2012年記事
ひな祭りが終わり 早く雛人形を片付けないと 娘が晩婚になるとの
迷信を恐れ そそくさと工場の2階へ収納・・・
ドアを開けると 突然、タタタタタッと猫が脱走・・・
私「ったく!何処から入ったんじゃ」
ふと目をやると 座布団の上に生後3-4日位の子猫が2匹。
親猫は三毛猫だったのに 白黒の赤ちゃん子猫が転がっている。
座布団ごと そのまま抱え 妻の元へ
私「ねえママ、これ見てみい」
一匹は目が開いていて 声を出して泣いているつもりなのだろうが
非力故、声が聞こえない。もう一匹は座布団の上で目を瞑ったまま
コロコロと爪を生地に引っ掛けながら 転がっている。
妻「どうしたと!?この猫ちゃん」
私「仕事場の2階におったよ 困ったね・・・」
妻「あっ 親猫!ほら あそこ見て!」
私達のやり取りを さっき逃げた親猫が軽トラの下から心配そうに
見ている。 外は冷たい雨・・・ この過酷な自然環境で健気にも生きて
行こうとしている命を 追い出し命を奪う権利は誰にも無いのだ。
子猫を元の場所に戻し 様子を見る。
しばらくして 2階へ上がるが 子猫は居ない。
私:「何も出て行くこたあ 無いのにな・・・」
妻と二人 食事中も夫婦で猫親子の行く末を安じた。
再び 工場に行き ふと目をやると 切断機の下に子猫が
身を寄せ合っているのが見えた。
雨で工場を出て行くことが出来なかったのだろう 材料の切り屑の中
に 埋もれつつ 寒さでブルブル震えていたので さっきの座布団を
持ってきて ダンボールで寝床を作ってやった。
餌をやりたかったが それをやってしまうと 他にも野生化した犬猫が
沢山いて きりが無いのだ。
暫くして 親猫が戻ってきた・・・ 鋭い顔で私を警戒している。
私「生きてゆくのは 大変だな・・・ 何もしないから ここに居なさい」
と語りかけた。理解したのだろうか 寝床に入り 親子が身を寄せ
合い 親猫は じっと こちらを見ては 目をそらしたりしている。
妻も頻繁に 「猫 どうした?」と 様子を窺いに来る有さま。
作業の合間にチラチラ確認するが 逃げようとせず じっとココに居る
みたいだ 少しホッとして 気にならなくなった。
次の朝雨が上がり シャッターを開けると 猫親子はダンボールの中で
じっとして居たが 暫くして 何処かへ行ったみたいだ。
此度 私は 必死に生きている 猫親子を見て 何か力になりたいと
思った。戻ってきたら 又、寝床を貸すだろう。
親猫の子を守り 必死に生きようとする姿に 感動したからだ。
ひょっとして 神や仏、居なければ 何か他の崇高な生命が存在して
いて 不器用でも 真面目に生きている私達人間(動物に至るまで)を
親のように木の上に立って 様子を見守ってくれているのかも
知れない たまに 「こっちへおいで!」と良い方向に導きながら・・・
私は神目線で 猫親子を見たつもりはないが ふと そうであって
欲しいと願ったのだ・・・
一晩だけの宿は寒かっただろうが あれは仮の宿であって
安心して 身を横たえる場所では無かったのだ・・・
猫を飼うことが出来ない私達は どうか良い飼い主に巡り逢います様
にと心から手を合わせたのだった。
その後猫ちゃん達はどうなったのでしょうか。
元気でいて欲しいです(^-^)
言葉を話す事ができない動物の心を察して考える事が出来れば、生き物に対する虐待等起きない・・・増して、人間に対する思いやりが深い人になるのだと思います。動物って人間にとって大切な存在ですね・・・PS 若いときは動物が苦手でしたが 嫁さんの教育が大きかった。