よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

令和を生きる   半藤一利 池上彰

2021-06-20 07:34:36 | 
「激動の昭和」と言われるように昭和は大きな出来事が沢山起こり、その歴史を振りかえる本は多数

出版されています。しかし「平成」を語る本は殆ど見ていない気がします。対談したのは半藤一利氏

と池上彰氏という情報源として、かなり信頼できる両氏によるものでお二人の体験談も交えた読み応

えのある本になっています。


平成元年には天安門事件、ベルリンの壁崩壊という世界情勢が一変する大事件が起こっている最中に

日本はバブル景気に浮かれていました。私もまだ若い会社員でしたが、今から思えばその恩恵には預

かっていたと思えます。仕事は拡大の一方で夜はあちこちに出かけていた記憶があり、政治にも無関

心でいたし、楽しい事ばかり追いかけていた時代です。バブルが崩壊した後も中小企業に勤めていた

ことで、かなり余韻は残っていました。


そしてリクルート事件が起きて小選挙区制が導入されました。この時に後の事態を想像することは出

来ませんでしたが結果、政治家は政党の言うことを聞かなければ当選が難しくなり、議論が成り立つ

政治は遠のきました。完全に人気取り合戦となり、薄っぺらい政治家ばかりが跋扈する事態に陥って

います。


本書でも取り上げていますが、私も小泉純一郎内閣での労働者派遣法改正が、今の厳しい雇用情勢に

繋がったと見ています。将来に対して不安が無く生活が出来ている国民は一部で、大多数は格差を意

識し貧困にあえいでいる層は確実に増えています。これは本人の努力の欠如というよりも政治の劣化

です。今の政治を変えていかなければ日本の未来は暗い。本書のようにキチンと歴史を検証して、次

の選挙に臨みたい。


令和を生きる       半藤一利 池上彰               幻冬舎新書



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