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脇腹のぜい肉「ラブハンドル」の原因と、撃退する方法  202407

2024-07-21 10:55:00 | 生活編

脇腹のぜい肉「ラブハンドル」の原因と、撃退する方法
  専門家が教えてくれた。
  WomensHealth より 240721 


⚫︎脇腹のぜい肉(ラブハンドル)が付く理由
「摂取するカロリーが運動で消費するカロリーよりも多ければ、体脂肪が増えると思ってください」とアプトン。「そして脇腹は、ぜい肉が付きやすい場所のひとつです」

 フィットネスジム『Embody Fitness』のパーソナルトレーニングディレクター、トム・ワードによると、脂肪が付きやすい場所は遺伝的に決まっており、それに応じて体脂肪は、体中の異なる部位に蓄積する。
 でも、これは内臓脂肪と生殖機能を外界から守るため。言うなれば、体の自己防衛機能みたいなもの

 ラブハンドルは部分的に遺伝によるもの。体に関することは大体、遺伝的素因(この場合は、どこに脂肪が付きやすいか)、食生活、運動、ストレスレベルによって決まる。

⚫︎ラブハンドルを取り除くためにかかる時間
 これは、あなたのエクササイズと食生活、それぞれに費やす時間で変わる。
「運動と食事のプランを真面目に取り組むほど、ラブハンドルは早く減ります」とアプトン。
 でも、短期的に極端な食事制限をするよりも、少しずつ着実に減らしたほうが効果的。
ワードによると、健康的なダイエットとは、1週間に体脂肪を0.5~1%ずつ減らしていくことを言う。
 つまり、「体系化された運動と食事のプランに従えば、8~12週間で体脂肪率に明らかな変化が見られるはずです」

⚫︎ラブハンドルに効果的なエクササイズ
 脇腹かそうでないかに関わらず、部分的に痩せることはできないし、最初に痩せる部位も選べない。でも、定期的な運動と健康的な食生活を続けていれば、いつかは問題の部位に効果が出るはず。

「体系化されたバランスのよいウエイトトレーニングで、体の中でもっとも大きな筋肉群を鍛えましょう。ぜい肉には、これが一番効きますからね」とワード。

「私たちがよく使うのは、スクワット、デッドリフト、そしてランジ。クライアントの能力に合わせて、強度を上げたり下げたりします。最大心拍数の80~85%で行うと、体脂肪の燃焼効果が高くなります」

 ランニングにも間違いなくメリットがあるけれど、ラブハンドルの撃退をゴールとするなら、ウエイトトレーニングを選ぶべき。「そのほうが短い時間で大きな成果が得られます」とアプトン。

「余分な脂肪と体重を減らしたいときは、ヘビーなウエイトリフティングが驚くほど効果的です」
 ジムには週に3~4回通ったほうがいいけれど、それ以外の時間をどう過ごすかも考えて。
「ジムに通えば体重が減ると思っている人は多いですが、1時間運動しても23時間座っていれば、カロリーの消費量が増えず体重は思い通りに減りません」とアプトン。「体重が減るかどうかは、日中の活動量にかかっています」

「ダイエットで見落とされやすいのは、非運動性熱産生(NEAT)です」

「簡単に言うとNEATは、運動以外の活動で消費されるカロリー量。買い物、掃除、徒歩での移動だけでなく、デスクでそわそわ動くのも含まれます。
NEATを理解するだけで、ダイエットが大きく変わることもありますよ」
 エレベーターの代わりに階段を使うのも、いつもは車で行く店に歩いて行くのも、毎朝10分のストレッチをするのも、NEATを上手に稼ぐ方法。

⚫︎ラブハンドルを取り除くのに効果的な食生活とは?
 体脂肪を減らすには、食事の中身だけでなく量も管理する必要がある。「サステナブルに体脂肪を減らしたいなら、1日のカロリー収支を10~20%の赤字にしましょう」とワード。

“ダイエット”とは、この先ずっと続けられる食生活を確立するということで、一時的に体重を減らすことじゃない。
「体脂肪の削減には、タンパク質、野菜、フルーツ、食物繊維が豊富で、加工食品が少なく、血糖負荷の低い食生活がオススメです」とアプトン。

「タンパク質と食物繊維は満腹感を持続させ、不必要な間食を防いでくれます。
また、野菜のようにボリュームと栄養がたっぷりで低カロリーの食品は、ボリュームと栄養が少ない加工食品よりも腹持ちがよいですよ」
「食事では毎回必ず、肉、魚、植物から良質なタンパク質を摂取しましょう。
筋肉は代謝率が高いので、ダイエット中も失いたくありません。タンパク質は、トレーニング後の筋組織の修復と成長に不可欠。カロリー収支が赤字の間は、なおのこと重要です」

▶︎優先的に摂取したい食品リスト
タンパク源(ナッツ、豆類、魚、肉)
緑色の野菜
良質な脂質(アボカドやナッツに含まれるタイプの脂質)

「良質なタンパク質、脂質、緑の野菜を豊富に摂れば、血糖値の急激なアップダウンがなくなって活力が安定するため、ダイエットが続けやすくなりますよ」とアプトン。

さらに以下の食品を極力避ければ、脂肪が減りやすくなる。

▶︎避けたい食品リスト
・加工食品
・人工的に甘くされた食品
・高カロリーの飲み物(炭酸飲料など)
・アルコール

⚫︎ラブハンドルをなくすならストレス対策も!
 睡眠を優先しストレスを抑えることで、ぜい肉の除去は楽になる。
1日7~8時間の睡眠を確保して、睡眠の質を高めるために、寝る前は何かリラックスできることを。

「ストレスレベルが高いと、コルチゾール(ストレスホルモン)の量が増えます。コルチゾールは、特におなか周りの体脂肪率に好ましくない影響を与えることが分かっています」とワード。
「ヨガ、呼吸エクササイズ、マインドフルネスを取り入れてストレスを管理すれば、コルチゾールの量、そして体脂肪が減りやすくなるかもしれません」

 ストレスの原因と、即効で気分がよくなることを考えて実行しよう。
その答えは人それぞれ。お風呂にゆっくり浸かるもよし、日記を書くもよし、瞑想するもよし。ストレスは目標達成を一段と難しくするので、日頃から解消しておくことが大切だ。


※この記事は、 イギリス版ウィメンズヘルスと、 アメリカ版Preventionから翻訳されました。
※この記事は、当初2022年に公開されたものを再編集しました。



💋脇腹の贅肉の別名が、ラブハンドルとは…
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「正しい歩き方」を学ぶ機会は一度もない  240721

2024-07-21 10:38:00 | 生活編

「正しい歩き方」を学ぶ機会は一度もない
 CocoKARA next より 240721  


 ちょっと前に見た記事の中に、はっとした一文がありました!
それは、私たち人間は「歩く」ことを誰からも習わない、という文章でした。
 思わずナルホド~と納得してしまいました。

 私たち人間はおよそ1才前後で本能的に歩けるようになると言われるそうです。
バランスよく二本足歩行で歩くという本能は、生命を受けた瞬間からDNAの中にしっかり刻み込まれているんですね。

 小学校に入れば、体育の授業があり、水泳や他のスポーツのルールも学びます。
でも、歩き方を一生の中で教わることはないんですよね。

 歩くという元来本能として持っている技能を,親や先生が教えてくれることはないのです。
つまり、「正しい歩き方」を教わる機会はほとんどないんです。

 ということは、歩き方に悪い癖があってもそのままにして一生を過ごしてしまう人も少なくないのです。
 バランスが崩れて体に変な癖がつくと、やがて骨格の歪みや左右の筋肉さなどが出て、その結果間違った歩き方しかできなくなってしまうのです。

 気にならない人には、些細なことかもしれませんが、体のどこかに痛みや歪みなどが出てくる場合には、問題は深刻になります。
 なので、「歩く」という正しい運動の仕方を知って、日常生活で実践してみましょう!
それはつまり「体幹ウォーキング」のススメです。

⚫︎「体幹を使った歩き方」とは
 見た目にも不自然な歩き方(猫背や肩がどちらか下がったままなど)や股関節に痛みが出るような歩き方は、体幹が使えていない証拠なのです。
 体幹の骨格と筋肉をうまく使って歩くことが、痛みや歪みのない正しい歩き方、ということなのです。

 ここからは体幹ウォーキングの4つの基本をお話しします。

基本1. 背骨のS字湾曲がしっかり作られるように立てること
 二本足歩行のヒトが本来持っている正しい骨格は、背骨がしっかりS字湾曲していることです。
肩の力を抜いて、胸を開くことで横から見たときにキレイなS字を描く。
正しい骨格を形づくることができます。

基本2. 腕を振るとき背中の肩甲骨も同時にうごかす
 歩くときには、誰でも腕を前後に動かし(振って)ますが、その際、背中にある「肩甲骨」をしっかり動かします。

基本3. 骨盤から前に足が出ること
 歩くときは足が交互に前に出ていきますが、その際にインナーマッスルである腸腰筋をしっかり使って骨盤から前に足を出していきます。

基本4. 着地した足に体重と重心がしっかり乗ること
 脚が前に出た次は地面への着地になります。
着地の際、着地した足にしっかりと重心と体重全体が乗るようにします。

 また、正しいウォーキングを実践するためには体幹部分にある3つのポイントも重要になってきます。
それは、

●肩甲骨
●骨盤
●丹田(おへその下)

です。

 特にこの丹田(おへその数センチ下)を意識して歩くと歩かないでは姿勢が変わってきます。
 ぜひ、ビルのウィンドウに映った自分をチェックしながら、美しい体幹ウォーキングを実践して見てください。



[文:出張マッサージ ミラク 代表・齊藤麻由子]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。



💋小学生の頃、父親に指導される。ヘソで歩けと…。
父の履いてる靴底は偏った減りはないのが不思議だった
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1時間に1秒行うだけで視力が回復する…目が乾きすぎた現代人に眼科医が勧める"完全まばたき"のすごい効能 202407

2024-07-20 23:12:00 | 生活編

1時間に1秒行うだけで視力が回復する…目が乾きすぎた現代人に眼科医が勧める"完全まばたき"のすごい効能
 プレジデントOnline より 240720  綾木 雅彦


疲労、肩こり、目の疲れ。夏の体調管理にまずすべきことは何か。
 眼科医の綾木雅彦さんは「病は目からやってくる。デスクワークやスマホを見る時間が長い人は、目の保湿機能が平均2割以上も低下している」という――。

⚫︎目のトラブルの多くは「涙不足」が原因
 多くの人は、まばたきを意識することがさほどありません。

 でも、人は1日に2万回、まぶたを閉じたり開いたり、つまり「まばたき」をしています。その理由は、とても単純。目は、閉じるたびにダメージから回復するからです。

 試しに、上まぶたを完全におろし切って、下まぶたとしっかり1秒、くっつけてみてください。そして、目を開けてみましょう。いかがですか。目がすっきりして、手元、あるいは遠くがくっきり見えてきたのではないでしょうか。

 目は、涙によって守られています。目を開けたままでいると乾燥してしまうので、それを防ぐために、私たちはまばたきをするのです。

 人の涙は、「油層」「水層」「ムチン層」の3つの層から成り立っています
最も表面を覆う「油層」は、涙が蒸発するのを防ぐ役割があります。この油は「マイボーム腺」という、まぶたの際にある器官から分泌されます。
 真ん中は、涙の約98%を占める「水層」。おもに水分ですが、たんぱく質や酸素、脂質なども含まれます。
 3つめの「ムチン層」は粘り気のあるムチンからなっていて、涙が流れ落ちないよう、目の表面(角膜)に糊のように粘着しています。

 以上、涙の3つの層が何らかの理由で均一でなくなり、目の表面からなめらかさが失われてデコボコになると、光が適正に目に入らず、散乱します。すると、目がかすんだり、見えにくくなったり、まぶしさを感じたりするのです。

⚫︎まばたきが減っている現代人
 想像以上に涙液の分泌が大事なことが、おわかりいただけたかと思います。

 この分泌かつ涙液を均一に目の中に広げる方法、それが、まばたきです。
十分に涙を生み、3層の成分をきちんと整えて眼内にゆき渡らせることは、まばたきにしかできないのです。

「人は1日に2万回、まばたきをしている」と先述しましたが、実は、現代人はまばたきの回数が減っています。
 すると、目は涙が不十分になって乾いてしまい、それによってさまざまな目のトラブルが生じてしまいます。

 まばたきの回数が減っている主な原因は、「ストレス」と「スクリーン(デジタル画面)の凝視」。この2つといえるでしょう。

 忙しく仕事に追われていたり、人間関係で頭を悩まされたりなど、ストレスがかかって緊張していると、自律神経のうちの交感神経が優位になります。
 交感神経が優位になると目が開き、まばたきの回数が不十分になります。さらに、涙の分泌量も減ってしまいます。

 また、パソコンやスマホなどの画面を凝視するなど、集中してものを見ていると、おのずとまばたきが減ります。
 オフィスで長時間パソコンと向き合っていたり、スマホのゲームに夢中になったりしていると、目がパシパシと乾く感覚を覚えることがありませんか。それが「ドライアイ」です。では、ドライアイについて詳しく説明しましょう。

⚫︎ドライアイは現代病でもある
 私は2015年から毎年、計1万2000人以上の患者さんの目の乾き具合を記録しています。

 その結果、コロナ禍以降、涙の量は平均13%減少、目の保湿機能は平均23%低下していることがわかりました。
 主な要因は、在宅勤務によるパソコン作業の増加や、スマホ時間の増加、環境の変化によるストレスだと考えられます。

 さらに、マスク着用でも目が乾きやすくなっています。マスクの隙間から、息が“直接の風”となって目に当たるからです。

 まばたきの回数が減り、涙が少ない状態が続くと目の表面がどんどん乾燥し、ドライアイになります。それによって涙の3つの層の状態が不安定になり、視力の低下も引き起こす。これが現代病ともいえる、ドライアイの正体です。

 現代人の目は、乾きやすい状態にあるので、「意識的に目にうるおいを取り戻す=まばたきをする」必要があるのです。
 要するにまばたきは、目に必要な涙を供給し、角膜の表面を自ら整えることができるセルフケアというわけです。

 角膜が車のフロントガラスだとしたら、まぶたがワイパーで涙が洗浄液。まぶたをすることで、まぶたがワイパーのように目の表面をなぞって、涙を塗り広げてくれます。細かなごみもきれいに取り除き、適度なうるおいを与えて目の表面を整えてくれるため、「ものを見る力」も実際に高まります。

⚫︎まばたきは実用視力を改善する
「え? ホント?」と驚いた方もいるでしょう。
ほんとうです。まばたきで、「実用視力」を最大限に高めることができるのです。

 視力には、「瞬間視力」と「実用視力」の2種類があります。
「瞬間視力」は私の造語です。眼科検診など「Cマーク」の切れ目を瞬間的に見分ける方法で計るのが瞬間視力。いわば、ものを見る能力の最大限の努力値です。

 一方、より専門的な機械で60秒、継続的な検査で測るのが「実用視力」。瞬間視力よりも計測時間が長いため、その人が日常生活で感じている見え方により近い結果が得られます。

 瞬間視力は、一時的になら簡単に上がります。
目を細めると、遠くが少し見えるはずです。それは「球面収差(きゅうめんしゅうさ)」、つまり視線の中心と周辺での光のばらつきが減るからで、目を細めて視野が狭まることで焦点が絞られ、見えやすくなる現象です。

 しかし、それはその場しのぎでしかありませんし、いつも目を細めて生活するわけにもいかないでしょう。
 重要なのは、「安定して、よりよく見る」ための視力、すなわち実用視力。まばたきは、その実用視力を守り、改善してくれるのです。

⚫︎あなたのまばたきは間違っている?
 ところで「まばたきなら簡単。すぐできる」と思っていませんか? 
「しょっちゅうまばたきをしているけど、目が乾く」という人もいるかもしれません。

 実は、すべてのまばたきのうち5回に1回が、まぶたが閉じきっていなかったり、速すぎたりして“不完全なまばたき”に終わっていると推計されています。

 不完全なまばたきの割合が多いと、まばたきによる圧力を十分に受けることができず、涙の油分をつくるマイボーム腺がふさがって機能しなくなり、涙の質が低下することがわかっています。
 また、まばたきが速すぎると涙は十分に出ず、眼内にそれが塗り広がりません。

 そうです。まばたきは、まぶたの上げ下ろしの回数よりも、グイッと一度、まぶたをしっかり閉じきることが大切なのです。

 そこで、ぜひ行っていただきたいのが「完全まばたき」です。
やり方は簡単で、上まぶたと下まぶたを、0.5〜1秒、しっかりくっつけるだけでOK。

 現代人のまばたきは、平均0.3秒といわれているので、いつもより少し長めに目を閉じる意識で、ぐいっと1回、まぶたをしっかり下ろしきるようにしましょう。

 とはいえ1日に2万回ほどまばたきを、常に意識するというのは現実的ではありません。
朝起きたときや昼休み、そして気がついたときにいつでも、この完全まばたきを行ってみてください。

 私の患者さんに完全まばたきを1カ月ほどしてもらうと、「よく見えるようになった」と喜んでくださる人がたくさんいらっしゃいます。

⚫︎デスクワーカーは「極深まばたき」を
 長時間デスクワークをしたり、ついついスマホの画面を見続けてしまう人に行っていただきたいのは、完全まばたきよりも長い時間、まぶたをしっかり下ろす「極深(ごくぶか)まばたき」です。

 完全まばたきは、1回0.5〜1秒ですが、極深まばたきは2秒。1時間に1回を目安に毎日行いましょう。
 極深まばたきは、とくに若い人におすすめです。

 目の網膜が薄い年配の人より、網膜の厚い若い人のほうが目が疲れやすいからです。
一般的に、全身の筋肉は「若い人ほど筋力があり、疲れにくい」という傾向がありますが、目の網膜に関しては逆。
 若い人は網膜が厚くて感度がよく、目の透明度が高い分、光によるまぶしさから痛みや不快感が出やすい傾向があります。

 よく、「歳を取って目が疲れやすくなった」といいますが、実は「若い人ほど目は疲れやすい」。ですから、よく目の疲れを感じる人は、まだまだ若い証拠です。私がしっかりと、保証します。

 いかがですか。「たかが、まばたき」と侮るなかれ。

 まばたきのおかげで1日2万回、目には自己回復のチャンスが訪れます。
今日から1回でも多く、上まぶたと下まぶたをきっちりつける「完全まばたき」をするよう心がけましょう。

▶︎綾木 雅彦(あやき・まさひこ)
眼科専門医・慶應義塾大学医学部非常勤講師 1982年、慶應義塾大学医学部卒業。
1994~1997年、ハーバード大学に留学(医学部研究フェロー)。昭和大学医学部眼科准教授、国立病院機構埼玉病院眼科医長、国際医療福祉大学三田病院眼科准教授などを歴任。慶應義塾大学眼科学教室の研究者として知見を深めながら後進の指導にあたるほか、日本抗加齢医学会評議員などの要職も数多く務める。「ブルーライト研究の第一人者」としても知られる。著書に『視力防衛生活』(サンマーク出版)など。
(構成=鈴木裕子)
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夏こそ行うべき血流ケア〉3つのステップ 2024/07

2024-07-18 21:48:53 | 生活編

夏バテ、夏の疲れを寄せつけないためには?薬剤師が教える〈夏こそ行うべき血流ケア〉3つのステップ
 Yogaジャーナルより 240718  小笠原まさひろ


 冷房が効いた電車の中やオフィス……。冬よりも夏のほうが「冷え」を感じやすくなってはいませんか? こういう環境下では血流も悪くなり、夏バテや疲れを招きやすくなっています。
 今や夏こそ血流を意識することが大事。女性が気になる血液の話とともに日常で実践できる血流ケアをご紹介します。

⚫︎体を流れる血液が健康と美しさの要に
 血液は私たちの体の中をただ流れているのではなく、全身の細胞や各器官に酸素や栄養、ホルモンなどを運んだり、細胞から出た老廃物を回収したりしてくれる“運び屋”です。血液の流れ(血流)が悪くなれば、必要な栄養素や酸素などが全身に行き届かず、さまざまな不調を招いてしまうことに。
 健康や美しさを保つには、十分な量の血液が、体の中をスムーズに流れていることが大切なのです。

 とくに月経のある女性の体は血液に左右されやすく、漢方では古くから「血の道症」(ちのみちしょう)という女性特有の病気があります。これは月経前症候群や更年期障害などにあたり、その原因は血液不足や循環の悪さとされています。
 月経で毎月血液を失う女性は血流が悪くなりやすい。だからこそ、日頃から血流を意識することが大切なのです。

⚫︎夏こそしっかり血流ケア
 現代の夏バテの多くは、暑い屋外と冷房が効いた室内を行き来することで、体温調節を行う自律神経が乱れることを原因としています。
 とくに、今の若い人は冷房が当たり前の環境で育っているので、暑いときに汗で熱を発散し、体温を調整する体本来の機能が未発達で、夏バテもしやすいといえます。

 室温を自分で調節できればよいのですが、通勤電車やオフィスなどではそうはいきません。
 だからこそ血流にアプローチする必要があります。血液は熱を全身に伝え、体温を調節する働きもあります。エネルギーを生み出す代謝に必要な栄養素を運んでいるのも血液。ですから、血流をよくするというのは、夏バテや疲れ対策として最低限行っておくべきことなのです。

⚫︎血流悪化を招く要因
「冷え」は血流を悪くする最大の要因。
実は、気をつけたいのが冬よりも夏です。冬は温かい服装で防備していますが、夏は薄着のうえ、冷たい飲食物を摂ってしまいがち。さらに冷房にさらされれば、体は当然冷えてしまいます。
 冷えを招く要因には次のことがあげられます。
① 冷房が効いた部屋と暑い室外の行き来
 自立神経のうち体を緊張させる交感神経が過度に優位になり、血管が収縮。この状態が続くと血流が悪くなる。

② 冷たい飲食物ばかり摂る
 暑い夏はのど越しのよい冷たい飲食物が欲しくなりますが、冷たいものは体内の温度を一気に下げるので注意が必要。

③ 薄着
 夏のファッションは素足にサンダル、ノースリーブと体を露出する傾向に。冷房が効いた部屋では一気に体が冷えてしまう。

⚫︎血流ケアの3つのステップ
▶︎STEP1.血液をつくる
 漢方では、エネルギー(気)は胃腸でつくり出されると考えられています。胃腸が弱いと「気」が不足した「気虚」(ききょ)の状態になりやすく、「気」が不足していると血液をつくり出すことができません。

 生理学的に見ても、胃腸の働きが悪いと栄養の消化・吸収がうまく行えず、血液の材料を体に取り込めません。つまり、血液を作りにくいといえます。そこで次のことを心がけましょう。

☑︎ 朝起きたら一杯の白湯
 起床時や食事の前に白湯を飲む習慣をもつとよいでしょう。白湯をのむと体が温まり、胃腸の働きもよくなります。白湯といっても厳密に考えなくでも大丈夫。沸かした湯に水を足したり、水を電子レンジで温めたりするのでもOK。要は体温よりも高い温度の物を体に入れることが大事です。

☑︎ 肉食を心がける
 タンパク質は血液の材料であり、鉄は赤血球のヘモグロビンの構成要素として重要な栄養素。この2つの栄養素を効率よく摂れるのが赤身の肉。毎月の月経で血液が失われる女性こそしっかり肉を食べましょう。健胃作用のあるハーブやスパイスを組み合わせると胃腸にもGOOD!

☑︎ 食べ物の力を活用
 漢方では食材には薬と同じように体を治す効果があると考えられています。「気虚」(ききょ/気が不足した状態)には、もち米、小麦、山芋、大豆、肉、エビがよいとされ、「血虚」(けっきょ/血が不足した状態)には、ほうれん草、人参、肉、レバー、すっぽん、クコの実、ごま、ナツメなどがよいとされています。手軽に取り入れられる物もありますね。

☑︎ 夕食は控えめが基本
 四六時中、何かを口にしているような食習慣は、胃腸に負担をかけてしまいます。とくに眠っている間はしっかりと胃腸を休ませたいもの。夕食は腹八分に抑え、寝る2~3時間前には済ませましょう。
 朝起きたときにお腹が空いているようであれば、夕食の量やタイミングに問題はありません。

☑︎ よくかんで食べる
 かむことによって、口の周りにある筋肉の咬筋(こうきん)から脳に刺激が伝わります。そして神経伝達物質のヒスタミンを出すのですが、これにより内臓脂肪が燃え、体温を上昇させることが分かっています。よくかむことは満腹中枢を刺激するので過食防止にも。ひと口入れたら30回かむことを目標に。

▶︎STEP2.血液の質をよくする
 私たちの脳や体は睡眠中に疲れをとり、細胞の修復も行っています。睡眠は心身をメンテナンスする大事な時間であり、血液の質をよくするためにも大切です。
 睡眠不足は血糖値を下げるインスリンの働きを低下させたり、脂質の分解を正常に行えなくしたりするため、血液の質を悪化させてしまいます。

 現代は、「寝つきが悪い」「眠りが浅い」など、睡眠のトラブルを抱えている人が少なくありません。私たちの体は、朝起きてから15~16時間で、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、眠気が訪れるようになっています。
 ですから、起床時間を一定にして体内時計を整え、同じリズムでメラトニンを分泌させることが、夜にしっかりと眠るコツ。さらに起床後は朝日を浴びることも忘れずに。24時間よりも少し長くなっている体内時計のリセットに欠かせません。

 スムーズな入眠には、体を温めておくことも大切です。それには入浴が一番おすすめ。
 大事なのはお湯の温度です。湯温は40℃を超すと自律神経のうち、交感神経が優位になるため、神経が高ぶってしまい、すぐに寝つくことができません。
 けれども、40℃以下であれば副交感神経が優位になるので体がリラックス。さらに疲労因子が増えて体がぐったりと疲れるため、入眠もスムーズです。

 全身浴にするのも大事なポイントです。全身に水圧がかかり、心臓に戻る血液が増えることで心臓から出ていく血液も増え、その結果、血流がよくなるのです。快眠のために、つぎのことも心がけましょう。

☑︎ 室温は28℃を目安に
 寝るときの室温は暑すぎず、冷房で冷やし過ぎない程度の温度がよく、目安は28℃。
 夏の夜は少し汗をかくくらいが体のためにもよいです。湿度が高いと寝苦しいので、除湿機能を活用するのもよいでしょう。
 部屋の空気を循環させるために、冷房とともに扇風機を活用するのも一案です。

☑︎ お腹はしっかり温める
 胃腸のあるお腹周りは一年中冷やしたくないパーツ。夏でも使える薄手の腹巻を着用するなどし、寝ている間も冷えないように気をつけましょう。素材は吸放質性の高いシルクがおすすめです。
 また、大きな筋肉のある太ももや二の腕は血流が豊富な部位なので露出しないようにしましょう。

☑︎ 0時までに寝よう
 東洋医学では、22~2時は体の細胞が修復される時間と考えられています。
 生理学的には、胃腸などの消化管は睡眠中に活発になることから、肝臓では代謝が進み、タンパク質の合成・分解が活発に行われています。血液をつくるためにも0時までには寝るのが理想です。

▶︎STEP3.血液を巡らせる
 血流をよくする最後の要となるのは、筋肉。筋肉を動かすことで血流は促進されます。
 なかでも、下半身には全身の筋肉の半分以上が集まっているので、下半身を使った運動を行うのがポイントです。

 運動はしたいけど、毎日忙しいからなかなか難しい……。そんな方には、日常生活の中でちょっと嫌なことをしてみましょう。
 例えば、電車では座らずに立つ。これだけでエネルギー消費量は20%ほど多くなります。エスカレーターではなく階段を使う、歩くときは大股早歩きに。

 また、椅子に座るときは両ひざをしっかりつけるようにすれば内転筋のトレーニングになります。運動をこう考えていけば、時間がないからできないとはなりませんね。
 加齢とともに減りがちな筋肉をキープするためにも、運動はぜひ習慣化していきましょう。次のことも、とりいれるとよいでしょう。

☑︎ 家事をしながら運動しよう
 洗濯物を干すとき、1枚1枚干すたびにスクワットをしてみてはいかがでしょう。10枚干せばスクワット10回、立派な運動になります。洗い物をしたり、歯磨きをしたりするときはつま先立ち。
 これで脚の筋肉が鍛えられます。日々の家事の中にゲーム感覚で運動を取り入れてみてください。

☑︎ 腹式呼吸でリラックス
 ストレスや緊張の多い人は自律神経の乱れから血流が悪くなっていることも。
 腹式呼吸は自ら自律神経を整えられる貴重な手段です。息を吸うときは鼻からで、お腹を膨らませるようにします。吐くときはお腹をへこませながら口から吐いていきます。吐く時間を、吸うときの倍にするのがポイントです。

⚫︎まとめ
 現代では、冷房の影響などにより、寒い冬だけでなく夏でも血流ケアが必要です。
 血流の改善のポイントは、まずは、胃腸の働きをよくすること。食事で摂った栄養を胃腸でしっかり消化・吸収できなければ、血液の材料をカラダに取り込むことができません。

 次に、血液の質をよくすること。血液はただ量を増やせばよいのではなく、質も問われます。中性脂肪などの脂質の多い血液はNG。また、血液の質をよくするには、十分な睡眠が欠かせません。

 血液の量と質が備わったら、あとはスムーズに巡らせましょう。そのポイントのひとつが筋肉を動かすこと。とくに大きな筋肉がある下半身を使った運動がおすすめです。

 このように血流を改善させるためには、「血液をつくる」
「血液の質をよくする」
「血液を巡らせる」
の3つのステップが大切です。できることから、少しずつでも取り入れてみてください。


▶︎小笠原まさひろ
東京薬科大学大学院 博士課程修了(薬剤師・薬学博士)理化学研究所、
城西大学薬学部、大手製薬会社、朝日カルチャーセンターなどで勤務した後、医療分野専門の「医療ライター」として活動。ライター歴9年。
病気や疾患の解説、予防・治療法、健康の維持増進、医薬品(医療用・OTC、栄養、漢方(中医学)、薬機法関連、先端医療など幅広く記事を執筆。専門的な内容でも一般の人に分かりやすく、役に立つ医療情報を生活者目線で提供することをモットーにしており、“いつもあなたの健康のそばにいる” そんな薬剤師でありたいと考えている。
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夏バテで老化が加速?疲れをためない・長引かせない体をつくる夏の養生法 202407

2024-07-18 21:25:00 | 生活編

夏バテで老化が加速?疲れをためない・長引かせない体をつくる夏の養生法
  ハルメク365編集部 より 240718  


 蒸し暑い日本の夏は過酷そのもの。夏本番になると「体がだるい」「食欲がない」といった夏バテの症状に悩まされる人が増えます。そこで取り入れたいのが、食事で健康を維持する「食養生」。
 夏バテを防ぐ食事について、国際薬膳師の岡尾さんに伺います。
教えてくれたのは……岡尾知子(おかお・ともこ)さん
ーー鍼灸師、国際中医師、国際薬膳師。雑誌、新聞、WEBなどで健康に関する情報発信を積極的に行っている。本草薬膳学院講師、つぼみ堂はりきゅう院院長、ロータス薬膳教室主宰。著書に『はじめての薬膳生活』『野菜の事典と薬膳レシピ』(ともに法研)がある。


⚫︎東洋医学の視点で見る夏バテとは?
 暑さにプラスして、ジメジメとした湿気も襲ってくる日本の夏。国際薬膳師の岡尾さんによると、こうした蒸し暑さで最もダメージを受けるのは、消化機能と血液など水分のめぐりだそうです。
「東洋医学では、暑さの邪気(暑邪)が体に侵入すると、血液循環にかかわる五臓の心(しん)がやられ、多汗、不眠、脱水などの症状が出ると考えられています。

 一方で、湿気の邪気(湿邪)が侵入すると、消化機能を司る五臓の脾(ひ)、つまり胃腸が消耗します。脾(ひ)は水分代謝とも深くかかわっているので、ここが消耗すると水分代謝も悪くなり、食欲不振、下痢、体の重だるさ、やる気が出ないといった、いわゆる夏バテの症状が起こります」(岡尾さん)

 そしてこれらの症状は,それぞれが複雑に絡み合って夏バテをより深刻化させていきます。
「食欲不振からエネルギー不足になって疲れが慢性化したり、寝苦しさによる睡眠不足から疲れが回復しなくなったり……。夏バテは連鎖するものと心得て、早めのケアを意識してほしいですね」(岡尾さん)

⚫︎夏バテを放置すると老化が加速する!?
 夏バテは、秋になったら自然に回復するわけではなく、放っておくと秋以降の体調不良にもつながります。また、夏バテを放置すると、老化が加速する原因にもなるのだとか。

「東洋医学で体は、気(生命活動のエネルギー源)・血(血液)・津液(しんえき、血液以外の液体)の3つの要素で構成されると考えられています。夏バテは、この3つすべてが消耗した状態。中でも問題なのは、気が虚弱になることです。

 気には、元気や気力といったエネルギーを生み出す、体温を保持する、体を病気から守る、代謝を促すといった作用があります。気が弱ったまま放置すると、疲れやすさややる気が出ないといった症状が秋以降も続き、カゼをひきやすいなどの不調も起こりやすくなります」(岡尾さん)
 また、夏はたくさんの汗をかくことから、体の潤い成分である血・津液の両方が少なくなって、体内が水分不足になりやすいのだとか。

「血と津液が枯渇したまま秋、冬を迎えると、肌や髪が乾燥し、小じわや髪のパサつきといった悩みが深刻化します。さらに、気の不足によって新陳代謝も衰えますから、夏バテを放置すると一気に老化が進むリスクが高まると言っていいでしょう。特に、加齢による変化を実感している年代の方は要注意です」(岡尾さん)

 健康のためにも美容のためにも、起こさない、長引かせないを意識したい夏バテ。そこで取り入れたいのが、食事で体のバランスを整える「食養生」です。

 東洋医学に「医食同源」という言葉があるように、毎日の食事は、疲れやすい夏の体を整えるためにとても重要。岡尾さんに、夏バテ予防のために取り入れたい食べ物や食事法について教えてもらいます。

⚫︎今日から実践!夏の食養生
 岡尾さんによると、夏バテ予防で取り入れたいのは「脾胃(消化機能)の働きを助ける」「お腹を温める」「水はけをよくする」「血や津液を補う」「体の熱を取り除く」という作用を持った食べ物です。

■脾胃(消化機能)の働きを助ける食べ物
 脾胃(消化機能)の働きを助けることで、エネルギーである気を補うことができます。

【脾胃(消化機能)の働きを助ける食べ物】
米、キャベツ、ブロッコリー、かぼちゃ、いも類、きのこ類、鶏肉、牛肉、サバ、いわし、かつお、はちみつ、ローヤルゼリーなど

 中でも、夏バテ予防におすすめなのは山芋です。漢方では「山薬」という生薬で使われていて、気と潤いを一緒に補えるという特徴があり、老化防止にも一役買ってくれます。
「すりおろしてとろろにして食べるのはもちろん、加熱してもおいしいので味噌汁やスープに入れたり、肉じゃがやポテトサラダを作るときにじゃがいもの代わりに使うのもおすすめです」(岡尾さん)

■お腹を温める食べ物
 消化器官などを温める食べ物は、冷房や冷たいものの取り過ぎによる冷えを防ぐと同時に、お腹を温めて胃腸の働きを助けます。

【お腹を温める食べ物】
唐辛子、ニラ、シナモン、しょうが、こしょう、山椒、鮭、アジ、黒砂糖など

 七味唐辛子や山椒は、味噌汁やそばのトッピングに使えば手軽に取り入れられます。シナモンも、コーヒーや紅茶、トーストなどに振りかけて使えますよ。

■水はけをよくする食べ物
 体に停滞した余分な水分を排出する働きのある食材は、体の水はけをよくしてむくみを防ぎ、重だるい症状の緩和につながります。

【水はけをよくする食べ物】
とうもろこし、黒豆、そら豆、枝豆、冬瓜、ハト麦、レタス、はまぐり、豆乳など

「夏バテ予防で特におすすめなのは、ホットの黒豆茶です。黒豆茶は利尿作用がある他、血を補い、血のめぐりをよくするとされていますから、むくみ予防や乾燥対策、血行不良の改善にも役立ちます。温かい黒豆茶を食後に飲むのを習慣にするのもいいですね」(岡尾さん)

■血や津液を補う食べ物
 体の潤い成分である血と津液を補う食べ物は、汗で失われた水分を補給し、乾燥を防ぐ働きがあります。

【血や津液を補う食べ物】
にんじん、ほうれん草、小松菜、ぶどう、ピーナッツ、ごま、豚肉、卵、乳製品、はちみつなど

 中でもごまは、ちょい足しでも使えるので取り入れやすい食材です。硬い殻に包まれているので、すりごま、練りごまで取るのがポイント。また、中医学の世界で生薬に分類されているはちみつも、体の潤いを補う効果が高いおすすめ食材なのだそう。

「夏場なら、スライスしたレモンにはちみつをかけた『はちみつレモン』で取り入れてみては? 漢方には『酸甘化陰(さんかんかいん)』という言葉があり、酸っぱい味と甘い味が合わさると潤いに変わるとされています。レモンの酸味は、汗のかき過ぎを抑える働きも期待できますよ」(岡尾さん)

■体の熱を取り除く食べ物
 夏野菜など、熱を冷ます作用のある食べ物は暑気払いに役立ちます。

【体の熱を取り除く食べ物】
トマト、なす、セロリ、スイカ、きゅうり、ゴーヤ、メロン、豆腐、緑茶など

 特に、スイカ、きゅうり、ゴーヤなどの瓜類は利尿作用もあるので、暑さと湿気の両方の対策に役立ちます。ゴーヤのように苦みのある食材は、熱を冷ます作用がより高いそうです。

▶︎夏バテ予防のために控えたい食べ物
 夏バテ予防につながる食事では、できるだけ控えたいものもあります。それが、「冷たいもの」と「甘いもの」。

「暑いからと冷たいそうめんやうどんで食事をすませたり、冷えた麦茶やジュースを飲む生活が続くと、胃腸が冷えて消化不良を起こしやすくなります。

 また、東洋医学では甘いものを取り過ぎると脾が消耗するとされています。冷たくて甘いアイスクリームを毎日食べたりすると胃腸がさらに弱ってしまいますから、食べ過ぎには注意しましょう」(岡尾さん)

 冷たいものを食べた後はホットの黒豆茶を飲んだり、甘いものを食べたいときははちみつをうまく使うなど、ちょっとした工夫でも体の負担が軽減されます。いつもの食事を少し見直して、疲れやすい夏の体を労わっていきましょう。

⚫︎夏バテ症状には薄味で温かい食べ物を
 最後に,夏バテの症状が出てしまってつらいときの食事法についても教えてもらいました。


夏バテでしんどいときの食事で意識したいのは次の2つです。

■消化のよいものを食べる
「温かいおかゆやスープなど、消化の負担が少ないものを食べるようにしましょう。味付けはなるべく薄味に。脂っこいものは胃腸に負担をかけるので控えます。
 食欲がないときは、肉類より野菜の方が食べやすいはずなので、スープに使う具材も野菜を中心にするといいですね」(岡尾さん)

■ビタミンB1が豊富な食べ物を
「夏バテの主な原因の一つに、そうめんやうどんといった糖質中心の食事による栄養不足があります。こうしたときに不足するのは、糖質の代謝に必要なビタミンB1。ビタミンB1は玄米、大豆、豚肉などに多く含まれています。
 豚肉も脂の少ない部位であれば消化の負担が少ないので、無理のない範囲で取り入れていくと体力回復の助けになります」(岡尾さん)

 なお、夏バテでしんどいときは、おかゆやスープなどのレトルト食品を利用するのも一つの手。
「夏バテしてしまうと、料理をするのも億劫になると思います。こういうときは、まずは休養や睡眠を取ることが先決。手軽に食べられるおかゆやスープ、味噌汁などのレトルト食品もうまく活用して、体を休める時間をしっかりと取りましょう」(岡尾さん)

 季節に合った食養生は、健康な体づくりを助けてくれます。過酷な夏を乗り切るために、毎日の食事から疲れ知らずの体を目指していきましょう!
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