AKB48の旅

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週刊現代7月20日号の対談

2013年07月10日 | AKB
「特別対談 作家林真理子XAKB総選挙第1位指原莉乃 野心のすすめ」なる題名で、モノクログラビアページを7ページも占拠してる。その扱いにちょっと驚いたけど、中身を読んで、驚きとは違うかも知れないけれど、いろいろ考えさせられるものがあった。

正確な情報は知らないけど、こういう週刊誌を買って読むのは、中高年の、どちらかというと女性で合ってるんだろうか。それとも、女性のヌードなんかも載ってるし、やはり中高年の男性も手に取るかも知れないんで、女性とかにこだわらないで、中高年層というだけの括りの方が良いのかな。

確かに指ヲタさんの年齢構成に近いとは言え、さっしーという弱冠二十歳のアイドルが、中高年層に訴求できるのだとしたら、それは凄いことだと思うし、実際に訴求できていることの、この掲載は証明のようなものと捉えて良いんだろう。やはり第5回選抜総選挙は、AKBGがこれまでとは違った領域に足を踏み入れた、そういうエポックであったことが後々に分かる、そういうイベントだったと評価されることになるんじゃないか。

対談の内容的には、事実関係としては、特に目新しいものはなかったように思う。けれども、林真理子氏のベストセラー「野心のすすめ」にかこつけたはずの対談なのに、肝心の「野心のすすめ」が取って付けになってる。対談の方向性はそこにはない。では何が基調になってるかというと、「敗者復活」と「地方の時代」という理解で合ってるんじゃないか。

このあたり何とも興味深いというか、ファン界隈、ヲタ界隈を離れた時のさっしーの取り上げられ方は、この「敗者復活」と「地方の時代」という枠組みがマスコミの中でずーっと首尾一貫してるように見えて、不思議な感じがした。

これは何なんだろう。誰かが音頭を取って報道姿勢を決めてるなんて考え方はほぼ陰謀論だし、そんなわけがない。マスコミの顧客こそが中高年層と考えれば、現代日本の中高年層の関心がそこにある、「敗者復活」と「地方の時代」というストーリーなら受け入れられる、そういうことなんだろうか。そして、さっしーの総選挙1位は、そういう文脈で、この層に受容されたということなんだろうか。

自身も含めたファン目線からは、少なくともさっしーを「敗者」と見なすことはあり得なかっただろうし、対立厨を除いて、物理的制約以上の意味で「地方」を意識することもなかったように思う。実際、当時の秋元氏のぐぐたすでは、以下のように語られていた。

以下秋元康ぐぐたす2012/06/16引用

指原莉乃のHKT48への移籍について。

週刊誌の記事について本人に話を聞いたところ、
「すべてが事実ではないが、そう誤解されてもしかたがない」という
ことでした。
3、4年前の、まだ、研究生時代の話とはいえ、AKB48のメンバーとして自覚が足りなかったと反省しています。
指原にはイエローカード一枚相当の厳重注意をしました。

指原莉乃の“不屈の精神”、“何があってもあきらめない気持ち”は、
AKBのメンバーとして模範となるものです。
この強さを後輩に伝えて欲しいと思い、
結成して間もないHKT48に移籍させることにしました。
“左遷”と言う人がいますが、それはHKT48のメンバーや支えてくれているファンのみなさんやスタッフに失礼です。
指原莉乃に新たな挑戦をさせたかったことと、若いHKT48のメンバーの刺激になればいいと僕たちが長い会議の上に出した結論です。

ファンのみなさんにせっかく4位にしていただいた指原ですが、
どこまで“ヘタレ”なのでしょう。
肝心なこの時期に…。
でも、それが指原なのです。
そのうちにグループ最強のHKT48を率いてやって来るかもしれません。
あるいは、グループ最強のHKT48に紛れてやって来るかもしれません。

AKBで一番“期待に応えないメンバー”指原莉乃を温かく見守ってやってください。

以上引用

今から振り返って見れば、ここに述べられた内容は、見事な予言にして成就してるとも言えるわけで、もちろんこここには「敗者」の概念も、地方と中央という対立概念もないと断言できるだろう。むしろそこにあるのは「野心」に親和的なのは明らか。

となるともしかして、この対談を設定した記者なりは、この「野心」というキーワードから林真理子さんの対談相手としてさっしーを選んだのだけど、実際に対談内容の編集を行ったのは別人で、微妙にずれて「敗者復活」と「地方の時代」という基調でやっちまったということなんだろうか。記事には撮影のクレジットはあるけど、編集者名がないな。