本書冒頭、コロナ対策に充てられた国家予算は2020年度からの3年間で104兆円にも上る
ことが示されている。東日本大震災の復興予算が10年で約32兆円なのにだ。勿論正体不明の
コロナのパンデミックに対処するために巨額の予算を組むことは仕方ないと思えるところもある
が、問題は使われ方だ。何しろ使途不明金だけで約11兆円あるというのだ。
コロナ対策として日本政府はワクチンを大量購入し、何度もワクチンを打つのだが、感染者数は
一向に減らない。ワクチン接種対策予算は単年で約7700億円を用意して医師・看護師に高額
な報酬を提示して動員し、フリーター医師の中には「ワクチン長者」も生まれたそうだが、取材
に応じた医師は「打っても打っても感染者が増え続け、3回目からはすっぱり接種をやめた」と
答えている。中には4回ワクチンを打って、4回コロナに罹った患者も診たという。
政府は製薬会社各社合計で8億8200万回分を確保し、調達に2兆4026億円を費やしてい
るが、在庫は積み上がり、1兆3608億円分余っているそうだ。すでに期限切れなどの理由で
廃棄されるワクチンもあるが、果たして効果があったのか分からないワクチンを今後どのように
していくのか方針は全く分かっていない。
医療機関はコロナ関連の特例加算と補助金で相当に潤ったようだ。しかも不正受給が後を絶たず
に、新型コロナウィルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務めていた病院でもコロナ
ウイルス患者用の病床が2021年8月末時点で30~50%使われていない情報もあるという。
自らが責任者を務める病院で空床補償をたんまりせしめていた疑惑があるのだ。
日本では政府予算の使われ方や既に実行された政策に関してほぼ検証されることがない。問題が
浮上しても議員は逃げるだけで、政策の中身を国民に知らせることが無いので何度も間違いを起
こす。「実際にワクチン接種によって後遺症に苦しむ患者や死者まで生み出している」これは「
国を挙げての自殺行為にしか見えない」と医師が本書の取材に述べている。
コロナ利権の真相 鳥集 徹+特別取材班 宝島社新書