よしーの世界

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どうすれば日本経済は復活できるのか   野口悠紀雄

2025-02-23 07:37:18 | 

2000年の日本のGDPはG7の中でトップの位置にいた、しかし2023年には最下位になっている。

1人当たりGDPの値は、日本以外の国がほぼ2倍になっているのに対し、日本だけが低下してい

た。韓国と比較すると2000年において日本の1人当たりGDPは、韓国の約4倍だったが、2022

年にはほぼ同じ、台湾もほぼ同じ推移をたどっている。成長著しいアジア太平洋地域で日本より下

位の国はインド、フィリピン、モンゴルのみだ。この日本の競争力の低下の原因は円安だと著者は

断じている。

 

日本の国際競争力の低下が少子高齢化にあることは、しばしば上げられているが、金融緩和と円安

政策進めたことが、日本企業の技術革新力を喪失させた根本的原因だという。そして長期的な見通

しがないままのバラマキ政策も痛烈に批判している。さらには社会保障の長期計画もない、と。

 

それでも日本人の基礎学力は相変わらず世界のトップクラスで、2018年調査では、数学的リテラシ

ーは世界第6位、科学的リテラシーは第5位、読解力はOECD平均得点を大きく上回っている。

日本人は残念ながら高い潜在的能力を発揮できない経済・社会環境に置かれている。

 

著者はデジタル化投資を目指すべきとし、組織の問題(これが核心)に着手し、生成AIへの対応

を早めに進めるべきと提言している。マイナンバーカードに対する政府の迷走にも言及し、健康保

険証を廃止することは意味がないとする。既得権益を保護したい自公政権では難しい話だ。本書は

日本経済復活に向けて教科書のような内容だ。たくさんの人に読んでほしい。

 

   どうすれば日本経済は復活できるのか   野口悠紀雄       SB新書

 

 


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