7月21日(月曜)
夏休み、という響きにはなんとも言えない郷愁が込められている。
正確には、自分から郷愁を込めるようになったのかもしれない。
僕の言う夏休みとは、小学校の夏休み
部活をするわけでもない予備校に通うでもない
あの小学校の夏休み。
僕は子供の頃、人は死んだらどうなってしまうのだろう、と考えて、
夜眠れなくなってしまって、その治療で医者に行ったり
枕元に玉ねぎを半分に切ったものを
置いて、寝ていた時期があった。
あれはあれで眠れることは出来たのだが、
本当に玉ねぎから出る水蒸気が眠りの効能が
あるのかどうかは知らない。
でも昔、頭を電柱や家のガレージなんかに
激突させていた私は、それが原因なのではないかと
病院に脳波を取りに行かされたりしたけれど、
(生まれて一年で乳母車から真っ逆さまに落ちて頭を縫ったりもしたし)
実は本当に怖かったのは、人、いや正確には
自分が死んだらどうなってしまうのだろう、
という事だった。
その答えはいまだに出ていない。
あの夏の永遠の登場人物だった、
父方の祖母も、父の兄も末弟も
母方の祖父母も
みんないなくなってしまった。
あの頃の永遠の登場人物だったみんなの事を考える夏。
公園の隣に置かれたバイクのメットの上から
僕をじっと見ていたカマキリを見ていたら
そんな事をふと思ったりして。