ替えということだ。反面、日本のタクシー運転手の平均勤続年数は11年を少し切るくらい。
比べものにならないのだ。
一方で、公共交通の利用者減(タクシーだけではなく地下鉄やバスも)に繋がってしまう。

ウーバーは、不祥事のデパートと報道したのは、日経新聞(2017年12月30日)。会社のトップが、「法律は後から付いてくればいい」と放言すると、その下で働く社員がどんなことをするか、想像するのは容易だ。
●警察の捜査をあざむくソフトや利用者の個人情報を盗むソフトを開発・使用。
●他社の情報を盗む諜報チームを社内に設置。
●顧客・運転手570万人のデータハッキングを隠蔽し、ハッカーに口止め料を払う。
●社内でセクハラが蔓延し、20人以上が解雇。処分されたある幹部は、「他者の気持ちを理解し、周囲と同調するための感受性訓練を受ける」よう指導される。
●人種差別に関する社内の苦情を意図的に無視。
●複数の社員がコカインパーティーを開く。


こうした事件が次々と明るみになり、当時のCEOは引責辞任し、後任者もさすがにこうしたことは改めると言った。
しかし不思議なことに橋下徹氏は、今になって、この頃のウーバーを称賛している、これでは、褒め殺しである。

ではこのライドシェア、最近はどんな特徴があるのか。
当初はウーバーの一強で独走していた、しかしリフト、ディディ、グラブなどの参入で戦国時代になり、現在は棲み分けが定着している。
また、ライドシェアからフードデリバリー、そしてスーパーアプリ(プラットフォームとしてタクシー・もの・金融サービス・公共料金などの利用)へと事業のあり方が変わってきている。
一見便利に見えるのだが、生活の隅々まで情報が持って行かれるから気をつけなければならないとも言える。
ソフトバンクグループがこうした企業に多く投資している点も見逃せない。
私たちは、ライドシャアをなにか外国から来た黒船のようにとらえがちだが、その財源を日本の大手企業が支えているのである。
同時に、日本発の新事業mobiはすでにシンガポールとマレーシアでサービスを始めるなど、世界に広がりつつあり注視が必要。
最後に、コロナ禍でライドシェアは運転手も利用者も激減し、今ようやく回復傾向にあるが、こうした理由からウーバーは各国でタクシー事業者と協業を始めている。
では日本はどうなるか。
ウーバーとGOが、今後どのように日本で展開していくのか、こちらも注視が必要。

最後に、日本で最近ライドシェア解禁論が申し合わせたように出てきているので、これを検証する。
橋下徹らが主張する解禁論。
橋下徹(2023 年 3 月、「日本再起動」など)
① 先進国で導入されていないのは日本くらいです。
⇒欧州ではライドシェアは現在なし。
② お客とドライバーが相互に評価し合い、アプリにそれが表示される仕組みになっていて、 悪い評価のドライバーは選ばれなくなり、悪い評価のお客は乗車拒否に遭う。⇒乗客の評価による悪い運転手の 淘汰は問題が起きた後のこと。
③ 料金は明朗で、ドライバーのサービスは好評だし、お客が事件を起こすことも少ない。⇒料金問題あり。レイプ事件は、ウーバー=2017ー18年に米国で 5,981件の性的暴行事件。リフト=2017ー19年に 4,158件の性的暴行事件。
④ 台数制限をかけられているわけではないので、乗車可能な車両が街中に数多く走っています 。
★思考が2017年くらいで止まっている。
勉強不足で一知半解。
ライドシェアを郊外や過疎地で導入すればよいと言っている川邊健太郎氏なども、ウーバーがそれが課題なのだと認めていることをご存じないのか。

一方、日本には日本独自のライドシャアを作るべきだと主張するものも増えている。
こうした主張にどう反論していくか。
ウーバーのCEOは、ニューヨークタイムス紙のインタビューで、「お子さんがライドシェア運転手をやると言ったらどうする」と聞かれ、「最初のうちはそれでもいいが、いずれは手に職をつけてほしい」と答えた。
要するに、一生の仕事ではないことを認めているのだ。
そういうことを理解した上で、日本型ライドシェアの導入と言っているのか?

いずれにせよ、彼ら解禁論者は、国交省やタクシー業界を追求するが、労働組合に矛先を持って行くことがないのはなぜか。
このことも考える必要がある。

《②に続く》

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こないだ行った台湾出張が現地の新聞に取り上げられた❗「台灣交通政策輸出日本 日本運輸業勞團訪台取經」

2023-07-13 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 こないだ行った台湾出張が現地の新聞に取り上げられた❗「台灣交通政策輸出日本 日本運輸業勞團訪台取經」
https://n.yam.com/Article/20230703497548?fbclid=IwAR3FdqorDClicgVW9rU4NhLdWV5FHqcqWRhw-XdiRoDhdpXaQUzQ5yoYNU4
中国語なので、Googleで翻訳して読んでみた。

【記者爆料網/王文吉 台北報導】台灣處理Uber共享平台的方向被日本運輸業借鏡,成為台灣交通運輸政策輸出的成功案例!
(台湾のシェアリングプラットフォーム「Uber」の取り扱いの方向性は日本の交通業界に取り入れられ、台湾の交通政策輸出の成功例となった!)

 日本運輸業勞工團體包括「全國自動車交通勞動組合聯合會」(日本計程車駕駛總工會)、「全國交通勞動組合總連合會」(運輸業勞工總工會)、日本私鐵勞動組合總連合會(日本私人鐵路勞工總工會)及國際運輸勞連ITF等日本四大工會團體日前聯袂抵台參訪,此次由「全國自動車交通勞動組合聯合會」(下稱全自交)中央執行委員長溝上泰央擔任團長,進行為期兩日的參訪,首日即拜會中華民國汽車運輸業駕駛員全國總工會並進行一場雙邊座談,針對台灣處理Uber問題及外送員權益保障等兩大議題進行交流,工會並代為安排日本勞團拜會勞動部、交通部及台灣大車隊。
(日本の運輸業界の労働団体には、「全国自動車運送労働組合連合会」(日本タクシー運転手連合会)、「全国運輸労働組合連合会」(運輸労連)、日本私鉄労働組合総連合会(日本民営鉄道労働組合連合会)などの日本の4大労働組合団体がある。私鉄労働総連合会(私鉄労働総連)と国際運輸労働総連合会(ITF)が共同で台湾を訪問し、2日間の訪問団団長を務め、初日は全国自動車運送運転手連合会を訪問した。中華民国との間で、台湾のウーバー問題への対応と配達員の権利・利益の保護という二大問題について二国間協議を行い、また労働組合は日本の労働団体の労働省訪問を手配し、逓信省と台湾の車列。)

 中華民國汽車運輸業駕駛員全國總工會(下稱汽駕總工會)為全台第一個駕駛員總工會,會員人數最高曾達20餘萬,是台灣最具影響力的駕駛員總工會。此次日本勞團特別選定駕駛員總工會為拜訪首站,雙方情誼的建立源於Uber,時間回溯至2019年,當時台灣正值Uber以租賃車跨業經營計程車引發兩業衝突高峰,交通部宣布Uber當時的營業模式違法,因此增訂汽車運輸業管理規則103之1條款來規範,並且要求Uber回歸計程車業管理。
(中華民国自動車交通運転者全国労働組合総連合会(以下、自動車運転者連合会)は台湾初の運転者組合であり、最大会員数は20万人を超え、台湾で最も影響力のある運転者組合です。日本の労働団体は最初の訪問先として運転者連合会を特別に選び、両者の友好関係はウーバーに端を発し、時は2019年に遡る。ウーバー社が自動車をリースしてタクシーを異業種間運営したことで生じた二業種間対立、当時のウーバー社のビジネスモデルは違法であるとして、自動車運送事業管理規則第103条第1項を追加して規制し、ウーバー社は返還を求められたタクシー業界の経営者へ。)

 而日本當時也因為即將到來的東京奧運(後來因疫情順延)帶來龐大國際旅客需求,時任首相安倍晉三有意開放Uber共享車輛模式進入日本,引發日本運輸業者及駕駛員勞工團體高度緊張,因此在2019年6月組團來台灣取經,希望拜會台灣領導對抗Uber運動的關鍵人物,雙方代表首次碰面即在汽駕總工會,台灣方面由汽駕總工會理事長鄭力嘉及計程車派遣協會秘書長曾弘義代表與日本運輸業勞團會談,日本勞團當時即邀約鄭力嘉理事長及曾弘義秘書長於2019年11月代表台灣赴日出席日本國會的院內學習會(相當於公聽會),報告台灣計程車產業對抗Uber的經驗。
(当時、日本には東京オリンピック(感染症の影響で延期)が控えており、海外からの観光客の需要も非常に大きく、当時の安倍晋三首相はウーバーの相乗り車両モデルを日本にも開放するつもりであったため、日本国内では緊張が高まった。日本の運送会社やドライバー労働団体の協力を得て、私は2019年6月に仏典を学ぶため台湾への代表団を組織し、台湾の反UBER運動を主導する主要人物たちに会いたいと考えた。台湾側は自動車運転者連盟の鄭立佳会長、タクシー配車協会の曽弘毅事務局長らが日本運輸産業労働協会と面談した。は、2019年11月に台湾を代表して鄭立佳・董事長と曽宏毅・事務総長を日本に招き、日本の国会での勉強会(公聴会に相当)に出席し、台湾のタクシー業界について報告した。)

 該場會議在日本眾議院第二議員會館一樓多功能會議室舉辦,包括日本運輸業勞資代表及三十餘位日本國會議員出席將座位擠滿,顯示當時日本運輸業及國會對於Uber議題的重視,日本運輸業也因為台灣兩位代表的深刻分析及建議而確立產業共識,運輸業勞資雙方團體共同攜手反對當時安倍首相原本準備開放共享車輛的政策,成功扭轉日本政府的政策方向,及至今日日本政府及產業界的主流看法仍然維持反對Uber共享模式,影響深遠,也是台灣計程車產業政策國際輸出的成功典範。
(2019年11月18日、日本の国会での勉強会に出席した台湾の代表者らは、ウーバーとの戦いにおける台湾の経験を報告した。
会合は衆議院第2議員会館1階の多機能会議室で開催され、日本の運輸業界の労資の代表と国会議員30名以上が出席した。これは、当時日本の運輸業界と議会がウーバー問題を重視していたことを示しており、台湾の両代表の綿密な分析と提案により、日本の運輸業界も業界のコンセンサスを確立していた。当時、安倍首相が当初予定していたシェアカーのオープン化政策に、運輸業界の関係者が団結して反対し、日本政府の政策方向を転換することに成功した 政府と業界の主流意見は今もウーバーに反対これは広範囲に影響を及ぼし、台湾のタクシー産業政策の国際輸出の成功例でもあります。)

 台灣、日本的計程車產業也因為該場會議而確立了共同立場:反對跨國財團挾龐大資本以不公平競爭的非法模式壟斷運輸業造成勞動權益及運輸業責任的減損。也因為有共同的價值而建立了深厚的情誼。所以在三年的Covid-19疫情結束後,日本勞團再度組團來台參訪汽駕總工會,並且希望追蹤Uber在台灣後續的情況及網路平台外送員勞動權益的問題,汽駕總工會也特別邀請台灣運輸業移動科技派遣平台協會的曾弘義秘書長參加座談,報告Uber在台灣的發展現況及規範重點。
(この会合により、台湾と日本のタクシー業界もまた、多国籍複合企業が巨大資本との不当な競争という違法な形態で運送業界を独占し、その結果労働者の権利と運送業界の責任が軽減されることに反対するという共通の立場を確立した。また、共通の価値観により深い友情を築きました。そこで、3年間にわたる新型コロナウイルス感染症の流行終息後、日本の労働団体は再び台湾への代表団を組織し、自動車労働組合総連合会を訪問し、台湾におけるウーバーと労働者の追跡状況を追跡したいと考えた。労働組合はまた、台湾交通産業モバイル技術配車プラットフォーム協会の曾紅儀事務局長を特別に招待し、議論に参加させ、台湾におけるウーバーの現在の発展と重要な問題について報告した。規制のポイント。)

 曾弘義秘書長表示,時隔三年多,當時在日本國會報告的台灣Uber情況與今已有不同,Uber在台灣政策規範下已經成為計程車產業的一環,Uber司機也已取得合法計程車司機身分,車輛數必須在符合計程車牌照總量管制前提下增加,且車資費率必須符合政府核定的費率區間,大大減少惡性競爭的機會,因此,台灣算是成功把Uber馴化在合法運輸業框架下營運的範例。
(曾紅儀・事務総長は、3年以上が経ち、日本の国会に報告された当時の台湾のウーバーの状況は現在とは異なっており、ウーバーは台湾の政策や規制の下でタクシー業界の一部となり、ウーバーの運転手も「タクシー業界の一部となっている」と述べた。タクシードライバーの資格も取得しているため、タクシーのナンバープレートの総数を遵守することを前提に車両数を増やし、運賃も政府が認可した料金範囲に準拠する必要があり、その可能性は大幅に減少します。そのため、台湾はウーバーを合法的な運送業界の枠組みの下で運営することに成功しました。)

 曾弘義也提到,台灣適度鬆綁了原有的計程車法規,透過多元化計程車機制來納管原先的Uber車輛,降低參與計程車業的門檻,有利於兼職人士投入計程車駕駛行列,為台灣計程車產業注入新血,對照近期各國處理Uber的做法,台灣算是執兩用中順勢推動計程車產業的更新,值得各國參考,而Uber在台灣也發展成市佔率大約13%左右的第二大車隊,不像其在歐美等主要市場市佔率都超過六成以上的壟斷地位,可見在公平競爭環境下,各國本土運輸業也有機會與國際巨獸抗衡。
(曽宏毅氏はまた、台湾が当初のタクシー規制を適度に緩和し、多様化したタクシーメカニズムを通じてオリジナルのウーバー車両を管理し、タクシー業界への参加の敷居を下げたことにも言及した。台湾のウーバーは、公正な競争環境の下、タクシー業界の新陳代謝を促進するデュアルユース都市と言え、欧米などの主要市場で6割以上のシェアを誇る独占的地位を誇っている。 、さまざまな国の地元の輸送業界にも、国際的な巨大企業と競争する機会があります。)

2023/06/25 ITF東京主催で台北出張Day1 今日はとりあえず打ち合わせと九份観光と結団式(?)
2023/6/26 ITF東京主催で台北出張Day2 中華民國汽車運輸業駕駛員全國總工會と中華民国労働部に訪問して意見交換
2023/06/27 ITF東京主催で台北出張Day3(自分だけ水曜の業務の都合でLast Day) 中華民国交通部と台湾大車隊に訪問して意見交換


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ITF東京主催で台北出張Day3(自分だけ水曜の業務の都合でLast Day) 中華民国交通部と台湾大車隊に訪問して意見交換

2023-06-27 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

《意見交換の際のベタ打ちメモなので数字など正確でない部分があります、後ほど確認して修正予定》 ITF東京主催で台北出張Day3。
公式行事の二日目の午前中は、中華民国交通部に訪問。
ここは日本で言うと、国土交通省で、国交省から国土の方を分離したようなものなんだが、実は日本も昔は交通省だった(国土は別組織だった)。
交通部路政司 王基州 簡任技正から、「本日お越しくださりましてありがとうございます。たいへん歓迎しております。本日の交流と意見交換で、台湾と日本のタクシーなど交通事業の状況をお互いに勉強出来るよう願っています。」と挨拶を受けたのち、事前にお願いしておいた我々の質問について回答を受けた。


①ライドシェアをどのような見地から違法と判断したのか。
 ウーバーのライドシェアが違反しているかの判断の仕方について。ライドシェアとして参入した当時は白地黒のナンバープレートである自家用車を使っていたから違法だった。最初は白タクで、次は運転手が借りたレンタカーと提携してやっていたが、レンタカーの業務内容ではやはりそれはタクシーとは違うので違法と判断した。今は多元化タクシーとして法の範囲内となっている。

 もちろん自家用か白タクかを区別する際には、白ナンバーの自家用車が、そもそも友達を乗せたりするのと同様で、営業として運送しているかどうかの証拠が明確ではないので、交通部はそこを判断するためにガイドラインを作った。もちろん、営業ではなくて、例えば家から走るときに知人を便乗させて、ガソリン代を分け合うというのは、ライドシェアではないし、タクシー事業ではないので違反でない。違反かどうか見るときはいくつかの観点からみなければならない。違法の定義は、自家用車のナンバーを使って事業としてやっていたらだめということだ。自家用車のナンバープレートで営業していたらすべて違反。
一方で、事業用自動車のライセンスを取得してくれていたら営業の方法には制限がない。ちゃんと営業車のライセンスを持っていたらどのようにやっていても問題がない。多元化タクシーを創設したのは、運転手の賃金を増やすためでもあった。

 不況の中で、運転者の収入を増やす、利用者の運賃を低廉化すること、そういう意味でライドシェアはいいのかもしれないが、弊害は大きい。従来から台北でよくあげられるライドシェア的な事例は、地下鉄駅から山の上にある文化大学まで、ライセンスを持ったタクシーが、メーター制ではなくて、学生が相乗りして、運賃を分け合うというものがある。しかし、これは学生のバイク事故がとても多い地域だった背景があって、台北市がタクシーの相乗り運賃を定めた。このようにきちんと申請してくれれば行政が判断している。政府の立場としては合法的で運転者の収入が増やせればいいので、違法でない現在の多元化タクシーはいいと思っている。自家用車の使用を減らせて渋滞を解消したいし、路線バスは時間が掛かるが、タクシーある程度増えれば早く目的地へ行けるので、利用者にもメリットがある。



②タクシーサービスの発展についてどのように考えるか。日本のように法律で公共交通と位置付けているか。
 タクシーについては交路局の管理下に置かれている。鉄道やバスと同様に公共交通機関として認められているので、燃料税とライセンス税は免除されている。地下鉄やバスと同様に政府の補助金の対象になっている。

 現状は、台北では、ニーズより供給が余っている状態。台北のタクシーの台数はライセンス数の管理下でコントロールしている。ライセンスの登録地について、台北市外の移籍も認めて、需給調整も進めている。通用タクシー(UDタクシー)についても助成し、福祉を担ってもらっている。山村などでバスの営業が成り立たない地域では、はタクシーに路線バスの役割を担ってもらっている。防疫タクシーとして、コロナ禍では、病院に行かれる方、入国した感染疑い者の運送を担ってもらった。

 台湾ではタクシーは公共交通だと法律に書いている。発展大衆交通条例で2005年に初めて位置付けた。燃料税とライセンス税は恒久的に免税しており、毎年度の政府予算では、政府の政策的な要請により必要な補助金などを確保している。最近、通年的にやっているのは通用タクシーへの補助金。交通部としてやるべきことは、利用者の権利を守らなければならないことと、運転者の報酬も守らなければならない。最近では、燃料費が高騰しているので、本来なら運賃を上げる必要があるが、利用者のために運賃を抑える必要があるため、燃料費への補助金を創設している。

 台湾のタクシーは、個人事業主という形態である。法律的には1台のタクシー自体が会社(法人)なので、過疎地輸送など、その単位で仕事を受注してもらい政府や自治体が運行の補助をしている。乗合バスを代替する場合、補助金が運行コストに足りなければ、時刻表による運行の時以外は、自由に営業してもらってもいいことにして、運行コストを償ってもらっている。
一方で、交通空白地はやはりバスもタクシーもなかなかやりたがらない。地域によってバスタクシーがどうしてもやってくれなければ、地元の個人を訓練して資格を取ってもらいタクシーライセンスは取らないが、有償で運送できる資格を与えて運行してもらう事例がある。

 交通部は、地方の交通機関としては、原則としては路線バス優先、補助金はバス会社に支払うが、利用者が少なく運行コストが償えない場合は、バスタクシーとして、乗合タクシーやデマンドタクシーとして補助金で運行してもらうお願いをしている。それでも駄目なら地元の人にお願いする特別のライセンスでの自家用運送としている。しかしすべてが政府の管理下にある。その場合、まずはルートを定めて事業者に入札を求め、入札がなければ政府から地域にお願いすることになる。



③AIオンデマンド交通が世界的に広がっている。どう対応すべきと考えているか。
 アプリを使った新しい旅客サービスについては、2016年から新しいテクノロジーに関して法改正で対応してきた。事業者は事業計画書を政府機関に必ず提出しなくてはならないこと、運賃は、その地域の相場の範囲に収まっていることを確認し、政府はそれを公表している。アプリで配車を受注する場合は、その運賃を利用者に明示する必要がある。アプリでは、車のメーカー、車種、使用年数、ドアの数、運転者のライセンス、利用客の評価、ルートとその概算料金を明示しなくてはならない。さらにシートベルト着用の呼びかけを音声が文字でお願いする。そして最近では、電子決済の内容も明示させている。運行記録などの保存は最低2年間となっている。多元化タクシーの運賃はメーターでなく距離による概算になるので、爾後に、運賃の範囲内に収まっているか、交通部からの点検を受けることになる。

 新しいアプリなどの多元化タクシーのテクノロジーは、現行のタクシーにとっては脅威になる。従来のタクシーは運賃の設定やキャンペーンが行えないので、その点についてもアプリがやりたい放題にならないように、アプリ会社から適時、情報を提供させて点検している。

 PF自体はIT事業者という位置づけなので、交通部の管理下ではないので、PFと提携しているタクシー会社(車台)に、交通部はデータ提供を求めるが、そうすると、けっきょく、会社(車台)はウーバーなどのPFにデータ提供を求めることになる。いずれにしてもデータの提供は必須だ。タクシー会社(車台)をアプリ使用するとすれば、そのアプリの点検を交通部に受け許可を受ける。現状では、事前に許可できなかったアプリ事業者はない。


④台湾におけるタクシー事業の現況
 台湾全国でタクシーの登録は9万両、台北だけで56,000両で62%占めている。タクシーライセンス数の上限があって総量規制をしている。総量規制が出来たのが1998年で、そのときがライセンス数の最大であった。現在の車両数は1986年と同等。うち、多元化タクシーは22,600台で20%くらい。運賃については、自治体に申請し審査、許可されることになれば公表することになる。ライセンスは役所に申請し、テストを受けて合格すれば受けることが出来る。殺人などの前科がある方は、12年以内は申請できない。猥褻とか婦女暴行などセクシャル的な前科があれば一生ライセンスは取れない。ライセンスの上限年齢は70歳。以前は65歳だったが段階的に変更、現在の70歳は7年前に設定。60歳から毎年適性検査、65歳から毎年健康検査も加わる。通常のタクシーも多元化タクシーもライセンスは同じ。地理関係の知識、一般常識、整備の知識などの筆記試験がある。




 いやはや、タクシー事業の根本的位置付け(法人が前提か個人が前提か)、政策的な交通への考え方の絶対的優先的な考え方が、台湾政府としては、徹底的な国民視点(供給を担うのも国民)を前提とした交通政策だということがわかった。
公共交通として法的には位置付けられながら、タクシーやバスは、民間企業であって、しかし「公共交通」と法的に位置付けられてはいるが、管理的にも支え方にしても、一次的には企業責任で、二次的に法的補助という点でかなり違う。
と言うことに思いを噛みしめつつ、台湾大車隊の皆様が設定してくれたランチは、「阿美飯店」(No. 98號, Section 2, Minquan Rd, West Central District, Tainan City,)




 もう何が何かわからんが、なんでお昼御飯では付きだし以外に、デザート含めて15品はおかしくないか~😅
セコセコと、一口程度だけ箸を付けて、めっちゃ食べてる感を醸し出して、なんとかこの場を乗り切る…💦
この全部の中で一品、おこげ御飯だけでお昼御飯は成立する気がするのは、勘違い?


 そして午後は、台湾大車隊に訪問。
55688集團 楊榮輝 総経理から「本日はようこそお越しいただきました。お互い仕事に繋がる情報交換が出来たらと思います。」と挨拶を受けた。


 台湾大車隊55688の紹介
成立は2002年8月29日に創設、資本額5.9億、2020年から様々な賞を獲得してきた。(台湾大車隊董事長 林村田)

交通 タクシー・運転代行・オーダーメードのビジネスサービス
生活 住宅クリーニング、旅行手配、自動車修理、クリーニング、引っ越し
物流 ネットショッピングの物流、書類運送
マスメディア 広告(車体広告、車内モニターによる広告)

願景 Make Your Life Easier。



 アプリ登録者数 680万人以上、コラボ企業7万社、従業員6万人
対応できる電子決済アプリが32種類、年間電子決済金額186億元
車隊規模 市場占有率25%、車両数は2.3万台(うち多元化Taxiは6500台)
年間乗車回数 8000万人、提携して送迎を受けている企業が1.35万社
オーダーメードタクシー アプリで必要なサービスや条件を選択して、それに合った車両・ドライバーを配車するサービス(無音、無会話、充電などのリクエストが多い)
IT技術者が100人程度在籍していて、自社でシステムを開発している。
日本の大和交通と業務提携していて、お互いのアプリでそれぞれの国で配車できる。
タクシーによる貸切旅行サービス(ガイド付きタクシー)。



 台湾大車隊でこれからがんばっていきたいのは、海外各国の有名なTaxiアプリと提携できれば、台湾に来てくれたときにそのアプリを使って配車を受けられることが出来る。
うちは大きな会社なのでその提携に自信がある、アジアの大手と提携して連合したい。
日本でもGoと提携できたら規模が大きくなると思っている。


 アプリによる優先配車や高級車配車などがあるが、その場合の追加料金は運転者の取り分としている。台湾は日本と違って個人タクシー的なものなので、その追加で支払った料金はモチベーションとして運転者の取り分としている。
コールセンターのスタッフは全国で100名くらいいるが、配車業務からカスタマーサービスが主体となってきている。


 Uberなどの黒船に対抗するために、各国のタクシー事業で手を携えて対抗していく必要がある。
タクシー産業は、国内で内向的に事業を行っていることが多いが、これからのテクノロジーが進展していく時代には、国境を越えた取り組みが必要になっていくことを実感している。
自国で使い慣れているアプリで、他国でタクシーを予約できれば、ライドシェアなどにも対抗できるはず。
これからも情報交換をしていきたい。



 台湾大車隊の施設を見学している途中で、皆とは別れて自分は台北(松山)空港へ。
明日、労働保険審査会が朝からあるから、どうしても自分一人だけ先に帰らなあかんねん。
帰りの中華航空がJALとのコードシェア便ではないので、羽田でラウンジ使えなくて、台北松山空港でも、プライオリティもラウンジもだめやねんて。
そういうことか。



 搭乗口で17時25分の搭乗を待っていたら、中国語のアナウンスあと日本語で「機材の到着が遅れたので搭乗が遅れまして19時35分になります」と流れた。
「えt⁉2時間遅れる💦羽田空港からの終電🚃に間に合わんっ💦💦空港に泊まるんか😨」ってなっていたが、その後、その修正はなく普通に17時35分から搭乗が始まった、言い間違いやたのか…焦った。
ちなみに帰りの飛行機では🍺5本でした。

 台湾の労働部、交通部、意見の交換をしているときに「国民の安全」「国民の利益」「国民の…」「国民の…」と両行政ともとても国民目線だということを感じた。
通訳の何さんに「台湾の投票率ってどれくらい?」って聞くと「80~90%くらいです。台湾人、政治好きですから~っ😏」とのこと。
そこか~。

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ITF東京主催で台北出張Day2 中華民國汽車運輸業駕駛員全國總工會と中華民国労働部に訪問して意見交換

2023-06-26 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

【26🏃Run6-37 5.63km 38:32 シーザーパーク台北➡中華民国総統府➡和平西路一段➡自由広場➡シーザーパーク台北】【21 💪4-31 台北凱撒大飯店 ChestPressM66kg SitUp】  《意見交換の際のベタ打ちメモなので数字など正確でない部分があります、後ほど確認して修正予定》ITF東京主催での台北出張Day2。
午前中、まずは中華民國汽車運輸業駕駛員全國總工會を訪問。
ここでは、2019年11月に、交通の安全と労働を考える市民会議. ―「ライドシェア」問題を考える―が開催した「「院内シンポジウム『ライドシェア』の問題点について~台湾の取組みから考える~」を開催した」のために台湾から招聘した台北市職業総工会 鄭力嘉理事長と、台湾運輸業移動科技派遣平台協會 曽弘義秘書長に再会❗


台北市職業総工会 鄭力嘉理事長挨拶
 みなさまおはようございます。自動車運転者労働組合の代表として歓迎します。今日は時間が限られているが有効に使いたいし、質問があれば聞いていただき、意見交換したい。


溝上全自交労連委員長
 台湾のタクシー労働者の皆さんと友好を深めるためにITF東京の架け橋で訪問させていただいた。我々は今回参加している全自交労連、私鉄総連、交通労連なの多くの産別組織と共に10年間、ライドシェアを阻止するために闘ってきた。日本は、いまだ、ライドシェアは水際で阻止してきた。しかし、この3年間のコロナ禍の中で、多くのタクシーのドライバーが産業から退出してしまい、タクシー車両が足らない状態になっており、需要に応えられていない状況もあって、一部ではライドシェアを導入しろという動きもある。しかし私たちはそれを許さない。本日の意見交換を今後の運動に役立てていきたい。


台湾運輸業移動科技派遣平台協會 曽弘義秘書長
「UBER在台湾的轉變興發展」
 コロナが落ち着いて皆さんに再び会えたことをうれしく思います。2019年にも日本に訪問して台湾の現状をお話しさせていただいたが、改めて、台湾の状況をお話ししたい。もともとタクシーの配車が業務だったが、現在はプラットフォームに修正した。

 2020年に台湾でもフードデリバリーが拡大してきたので、デリバリーの委員会も創設した。テクノロジーの発展でアプリを使った事業が拡大しているのでアプリを使ったデリバリーなどのメンバーを対象としている。タクシーの他に、フードパンダと宅配便の全国快適がメンバーで、フードパンダは4万人をメンバーにしている。ウーバーがやっている形態はうちとも似ているので、ウーバーについて話したい。

 台湾にウーバーが進出したのは2013年4月で、当初は高級ハイヤーとして、その後ライドシェアを行った。3年くらい、ウーバーとタクシー会社との抗争が起ったが、2017年1月修正公路法が出来てウーバーには違法的行為に対して加重罰則として、罰金が何度も科せられてウーバーは台湾から撤退となった。しかし2017年4月に再上陸、レンタカーを使っての配車を行い、それはタクシーと同じことをやっているわけで、そこから再びタクシーとの抗争が起った。結果として、2019年10月、ウーバーは多元化タクシーとして運営することになった。

汽車運輸業管理規則
1.1時間・1日の計算となり割引とかキャンペーンなどは出来ない
2.流し営業は出来ない。一度仕事が終わると車庫に回送しなくてはならない。
3。運営計画書を政府機関に提出して査定
4.レンタカーによるタクシーとして表示しなくてはならない。

 タクシーと区別することが重要、一般人には違いがわからない。
多元化タクシーとは
1.タクシーとしての事業者ライセンスが必要、運転者も運転手免許を取らなくてはならない。タクシー車両数に制限があるためにこれでウーバーの車両数を限定することが出来る。
2.多元化タクシーは車両色を黄色にしなくてもいいし、タクシー情報を車体に書かなくても良い。
これによって、自分の車をそのままでタクシー業が出来るので、タクシーに参入したい人が増えてくる。
3,流し営業も、ホテルや駅での待機も、禁止されていて出来ないので、営業はアプリ配車のみ。
4.料金についてはフレキシブルになる、メーターがないので自分で料金の設定が出来る。しかしタクシーのメーター運賃より安くは出来ない。

 多元化タクシーにより7千人、新しい運転者が増えた。多元化タクシー会社としてウーバーも運営を始めた。現在はウーバーと共存している状態で、運賃はタクシーより安く出来ないし、台数の管理が出来ている状況。ウーバーは多元化タクシーによって12000台で2番目になっている。台湾大車体23000台。

 タクシー業界は政府と協力して、公正な競争を確保、運賃ダンピング競争を禁止、総量規制を制度化した。ウーバーの問題としては、今は合法的になっているし、タクシーと共存している状態ではあるが、ウーバーの配車アプリは、台湾に会社設立していないのでトラブルの際に問題となる。それとアプリ手数料を25%徴収していて、これがドライバーの営業コストから考えると高すぎる(15%が上限だろうと試算している)。ウーバーは、車両を黄色にしたくない、メーターを付けたくない、ダイナミックプライシングをやりたい、と3つ、政府との交渉で主張をしてきた。業界は反対したが、政府は調整した。多元化タクシーの運転者の平均年齢は若く、利用者も若い。値段競争はしてはいけないが、アプリ手数料は、キャンペーンや割引で、消費者還元するので結果的にタクシーより安い運賃で多元化タクシーに乗れている実態があり、結果、ウーバーを利用する若者が増えている。

 台湾では最大で11万台だが実際に92000台のタクシーライセンスを発行している。ウーバーはIT事業者として台湾国内に会社設立しているので税金は払っているが、運送事業者として営業しているわけではない。しかし提携している派遣会社がライセンスを持っていたら法律上の問題はない。利用者や運転者への賠償責任などはウーバーが負わず、間に入っている運転者の派遣会社が負っている。アプリのアカウント停止は問題になっているが、運転者はライセンスを持っているので、他の会社に移転するので、それがウーバーの運転者が増えない実態に繋がっている。



 「台北市のオンラインプラットフォームにおける配達員の専門労働組合からの説明」として鄭力嘉理事長がプレゼン。
台北市網路平台外送員職業工會は、「ユニオンサービスエグゼクティブ」として組合員に、 保険、疾病の緩和、労働健康保険、法的なアドバイス、特殊グリッドなどを提供している。
台湾における配達員の数は2022年145000人とされているが、しかし退出した人の数はカウントしていないので現状の数はわからない。半分くらいが妥当な数字ではないか。
Foodpanda2012年、Foodomo2015年 Ubereats2016年 honestbbとdeliverooは撤退。FoodpandaとUbereatsが2強。
外送員の育成の厳しさ 専門運転免許証、貨物の返送、自動車事故、雇用契約書、トータルコントロール
配車側の難しさ 行動の競争、値段の競争、飲食業とのコラボレーションの関係、配車の効率、従業員の権利
コントロール、配達員の収入の不安定(当初は一回80元、今は45元)、利用者と飲食店とのはざまの難しさ 
配達員は合理的な待遇、労働保険、社会的地位を求めている。
政府に待遇の確保を求めているが、そこまで法律が整っていない。




 お昼は皆様のご招待で「欣葉台菜 創始店」(No. 34之1號, Shuangcheng St, Zhongshan District, Taipei City)に連れて行ってもらった。
台湾のカラスミ、鶏肉料理、エビチリソース、豚の角煮、台湾のタケノコ煮、切り干し大根の炒飯…これで終わりかと思いきや…😅



 白身魚の煮物、牛レバー焼きとホタテ貝柱とエリンギ添え、なんだったかの揚げ物、この店の売り料理である切り干し大根のオムレツ、スープにタロイモの餅。
お昼からこれだけの量を、奨められてしまうので手を付けないのは失礼かと思い、必死で箸を付けたが(可能な限り少量ずつ)、実は炒飯くらいから気を失っていた…💀
しかしこここでも、ざっくばらんにいろいろなディスカッションが出来てとても有意義な会食となった。


 そして午後は、中華民国労働部へ。
ここは日本で言うと、厚生労働省で、厚労省から厚生の方を分離したようなものなんだが、実は日本も昔は労働省だった(厚生省は別組織だった)。


 まずは、総合規制司 王厚誠 司長からご挨拶を受けた。
 労働部を代表して、お越しいただいたことに感謝申し上げます。皆様の仕事上、タクシーという公共交通の規制については気になるところだと思う。コロナ期間中に、サービスのデジタル化によって出来たフードデリバリー業界が著しく発展しているので、気になる問題は台湾でもあります。台湾も2019年からプラットフォームと配達員との間で問題が生じてきた。けっこう、こちらもプラットフォームによる雇用形態や保険などいろいろ疑問が生じてきた。ここに来られるまでに皆さんは、いろいろなフードデリバリーのバイクを見てきたと思う。
 労働部もプラットフォームといろいろ話し合ってきた。台湾は台風や様々な厳しい環境があり配達員の安全確保が重要だ。PFと配達員との、雇用関係では世界中で同じ問題が起っている。台湾も5月から労働者保険に入られることになったが、この制度は日本に似てると思う。一番多い問題は、交通ルール違反の問題、配達員は短時間で稼ごうとするために交通事故を起こす。こういった問題は労働部だけでなく、交通部とも話し合っているし、第三者責任も発生する。
 これからの課題は技術の発展によって、無人のタクシーや乗合バスも開発が進んでいるが、これは労働者の権利の問題にも直面する新しい問題だ。そしてPFの配達員の労働者保険に入っていない者についてどうすればいいか、意見を聴かせてください。



①タクシードライバーの賃金と労働条件
 台湾では労働基準法があるので、雇用者であれば労基法の対象となる。タクシーの会社所属であれば労基法に基づいて最低賃金と労働時間は守らなければならない。現状の労基法は、労働時間は週40時間、超えたら残業代の支払いが命じられる。最低賃金としては、月給ベースで2万6,400台湾元(約12万1,440円、1台湾元=約4.6円)、時給ベースでは176元。
 しかし台湾のタクシー運転手は個人事業主で、自分の車を使ってタクシー会社への所属だけで、したがって労基法の対象は少ないと言うことになる。現状は、雇用者ではないので労基法の基準に従わなくても違反ではなく、労働時間に制限はない。
 運賃に関しては最低運賃が1.25km85元、200m5元加算される、深夜はプラス初乗り20元で計算される。輸送業界では労働基準法の対象になるのは路線バスと観光バスの運転手になる。基本的に雇用されているので。バスの運転手の労働時間については毎年点検されている。観光バスに関しては、雇用者と持ち込みの個人事業主もいる。雇われている方は問題はないが、個人事業主によく問題が起る。路線バスと宅配運転手は問題がないと思う。労働部からも交通部にも課題についてはいろいろと働きかけている。



②プラットフォーム労働者の労働実態
 配達員が、労働基準法に準じるかどうかは雇用者かどうかがはじめのポイント。プラットフォームと配達員の法律上の関係がはっきりしなくてはならない。昔は保険の営業マンも同じような問題があって、はっきりしないことがある。労働関係をはっきりするために、2019年にはガイドラインを作り雇用者かどうか区別できるようにした。Cutawayも同様であるが、ガイドラインに基づいて査定する。あとは、配達員とPFでトラブルがあった場合は関係をはっきりしなくてはならない。だから、労働部と交通部とPFとで、しっかり議論してトラブルがあったときの申告するルート、仕組みを作らなくてはならない。配達員と企業が揉めてまとまらないときは、地方の労働局に申告して調整に回る、これが労働部として出来るサポート。

 職業安全衛生部では労働者の安全の保障を担当している。2020年3月、配達員の労働環境、労災とか安全対策とかの職業安全衛生規則を整備し、ヘルメットや反射板のついた服を着用させる法律を作った。法律以外に、交通事故防止対策と熱中症対策と、各自の配送配分の合理性も求めている。配達員は労働者保険の加入(300万円)ができる。法律も毎年毎年修正され、配達員には第三者責任保険が必要であるとして、今、検討している。2022年8月21日、対象は食品配達員だけでなくすべての産業に拡大された。毎月、PF事業者に点検に入る。事業者には安全対策や、気象状況によって配車停止などについての対策が求められている。仕事の振り分けも合理的に、一人に集中せず、公平に振り分けられるようにする必要もある。点検に関しては、労働部だけでなく交通部も一緒におこなう。
 本来、交通安全や配達員の安全の管理責任はPFにある。労働者保険の加入が難しいのは、オンラインは労働時間、オフラインにしたら労働時間ではないので、労働時間の計算が難しいことで、保険の適用の範囲をどうするかが問題になっている。現在、保険会社とPFの議論が続いている。



 労働者保険 雇用関係を確定が出来れば、PFに保険加入の責任がある。雇用関係が確定した上で、労働保険金の加入と退職金の申告をしていなければ、保険では通常の4倍の保険料が課せられる。今回のCutawayを点検した結果、6名の保険の加入と退職金の申告がされていなかったので、罰金を科して企業名の公表を行った。Cutawayは労働部に不満で提訴していたが、最高裁で判決が出た。Cutawayには、掲示されている、手順や指示、組織図などによって労働者性を判断した。台湾では初めての裁判だったので、他のPF事業者は横にらみしていたが判決が出たので、他の事業者にも指導している。配達員の保険の加入は、コンビニやネットで、または労働組合から加入できるが、保険金は自己負担となる。過去に配達員が連休中に連続して3名の死亡者が出て、しかし誰も責任を取らないという状態だった。配達員の安全を守るために労働部は様々に手を打っている。

 専属性、指揮命令、労働条件の決定の3つ揃わなければ労働者性を判断できず、配達員が複数のPFに登録していたら雇用者性は認められない。台湾では雇用者でないと労働部が管理できる対象とならない。タクシードライバーは個人事業主で労働時間などを規制する基準はない。一方で、台湾のタクシードライバーは、実態として過重労働になるような働き方はしていないという実態もある。



 午前・午後の意見交換を終えて一度ホテルに帰り、一服してから🍺、今夜は仲間うちだけで晩御飯。
すぐ近くだったけど、台湾のタクシーにも乗ってみたいってことで、流しの普通のタクシーの乗車。
左ハンドルってことくらいで、特段日本のタクシーと使用や装備が変わることはないようで、日本で言う乗務員証、こちらで言うライセンスの表示項目は日本よりかなり多いようだ。



 今夜は通訳さんに予約してもらった「金品茶樓」( No. 16號, Changchun Rd, Zhongshan District, Taipei City)、小籠包と中華の数々の定番料理が味わえて、特に小籠包が最高に美味しいとのこと。
空心菜の炒め物、そして小籠包は評判通りにめっちゃ美味しくて、全員が大満足だ❗


 牛肉と中華揚げパン炒め物、ガーリックアンチョビ炒め、海老蒸餃子、高菜と豚肉入りラーメン、そしてもう一度小籠包はタロイモ味で。
とっても日本っぽい味で、台湾にいるのか日本にいるのかわからんくらい。



 しかもけっこう観光客には見えない日本人客が多かったが、このあたりは日本企業も多く駐在員が多く住んでいる地域だってことで納得。
家族で駐在している日本人が住む家族向けの賃貸マンションの家賃は30万円以上するのが相場だそうで。
日本円が弱いのと、特に台北の中心部は住宅相場が高いからだそうだ。


 その後、寧夏夜市を散策して…。



 臭豆腐の匂いが強烈に漂いすぎて、のんびり楽しんでる場合ではなく、すごすごと中心部からは退散して、台北ロコガールズを愛でてただけか~😅

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ライドシェア解禁は認められない!6月13日にタクシー政策議員連盟総会を開催

2023-06-15 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 超党派の国会議員で組織する「タクシー政策議員連盟」は6月13日(火)、参議院議員会館講堂で総会を開き、タクシー業界をめぐる諸課題について意見を交わした。総会には、衆・参国会議員42人、交運労協、ハイタクフォーラム、全国ハイヤー・タクシー連合会など関係者約140人が出席した。

 議連総会は、森屋隆事務局長が進行を務め、辻󠄀元清美会長は、「お客さまが都市部を中心に戻っているが、一方で乗務員の不足、コロナ禍で借りたお金の返済など、新たな問題に直面している」「ライドシェアを解禁すれば、経済が伸びていくような幻想が飛び交っている」「ライドシェアの問題について、各方面から掘り下げて、変な方向に行かないようにしたい」「議員連盟は、労働組合、事業者、国土交通省が三位一体となり進めたい。議員も、政治状況がどうなろうと結束を保ちたい」などとあいさつした。


 続いて、全タク連が「4月段階のタクシー業界の現状とタクシー事業の維持・再生のための支援要望(ライドシェア断固阻止、乗務員不足対策支援、運賃改定の速やかな実現など)」、交運労協からは「限定付きライドシェアの話が聞こえてきたが、軽井沢スキーバス事故や知床旅客船事故などをふまえ、安全の原点に立ち返り、信頼できるタクシー産業をめざしていくべき」、ハイタクフォーラムは「直近の運賃改定で活性化・適正化に明るい兆しが見えてきた。人手不足解消に向けた一手と、法律を守る事業者とそこで働く労働者が報われる制度政策の実現を進めてほしい」などとあいさつした。
また、岡野まさ子国土交通省自動車局審議官と森哲也旅客課長から「ラストワンマイル・モビリティ検討会の方向性とライドシェア問題」、浦田誠国際運輸労連政策部長から「ライドシェアをめぐる世界情勢と日本での解禁への動きへの批判」、津田光太郎全自交労連書記次長から「ライドシェア解禁派との闘い」「二種免許の重要性」「賃金・労働条件の改善」「営業所や遠隔点呼の緩和」などで説明を受けた。

 意見交換では、吉田統彦衆議院議員が「二種免許を持たない者による旅客の輸送を考えていることは事実か。安全対策上、一種免許より厳格な更新時視力検査があるのが二種免許だ」などと国交省に質した。これに対して森課長は「二種免許の件は、全タク連で検討と認識。報道レベルで知るのみ」「ライドシェアはその都度、斉藤国交大臣や堀内自動車局長から『安全や責任の点から認められない』『特区でも考えていない』と明確に申し上げてきた。この点について何ら変わるところはない」などと応えた。

 辻󠄀元清美会長は、「衆議院解散が、いつあるか分からない状況。日本維新の会がライドシェアを推し進めており、これ以上、維新を増やすと大変なことになる。タクシー業界にとっても超党派の野党議員の議席を守り切らないといけない。野党が減らないように、各都道府県タクシー協会へ議連名簿を回し、都道府県タクシー協会の懇親会に議連議員を呼んでほしい」など団体へ釘を刺した。


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